図書館での複写の<補足>

全般的&実務的な図書館においてのコピーについては以前書いた『図書館における複写(コピー)の私的まとめ(著作権法31条1について)』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/02/post-1aad.html)を参照していただくとして、ここを訪れてくれた人達の検索フレーズから基本部分と補足なんかを。
ほとんど、よくある質問は書いているんですけどね。


◎図書館における複写は著作権法(主に31条1)によります。
なので、全部コピーさせないのは図書館がいじわるしているわけでもない。
でも、図書館が複写の許可しないこともできる。
どうも利用者側に複写する権利があると思われている方が多いようで…


◎基本単位は1冊でなく1著作物です。
短篇集はそれぞれの短編で1著作物なので、単純に10ページの短編5つ(仮にA・B・C・D・E)ある50ページの本は、
A:5ページまで、B:5ページまで、…E:5ページまでの25ページまでは複写できますが、
Aの部分だけ10ページというのはできません。25ページより少ないのですがね。

極端な話、写り込みの協定がなければ、俳句17文字も1著作物なので、8文字までしか複写はできないってことです。
『複製物の写り込みに関するガイドライン』についてはこちらを参照してください。(http://www.jla.or.jp/fukusya/uturikomi.pdf

まぁ、このガイドラインも、図書館職員でさえ、勘違いしているところもあるけど、
・楽譜
・地図
・写真集・画集(書の著作物を含む)
・雑誌の最新号
は除外されているんですよねぇ…(ということで、楽譜は保護期間内であれば1曲の半分までです。短くても。)

同様に図書館間協力における現物貸借で借り受けた図書の複製に関するガイドライン(http://www.jla.or.jp/fukusya/taisyaku.pdf)は図書のみで雑誌は除外されているのに…何回か「利用者が複写したいと言っているのでガイドラインに基づいて可能か?」って聞かれました。
苦笑いしながら、「ガイドラインは図書だけですよ」って説明しましたけど。


◎基本提供可能単位
公表された著作物の一部分のコピーを一人につき一部のみです。

なかなか、『著作物』の概念が理解されないようで、上記短編集的なものや、最新号の雑誌なんかも「ここまでが1著作物」って理解されにくいとこですね。

で、利用者がよく「1枚だけですか?」と聞いてくるのですが、よく聞くと友達の分とか保存用というわけでなく、「1冊で1ページ分だけ」と『一部』を解釈する人がたまにいたりします。
実際は、1著作物単位なので、1ページであってもだめなこともあるんですけどね。そういう質問はちょっとかわいらしくもあります。

前にも書きましたが、図書館界では「半分を超えたら一部分とはいえない」ということから、「半分まで」という解釈ですけど、「半分!」はどうするか、微妙なところです。
私も半分は半分であって、一部分とは言わない気もしますが、49.99…%ってのもねぇ…
ので、「半分以下」とは書いたり言ったりしないようには気をつけています。(だからといって「半分未満」とかも言いにくいけど)

ゼンリンの地図は区分図が1著作物という主張ですので、全面(右面と左面)などの複写はできません。
まぁ、右か左かというわけではないので、紙で隠して真ん中というのは可ですけどね。うちでは道に沿って斜めにという要望もありましたけど。

検索フレーズで「2日に分けて」ってのもありましたが、何日に分けようが、その著作物単位なので、だめですって。
国立国会図書館だと数ヶ月前のも正しくチェックされて、不可と言われたようですし。
エライ!

え、他館で複写した残りの複写ですか?
聞かなかったことにします。笑
というか、だめです。
でも、チェックできないのが現状ですが。


◎上下巻・シリーズ・付録
これらは、それぞれ別物として扱われます。
「上下巻で1つの作品なんだから、上巻全部が複写可能なはずだ」っておっしゃる利用者もいますが、『上巻』という1つの著作物なのですし、もっと細かく書けば、その本文が1著作物です。前文とかは別に考えた方が無難。

基本はそうなのですが、合本は微妙。
おそらく、1冊にはなっているけど、目次などを見て元上巻・元下巻となっていれば、やはり短編集と同様に、それぞれの半分でしょうし、それがなく上下巻を読んでいないと区切りがわからない場合は、改めて半分までということなんでしょうね。

で、基本話のはずなのにいきなり応用話をちょっと。笑
小説系の雑誌、毎月少しずつ文章が載ります。
ある作家の書いた小説それらは次の月には大抵全部分複写可能になります。(その雑誌1冊の半分までならね。)
そうするとその連載終了後、出版されるだろう、単行本を最初から最後まで複写するのと同等になる…

ってことで、文芸誌は全部分複写可能は除外してくれと、権利者の一部が申しております。

これについては、作者死亡などで単行本出版に至らないケースもあるし、単行本で改変されていることもあるという理解なので、現状は上記応用はOK。と私は思っています。


◎図書館で書き写す行為
◎図書館でデジカメやスキャナで複製する行為
まず、前にも書いたけど後者。
少し前に、『デジタル万引き』って言葉が作られ、その後自粛傾向にありますけど、それと同じ考えで良いかと。

つまり、日本においては原則として利益窃盗が不可罰ですので、窃盗行為でもなく、撮影行為自体は私的使用目的の範囲内で著作物を複製する場合となるので、著作権法違反にもならない(複製したものつまり、その画像を送信したら、即違反。)。
お店の敷地内で行なわれることなので、お店は売り物に対し管理権を有するので、お客の本や雑誌の取扱いに制約を課すことは、可能なので、注意したり、やめさせたりできるのと一緒。

よくビニールで覆って書店で立ち読み禁止とか見るけど、そういうのも一緒。管理上のこと。ついでに、違反した利用者に立ち入り制限を課すことも自由。

図書館だと、立ち入り制限を課すのは微妙だけど、同様に「著作権法違反で」というのは、ちょっと難しい面があります。
「許可なく館内における撮影行為等を禁止します」と一文書いておいて、「資料管理上、ご遠慮いただいています」というのがベストかなぁ。

で、前者。
いわゆる文章のメモだったら、私的使用でしょうし、資料を痛めないので、大丈夫でしょう。
が、わざわざそれで検索してくるということは、その問題は、トレース行為なんじゃないかと勘ぐってみたりします。
トレースすることももちろん複製行為なのですが、私的使用だと言われるとやはり、もめます。

でも、先に書いたように、ボールペンやシャープペンでやられると、痛むので、管理上、やめてもらえますけど、痛まないように配慮されてだったら、「ご遠慮」ですかねぇ。

ついでに、手描きだと、自分のノートにキャラクターを描く程度であれば、大丈夫なのですが、それを販売したりするのは違法です。
もう少し書くと、それを図書館内などに常設展示するような場合は、著作権法に抵触することがあります。
例えば、お話会のメンバーが作ったぐりとぐらの看板だとか…

よくペットボトル持ち込みで注意すると、「フタはちゃんと締めているし、館内では飲んでいないからいいでしょ?」と言われるのと、一緒で、「それを真似て持ち込んだ人が汚したり飲んだりするから」みたいな。

私的使用でも複製一切禁止にできないのは、普通のメモ行為も抵触するからなのかなぁと。


◎DVD付録の扱い
DVDで、文字情報だけっていうのは、ほとんどないと思うので、動画が含まれていたら映画の著作物になります。
なので、購入した雑誌についているDVDは本来であれば許諾を得ないと貸し出せません。

でも、最近、「図書館での貸出以外のレンタル禁止」とか、ちゃんと書いてくれている出版者さんがいて、それはちょっと感動ものだったりしますが、原則、「貸出してよいか」と問い合わせるのが正当。

可能であれば、全出版者さんが、図書館で貸出OKかどうか明記しておいてもらいたいなぁ。


◎ブースで録音・撮影
管理上、目的外使用ということで、一律禁止というのも可能です。
もちろん、ダビング行為は、公共物だろうとそういうお店で置かれているものだろうと、私的使用範囲外なので、問題外です。
上のデジカメ撮影と同様、持ち込み機器だと管理上やめてもらえる。

で、知り合いの某氏が「それは盗撮だ」って言っていたので、それは違うんじゃないかと、ちょっと確認。
『映画の盗撮の防止に関する法律』が成立していますから、そういう言葉が出たのかもしれませんが…

この法律は著作権法30条1項の規定を適用しないこととしてあるので、そのため、映画の盗撮行為は複製権の侵害となり、刑事罰の対象になります。
もちろん、この法律を待たずに著作権法によれば、海賊版を流通させる目的をもって映画館で映画を録画したり録音する行為は、著作権法21条や著作権法119条1項により、刑事罰の対象になるのですが、これを読んでいる方がご存知のように著作権法30条1項は、その目的が著作物の私的使用であるならば、著作権侵害とならない旨を規定しているので、除外する法律が必要だったのでしょう。

なので、この法律以後は、「病気で入院中の弟のために」とかどんな理由であっても、映画館で映画を撮影しちゃいけないということになりました。

確かに、映画館における映画の録画・録音行為を禁止できる法律上の根拠として、(先にあげた図書館での管理上云々と同様に)施設管理権や誰も読みはしない観客との契約などもあるので、映画館内への録音録画機器の持ち込みを禁止し、実際の行為を制止することもできますし、見つけたら退場&再入場禁止も可能ですが、荷物チェックなどもちょっとねぇ…

この第2条3号で、映画の盗撮の定義が『映画館等において観衆から料金を受けて上映が行われる映画(映画館等における観衆から料金を受けて行われる上映に先立って観衆から料金を受けずに上映が行われるものを含み、著作権の目的となっているものに限る。以下単に「映画」という。)について、当該映画の影像の録画(著作権法第二条第一項第十四号に規定する録画をいう。)又は音声の録音(同項第十三号に規定する録音をいう。)をすること(当該映画の著作権者の許諾を得てする場合を除く。)をいう。 』ってなっています。

なので、「映画館等において」で図書館におけるホールでの上映会は含まれます。

でも、料金を受け取ってはいないので、撮影しても映画の盗撮には当たらないです。
ついでに書くと、ブースでの撮影は『映画館その他不特定又は多数の者』にも当たらないので、私の判断(映画の盗撮行為というわけでない)に軍配でしょうか。

もちろん、「管理上やめてね」ですけど。笑


…全然基本になっていないや。
でも、こんなに図書館の複写関係で検索している人が多いということは、それだけ、図書館で判断に困っているということでしょうか?
悩むなら、そこの出版者の編集部にでも電話すれば、解決するのですけどね。(時には認められているはずのことも「それはご遠慮ください」と禁止されちゃうこともありますし、逆もまたあったりするので、臆せず交渉してみるのも経験です。交渉の仕方で回答が変わることもあります。恐い編集者もいますが、優しい方もいますし。ちゃんと著作権担当者もいますからねぇ、大抵。)

おそらく、私のエントリーだって、カウンターで利用者を待たせて見ているわけではないでしょうから、図書館で複写関係の問題があって、それの回答を探しているみたいな感じでしょう。

一番の理想は判例をじゃんじゃん作ってもらうことで、金銭的に余裕のある一般利用者が、前にあげた判例ではないけど、「図書館が複写をさせてくれなかったのは、心外」ということで、裁判があれば良いのですけど、この手の裁判があまりないのは、「裁判を起こすほどのことではない」というのもありますが、一番最初にあるように、「図書館が複写の許可しないこともできる。」というのがあるので、複写範囲の判例にならないからなんでしょうね。

それなら、逆に権利者側が、「ここまで複写させるのは31条を満たさない!」って訴えなら、どこまで満たすかの判例になると思うのですが、そのためには、利用者が図書館で権利者の訴える範囲まで複写した事実が必要になるのですけど、図書館側は秘密を守る云々などもあり、申込書を提出しないでしょうし、利用者だってわざわざ権利者に「これだけ複写させてもらえたよ」なんて言わないでしょうし。利用者も訴えられる範疇になるでしょうし。

そうすると、権利者側の息がかかった人が、図書館で申請し、受け取った複製物を元に、訴える…そこまでやると複写申請が虚偽申請で逆に図書館に訴えられる可能性もあるし…と考えていくと面白いです。


次こそはDVDの上映権とか補償金とか書きたいけど、なかなか資料がなぁ…前も書いた気がするけど、補償金上乗せ分は権利者の言い値ですけどね。
法的にも補償金額は『相当の』とあるから、定価の数百%といったところでしょうか。

最近の複写関係の検索ワードからのエントリーでした☆

| | コメント (1)

雑多な話題オムニバス1(twitterの使い道・今の図書館員のためのバイブルは?) 

<twitterの使い道>
 カレントアウェアネス・ポータルで『JLAもTwitterを開始』(http://current.ndl.go.jp/node/13423)とあり、「へぇ~」程度でもチェック。
思ったとおりというか、思ったよりひどかったというか…今後に一応、念のため、偶然があるかもしれないし、期待だけはしておいてみる。笑

 ただ、団体がtwitterを使うのは、どうなんだろう?確かに、リアルタイムに今何が起きているかの情報発信手段としては良いのでしょうが、企画展示の情報であれば、普通にWebページでも良いでしょうし、速報性的な形だとしても、ブログレベルで大丈夫だと思うんですけど…

 まぁ、私自身、使い始めて間もないから、一人つぶやきというか、Webメモ的な利用ですから、使い慣れてくると、情報発信手段の一つとして有効という判断になるかもしれないけど、今のところは…う~む。

 例えば、この中ですごい投稿数になっている横芝光町図書館を例にとると、twitter以外でも真似を試みたこともありますが、私なんかには真似できない速度で情報発信をされておられます。
 それはそれで、すごいので尊敬を通り越して、神様的なのですが、あえて気になった点を書いてみると、twitterは担当者が頑張っているだけなのか?という点。
 他の図書館のtwitterを覗いてみると、たま~に気が向いたら『つぶやく』という感じですが、横芝光町図書館はほぼ毎日…すごい。
 今月の休館日は月曜日と2日が休館日のようですが、27日現在、2日と15日はつぶやきが入っていますけど、日曜日と3日、23日、25日だけがない(見えない?消した??)…ということがわかります。ということは、担当者がお休みの日は誰も書かないということなんでしょうけど。

 ブログだと、予約投稿などがあるので、時間のあるときまとめてということが可能ですし、未来投稿も可能です。(イベント予告とかは未来投稿で公開すれば良いのですし)
twitterは、細工できるかもしれないけど、たぶんリアルタイムなんでしょうから、担当者の休みなく入力すると、ただでさえあれだけの更新をブログやWebサイトでしているのですから、人間ならば壊れます。もしかすると、壊れない人なのかもしれないですが、私なら、1週間もすると死にます。
 ただ、自分の休みの日に、他の同僚がやってくれると、とても助かります。
 まぁ、まだ試行期間中なのかもしれないので、他人に頼んでいないのかもしれませんが、もし、twitterをフォローして見ている人が、担当者休みの日に見ていたら、「あれ?今日は休館?」って思ってしまうかもしれないのが、ちょっと危惧。
 そんなことを書くと、担当者が無理をして倒れるかもしれないのが、私にとっては最大の危惧するところなんですが、以前にも何回か書いたけど、一人担当とか、一人エキスパートとか、それだと、その人頼みなんですよねぇ…万が一のことがなくても、その図書館の担当になったら、みんなが無理なくできるようにしなければ、持続されないんですよね…

 これで、どこぞやの図書館のように、Webページの変更も起案・決裁が必要なとこが、twitterをやろうとしたら、どういうことになるのか、見物ですが、おそらくそういうところはしないでしょうね。笑
 うちは、最初に起案したきりで、更新は私任せなので、たまに誤字チェックが入りますが、比較的ゆるやかですから、やろうとすれば、できると思うのですが、八面六臂ではないので、通常業務の上にtwitterは無理。

 まぁ、ブログで『図書館員のつぶやき』とタイトル共通にして、更新していっても同じような気もしますけど…(自分の館では在り来たりなWebサイトしかないですけどね。)

 個人的には荒れるのは必至ですが、図書館にいる利用者につぶやいてもらったら、面白いなぁと思ってみたり。
 「今図書館で何してる?」から始まり、「新しい雑誌が装備されて置かれたよ」とか、「今日返したこの本面白かったよ」とか、よく、カウンターで一言二言交わすような簡単なことでもつぶやきで書かれると面白いかなぁ。
 『図書館つぶやきボランティア』ってのも面白いかもしれない…

他には、図書館のレファレンサーがつぶやくとか…
手が回らないときには、他の手が空いている人が回答するみたいな…

 もう少し、twitterに親しんでから、どういう情報発信方法が良いのか、考えてみます。


<今の図書館員のためのバイブルは?>
 先日、かつての…いや、今も一部には熱烈な信仰を集めているかと思われる『市民の図書館』(日本図書館協会,1976年版)を改めて読む機会があり、ふむふむと読んでみました。
 まぁ、30年も前のものなので、私には「あ~そういう時代だったんですね」と、想定されている中身の違いに苦笑いだったりします。まぁ、適当に順にピックアップ。

 『11公共図書館の基本的機能』で『公共図書館の基本的機能は,資料を求めるあらゆる人々に,資料を提供することである。』と最初にあります。私はひねくれていますから、「資料を求めない人には提供しなくて良いのか?」とか「『その資料を提供』とはないので違う資料の提供も可なのか?」とか、しょーもないところに突っかかりながら、その後も「そもそも国立国会図書館ですら100%の資料があるわけでないから、『資料に対する要求にこたえるだけでなく』というより応えてさえいない現実は?」と冷めた目で見たり…で、なかなか読み進まない。

 確かに、私も一応図書館員ですから、利用者の要求にはできるだけ応えてあげたいですが、『利用者の求める資料は原則としてどのようなものでも提供する』というのは、どうなんだろう?「他の図書館にあれば」「購入許可が下りれば」「予算があれば」など『諸般の事情が許す限り、提供する』のが現実的で、『諸般の事情』を『極力減らすように努力する』のが目標で、理想は80%の提供といったところでしょうか。「『原則として』だから100%ではない」のであれば、原則ではない場合も列挙してほしいところです。

 「夢は大きく」でも良いのですが、実現不可能な理想をあげられても、現実とのギャップが大きすぎて、若手のつもりの私としては、お先真っ暗感になってしまいます。やっぱり、熱烈な図書館司書の方では、いつかは100%可能になるとでも思っているのでしょうかねぇ…まぁ、30年も前の話ですし。

 こんな感じで書き始めると、いつ終わることない感じなので、ざざっと。
 『12知的自由と公共図書館』では『個人の力で必要な情報を探し出し利用することは,ますます難しくなってきている』とあるが、図書館ですら難しくなってきている現実(レファ協でも未解決がたくさんあるし)に「30年前は図書館ならできると思っていたのか…」と羨ましく思い、『情報が一部の階層に独占されることなく』ってとこで「そんなことはない」と思ってみたりしました。

 『13市町村立図書館は公共図書館の中核である』では『住民に直接サービスができるのは,市町村立図書館である。』って言葉にヒット。前も書いたけど、県立図書館は主な業務として直接サービスより市町村立図書館の支援をお願いします。

 『14市立図書館は全市民に奉仕する』では『図書館は資料を提供するところであって,座席と席だけを提供するところではない。』…ブログやtwitterでつい最近見たような…笑。でもさ、図書館で資料を使ってなら学校の勉強もOKなら、学習参考書を図書館所蔵にしておけばきっとOKになるんですよね、『原則としてどのようなものでも提供する』んだし。というか、個人的にはキャレルデスクは椅子なしで、閲覧席は机なしのスツールでいいんじゃないかと思うんですけど…本を読むのに机が必要なら通勤電車に机があるでしょうし、調べ物をする時って、私だけかもしれないけど、机の上に何冊か開いて、チェックしながらメモするから、椅子に座らないことが多いし…

 『15市立図書館は一つの建物ではない』では「図書館長の地位は30年間変わっていないんですが?」と苦笑いすると同時に、『館長が図書館サービスの専門家』である必要があるかどうか疑問。個人的には「館長は図書館サービスの理解者」であれば、資格とかあまり必要ないかも…と。

 『16市立図書館の仕事』では『貸出しとレファレンスのこのような構造的関係を理解することは,当面図書館は何を重点に行うべきかを考える上で重要なことである。』とあるのですが、30年経ってもいまだ当面で次のステップには進んでいないんだなぁと改めて実感しました。

 『2 いま,市立図書館は何をすべきか』は『21市立図書館の現状』と『22サービスの重点』があるのですが、『市立図書館の現状は貧しい』とか今の現状を言っているようでもあり、やはりここでも『当面の最重点目標』の「貸出」と「児童サービス」と「サービス網」が30年続いている現状に気付かされます。30年前、児童だった人はもう大人になっているのにねぇ…目標達成すらしていないんだろうな…。ここで、ちょっと世代のギャップが1つ。『図書館もまず貸本屋くらい市民に親しまれる存在になってから』とあったのですが、「そもそも現在の貸本屋の現状は??」と『貸本屋』なるものを利用したことがないので、ふと悩んだのですが…「今ならレンタルビデオみたいなもん」と言われ、それでもとても親しまれている感はしないのですけどねぇ…
 で、話を戻して、当面の目標だったものがその後長々と続きます。

 『3 貸出しをのばすために』で気になったところは…『保証人を立てさせるような図書館は,最近ほとんどなくなった。』って…あったの??30年前は。私も先日図書館業務の登録についてこのブログで書かせてもらいましたが、転居しても住民票を移さないでいる人に保証人云々って書いたんですけどねぇ…市町村立図書館の県立化のときも『昔の中央図書館制度』などご指摘されましたし、温故知新というか、昔は昔で問題があったから今があるんでしょうが、今の問題を解決するには昔に学ぶ必要もあるのかもしれないのかなぁ…私だけか??『延滞料の徴収は労多く効少なく』とあるんだけど、取って良かったんだ…30年前。とか、ちょっと「あれあれ?」と思うことが多かったりします。

 そんな中『36図書選択』、つまり今で言うと選書について書かれているのですが、『なるべく幅広く網羅的に収集』と『需要に応じきれない図書は,複本を買うべきである』が矛盾を来たしていることが、予算という有限の資源を使っている時点でわかろうものを…。まぁ、貸出が増えれば予約も増え、図書費が足りなくなって、要求すれば無尽蔵に増えるという甘い考えがもたらす結果なのかもしれませんが、30年変わっていないんだなぁ…。この中にあることを現状に合わせて考えてみると、「質の高い資料を蔵書にしても利用が増えないのは,市民の要求に合っていないので、実は要求が質の低いものなんだ」ということなのかなぁ?『図書館が考えているほど低くはない』とあるけど、『高くもない』のか。

 『4 児童サービスを広げるために』は、比較的効果が現れた数少ない事例なんじゃないでしょうか。ただ、(登録票を)『正確に書くことができない低学年の子どもには,図書館員が書いてやる』とかありますが、住所すら言うこともできない高学年の子が多いのですが?笑。それと、『成人図書以上に立ち入った評価を与えなければならない。』とか、ちょっと変なとこもありますし、『良書で人気のあるもの』と書いている時点で「大人が良書として考えているもの」では人気は出ないと思うんだけどなぁ…ついでに、これが30年前で、市民の読書要求を高めるためのサービスだったはずだったと思うんだけど、結果は??おそらく、最近の方々が述べられているように、児童サービスで読書習慣がついたように思えたけど、現実は付いてなく、YAでサービスがほとんど見られなくなって、習慣がなくなって成人に至るというのが、本当だったのかもしれないですね。もちろん、YAサービスが充実したとして、これから30年後、結局変わらないかもしれないけどさ。笑

 『5 図書館の組織網をきずくために』では、分館や移動図書館について書かれているんですが、利用者の身近に図書館を置くのは確かに賛成で、異論はありませんけど、この章、水道の蛇口を例にしているのですけど、貯水池(中央館)が枯渇することや、水が無限に出てくるわけでないのを忘れて、書かれているような気がします。まぁ、最近ですからねぇ、ダムが干上がったとかニュースになったの。

 『6 図書費を増やすために』は『61図書費の重要性』は皆知っていることですが、今の現状をみると、やはり「貸出数かけるなんぼ」とかでは予算は付かないわけでして…すでに論外なんですよね。

 『7 サービスをすすめるための規則と権限』は条例や規則などの例があるのですが、目についたのは『72 規則』の『○○市図書館運営規則』の例で『つぎに掲げる日を除き図書館奉仕をうけることができる』、つまり休館日は「祝日」と「年末年始」と「日曜日」と「資料整理日」と「特別整理期間」となっています。30年前のこれをバイブル化するのであれば、是非とも祝日と日曜日を休館日にしましょう!笑

 『8 奉仕計画』では計画の立て方などが記述されています。『83まとめ』で計画が実行できない原因で挙げられている例が『1.計画にムリがあった』『2.サービス計画を実行する条件(予算,職員など)が目標に達しなかった』『3.方法に誤りがあった』『4.職員の意欲,協力に欠陥があった』『5.計画をたてる時の考え方に誤りがあり,現実認識に誤りがあった』『6.市の社会的な変化が急激であり,この変化に柔軟に対応できなかった』とありますが、計画が甘く、予算もあまり伸びない状況を30年近く続けてきている現状は、『まとめがよく行われ』ているわけではないことを如実に表しているのでしょう。

 『付 その後の発展,ほか』の『2ひろがる文庫活動』は、今の身近にない図書館を補完するのに、今でこそ発展して欲しいことです。
 また、『5図書館員の問題』として『図書館に専門職員をおくようになっていない自治体が,なお少なくない』とか『なかにはおく必要がないと主張する自治体すらある』って、「今もそうじゃん」って言いたくなるような内容でした。
 読み返した感想を二言でいうと、「30年前とほとんど変わっていない」「当面の目標が永遠に達せられていない現状」がわかります。

 他にもこの時代「中小レポート」とか出されていますけど、それは長くなるので割愛して、今の図書館員のためバイブル的なものはなんだろうなぁと考えてみると…

 ない??笑

 「望ましい基準」も「これからの図書館像」も表現が抽象的な面も多くどうもはっきりとした目標となるものでもないし、「浦安図書館に~」も愛読している人が多いけど、タイトルに個人的には難色を示したいところ。嫌いじゃないし、読んだけどさ。

 個人的には『発達段階別図書館の指針』とか、『設置状況別これからの図書館像』とか、そんな図書館員必携&愛読的なものが出されると良いんですけどねぇ…
 30年前と検索貸出方法ぐらいが変わっただけで、ほとんど変わらないのですが、改めて、『都道府県民・市町村民の図書館』みたいな資料がまとまってくれると嬉しいなぁ。もちろん、今の状況では貸出至上主義的なのが改めて出るかもしれませんが、対抗馬的な資料も是非どなたかに出して頂いて…と他力本願。笑

| | コメント (0)

志を継ぐということ。

 今日はたまには愚痴の一つでもこぼします。
 ちょっと仕事柄気になっていた会があり、Webページにアクセスしたが、ページがなくなっていた。
「もしかすると、見ていない間にページを引っ越したのか?」と思い、素直にGoogleなどで検索…
いくつか違うURLもあったのですが、ことごとく該当ページなし。
 過去のアーカイブに載っていたメールアドレスに送付したら戻ってきましたが、検索時に見つけた別のアドレスで、ようやくその会を担当している方に連絡がつきました。
 その方の話によると、担当者だった方が病気でなくなられて、ページの更新が不可能になったということで、活動も細々とその方が色々模索しているようで、実質休眠状態とのことでした。

 インターネット全盛の現代、昔のように一箇所に集合して会議をしたりしなくても、ネット上での会議や打ち合わせなどが可能ですし、インターネットを使って遠く離れた人も有志として参加してもらえるというメリットもあります。
 もちろん、会なので、諸活動をする場合や広報(会誌・会報などは会員専用ページでPDFファイルなどにして会員のみ見られる方式でもよいでしょう)など、金銭的に費用がかかることもあるため、会費などの徴収や活動資金の調達が課題になると思われます。
 ただ、少人数で活動を開始した当初であれば、代表の居住地が会の本拠地で、紙代とかは会員の自腹だったりすることもあるので、そのレベルなら、なんとかやっていけるでしょうね。
 ある程度大きくなって、事務所的なものを設置したり、片手間でない職員を置くとなると、その人の人件費やらなにやらで、無会費での運用が難しくなってきます。
 たぶん、その辺はNPOを設立した人などであれば、もっとノウハウがあるとは思うのですがねぇ…

 で、実際、その気になっていた会を引き継ぎたくても、亡くなった担当者の意志もあるでしょうし、現状は休止中であったとしても現に急遽引き継いでおられる方もいるわけですし、正式に引き継げなければ、活動は半永久的に休止になり、その会で作られたものなどは新たに使えない状況にあります。
 他にも、担当者や牽引者が亡くなったり、手を引いたため、存続しなくなった会もいくつか知っていますが、多少自分が関わっていたものは、無くなって寂しい気持ちがします。
 もちろん、それと類似した会を改めて立ち上げる方法もあるでしょうが、会の方向性と合わなくて脱会したというものでない限り、1から設立するのは思いの他大変ですしねぇ…
 まぁ、それに私なんかが立ち上げても求心力は0ですから。笑

 さて、図書館でないところから、話は始めましたが、以前のエントリーでも触れましたけど、率先して企画する人や中心になった人がいなくなると、図書館でもレベルは低迷し、いつしか楽な方へ流れていくことが多いと思います。
 もちろん、日々図書館に身を捧げているような人がいるのは構いませんが、突出した才能がある人ほど、その人が欠けた後の状態は散々なものになると思います。
 つい先日、テレビを見ていたら、工場の社長が「職人は簡単に育たないので、仕事が不況で少なくなってきている今、逆にその(忙しくない)時間でじっくりと職人の育成に努めている」という旨を話していたのを見て「そうだよなぁ」と。
 図書館司書もある意味職人っぽい面もあるので『志を継ぐ者』の育成って大事なんでしょうね。

 ただ、図書館に限らず志を継いだ人がいても『青は藍より出でて藍より青し』にはなかなかならないのが現状のような気がします。図書館界でよく名前を聞く某氏とか、確かにその功績は大きいものですが、その意志を継いだのであろう人たちは、その意を曲解してしまったり、二番煎じなことしかできなかったり、他の意見を聞けなかったり…
 もし、本来の師弟関係ではないにしても、その師のような人だったら、「こう思うだろう」とか、「こう言うだろう」とか、その人が亡くなっていないで隠居している人であっても、そんな話が出るのはどうかなぁ?と。生きているのであれば、意見を聞いてもらえばいいのに…
 その優秀な先人たちがいた時代と今の自分たちがいる時代では、図書館一つとっても、大きく様変わりしています。
 もちろん、図書館の根本は変わっていないかもしれませんが、枝葉はやはり違うのに、同じ手法で事足りると思うのは間違いだと思うのですけどね…

まぁ、永久に続くというものはないのがこの世の理なんでしょうし、『他人に任せるよりは自分でやった方が早い』と思ってやってしまう人が多いと思いますが、それだとその人がいなくなった時に、成り立たなくなってしまいます。
 実際、私もわけあってお休みをもらった時に、説明していた業務が滞っていたことがあり「ちゃんと細部まで伝わってなかったなんだなぁ」と反省することがありました。確かに、例えば「Webの更新をタグ打ちでやれ」っていうのはやったことのない人にとっては無謀ですし、時にはパスワードを伝えてもいないものがあったり、細やかな点で伝達エラーが発生していることがわかったので、それを基に万が一の場合に備えて引き継ぎファイルを作っておかないとなぁと。
 私のレベルでもそんなのでしょうから、優秀な方々の引継ぎ項目は細かく起こせば広辞苑くらいになるでしょうか?
 志やノウハウを伝えるのって、書くのは簡単ですが、ほんと難しいものですね…

 私自身、若い方だと思っていますが、同志に近い後継者作りを徐々に始めないとと考えています。若くても万が一ってこともあるし…
 それに加えて、能力的にはダメダメな私ですから、本業で手一杯の上に会の発足なんて、家族を犠牲にもしたくないですし、無理なのですが、発足したい会はいくつかあったりします。
 もちろん、私なんかより代表に相応しい人をヘッドハンティングしないと、きっと成り立たないのでしょうが。笑

 野望的にはいつの日か『新・日本図書館協会』の発足を夢見て、日々頑張るといったところでしょうか…

…読み返すと、ずいぶん抽象的なので、せっかく読んでくれる方に悪いなぁ…
ので、雑多な短い話をいくつか。中身はやっぱりないけど。ごめんなさい!
(twitter的に。笑(いや、twitter登録はしているんですけどね、入りにくくて…だって、つぶやくのはいいんだけど、ネットに繋ぐ時間が異なれば、つぶやく前に話が先に行ったりする気もするし…ので、非公開設定。笑))

・当館は車いすの方でも上の資料が取れるように、書架を低めにしているのですが、逆に一番下の棚も取りにくい気も。同様に膝が悪い年配者には書架の一番下の棚の資料は取りにくそう…ということで、業者に軽く相談。棚がスイッチひとつで上下稼動するなどいいかなぁという話になりましたが、書架改造にどれだけお金がかかるのやら…もちろん、一番下の棚と天板に資料を置かないというのもありなんでしょうが、収容能力がねぇ…お気軽にお声がかからないので悩みの種です。(逆にお声をかけたら「いや、自分でやるからいい」って言われたし。)

・職員からの質問。「予約が殺到しそうな資料に自分たちはいつ予約をかければいいのか?」「利用者優先なのはわかるが自身(職員)の利用者的な立場は?」…私の回答。「う~ん、数名予約が入ったら、その後になら。」(心の中では『買って読んだあと寄贈してよ』笑)

・見た目簡単そうな貸出処理。研修生などにも指導するのですが、案外スムーズにできない。「ほら、ちゃんと(資料の)スキャンできていないでしょ」「ほら、処理画面のメッセージを確認して」「ほら、利用者の顔と資料のバーコードと処理画面をちゃんと見て」と、案外小言を言っている私。

・図書館の効率化云々の資料に目を通し…「職員複数で選書会議などをするのが人件費の無駄なら、TRCの新刊全点案内のベル(『新刊急行ベル』:図書館の利用度が高いだろうと思われる新刊書を発売前に確実に確保し、任意のお申し込みによる自動送品するTRCの仕組み)の全点買いにすれば、選書にかかる人件費0だが?」とひねくれてみる。昨年度おそらく全点買いしても400万円程度なので、雑誌を200点くらい購入して200万くらいですし、資料費700万円もあればそれなりの図書館にはなるような…効率を考えるのも大事だと思いますが、例えばレファレンスだって調査レファレンスなんて人件費ベースでどれだけ効率の悪いことか…

・そんなことを考えていたら『それなりにまともに見える図書館を作るには』と、空想に走ってみたり。笑
偽医者になるにはどんなことが必要なスキルかと考えると本当の医者に必要なものが見えてくるのと一緒で、「図書館を本気にどうこうしようと思わない人が『この図書館は良いですね』と言わせるためにはどうすれば良いか」を考えると、『図書館』として必要なことが見えてくるかなぁと思って。

・ついでに、少し古い記事『もっとも効率的な図書購入方法とは?(英国)』(http://current.ndl.go.jp/e364)を思い出してしまった。

・「レファレンスは利用者の見つけた時の喜びを図書館職員が代わりに感じるもの」って感じに書いてあったページを探しているけど、見つからず。

・「ゲームソフトの収集をした方が良い」って旨が書かれた(うろ覚えな知識だと北海道の方が書かれた)論文も見つけられず…

・植物の名前レファレンスで特徴的にこうかなぁと思っても、図鑑類では花の色が全く違う感じ。でも、ネットで見ると受けたレファレンスの植物と似たような色なものがちらほら出ていて…こういう場合は、URL参照で提示するしかないかなぁ…もちろん、図鑑もするけど。

・当ブログの検索フレーズで『複写 全部』っていうのがいつもちらほらある。図書館で全部複写可能な場合は、著作権の保護期間が切れた場合か、著作権者から許諾を得ている場合のみで、「借りて自分でコンビニで…」というのは図書館の与り知らぬところです。笑 

・同様に『会社 資料 複写』というのもよく見られ、おそらく「会社の会議で必要な資料を複写する」なんでしょうが、図書館は著作権法31条で『図書館その他の施設で政令で定めるもの』に入るので、特定条件の下に複製が可能であって、本来会社で新聞記事の複製をコピーして会議とかはダメです。まぁ、公益法人で文化庁長官の指定でも得られれば可能なんでしょうけど。

今日はそんなところで。

| | コメント (0)

子供と図書館

 doraさんのDORA-LOG2でのエントリー『[File3-1-4]ブックスタートコラボ企画』(http://dora-hikarilibrary.air-nifty.com/column/2009/06/3-1-4-58f6.html)を拝読して、「そうだよなぁ」と数ヶ月前のあきらめ感をぶり返してしまいました。

 おそらく、私のここ何回かのエントリーの中に『登録率』を上げるための話を書いていたかと思いますが、住民全員に利用券を配布して、転入してくる人には転入時特典の一つとして利用券を配布し、出生届を出してくれた人には「おめでとうございます、是非図書館をご利用ください」と新生児へ利用券のプレゼントとか、例えば幼稚園の入園や小学校の入学、もっと大きくなって成人式など特定イベント時に配ると、利用されるされないは別にして登録率は100%…広域利用者もいるでしょうから120%ぐらいにあがるんだろうなぁと前から考えてはいました。もちろん、『利用したくない人の権利』は抜きで。笑

 まぁ、極論的な考えも好きな私ですから、本当に提案する気もあったりするのですが…(まぁ、自治体内の特定小学校だけであれば、授業の一環で「利用券を作ってもらって図書館で本を探して借りてみよう」というのがあって、その学年は100%の登録率なのですけどね。)

 で、そんな中、ちょうどdoraさんのエントリーと似たような状況が館長を筆頭に始動できそうなところまで進んだのですが、結局頓挫した経緯などを手始めに、今日の話に持っていこうと。

 うちの館の場合、ブックスタートは、検診を主催する保健部門(保健センターとか)がメインで行なわれていますが、会場が図書館外であるのが、後々ネックになりました。流れはこんな感じ。

・「カード発行する対象はどうする?」
 まぁ、まず、○ヶ月検診を受ける赤ちゃんは必須。赤ちゃんだけ作れて、「親が作れないのはどうよ?」
 そうなると、一緒に来ている兄弟も欲しい子いるよねぇ…

・「ついでだから、資料を借りられるようにもしようよ。」
 いいね、会場の一角を借りてのブックスタートだから、カードができて、その日にまた図書館へ…というのは、確かに母子ともに無理があるし。
 それなら、いっそブックスタートのリストにある本をはじめ、赤ちゃん向けの本や育児・読み聞かせ関連の本を集めて貸しちゃおう。

 貸出は、POTを使えば良いよね、停電時にでも使えたし…(ほら、調べたら、ブックスタートの時、他の自治体でも利用券作れて、本も貸せているみたいだし…)

・「ところで、どうやって利用券を作る?」
 えっ?プラスチックを溶かして、表面を印刷して…とかでなく?笑
 …あっそうか。外部からシステムに入れないや。(登録データを送付できない)
 たまに会場で見かけた親子が(戻ってきた時)図書館に来ているよね?それだと、データ登録していないカードだと図書館内で使えなくない?せっかく図書館に来てくれたのにさ。

 じゃあ、先に仮登録しちゃおうよ。赤ちゃんだけ作ることにして。
 それなら、うちの自治体の赤ちゃんの登録率は99.9%くらいになるかもね。
 でも、「いらない」って親いるんじゃない?
 いらなければ、利用券渡さないで、その仮登録データ消去すればいいだけでしょ?
 いいのか?まぁ、それでいいか。で、対象赤ちゃんの把握は?
 それなら保健部門から名簿もらえばいいんじゃない?

・「電話したけど保健部門が個人情報だからくれないって。」
 じゃあ、伝家の宝刀『住基』でも使う?
 でも、前回欠席者とか転入者の赤ちゃんをヒットさせられないよね。自分の子のだけない!というのは悲しいでしょ。
 リストをもらえないなら、その場で申請書を書いてもらわないといけないよね…

・「その情報をどうやって送ろうか」
 …電話は?
 事務室でPC借りて、メールで送るってのは?
 個人情報を電話やFAX,メールって危ないでしょ?外部からも入れるように一時的にWebサーバに穴あけておくか?
 もっとまずくない?笑
 (今考えれば、何も入力されていないが登録してある(空登録の)利用券を作っておいて、後から申込書に渡したカードの番号を控えておいて、戻ってきたら修正入力するって方法もあったなぁ。と。よし、次回はこれで提案してみよう。)

・今後のブックスタートをどうする? 
 ブックスタートだけ、単独で図書館でやるってのは?
 ○ヶ月の赤ちゃんのいる家庭って、あまり「あっちだこっちだ」とされるのは、赤ちゃんもお母さんハードだからやめた方がいいんじゃない?
 ブックスタートだけにだと確かに…
 実際、色々な理由(時間がない・上の兄弟の時に説明を聞いた・次に予定がある・親戚が幼稚園の先生)で「配本だけで」って人も多いじゃん、図書館だけでやっても同じだよね。
 お母さん自身も、赤ちゃんをあやしながらだと、説明聞いていないことも多いし。
 保育を頼むとかは?
 首がしっかり座っていれば頼みやすいけど…他に預けられる人いない家庭も多いですしねぇ。
 土日とかなら?
 うちら土日休みじゃないんですけど…笑
 そうだよねぇ…

(・「」書きは誰の発言というわけでなく話の区切りの主な発言です。)
と、いった感じで話が進み、結局例年通り(申込書の配布)になった経緯がありました。

 他のところを見ると、最初に集会みたいに集まって、実演を見て、説明を聞き、それから検診というところもあるようですが、横の連携が出来ていなければ、どうも消化不良。
 数時間おきにミルクが必要な月齢の場合が多いので、午前中から午後までかかってというのもねぇ…

 ブックスタートを実際にやってみて、ちゃんと耳を傾けてくれる親は、おそらく、こんなブックスタートを銘打たなくても、絵本を買ってもしくは図書館で借りて読んであげられる人が多いんじゃないかなぁと。

 北広島市の図書館で『netmama読み聞かせ講座』と銘打って、E-mailを利用した読み聞かせ講座があったのですが、それと同様に、E-mailもしくは文書送付の郵送通信を利用して『ブックスタート講座』を開催して、3回くらいの講座が終わって、はじめて本を配布するというのがあってもいいかな。
 ブックスタートの意義を検診の時のバタバタしている時に説明してもわからないような気もしますし。(実際、本をもらったことしか印象に残っていない場合が多い)

 さて、子供と図書館の関わりを考えていくと、胎児の時期に読み聞かせをするための絵本やヒーリング系のCDを借りていく親、妊娠の経過などの資料を借りる親、名付け事典などをたくさん借りていく親など、生まれる前から図書館に来てくれる子供たちって案外います。
 お腹の中の赤ちゃんへの読み聞かせとか、図書館イベントがあっても良いと思います(けど、一番響くのは身近な人の声なんでしょうけど)。もちろん、妊婦さんですから、両親学級などに出前講座というのもありかもしれません。

 無事に産まれて、ベビーカーに揺られてお出かけの先が図書館ならば嬉しいのですが…0~1歳の子は、要求手段が少ないので、よく泣く。なので、お母さんはおちおち本も選んでられない。挙句、一部の人からは「うるさいなぁ、もう」って声がしそうな空気が…
 まぁ、これは図書館の構造や書架配置の問題もありそうですが、育児書系など読まれそうな本を一般書の書架ではなく、児童コーナーに『赤ちゃんと親のコーナー』を作っておくとか、工夫も必要なのかもしれません。
 もちろん、赤ちゃんが怪我をしないような配慮も必要ですけどね。(保育所併設図書館ってあれば良いのですが…本を探す間、預けたり(有料ででも)、保育相談にものってあげられるときっと助かります。)
 そんな頃、ブックスタートが始まるわけで、ストーリーはわからないけど、きれいな色が目に入ってくるのが、楽しい時期なんでしょうね。前からめくろうが、後ろからめくろうが、赤ちゃんは楽しいのです。終いには食べたくなるのでしょうけど。笑
 
 『子供の成長と図書館』というわけでないので、その後の成長と図書館の関わりは、すっ飛ばします。
 5歳くらいまでの関わりは、親が一緒に連れてきて、一緒に本探しを楽しむ(親が読ませたい本を探すのではなくね。)とか、0~3歳のためのお話会は3~5歳に比べて比較的少ないように思えますが、それでも、図書館に来る親に連れられて、お話室でお話会に参加するなんかをするでしょう。

 ただ、この年齢くらいまでは、どんなに子供が図書館に来たくても、親が連れてきてくれないと、まず無理。
 おそらく、図書館に行ったことがない子は、「行ってみたい!」ってことすらないと思います。

 確かに、3~5歳の園児レベルだと、幼稚園や保育園への出張お話会サービスとかで「図書館というところには、もっといっぱい楽しい絵本があるよ」ということで、宣伝すれば、「図書館ってどんなところだろう?」と興味を持つ子もいるかもしれません。

 でも、その日に「図書館って絵本がいっぱいあるんだって、行きたいなぁ」って親に言っても、連れて行ってもらえなければその日の関心はそれでおしまいになると思うので、親の方をどうにかせねば。

 イトーヨーカドーの子ども図書館のように、親子がよく行く場所に図書館があると、やはり、良いですよね。
 個人的には、子供が歩いて行ける距離に図書館があって、魅力ある蔵書と子供を歓迎する職員がいるのが理想ですし、コンビニ並みに図書館あれば、日常に図書館があると思うのですけど…
 どうも、図書館の多くは、家から車で行かないと行けない場所にあることが多いような…(駅前とか、大人には便利なのかもしれませんが、私が子供の頃は、駅にすら行ったことがなかったですし。)

 まぁ、土地が確保できなかったんだろうな、大人の事情で。笑

 それなら、家庭文庫促進計画とかの方がもっと良いかと思います。ご近所に家庭文庫があれば、親も安心して送り出せるし。
 ただ、あくまで家庭文庫ってボランティアみたいなものだから、残念ながら週に1日とか何時間だけとかになるんでしょうが、自治体がもうちょっと補助を出してあげないとねぇ…
 そうなると、幼稚園の隣に配本所みたいなのを併設すれば、いいんじゃないかな?と思ってみたり。
 幼稚園図書館って学校図書館みたいな図書室あるとこあんまり聞かないし。特に公立は。(~附属であればあると言えばある、ないといえばない状況だけどねぇ…)

 図書館にいる人間は、図書館の良さや絵本の面白みを知っているから、「こんなに魅力的なのに…」と思うのでしょうが、それよりも魅力を感じるものが子供たちの周りにはたくさんありますから、親に連れて行ってもらわないと行けない図書館よりは、家にあるゲームの方が楽しいのはもっともですし。

 小学生の読書離れ活字離れの話しはここしばらくあると思われます。その対策として絵に描いた餅的な『読書活動推進計画』とか、読み物系が中心のような『朝の読書運動』とか、私自身、国語や授業の延長上でなければ、もちろん効果があると思いますが、それだけで『本を読むようになる』のでしょうか?ちょっと疑問。
 図書館としても、学校に出前読み聞かせやブックトーク、図書館で開催されるお話会の案内や調べ学習の資料の提供など、積極的に関わっている時期なんですよね…
 もちろん、図書館に来てくれる子供も少なからずいますから、現状の事業も継続するのでしょうが、それとは別な方法を取る必要もあると思います。

 前述のdoraさんは『[File106]子どもの読書離れについて図書館の政策』(http://dora-hikarilibrary.air-nifty.com/column/2009/05/106-1e7a.html)の中で、「子どもたちの生活導線上に子どもの本を置き、つまり「網を張っておく」ことにより、多くの場面で図書館の本と接することができるようにしてはどうかと考えている。」と述べられており、もっともなことだと思いましたけど、小学生の出入りするとこってどこだろう?と思い返すと、『口うるさい大人がいないところ』なんだろうな。

 例えば、ショッピングセンターのゲームコーナーやおもちゃ屋さんには子供たちがたくさんいます。公園のベンチにも携帯ゲーム機を持った子供がたくさんいます。そこに本を置いても、おそらく手に取ってくれる確率は少ないような気がします。同様に、人気テレビアニメのCMの中に図書館のCMがあっても、アニメと関連しないCMはスルーされるような気がします。結局、それ以外のことをするために集まっているのに、本があっても…(攻略本は別でね)。
 で、大人が、列車で通勤する時に読むための本が駅にあれば、手にとられ、返却も駅にブックポストがあれば良いというような発想と同じくして、『子供が必ず通り、手持ち無沙汰になる場所に本を置く』というのであれば、効果は大きいでしょう。

 そうすると、絶対行くのが、まず学校であれば、学校。だからといって学校図書館(これも校内にはあるけど、本を読まない子にとってはわざわざ行く場所)ではない場所…玄関前や校門そばで、かつて(私の子供の頃には)よくいた教材販売の営業のように、ブックトークというセールストークを展開し、その場で貸出すれば、効果あると思います。(もちろん、人員を割くのが難しいのでしょうが)

 そう考えると、昔の紙芝居屋さんではないですが、青空の下で子供を集めてお話会とか、ただ単に置くだけでなく、本と人をセットで売り出す(アピールする)方法がいいんだろうな。

 欲しいゲームソフトの情報であれば、自分で調べて、ゲーム雑誌を読んで、お店の発売日情報を見て、情報収集し、貯めたお小遣いと親の顔色を見ながら、予約して手に入れることができるのに、朝の読書で読む本は「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でいい」「ただ読むだけ」なので、もっと選ぶのが簡単のはずなのですが、学級においてある学級文庫の本を手にする子が多いような気がします。
 でも、学級文庫だとここだけなのかもしれませんが、読み物系が多いですよね。確かに、写真集やマンガ・コミック以外という条件付きなのもあるのでしょうが、絵本や図鑑、野球・サッカーの本などが読まれるケースは(低学年なら絵本も置いてあったと思いますが)あまり見られません。個人的には10分・15分で読みきれる本が良いと思います(絵本を1日3冊でも読めば、情緒的にも効果はあると思いますし、もし小説系を読んでいて読みきれなくて、続きが気になって授業に集中できないよりは良いでしょう?)し、マンガでも日本の歴史とかひみつシリーズなんかは学校の先生の立場的にも可で良いとは思いますけどね。
 もちろん、その学級文庫への貸出資料も図書館がやっているところもありますけど、どうも本を貸すだけで、「あとは任せた!」って感じもしなくはありません。
 
 子供に読んでもらいたい本は、確かにいっぱいあります。でも、それが本当に子供が無条件に読みたい本である確率は少ないんだろうなぁ、と、『学校図書館にあったら読みたいなと思う本』の(地元小学校の)アンケートの結果を見て思いました。
 確かに、大人の意識と子供の意識は乖離していることが多々ありますから、子供たちにその本の面白さの情報をどうやって伝えるか…、逆に子供たちはどうやって本の情報に接しているのか…と考えるのがキーなんでしょうね。
 自分の子供に「この本面白いから読んでみたら」って口コミを人為的に流すというのも面白そうだと思いますけどね。笑

 そもそも、大人が子供たちに『本を読んでいる姿』を見せているでしょうか?大人の自分は時間がなくて読まないけど子供には「ほら読め、読め」って言っていないでしょうか?
 仕事で朝早く家を出て、夜遅くまで働いて、もちろん本を読む時間もあまりないし、通勤電車で読んでいても、子供に見せることはないでしょうが、子供だって学校に行き、塾に行き、部活をし、友達と遊ぶのに忙しいのですからねぇ…そりゃ読まなくなるわ。

 以前、冗談で、「『国家プロジェクトとして、夕方19時半~20時まで、テレビ放送をストップし、国民はその時間、免除されたもの以外は読書をする義務を負う』ってすれば、読書活動が推進するんじゃない?」って話をしたことがありましたが、経済活動が停滞するという大問題はともかく、そのくらいお膳立てしなければ、大人の読書が定着するってことはないんじゃないかと思ってみたり。

 で、アンケートの回答を見て、かいけつゾロリなどの定番のシリーズ物とかはもちろん、高学年では携帯小説など、借りられていてなかなかお目にかかれない資料だったり、口コミ広まったのだろうものだったり、確かに「学校図書館にはあまり置いていないよな」とか「朝読では読まないよな(眺めるのが中心の本など)」と思う資料の名前があがっており、「あれ?読みたい本に偏りはあっても、それなりの情報は子供たちもちゃんと持っていて、関心はあるんだなぁ」と実感しました。(「書け」と言われたから書いたって感じのも少数ありましたが。)
 
 それにしても、小学生は、本を読まないとしても文字も読まなくなっているのでしょうか??
 シューティングゲームなどは文字が少ないですが、RPG系やシミュレーション系、マルチシナリオのゲームには文字が読まれる状況にあります。
 もちろん『○○があらわれた』など、短文や特定メッセージのくり返しが多いですが、シナリオの内容部分もちゃんと読んでいますし…(それも私より上の世代だと「ちゃんと読んでいるの?」と思われるくらい早く。)…クリアまでに読む文字数的にはなかなかのものだと思います。 

 TRPGをやっている小学生はあまり見たことがないですけど、アナログな遊びですが、触れる機会があるときっと夢中になれると思います。

 ゲーム系で図書館とのコラボ企画でもあれば、もうちょっと参加してもられえると思うのですが、マンガやアニメ、ゲームなどで図書館をメインに使っていただいているものは少ないですからねぇ…

 それ以外でも携帯でメールしている文章は読んでいますし…

 これから出てくる電子ブックのようなものが、携帯ゲームの形態に近いと思いますし、『図書館DS』などのソフトでそれなりに需要は見込めますが、問題はソフトを買わないと読めないということ。

 将来的には今最先端的な電子ブック貸出サービスのような形で、図書館サイトにアクセスして、本を借り、携帯ゲーム端末で普通に本を読むようにはなるのでしょう。「いつまで、ゲームやってんの!」という小言に「いや、図書館で借りた本を読んでいるだ!」と画面切り替えするとか…笑

 いつかの囲碁ブームのような別メディアが主体となった図書館ブームが起きればなぁと期待しつつ、ドラマなどで気軽に個人情報を教えちゃう図書館職員役に苦笑い&ブーイングをしながら、過ごしているのですが、なかなかメインをはれませんね、図書館は。
 (いやね、ムシキングのようなカード収集系ゲームやトレーディングカードゲーム系を図書館が全面に出るように作ってみようとか、『学校を作ろう』を真似た『図書館を作ろう』的なゲームを考えたりしているのですが、確かにしっくりこないです。笑)

 別方向へ話が進みそうなので、軌道修正。
 うちの館だけか、どこもそうなのかわかりませんが、小学校で読書習慣が付いたように思えてきたのにも関わらず、中学生になると部活も本格的に始まり、一層、読まない子は読まなくなります。(もちろん読む子は読むのですが、読んでいたように見えた子も読まなくなるようで、定着していなかったんだなぁと思うことしばしば。)
 日々出てくる疑問についても、先生などに聞くより、友達に聞いてわからなければ、そのまま忘れていくことが多くなっている(他人に聞くことが恥ずかしいことと思うのでしょうか?)子が増えているような感じです。
 YA世代へのプログラムもそんなにないですし。
 部活に恋にと、より一層忙しくなる子たちに、「中学生になったのだから、もっと長い本を読みなさい」的なことを言っても、難しいんだろうな。

 私自身、ブックトークや読み聞かせに中学校に行きますが、絵本を必ず入れます。生徒も「おいおい絵本?」って思うから、案外興味を示してくれるし、先生たちの評価はわかりません(建前やお世辞というのがあるわけだし)が、子供たちには割かし好評のようです。
 私は感想を聞かないようにしているのです(生徒の反応を見ればわかるでしょ)が、どうも先生が感想を書かせたくなるようで、目を通させてもらっていますけど、絵本は内容も覚えられるしスッと入り込めるようです。

 最後に話の展開がまずくて、書けなかったけど、言いたいこと一つ。
 子供の読書経験とか朝の読書とか、大人はどうも効果を期待するのですが、子供は生きているのですから、統計上の効果らしい効果がみられない子もいますし、数年後積み重なった経験により効果が見られる場合もあると思います。子供自身が楽しいと思えれば、効果はすぐに現れるでしょうし、現れないのは、読まされている感があったり、中身が楽しくなかったか、その時はたまたま違うものに興味があったからなのだと思います。
 大人だって興味のないことを「時間を毎日1時間あげるから、やりなさい」と言われても、嫌でしょ。
 その子にあったその子が楽しめるものを渡していくのが司書の仕事の一部なんだろうなぁと思う今日この頃です。(理想からはほど遠い私ですけど。笑)

 ということで、今日のまとめ。

・「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でいい」「ただ読むだけ」の家庭・家族でおこなう『夜の読書運動』をやると、子供が本を読むかも?こんな時代でも大人の姿を見て子供は育ちます。

・図書館はもっと積極的に子供と関わろう。資料やリストの渡しっぱなしにならないよう気をつけよう。

・子供の成長は早い。ゲームする経験も本を読む経験も全て成長の糧であり1つの経験でしかないかと。本を読めば優秀になるというわけではないのだし。

| | コメント (0)

利用券の発券(新規&再発行)

 検索語を見てみると、複写関係でのアクセスが多いこのブログですが、『図書館 + ○○』って感じの検索ですと、ブログ中の言葉でもヒットになってしまいますから、探しているだろうテーマでないことも多々あるでしょう。
せっかく見ていただいたのに…ということで、その検索語の中から業務に関するのがちらほらあったことから、書くことに事欠いた時のテーマとして、『勝手に図書館業務シリーズ』をシリーズ化してみる(笑)。もちろん不定期。
せっかくなので、順序良く書いていこうと思い、表側の仕事から。

 図書館を利用する時、公立図書館であれば、駐車料金は取られることはあっても(もちろん最初から無料なところもあるし、銀行系などで見られるように、駐車券を○時間無料の手続きをしてくれるところもあるけど)、入館料は原則取られません。
 つまり、旅先でふらっと図書館に寄って図書館の雰囲気を味わったり、図書や新聞や雑誌を眺めたり、旅先なのにAVブースで時間をつぶしたりもいいですし、その図書館でその街の歴史や見所とか、美味しいお店とかレファレンスをしてもらうのも良いかもしれません。(私はよく道を聞く。笑)

 利用者の入館は図書館業務としては明確なものはないですが、強いてあげれば、玄関前の清掃や整備だったり、初めての人でもわかりやすい書架配置やサインだったり、笑顔で迎える気持ちの準備(人間だもの、朝気分の悪い時だってありますし。)だったり…その辺??

 まぁ、細かく書けば、無断持ち出し防止装置(BDSとかBPSとか呼ばれるゲート)の起動や入館者カウンターのリセットなんかもこの業務か。
 華麗なリセットボタンの押し方とか、言及できる点があれば良いのですが、その辺はスルーで。

ということで、図書館利用者が行なう『利用券の発券』という業務からスタートです。

<利用券の発券>
 図書館で資料を貸出して欲しいときに、利用者が行なうのが『利用登録』です。
『利用申請書』とか『図書館外利用申込書』(○「としょ・かんがい・りよう・もうしこみしょ」で「としょかん・がい」ではないらしい)とか、ようはその手の申込書を利用者は記入します。

 この申込みが可能な人というのは、図書館の運営規則などで決まっていて、主に「その図書館のある地域の住民」や「その地域に通勤・通学している人」とか「周辺市町村に住所のある住民」というのが、多いところでしょうか…
 中には、「住所が確認できるのならどこでもOK」という図書館もありますね…この場合海外の住所で借りて返し忘れて帰宅しちゃったら、督促状はやはり届くのでしょうか…届くのでしょうね。

 「その他館長が認めたもの」という条項があるところなら、館長さえ説得できれば、作れるかもしれません。笑

 この申請が虚偽でないかどうかを確認するのに、図書館員の多くは住所確認という作業をします。
 通常であれば、住民票の写しや免許証、保険証、消印のある郵便物、電話帳など(信用度は右に行くほど低下?笑)で確認とする場合が多いかと思います。
性善説に立てば「申請書を確認作業なしで信じる!」なのでしょうけどね。

 まぁ、この単純で簡単な決まりにおいても、色々な問題が発生したりしています。

・「大人はいいけど子供の確認は?」

 よくあるのは、「自分宛の消印のある郵便物を持ってきてね」とか、一緒に保護者がいるのであれば、「保護者の確認で代えさせていただいています」とか、「電話帳で確認します」とかですかねぇ…
 もちろん、「小学生以下は申請書は書いてもらうけど住所確認作業がありません」って館もあります。
 小学生の高学年でも自分の家の住所や電話番号がテキトーな子もいますし、返すのを忘れる子も多いことから、督促状を送るためにも正確な住所の確認が必要だと思われるのですが…(もちろん性善説なら返さないことはないのでしょうけど)

 親子一緒に図書館に来ていて「ねぇ、私利用券作りたいんだけど?」と相談しながら利用券申込書に記入して作成するのなら、良いのでしょうが、『利用者の秘密を守る』として『貸出情報』の他、最終利用日などの『利用情報』も秘密として守るのであれば、『図書館の利用券を持っている』も秘密にになるでしょうし、そうであれば住所確認はその子が自分でできる範囲(『保護者の証明書』でないもの)でないといけないんでしょうかねぇ…

 一番楽なのはその所属小学校に問い合わせしてなんでしょうが、小学校だって「個人情報ですのでお答えできません」と断るのが普通。
 自治体内であれば、住基システムで確認という(運用上多少問題あるかもしれないけど)最終手段も取れますが、広域利用者の場合は難しいですしねぇ。

 電話帳に載せていない人が多い現状を考えると、消印のある郵便物が子供でも可能ですかねぇ…保険証のコピーでもいいけど、親に言いたくない子であれば、親に言うと「何に使うの?」と絶対聞かれますので、できないでしょうし。
 ただ、なんたらメール便的なDMなら来るかもしれないけど、消印のある郵便物はなかなか来ないこともありますし、年賀状ならなんとかあるかもしれないけど、越してきたばかりとかだとねぇ…
 小学生で在学証明書というのもなんだかなぁ…学生証ならぬ児童証とか園児証とかなんて聞いたこともないし。

 まぁ、最低限、正確な住所を書ける子でなければ1人で申請できないというところでしょうか?
 小学校高学年で友達の名前と住所などを書いていた子もいたので、個人的には住所の証明が必要だと思います。(電話帳の確認であれば、嘘の申請で書いたその親の名前もわかるし、指さしできるし)
 その住所証明は、郵便物(消印のない年賀状やメール便も含む)か、親に保険証のコピーをもらうか、学校から証明してもらうか、自治体内なら住基で確認するかなんでしょうね。

・「住民票を移していないんだけど?」

 普通に引越して住民票を移す手続きする前に図書館に来館してくれる人もいて、それはそれで嬉しいのですが、虚偽登録で持ち逃げ…いや、借り逃げという話を聞いていると、「役所で手続きした帰りに寄って下さい」とお願いしたくもなります。
 学生であれば学生証、一時的な単身赴任とかなら職場の証明などあるので、良いのでしょうが、諸般の事情で住所を移せない人だっておりますから、そういう人にも貸してあげたいけど、ルール悪用する人もいるからなぁと、悩むところ。
 どこか公的機関が、「住民票はないけど、この場所に住んでいると証明する」というものが出れば良いのですけどね。(給付金云々でも問題が出たはずですが)

 それか、アパートなどの契約ではありませんが、連帯保証人みたいな人がいればOK(その保証人(可能であれば住基でもチェックできる図書館と同一自治体内の人)同伴で来館してその保証人の住所確認ができたらOKといった感じで)とするというのなら実用的かもしれませんが、あんまりそういうの聞かないなぁ…

 外国人の方も、本当なら転居したときに、その自治体の窓口に行って変更登録しないといけないと思うのですが、「数ヶ月~数年ごとに現場が変わるので…」って変更手続きをしていない人もいたり…

 同様に、
・「免許証の書き換えはまだです。」
・「保険証に住所って書くんですか?」

 「正直でよろしい」というか、そう言われると困っちゃうんですよね。
保険証だと「その場で書けばいいんでしょ?」と言われることもありますしねぇ…
職場で渡された時に「書くこと」って言われないんでしょうか?

 免許証だって、道路交通法で『第94条(免許証の記載事項の変更届出等)免許を受けた者は、第九十三条第一項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、速やかに住所地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の住所地を管轄する公安委員会)に届け出て、免許証に変更に係る事項の記載(前条の規定による記録が行われる場合にあっては、同上の規定による記録)を受けなければならない。』とあるので、先に手続きしてくれ…ってのが本音。
(よく考えたら『速やかに』って曖昧ですよね…、出生届とかは日数決まっているのに…)

 もし、図書館が、何かあったとき(借り逃げとか)に最後まで追いかけるつもりであれば、申込書と一緒に免許証や保険証のコピーを取っておくと良いでしょうね。それを条件に申請を信じるという形でうしょうか、やるとしたら。
 よくレンタルビデオ屋とかだと写しを取るけど、図書館でやっているところありますかねぇ?私が知らないだけ??

 いや、もちろん、これらの場合「住所の確認ができない状態なので作れません」と断るのが大多数なんでしょうけどね。

 さて、住所確認はなんとか代替でもできたけど、在学・在勤という条件でも問題が発生します。
 まず、在学関連では…

・(4月はじめに)「今度、○○に入学するのですが、入学式がまだなので学生証ないんです」

実際、うちでもあった事例なのですが、確かに入学式が終わらないと、学生証もらえないんですよね…学生だと住所を移していない人も多いから、困るんですけどね。

 まぁ、その学校の合格証とか入学金納付証明と、住居の契約書なんかの合わせ技(公的機関の証明ではないけど)で、それに代えるってことも考えられますし、保障の確保ということであれば、実家の住所を確認できるものの提示を求めるという方法もありかもしれません。

 次に、在職関連では…

・「パートでどこそこに勤めているんですけど、利用券作れますか?」

 在職の証明として、厳密に会社の身分証明書や在職証明書の提出を求める図書館もありますし、偽造があるかもしれないけど、住所確認は最低限するのだから、名刺をもらってそれに代えるところもありますが、パートさんだと名刺を持っていない人もいるから、任用通知や契約書くらいでしょうか?

 まぁ、住所確認さえちゃんとできれば、「どこそこに勤めている」というのはそのまま信じるということもありなのかなぁ?
 新会社などだと、その会社もあるのかどうか確認しなきゃいけないのもなぁ。
 パートでも在職証明書は出してもらえるでしょうから、運営規則に則って業務遂行するのなら、「在職証明書をもらってきてください」なんでしょうね。
 他にも建築関係などで、「建て終わるまで数ヶ月こちらの現場に来るんだけど?」とか、派遣社員などの短期雇用なども、一応その自治体内の勤務なのでしょうから、職場の証明があれば良いのですけど、面倒な場合が多いみたいですね。

 他の登録時の問題としては…

・「本人がいないけど利用券って作れるか?」

(うちの館の場合ですが)原則、本人の来館が必須なのですが、来られない人への配慮も必要だとは思います。

 通常であれば、来館する代理人を立ててもらって、代理人依頼書みたいな押印された書類を作ってもらい、本人の住所の証明と代理人の証明をさせてもらって…ってのが普通かなぁ?

 立てる代理人がいなくて、「電話で登録して郵送貸出ってしてもらえませんか?」という場合は、他の図書館ではどうしてるんでしょう?同一自治体内であれば住基なんでしょうが…

 ということで、利用登録の条件が『同一自治体内か特定広域自治体内に在住か同一自治体内で在学・在勤の方』という簡単な条件なのに、その証明をするのになかなかスムーズにいかないもんだと実感する日々であります。


 せっかくなので、似たような業務として『利用券の再発行』の話をする前に少し脱線。こう考えていくと、全国・全世界のどこの人でも貸出できるという図書館でないのが、多数を占めているのであれば、館外貸出は住居地などで制限しているところが多いのだから、利用に制限がないのは閲覧のみということですし、それであれば前にも書きましたが、対価を取ってはいけない『図書館資料の利用』は『閲覧まで』でも良いとは思うのですけどねぇ…

 それか、利用登録前に無料の『図書館の利用の仕方講座』を受講してもらい、それを修了した人のみ、利用券発行という制限もあっても良いような気がしますが、『利用講座』はあっても、利用券発券条件にはなっていないんですよね…

 ところで、以前どこかで書いたか言ったか忘れましたが、住民にもれなく利用券を配るのはどうなんでしょうね?
「図書館を使わない権利もある」って言われそうですが、住基カードに図書館利用番号を組み込む事例も出てきたわけですから、まだ事例がないと思うけど登録業務しなくても住基カードを持ってくるとそれだけで借りられるような感じでも良いと思う延長線上の考えで、使わなかったら破棄してくださいじゃだめなんでしょうか、やはり。
 まぁ、どちらもたしか前に書いたことですから、続きに話を戻しましょう。


<再発行の場合>
 新規の時にカード発行手数料という料金を取るところは、公立図書館ではほとんどないのですが、再発行に関しては、有料…とは言っても、実費程度の図書館をちらほら見かけます。(閲覧は無料で出来るんだから、借りたいときの手数料または利用券料を取ってもいい気もするのですが…)

 大学図書館だと500円というところが多かったりもするのですが、公立図書館だと数十円から数百円まで色々です。(もちろん再発行無料のところも多いですけどね)
 もちろん、再発行の実費ということであれば、わからなくもないのですが、「なぜ新規の時は実費でない?」と思ってみたり。(いわゆる無料の原則に抵触するから?再発行の場合はしないという理解??)
 複写だって、図書館資料の利用ですが、10~50円程度実費ですよね?
 まぁ、その図書館の運営規則上そうなんでしょうから、いいんですが。

 で、この再発行の実費徴収を深読みすると…
 利用券の裏によく『住所変更などがあったら届け出てください』とか『利用範囲外になったら返却してください』とあるので、返却を要するのであれば、もしかすると『利用券』って本人の物ではなく、「あなたの番号は○番ですよ」という図書館による利用券の貸与という理解にすれば、スムーズかな?

 そうすると、『図書館の物をなくしたんだから、その弁償料だよ』と。(それなら、理解可能。)

 さてさて、この再発行、利用者の「なくしました~」ですぐ発行すると「やっぱりありました~」ってなるパターンが多いので、うちの館では「1ヶ月ほど探していただいて」と条件を付けています。
 もちろん、その間は『利用券忘れ』と同一手続きをして借りることができます。
 まぁ、その手続きが面倒でなければ、再発行手続きをしなくても良いのですけどね。笑
 他の図書館だと仮カードを発行したりするところもあったと思いますけど…
 手続きが簡単だったら、きっと紛失率が上がるんじゃないかなぁ?「無くしても再発行してもらえばいいし」って。(そういう統計も取ってみたいな…)

 再発行の手続き方法としては、大抵新規手続きと同様な手続きが取られている図書館が多いと思います。
 その時に改めて住所確認書類の提示をお願いすると、「新しい住所の方ですか?」って…『変更したら届け出てって書いてあるでしょ!』(心の叫び)
で、住所変更手続きと一緒にやろうとしたら、「まだ新しい住所に住民票移していないんで…」と。笑

 利用券の有効期限があって、その都度、住所確認などの手続きをしている所はまだ良いのでしょうが、有効期限があっても『その間利用があった場合は自動更新』みたいな条項があるところなどでは、再発行だったり督促状が戻ってくるなどの事態にならない限り、『利用者の変更手続き待ち』となることが多いでしょう。

 中には「結婚して名字も住所も変わったけど、実家に帰省した時に借りれるからと思って…」とそのままの人もいますし…(督促の連絡の時、(実家になるので)「○○はもう家にはいません」って言われるし…)


 ということで、図書館では利用券発券から手間がかかることが多いこともあるということで。

 最後に、利用券発券に関する私の疑問を1つ。
 手のひら静脈認証で登録して、利用できる図書館(例えば那珂市立図書館)があります。
 誕生日を端末入力し、手のひらをかざす形だったと思うので、手をかざしてみて、誤認識された人の番号でってことはないようですが、利用券レスなのは良いけど、手を怪我したらどうなるんだろう?
 もちろん、免許証とか別の身分証明書みたいなものを持っている大人ならまだ良いですが、子供は?子供は怪我し易いし…
 利用券の不正利用みたいなことはほぼ0ということで、有効な方法だと思いますし、カウンター前で「あっ、これは○○図書館のカードだ…えっと、こっちは…」ってトランプみたいに広げられることもなくて、良いのですが、「(勤務時間中の)夫に頼まれて△△を借りてきてと言われたのですが…」とかの場合、手のひらを切ってよこすわけにもいきませんしねぇ…利用券なら渡しておくことが可能ですけど。
 うちでも、そういうメリットがわかるので、導入したいとは思っているのですが、大好きな星新一さんのショートショート『頭の大きなロボット』や『番号をどうぞ』が頭をよぎって導入に躊躇してみたりしています。笑

| | コメント (0)

図書館におけるインフルエンザ対策

 最近は、新型インフルエンザで休館する図書館が出てきているのですが、図書館ではどうすれば良いんでしょう?

 今図書館で行なわれているのは…
 まだ周辺住民に新型インフルエンザの患者がいないところでは
・新型インフルエンザの情報のリンク集を作る
・同じく、最新情報の掲示をする
・インフルエンザ関連資料の企画展示をする
なんてところが多いでしょうか…
 新型インフルエンザそのものの資料ってH1N1でなくH5N1ならたくさんあるのになぁ…まぁ、予防の対策的にはいいんでしょうが。

 もちろん、患者のいないうちに、患者が発生したらの対策を練ることも内部的にはやらなきゃいけないことなんでしょう。

 患者が発生するまでの対策としては
・職員のマスク着用
・利用者のマスク着用の奨励
・アルコール殺菌剤等の設置
・返却資料のアルコール殺菌
が上記に加えてあることろでしょうか…
まぁ、感染者でない人がマスクしても、予防効果がないという話も聞きますがねぇ…

 患者が発生したら、『不特定多数が集まる公共施設』ということで、対策的に
・企画・イベントの中止
・休館にする
というパターン化しつつあるような…

 まぁ、私自身「自分の命や利用者の安全がどうなっても図書館は開館する!」なんて戯言は絶対に言いませんし、それはそれで予防の必要性から、国なり自治体の対策本部なりが判断するので、良いとは思いますが…

 「あれ?季節性インフルエンザや結核の発生のときってどうしてたっけ??」とふと思ってみたり。

 季節性インフルエンザはともかく、H5N1の鳥インフルエンザと同等の二類感染症である結核の発生のときって、休館した図書館ってありましたっけ?

 もちろん、パンデミックになるならないの差などもあるので、一概に言えないのでしょうが、私の少ない記憶には今回みたいなことはなかったような…

 季節性インフルエンザが流行しているとき、確かにマスク着用とかを職員はしていましたし、学級閉鎖になっているはずの児童も休みだからって来館したり、他館の話では「どうみても(インフルエンザ感染で)ふらふらしている子も来館した」って話を聞きますし、現在の新型インフルエンザで休校になっている生徒が繁華街で遊ぶ場所探しながら歩いているという話も聞きますので、図書館以外で感染する確率の方が高いんじゃないかな?(どうせ図書館は3割の利用しかないようですし…)

 そこで、新型インフルエンザ患者が図書館利用可能圏内(もちろん図書館はどこの誰でも閲覧利用などはできるでしょうが、広域利用圏内ぐらいの範囲)で発生した時、『休館なら休館で何ができるか』とか『それでも開館する時はどうするか』とか考えてみたいなぁと。もちろん、対策本部の指示には従う予定ではありますけど。

 まず、『休館中』の図書館利用について。
 全てをチェックしているわけではないですが、26日くらいまでの1週間程度休館ということで、返却日や予約取り置き日を1週間程度延長と書かれているところが多いですね。
で、それ以外は普段の休館と一緒のよう…それで良いの???

 何度も書きますが、『開館した方が良い』とは言っていません。
 あまりにも突然の休館なので、『不要不急』ではない「明後日提出のこの書類の書き方は?」とか「急な冠婚葬祭であいさつ頼まれたんだけど」といったことはそれでも不要不急なんでしょうか…つまり、不要不急でないことへの対応をしてあげられないのかなぁ?と。
例えば、電話やメールによるレファレンスでも、郵送貸出でも、やれることはやってあげたいような…

 どうせ、職員は休館だからって出勤しないってわけではないんですよね?たぶん。
 書いていないからしていないんじゃなく、実はそれ(郵送貸出など)が当たり前になっている…ってことはないでしょうけど。

 もちろん、同様なことは普通の休館日だって起こり得ますが、それは予測・予告されていることなんで、仕方ない…(おいおい…)

 そんなことより、個人的に興味があるのは、この臨時休館のときに休館している図書館の職員は何をしているのかということ。
 上記のように、電話・メールレファレンスをやったり、郵送貸出をしたりをしていない場合、「○日まで臨時休館とさせていただいております」との電話応対や、修理本の修復、書架整理、寄贈資料の登録、その他普段なかなか手に付かない業務なんかをしているのでしょうか…1週間も?
 もしかすると、蔵書点検やら、大規模な書架移動なんかもしているかもしれませんし、もちろんインフルエンザ情報の収集なんかもしていることでしょう。
 是非、『この臨時休館の時に私たち図書館職員がやっていたこと』なんかを公表してもらいたいものです。誰かまとめてくれないかなぁ…(他人任せ…笑)

 うちの図書館で「もし、臨時休館として1週間休館になったら、何をしようか?」という話をしたときは、『蔵書点検』と『図書館改造(大規模な書架移動など)』って話が出ましたけど…

 次に、普通に開館を決めたところは自治体でそれで問題ないという判断なのだから、私からは何も横槍は入れません。図書館によっては不特定多数というより特定少数の住民しか来ないところも…まぁ、人数は関係ないわな、でも、どうしてもインターネットをできない環境にある人や、新聞を取ってない人や、テレビを持っていない人から、図書館という情報取得手段を奪うのは忍びないという図書館職員がいるかもしれないので、安全に開館させる方法を思いつくまま考えてみます。

 まず、不要不急かどうか考えると、その人は他の新型インフルエンザ情報取得手段を持たないので、必要緊急でしょう。
 開館しておいてサーモグラフィー付きのカメラで発熱しているかどうかで、入館をご遠慮いただくというのも、潜伏期間中の人などであれば、わからないですし…
 体内のことなので、夏にみかける濡れないミスト発生器でアルコールに変えてみてゲートに設置とか(うまく機能するかもわかりませんが)しても、表面しか殺菌されないですし…
 もちろん、不特定多数にならないようにするという方向から考えるのも面白いかもしれません。
 館内に入れる人数を数人ずつにする…でも、並んでいたら意味ないか。
 くしゃみとかせきとかは数mも飛ぶらしいから、確か2m以上離れていれば良いと書いてあった気もするので、半径1mのフラフープみたいな装着具を作って、お互いが絶対に2m以上離れるようにする…う~ん。

 館内ということなんだから、面倒なんだということで、いっそ風通しの良い…いや、それ以上の青空の下で5mくらいずつ離れた座席を作り、そこで新聞を読めるようにするとか…雨と風の日がなぁ…。(厚生労働省のQ&Aで『一方屋外などでは、相当混み合っていない限りあえてマスクを着用する必要はありません。』とあるのですし。)

 本の貸出については、郵送貸出以外にも、ドライブスルー型貸出とか、非滞在型図書館の究極型で対応できるんだけどね。新聞はそうでもいしなきゃ、貸し出しちゃうわけにも…

 いや、無難にそういう情報を集めたものを、入り口から5mくらいおきに掲示場を作って、(図書館内に入れなくても)そこに掲示というのがほんと無難だと思いますけどね。
ただ、情報を集めてそのものを掲示するのは、難しいことではないのですが、それを複数部作るために新にまとめるのがなかなか手間かな?

 Webのリンク集はリンクかけるだけだけ(著作権法違反となる複製行為はない)ど、印刷複製を作るとなると、必要なことであっても著作権法が嫌でもちらつきますし…もちろん、厚生労働省が「なんで勝手に複製したんだ」なんて言わない(著作権法は親告罪ですし)とは思いますけど、新聞だと切り抜きそのものを掲示するしかないですし(そうすると複数掲示は予算的に…)…

 まぁ、インフルエンザに関する連絡先の一覧と、国内状況と周辺状況だけだと、簡単にまとめられるのですけどね。(実際、そのくらいで良いかと思いますけど。)
 いやね、リンク集でリンク先の情報を全部印刷していられないような充実したリンク集のところもあってさ。(印刷しないけど)

 ということで、個人的には、来るべき未知の新型インフルエンザ…例えば強毒性のH5N1とかその他今後出てくるだろう各種インフルエンザやその他の病原体に対し、図書館閉鎖などが起きた時の情報提供の仕方を考えるのに、今回は良い機会なんじゃないかと思います。

 ただ、休館するのも一緒くたに1週間休館で良いのでしょうか?潜伏期間があって、確かに1次感染者は発症しているのでしょうけど、濃厚接触者しか感染しないという保証もないのですよね?運悪く、その人の近くに短時間いたけど、たまたま体調不良だったので感染する場合だってあるのだから、タイミング悪く2次感染者の潜伏期間中に休館解除になる…みたいなタイミングも0とは言えません。

 そうすると、終息宣言でも出ない限り、開館できなくなってしまうのではないか…なんて、杞憂なのでしょうが、じっくり考える良い機会になりました。

ということで、休館中の図書館職員は何をしているのか、参考にしたいので、教えてください!と、改めてお願いしておきます。

| | コメント (0)

低きに流れる??

先日の『県立図書館の行方』のエントリーで、色々なご意見をいただけました。同僚だとそういう話をしてもそういった意見が出ませんから、小さな図書館にいる私としては色々と勉強になりますし、とても嬉しく思います。個別にはお礼は難しいですし、トラックバックも今のところ受け付けていないですし、おそらく全てを拝見しているわけではないですが、戯言のようなこのブログを読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

さて、その中でyoshim32さんの『読書ノートのつもり?なつれづれ日記』のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20090507/1241672714)でも、取り上げていただいて恐縮および感謝していると同時になるほどなぁと思った部分から話題を展開しようと思います。

都道府県立図書館と言っても、おそらく市町村立図書館のように『どこも同じ』ということはないでしょう。
なので、同様に、首長もしくは都道府県教育長の考え方次第で、いわゆる図書館行政が異なるかと思われます。
そうすると『県立図書館の行方』での極論である『市町村立図書館の県立化』をしてもyoshim32さんがおっしゃるように『県全体が停滞なんて可能性もあるよ。』は現実的な意見だと思います。

例にあげられている先進的町立図書館(A図書館)とそうでない図書館(B図書館)があって、合併したときに、A図書館がサービス低下し、B図書館が変わらないということは確かにあると思いますし、私も聞きます。

どうしてそんなことになるのか…
今日はそれについて思うことを書いてみようと思います。

『予約とリクエスト…ようはすぐに手に入らない資料のこと。』で書いたレベル云々で考えると、A図書館がレベル5-1で、B図書館がレベル2だとすると、レベル5の手法を2でやろうとしても、その需要すらないので、内部的には「需要もないし無駄なんじゃない?」となるでしょう。

なので、A図書館のメンバーがB図書館に行っても一気にはレベルは上がりません。
A図書館のレベルが下がるのは、おそらく、A図書館の主要メンバーがいなくなったということが考えられます。
感覚的にも館長もしくは副館長レベルが音頭取りをしている図書館は新しいことなどにも積極的です。
もちろん、その部下達だけが頑張っている図書館もあるのは知っていますが、特定の人が身を粉にして情熱的にやっている事が多いか、上司が大らか過ぎで、部下のやることに口を挟まないかというパターンかな?

どちらにしても、その中心の人がいなくなると、普通は一気にレベルが低下します。
今の例だと、A図書館に元B図書館の上司や年配者が上を占めていると、そういうことが簡単に起き得ます。

このレベル低下の理由は簡単です。
おそらくどこでもそうでしょうが、事務引継ぎというのがあるでしょう。
なので、事務は引き継がれますが、肝心の考え方やノウハウは実際には引き継がれていないことが多々あります。(ついでに書くと、事務引継ぎは細かい事務は引継ぎされていないことも多々あります。)
もっと言うと『志は引き継げていますか?』。

A図書館で、ちゃんとやっていることを引き継げていれば、事務的にでも現状と同じサービスはしばらくはできます。
でも、「なんでこんなことしているのかなぁ」って思いながらでは、新たなサービスなどは考えもつきませんし、「需要なさそうだし、近隣じゃやっていないし、やらなくていいか。」って消えることもあります。
A図書館で主要メンバーが残っていたら、異動してきた人は渋々ながらも付いて行こうということになり、おそらくサービス低下はほとんど見られないと思いますが、こういう合併後の人事って、私の知っている限りですが、良い図書館の中心的人物は能力を買われ異動するパターンが多い気が…。

B図書館では、若くなくても、異動先に行けば、異動前と同じ勝手ではできませんから、しばらく様子見するでしょう。(私は赴任初日から上司と些細な言い争いをしたのですけどね…笑)

で、B図書館はもれなく年功序列型・前例主義型でしょうから、B図書館で「いや、そんなことは今までしていないし、そういう需要もなかったから」と言われておしまいのような気がします。

そんな中、唯一目論見どおりに行く方法としては、A図書館の先進性が館長の音頭取りによるものである場合で、合併後、A図書館を中央図書館とし、B図書館の分館長は中央図書館長より下の立場におき、引き続きA町立図書館の館長が中央図書館長として君臨するパターン。
もう1つは、図書館に対する情熱の塊のような人がいて、館長などが一目を置いているパターン。

そういう成功パターンをあまり聞かないって…笑
そりゃそうでしょう、館長が音頭取して先進性を実現している図書館なんて数少ないですし、往々にして、市と町の合併でB図書館タイプの市立図書館とA図書館タイプの町立図書館という形が多いですもの。合併するとどうしてもB市立図書館が中央館になるでしょうし。
もう1つのパターンだと凡人の私なんかは真似できないほどパワフルな方がいる場合が時々ありますね。きっとその方が音頭取りとして機能しているのでしょう。

個人的には、図書館の特殊性から、市役所のような年功序列型の職場より、『上司1、あとは全員対等』型の職場の方が良いと思っています。意見も言いやすいですし、共通意識も持ちやすいですし。
もちろん、年功序列であっても、素晴らしい館長が音頭取りをしていれば、いいんですけどね。

で、B図書館型市立図書館、A図書館型町立図書館のような形が起きるのかと考えると、上司が出来た人でなければ、小さな図書館の方が『上司1、あとは全員対等』型になりやすいからで、大きくなればなるほど、年功序列・前例主義型の年配職員の圧力に負けてしまうパターンが多いのではないかと思います。
公立図書館の多くが各自治体で運営されているので、お役所意識の上司も多いですし『上司1、あとは全員対等』の実現は難しいです。
どちらかというと、教員集団(もっとも、先輩・後輩・ベテラン・若手の序列型の学校も多々ありますけど)が近いかなぁ。
教務主任・生徒指導主任・進路指導主任などがいますが、上司的なのは校長・教頭で、あとは平職員みたいな…
まぁ、どちらにしても、若手・ベテランの別なく意見を言い易い環境であれば、一番です。

それが難しいので、では、図書館的に素晴らしい館長およびそういう館長になれそうな人材はどのくらいいるでしょう?
そう考えると、リーダーシップを取れる素晴らしい館長なんて全自治体に配置できるほどはいないでしょうし、数が少ないのでしょうから、そういう人を都道府県立の館長に据えると、yoshim32さんの条件『リーダーシップを誰かがとらなければ』もクリアできます。

実際、そういう館長のいる図書館であれば、県立化など図書館合併しなくてもやれているんでしょうが、その影響力をその館だけでなく周辺図書館でも発揮できる状況になっていれば、人件費削減云々の指定管理者制度の時は「あそこの図書館でもやっているんだから」と鵜呑みにして強制をする割に「隣の自治体の図書館が何をしようが、うちはうちなんだ」と他館の状況を伝えても無視を決め込む行政職員がいたとしても、図書館としてはその館長下サービスを向上できることになります。

もっとも、素晴らしくない図書館長が、牛耳ってサービス低下するのも否めませんけどね。まぁ、『れば・たら』言っていたらいつまでも堂々巡りですけどさ。

ところで、私の勤めている館は小さいです。部下の話をちゃんと聞いてくれる上司であれば、私の意見がそのまま新サービスになります。
が、私という人間は1人ですから、あれもこれもやりたいけども、自分自身に無理をしないように考えれば、やれることは限定されます。
もし、私が能力の高い人間で仕事一筋の人間だったら、10やりたいことの8くらいはできるかもしれませんが、1人でやれる量は現状3~4かな?
で、せめて、5~6は実現したいときには、同僚などにお願いするという手法があります。
でも、同僚も何もしていないわけではないですし、能力いっぱいの仕事をしているのに、「あと2やってね」は難しいですし、思いついたのが私であれば、私に説明義務があって、作業手順から説明しますが、相手に「それがどうして必要なのか」「どういう効果があるのか」について疑問があるようであれば、やってくれても能率が悪いことになると思います。
そうなると、それを納得させる・やる気にさせるのにも私は尽力する必要が出てきます。それにも時間と労力を割かないといけないんですよね…

ついでに書くと、私自身、できるだけやり方をファイルに残そうとはしているので、倒れても誰かがやってくれると信じていますが、引継ぎでなく、万が一の時は、そのファイルの存在に気付かれないこともあるでしょうし、もし見つけてやってくれてもおそらく面倒なことはそのうちやってくれなくなるでしょう。そうすると倒れてもいられなくなりますね…笑
突然変なことを書きましたが…

低きに流れるのは人間ですから、楽な方へもちろん流れると思います。
ノウハウや志がどこに定着しているかが大問題なんじゃないかなぁ?
何度か書きましたが、ノウハウがその職員1人に定着しているのであれば、その人が不慮の事故でいなくなるとか、異動でいなくなると、また最初からになります。
志も受け継ぐ人がいなければ、例えばその館長が退職されたらもれなくサービス終了となります。
事務引継ぎって1度だけされたことがあるけど、書面が1枚程度でしたから、その人が経験してきたノウハウは受け継がれずに、私が最初から試行錯誤してきた反省もあるので、ノウハウなどの継承についてはとても気になります。

もちろん、運営ノウハウなどは図書館ノウハウとしてちゃんと蓄積され新しい職員にもちゃんと根付くようにしていくのも重要でしょう。
それと、住民や利用者にも「うちの図書館はこういう部分が自慢だ」とか「図書館サービスとはこのレベルなんだ」と、その志の種を蒔いておくと、低きに流れそうな時に、「それはこの図書館には相応しくないんだ。もっとこうしてくれ。」と意見が出てくるはずです。
(もちろん無視してくるB図書館的な人もいますけどね。)

最終的には、司書資格云々より、どうやって図書館を良くしていくか志の高い人が集まれば、自ずとサービスは向上するでしょうが、低きに流れるのは、職員が突出したサービス展開をしてしまい、利用者育成が付いていっていないか、情熱をたちどころに消してしまう、火消し上司がいるからなんじゃないかなぁと、まとめ。

空気が読めない職員も確かにいますが、図書館の醸し出す雰囲気…例えば、工夫を凝らした書架配置だの、お手製グッズだの、蓄積された公開情報やノウハウがあり、利用者が慣れた様子で今までどおりのサービスを要求している雰囲気を感じられるようにすれば、低きに流れるということはないんだろうな。

最後に、補足として全くの蛇足事で話を終えようと思いますが、かつてあった県立主導の中央図書館制度について。
当時の状況からすると、図書館としては黒歴史として封印したい面もあると思いますが、図書館令施行規則の7条の『(6)図書及図書館用品ノ共同購入ノ斡旋』ってちょっと魅力を感じるなぁ…
他は大体図書館法に引き継がれているのに、図書館用品の共同購入も残っていれば、良かったのに…笑

| | コメント (0)

予約とリクエスト…ようはすぐに手に入らない資料のこと。

 G.C.W.さんの愚智提衡而立治之至也というブログの『予約』というエントリー(http://jurosodoh.cocolog-nifty.com/memorandum/2009/04/post-9534.html)を読ませていただいて、いくつか思ったことを書こうと思って、その前に用語の整理なぞ。

 『予約』と一言で言っても、図書館によっては、『リクエスト』という言葉であったり、ごちゃまぜだったりするので、ようは『現在書架にない資料を用意してもらう』のを『予約』とすると、整理して考えないときっと議論のどこかで平行線になるだろうなぁと。
1.所蔵資料が貸出中のため、返却後すぐ読めるようにする『所蔵資料予約』
2.未所蔵資料で、図書館で用意できたらすぐ読めるようにする『リクエスト予約』
2-1.そのうち発売前の新刊・発売後の既刊で購入するもの『発注待ち予約』
2-2.そのうち発売後の既刊で相互貸借するもの『借受待ち予約』
で、それ以外は『図書館都合キャンセル』。笑
館によって違うかもしれないけど、今回はこんな風に用語統一をさせていただきます。

 おそらく数値的には全て予約数になるのですが、レファレンス件数が難しい事項調査もクイックレファレンスも道案内すらレファレンス件数になるかもしれないのと同様、中身を精査して考えないといけないのだろうと思います。

 1のパターンでは、資料に満遍なくある程度の予約が付くのであれば、それはほどよく図書館が利用され、ニーズにあった資料が置いていることであると思われるので、悪いことではないと思います。それはG.C.W.さんが『図書館に期待している「利用者」が多いのだよな,という感じ』とおっしゃるように、そうだと思います。
でも、その一方で、ベストセラー本に大量の予約というのは良くも悪くも物議をよんでいますね。

 その図書館の利用者サイドからすると、「数百番目っていつ読めるんじゃい」ということもあるし、一時のブームが去ったときのこと(書庫にずらーっと並ぶ)を考え「複本大量購入するもなぁ…限られた予算で多様な資料を提供してあげたいし(複本の大量購入するということはその分、他の資料が買えないので)」と躊躇する図書館もたくさんありますし、大量購入したらしたでマスコミに「無料の貸本屋だ」とつつかれ、出版社や作家などにも「そんなことするから本が売れない」とつつかれ…

 だからといって、その図書館の利用者が「それでも私たちのニーズを満たしてくれた良い図書館なんだ」という賛成意見は見事に掻き消され、最悪、予約順位がかなり後なことに文句を言っている割に「そんなに複本を買うなんて…」と言う利用者もいますし。
 いっそ、極端にベストセラー中心の複本大量購入で参考資料が一切ないような図書館を作ってみれば、すごくよく比較できるんでしょうけどねぇ…
 あれ?でも、複本大量購入しちゃうと、予約が減っちゃいますね。笑

 今日はあくまで『予約』についてですから、ベストセラー複本大量購入云々については、ここ以外で昔から議論されているでしょうから、ここではこのくらいで軌道修正しましょう。
1のパターンで、予約数が増えるということは、(ベストセラー複本を購入しようがしまいが)その図書館が利用者に一応なんらかの期待されている『かもしれない』指標にはなるんじゃないかと思います。

 で、2のパターンではどうかと考えると、『発注待ち予約』であれば、購入後、1名は少なくても利用がある保証があります。それ以上はどうかわかりませんが、リクエストで購入した資料は案外利用されているという論文(?)をどこかで見た気がしますので、それを丸まま信じようとは思いませんが、経験則からすると、他0ということもたまにありますが、確かに借りられることはあると思いますので、悪くないかと。

 他方、『借受待ち予約』で、本来の相互貸借の原則としては「その図書館で購入努力をして」という大原則があって「購入でいない場合に所蔵している図書館に依頼する」なんですが、どうもなし崩し的に「他の図書館が持っているようだから借りよう」になりつつある感じもします。
 それはそれで、「県内に1冊で良いのか?」その辺の議論にもなりましょうが、話し出すとたぶん私も止まらないので再びスルー…

 新刊はまだ発売も購入もしていないのだからともかく、既刊資料に付いては、予約がどんどん増えるというのは、『必要な資料がない』というのが目に見えるという点で、その時点では『悪い図書館』なのかもしれません。(もちろん、新館で、古い本が少ない場合はそれは話が違いますよ。)
 「こんなに予約が入っているんです。だからもっと予算を!」で、すんなり予算がもらえるのなら、おそらく資料費について予算が足りないという問題は出てこないでしょう。
 逆に、「ニーズに合った選書していないんじゃないの?職務怠慢なんじゃ?」とか「他から借りられるんでしょ?財政難なんだから。」って言われるのがオチで、良くなる気配はないのですが…
 利用者だって、いつも借りるまで待たされるんじゃ、利用も減るでしょうしね。

 ということで、2-2のパターンの予約が増えるということは、「新館だから」とか明確な理由がない限り、『そもそも購入しようとも思ってなかった、またはあったけど古いので除籍しちゃった』というどちらかというと先見の明がなかった図書館なんじゃないかと…
(というより、他人の褌で相撲をとるようなものなのかもしれません。確かに財政難なのは百も承知ですが。)

 もちろん、『リクエスト予約』があって、既刊でも購入して対応するのであれば、良いでしょうし、絶版なので仕方なく相互貸借というのもあるのでしょうが、「じゃあ、どうしてその時買っておかなかった?」と、先見の明がなかったことを反省する材料にはなりますね。

 で、そうなると『所蔵資料予約』が少ない場合は、スムーズに蔵書が回転しているか、必要とされていないか。
 『リクエスト予約』のうち『発注待ち予約』が少なければ、「きっと買ってくれるだろう」と期待されているか、利用者に新刊への興味が少ないか。
 『借受待ち予約』が少なければ、所蔵資料に満足しているか、手数をかけると思い利用者が恐縮しているか。

という判断になりますが、そもそもそういう予約やリクエストが周知されていないというのも確かにありますけど、数値だけでは『スムーズに蔵書が回転』し、『新刊も期待通りに購入』され、『蔵書も満足』できる図書館なのか、それと真逆な図書館なのか一概には言えません。

 とどのつまりは、利用者ニーズをちゃんと満たすと、自ずと予約数は減ってしまいます。

 G.C.W.さんの『極端な話,蔵書が1冊しかない図書館なら予約率は幾らでも上げられる』ではないですが、「住民ニーズと全く合わない資料を収集すれば、予約数は(期待されているうちは)激増する」わけでして、そんな図書館をそのアツイ人達が目指しているとは少なくても思わないですし。
 まぁ、逆にそういう図書館が県内にあってくれると、通常所蔵がない資料がバンバン所蔵しているでしょうから、全県的に見ると(あっても)良い図書館になるかもしれませんけどね。笑

 ただ、予約やリクエストの業務などが周知されている(もしくは周知できている)と思う図書館であれば、予約数が多いことより少ないことに意義があるんじゃないかなぁ。
 そういう意味では、G.C.W.さんの予約増加はあまり好ましくないという意見に賛成。もちろん、予約数を過大評価すべきでないことはもっと賛成。

 まぁ、周知されていない図書館だったら、周知するようにして、予約数UPに向かっても良いのでしょうが、おそらくそういう図書館なんだから、ある程度周知できたら『予約数が増える=反省しなければいけない点が多い』ことも頭に入れてより良い図書館にするようにしてほしいなぁと。

 ということで、貸出至上主義というのは今もある感はありますが、予約数が増えれば増えるだけ良いと考えている人って今もいるのでしょうか?ベストセラー複本の大量購入は是非はともかく、利用者を待たせていることには代わりないのですし…
 そういうことを考えると、以前少し触れた図書館レベルと地域レベルで話は違うんじゃないか、それなら話は平行線になるし…と思いました。
 どれがどういうレベルというのは、独断と偏見に満ち、語弊が多々あると思うので、そこはご了承願って、大雑把ですが、例えばこんな感じ。

レベル0:図書館は未設置・地域の要望なし
・世の中に『図書館』というものがあるらしいが、あまり必要ないと思うレベル

レベル1:図書館は未設置・地域の要望あり
・行政側がその声を無視も出来ないが財政難に頭を悩ますレベル。
・「ひとまず自分の自治体にも『図書館』というものが欲しいなぁ」と思うレベル。

レベル2:創成期型図書館・地域需要少
・せっかく図書館があるのだから、貸出数を増やしてアピールするレベル。
・「『図書館』で本が読めるぞ!でも、あまり本って読まないし」と思うレベル。

レベル3:創成期型図書館・地域需要中
・そこそこ図書館も認知され、イベント連発で人を図書館に呼んで、使ってもらうレベル。
・本を借りることがメインだが、他のサービスも機会がある人だけに利用されるレベル。
・「貸出以外にもそんなサービスもあるんだぁ」って思うレベル。

レベル4:発展期型図書館・地域需要多様化
・地域住民の需要に応えるべく各種サービスも拡大していくレベル。
・運営上の問題がちらほら出てきているがサービス提供件数の伸びで見えていない状況。
・基本的な図書館業務を理解しているが、まだ好き勝手な要望が比較的多いレベル。
・読みたい・知りたいことが増え、図書館への要望を言えるようになってくるレベル。
・5-1の図書館と5-2の図書館への分かれ道。

レベル5-1:成熟期型図書館・地域需要高度化
・「あの図書館に行けば、なんとかなるんじゃない?」と利用者に言わせれるレベル。
・『量より質』で勝負できる図書館が現れるレベル。
・現状の地域図書館では高度な要求に応えにくくなり図書館連携が求められるレベル。
・「自分で本を買ったり、調べた方が早いかな?」という人がちらほら出てくるレベル。
・時間とともに解決しなければならない大きな問題も多くなってきているレベル。
・問題が解決しないと5-2へ。解決できたら6へ。

レベル5-2:衰退期型図書館・図書館見限り化
・マニュアルはあるがルーチンワーク的なことしかできなくなってきているレベル。
・「図書館に行ってもなんもないし」と思われるレベル。
・地域住民がより良い図書館を探しに周辺図書館へ行ってしまうレベル。
・職員にも気力が見えないレベル。
・ようは存亡の危機。(何も財政難ってわけでなく。)
・現状を打破できる人材が出現すると5-3か5-1へ。

レベル5-3:再生期型図書館・地域協力化
・職員も地域住民も「せっかくの図書館なんだからどうにかしよう」と思うレベル。
・ある程度専門的知識を持つようになった地域の有志が多数集まって職員と協力体制を作るレベル。
・有志が中心になって人が人を呼ぶようになるレベル。
・首長が変わるとまだちょっと危なくなるレベル。

レベル6:活況期型図書館・活気のある地域化
・住民の日常生活の一部のような図書館のレベル。
・首長といえど、おいそれとは方向転換しにくいレベル。
・図書館を通じて地域活性化のアイデアが次々と住民により出されるレベル。

レベル7:安定期型図書館・安らぐ地域化
・地域住民にとって図書館が不可欠な要素なレベル。
・ここまでくると図書館は安泰。でも、地域住民のために図書館自身でさらなる発展を目指すレベル。
・図書館における問題も地域における問題もほとんどなく、安心した生活が送れるレベル。

レベルX:理想型図書館・理想的地域化
・究極の図書館…どんなのでしょう?想像できないや。
・その時の住民は本来の意味の自治体を作り出していることでしょう。

と、用語・見解ともめちゃくちゃですが、話の関係上例えばこんな感じだとしてください。
(全くの思いつきで書いているので、この手の話がどこかにないか、時間があったら論文とか調べてみます。)
(思いつきながら、日本の図書館の現状は最高に良い図書館で5-1で、地域的には4と5-1の間くらいだと思っています。なので6以上は想像しにくい。)

 で、突然何を言いたいかというと、そんな感じで対応が異なると思うので、例えばレベル2の図書館に「貸出数を増やしたからって良いってことない」と言っても、それは酷というもので、きっと図書館にも発展順序があるのでしょう。
 それを違えたら、例えば、レベル3の地域&図書館にレベル5のサービス展開しても、需要はほとんどないような感じなんじゃないかなぁ?

話がだいぶ逸れたけど、今日言いたかったことは…
・予約数は良い図書館の指標というよりは良い図書館になるための反省材料
・でも、図書館・地域の発展レベルや予約の種類と内容を精査しなければ、数値だけでは言えない面も大きい。
・それでも利用者は期待して待って(待たされて?笑)います
ってとこでしょうかねぇ?

| | コメント (0)

都道府県立図書館の行方

 徳島新聞Webの2009年4月14日の記事『先細る書籍購入費 県立図書館、今後の展望開けず』(http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/04/2009_123967184969.html)という記事、徳島県立図書館の図書購入費(資料充実費)が〇九年度には三千二百三十万円まで減り、徳島市立図書館が指定管理者にしたときに「三千三百万を下回らない」という条件付きだったので、逆転したとのことなのですが…

いや、そんなにビックリすることでもないんじゃ?

 普通に、県と市の単位だと、分館の多い市などで、資料費が県立より多いってことはあるし、政令指定都市とかでも県立を越えているのは普通なんじゃないかなぁ…詳しい比較はまだしていないけど。

 都道府県立図書館で個人利用(個人貸出)ってしていないって10年数年ほど前の感覚(北海道立図書館はその頃普通に個人利用が閲覧以外できなかったので)でいたら、こっちの図書館に就職した頃には普通にどの都道府県立図書館でも(都立中央は除く)できることがわかって、ビックリしていたことがありました。
 幸いにも今勤めている自治体には県立図書館はないのですが、ある自治体では利用者の競合とかってないのでしょうか??
 イメージ的には、入門書的な資料の多い市町村立と専門的な資料の多い都道府県立という構造なのかもしれませんが、その逆の資料がお互い一切ないというわけでもないし、読み聞かせなどのお話会などはどちらもやっている状況のようなので、どうなんだろうと。
 もちろん、県立も市立も気軽に利用できる地域に住む住民にとっては、機会が増えるだけ良いという感じもしますから、それはそれで良いのでしょうが、実績値を出せと言われる市町村立図書館だと客足を取られる心配があるような気がしますけど…

 望ましい基準では市町村立図書館は『住民のために資料や情報の提供等直接的な援助を行う機関』とあり、都道府県立図書館は『市町村立図書館に対する援助』をし、図書館未設置の『市町村の求めに応じて,図書館の設置に関し必要な助言』をおこない、『住民の直接的利用に対応する体制も整備』していて、『図書館以外の社会教育施設や学校等とも連携』するということなのでしょう。
 サービスについては市町村立図書館のサービスを準用+αということなんで、それが望ましいというのだから、そうなのでしょうが…
 なんか、大型スーパーと個人小売店って感じがします。
 店員もたくさんいるし、品物も豊富だし、値段も個人小売店より安いとなると、大型スーパーが有利です。
 大型ショッピングモールの進出の話が出る時に、「商店街が寂れる云々」というイメージと一緒です。
 でも、多少閉店する個人小売店がありますが、長年の細やかなサービスで生き残っている個人小売店もあるので、同じように市町村立図書館も棲み分けが出来ているんだろうなぁとも思います。

 まぁ、それは大型スーパーが個人小売店を本気でつぶしに行っているわけではないからでもありますけどね。
 同じ商店という業種ですから、同じサービスは(採算や費用対効果をじっくり考えなければ)いくらでも可能ですし、革新的な商売法やサービスを思いつかない限り、個人商店には同じ土俵に上がるのは不利この上ない気もします。

 都道府県立が市町村立をつぶそうとはさらさら思っていないでしょうし、同じ資料を購入して同じようなサービスをしてもサービスレベルからするとなぜか市町村立が有利ってことが多々ありますから、共存できるのでしょうけどね。

 ただ、県立図書館の比重が『住民の直接的利用に対応する体制も整備』の名の下に「県民のために資料や情報の提供等直接的な援助を行う」に重点を置いているような気がします。
 『住民の直接的利用に対応する体制も整備』と『住民のために資料や情報の提供等直接的な援助を行う機関』の言葉の違いから感じる違いは、『受身的に行なう』と『積極的に行なう』という感じです。

 実際は『市町村立図書館に対する援助』というのが重点的に行なわれて欲しいところですが、相互貸借の物流(時として1千万円ほどかかるらしい)とレファレンスにおける協力(資料はたくさんありますからねぇ)くらいしか思いつきません。
 確かに、相互貸借の物流を各館郵送等でやっていたのを、県立図書館が主体となってやっていただけるのは、大変ありがたいことなんですけどね。(全都道府県でやっているわけではないようですが)

 どなたかが、「相互貸借で借りるから日本に1冊あれば良いってこと?」というような旨をおっしゃっていたのですが、そこまで極端でなくても、市町村立図書館で購入を迷っている資料があったとして、県立図書館が購入することがわかっていれば、「めったに利用がなさそうだから、やめよう」とか、逆に「県立でも購入するんだから自信を持って買おう」って選書の指針にもなりそうなのですが、前もって県立の購入資料を知ることはできないし、選書会議から購入までの速さからすると案外市町村立の方が早かったりするのですが、どこも資料費削減の状態の現在だと全県的に購入調整をしないと、「同じような資料はどの図書館にもあるけど、自分の読みたいなぁと思った資料は、県内どこもないってどういうこと?」ってことが多々起きるのではにないかなぁと。

 例えば、一般的に図書館に置かれる雑誌ではないが利用が見込める雑誌を「おたくの図書館ではこの雑誌は購入しておいてください」となれば、全県的に見ると多様な雑誌があるので、相互貸借で提供可能になるし…

 もちろん、図書でもそれをすると「相互貸借で借りるから県内に1冊あれば良いってこと?」と言われそうですが、雑誌の場合は多くは逆に年間通しての購入なので、買う買わないでなかなかリクエスト希望が通らないことも多いですし。
本当であれば、県立図書館がそういうどんどん雑誌を購入してくれたり、市町村立図書館の購入希望を満たしてくれると、『市町村立図書館に対する援助』になるのですけど。

 さて、以前県立図書館の方に「県立の利用者が減ってきて…」とか「レファレンス数が減ってきて…」と言われたのを聞いた時、「市町村立図書館と同じ方向性になっているんじゃないか」と思いました。
 もちろん、それは構わないですが、可能であれば住民に対して情報の提供等直接的な援助を行う機関としての市町村立図書館を立ててやってほしいなぁと。
資料数の差から、利用者が急ぎだと言うので、県立図書館に直接利用者に行ってもらったことがありますが、その逆はないですねぇ…自治体史などの資料は県に寄贈していますし。

 たぶん、『都道府県立図書館は住民に直接的な援助をするな』と書くと語弊があると思いますが、少なくても上下関係でもはっきりとした棲み分けでも良いので、差別化をはかってもらいたいと思っています。

 そこで棲み分けパターンなどを色々考えていると、
1.住民窓口は市町村立、都道府県立はそのバックアップに専念
・都道府県立でレファレンスまで潰してしまったら、もったいない気がしますけど、資料の貸出は原則市町村立図書館で(未設置自治体の利用者のみ直接BMなどで借りられる)にする。
・レファレンスも簡単なものは市町村立にまわし、専門的なもののみ都道府県立が回答する。
・もちろん、市町村立図書館への協力レファレンスは惜しまず、貸出カウンターに人を置かない分、全力で迅速に協力する。
・県内図書館の状況を把握し、的確なアドバイスをしたり、各市町村立図書館の除籍資料の保存と移管業務(A市立図書館の除籍資料で欲しい資料をB町立図書館へ送る業務)をしたり、購入予定資料情報や市町村立図書館が欲しいと思う情報を提供する。

2.県内の市町村立図書館の収集状況を把握し、専門的で高度な資料も含め、県内にない資料の収集に努め、保存機能を中心に運営していく
・例えば、埼玉県で行なわれている単館所蔵(県内に1冊しかない資料をその館で責任を持って保存する)方式では、県内に2冊あって2冊とも同時にというのが普通に有り得ますので、県内の残り冊数や所蔵していない資料の把握をしておく必要があると思います。
・それでも実際、ISBNの付いた資料については、この埼玉県立の取り組みは良いと思いますが、付いていない資料をどうするかが問題です。
・複数館ある都道府県はできるだけ1館にまとまって、残りを書庫的に利用する。

3.いっそ全部都道府県立図書館にしてしまう。
・PFIってわけではないですが、各自治体で建築し、職員も市町村立職員なんだけど県に出向みたいな職員によって運営され、システムや運営の大元は県立みたいな感じで。
・そうすると、全部県立の分館なので、システムは1つで横断検索っぽいのは分館なので簡単ですし、各自治体でバラバラなものよりシステムの料金が安く済むとか、人事的交流がはかりやすく図書館としての共通意識を持ちやすいとか、メリットが大きいような感じがしますので。

この3点に意見がまとまってしまいました。

 そうでなくても、現在、都道府県立図書館に市町村立図書館のためになるようなことを色々やってもらいたいので、とやかく言う私なのですが、「予算の関係で」と断られることばかり。
 何も、最初から「業者にお願いして作れ」とか「資料をじゃんじゃん買って」とかお金のかかることを前提には話していないのに、「そういうことをできる人がいない(から業者になる)」とかそういうのばかり。
 少なくても、市町村立図書館より充実した資料の蓄積があるわけですし、「どうすれば、お金をかけずにそれが実現できるか」と考えない発想がちょっと頭にきたりしました。

 市町村立図書館の『図書館ビジネス』は支援してくれないのでしょうか…(まぁ、できるのであれば、都道府県立自らが立ち直っているのでしょうけどね。笑)

 確かに、私の希望することを私が立ち上げて、「使ってみて」「やってみて」というのが可能なものもあります。
 でも、県内の全ての市町村立図書館に有志を募ったりするのは、「うちより小さな自治体の図書館司書の言うことに乗りたくはない」と考える大図書館のご意見番の方も多々おられるので、県でやって欲しいんですけどね。

 都道府県立図書館はどこへ向かっているのでしょうか、直接利用の個人利用者に対してだけでなく、市町村図書館とその職員にとっても使える図書館になってほしいなぁと思ってみたりします。
 なので、都道府県立図書館は、個人利用者の来館数や貸出数などの指標にこだわらず、どれだけ市町村図書館に有益な情報を発信し、都道府県内全体の図書館の把握と向上に努めて欲しいものです。
 都道府県立図書館自身も迷走を始めているのだから、本当だったらおかしな方向へ進む前にアドバイスがもらえるはずの市町村図書館も大迷走をはじめているのが現状のような気がします。

| | コメント (0)

図書館の広告と新規顧客の集客

書きかけの内容があったのですが、次のブログを拝読して、「やっぱこっちで書こう」と思ったので、先にこっち。
『丸山高弘の日々是電網 The First.』(http://maru3.exblog.jp/)さんの以下の内容に端を発して
『来館者を増やす ~図書館広告のススメ~』(http://maru3.exblog.jp/8192530/
『新規顧客開拓(図書館の場合...)』(http://maru3.exblog.jp/8200114/

『読書ノートのつもり?なつれづれ日記』(http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/)さんでも
『[図書館]新規顧客の開拓』(http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20090422/1240326882
と関連した内容について書かれておりました。
これらに触発されて今回のテーマで。

 まず図書館での広告って何かを考えてみると…『あなたの身近に図書館がありますので、利用しに来てください』って図書館の宣伝をし、新規利用者も含めて利用強化に繋がれば、全て広告なのでしょう。
 確かに、図書館の広告で中吊り広告やTVCMや新聞折込などは見たことがないですけど、広報の親戚みたいなものだと考えるとポスター(有名なところだと、日本図書館協会から委託を受けて作られた錨といるか社のポスター(http://www.iruka.net/fl/library_works/posters.html)でしょうかね。)あたりであれば、よく見かけますし、各図書館、広報誌や便りなどで宣伝はしていますものね。
 他にも図書館バッグにでかでかと『○○図書館』って書いているのも広告でしょう。高級ブランドを買ったときにもらえる紙手提げ袋みたいな素敵なステータスシンボルになる図書館バッグであれば、高い宣伝効果も得られるでしょうけどね。

 広告学(?)の専門でないので、どんな分類になるかわからないですが、媒体で分けるか効果で分けるかというところで考えると。
 紙媒体としては、広報誌、新聞雑誌広告、新聞折込、ポスター、DMなどが視覚に訴える広告。
 デジタル媒体としては、Webページ、YouTube、Eメール、DVD作成などが視覚時々聴覚に訴える広告。
 その他媒体として、中吊りや車体広告などの交通広告は視覚広告で、テレビ・ラジオなどによる放送広告は視聴覚広告で、屋外看板や図書館バッグなどの視覚広告とか、チンドン屋さんなどのパフォーマンス広告(視覚時々聴覚広告?)などでしょう。
 そういや、確か2年ほど前に『米オムニホテル スタバ・米紙と「香る」広告 リピート客増狙う』とか『“香る書店”読者誘う!? 日販、3カ月で効果検証』っていうのがありましたが、嗅覚広告ってのもありでしょうか。

 で、今挙げたものだけでも図書館広告としてどうかについて、考えると…
 広報誌や図書館便りはほとんどの図書館が行なっている広告というか広報ですが、その見せ方はだいたい似ています。で、見る人は見るし、見ない人はやはり見ないのですが、自治体の広報誌をじっくり読むという人は経験則であまりいないんじゃないかなぁと。

 ポスターも利用者から作品を公募して、イベントとして作成し賞を贈ったりする図書館もありますし、自館オリジナルで作って公共施設などに配布という図書館もありますね。
 某図書館を視察した時に、掲示物(飲食禁止とか)がたくさん貼られている掲示板を見て、「これじゃあ、書いてあるってだけで、効果ないんじゃないかなぁ」と思ったこともあり、ポスターは非常に目立つものでなければ掲示場に埋もれてしまっている感もありますから、ポスターを作製するのなら見せ方・掲示場所もちゃんと考えないとなぁといったところです。

 ポスターであれば、イベント的であったり、プレミアム的な方が集客には適しているんじゃないかなぁ?
 個人的には、図書館職員が自分の図書館のポスターを作る内輪部門と日本図書館協会のポスターみたいなものを一般公募する2パターンの『図書館ポスター大賞』なんかが大々的に開催されると良いなぁとは思いますが、ライブラリーオブザイヤーもそうですが、どうも一般認知は低い気がします。

 新聞雑誌広告や折込チラシについては、支出に見合う効果がない気がします。というのも、ポスターや掲示物などもそうですが、目に見えていてもその時の自分の関心が違うところにあれば、記憶に残らないという点で。
 というのも、図書館の利用券作成時の利用案内にも図書館カレンダーにも館内の入り口にも開館時間は説明し、見えているのですが、よく利用してくれる利用者でも「あれ?何時から開館だったっけ?」とサマータイムとかでずれたり曜日や季節によってずれることがないにも関わらず尋ねてくるケースがよくあるからです。

 DMはその形態であれば、先ほどの新聞雑誌広告や折込チラシに似ているのですが、自治体広報と一緒に図書館便りを送るというのが手法的に近いでしょう。
 公立図書館ですから、町内会の回覧にも載せてもらえることだってあるでしょう。
 地域住民への伝達というのは、各戸配布の手段も気軽に使えるので、図書館にとって案外楽なものかと思われます。(でも来ないんですよね?後段で書きますが。)

 Webページ広告なんかは自分の館のページを持っているのが中心かと思われますが、情報発信の仕方としてトップページにあらゆる情報を載せた方が良いのか、あまりリンクが深くならない程度でトップはシンプルな方が良いのかは以前考えて書きましたけど、広告としては、自館ページにアクセスされた時点で、すでに何かしらの宣伝効果によるものがあるので、純粋に広告となるようなものであれば、他ページへの掲載広告や検索結果ページの広告になるでしょう。

 で、例えば、お金を度外視して、所蔵資料の図書を普通にGoogleなどで検索した時に(例えば『ハリー・ポッターと賢者の石』と普通にGoogle検索した時に)、一番上の広告欄に「この本はうちの図書館にあります。読みたければクリック」と一館だけあれば、近隣の住民であればクリックする(広告効果あり)でしょうが、例にあげた本だと何百何千の図書館で所蔵しているのですから、ずらずら出てきても本当はただその本を買いたい人などにはいい迷惑ですし広告効果は薄いでしょう。

 YouTubeやDVDのように、図書館の宣伝動画の作成は内容としては各館でやると面白いですよね。
 ただ、業界的に面白いということで、それを見てくれる人ってどうなのでしょう?
 ふら~っとそこに辿り着いて、見て、「あ~この図書館に行きたいな」って思う確率を考えると…う~ん。

 ここまで考えると、広告って、埋もれちゃうと効果ないんだなぁと。当たり前だけど。
 そうすると、人の多いところで他のポスター掲示のない目立つところにポスターを貼ってもらうとか、白黒の回覧の中に突然カラーだとか、各戸配布物として配るのが、今のところ図書館の広告として有効そうなところ。あとは住民参加による図書館ポスターや標語云々が一部住民に偏りそうですが、小さなニュースにはなりそうなところかな?

 引き続き考えると、中吊り広告は、移動時間で暇な時、顔を上げるとあるイメージで、通勤時間が長い地域性のあるとことだと、大学入学案内みたいな感じで図書館案内というのもありでしょう。

 車体広告も、ラッピングバス程度大掛かりであれば、他のバスと差別化ということで、効果ありだと思いますし、どうせなら、「移動図書館車を目立つ車両にしちゃえ」って感じですね。

 テレビ・ラジオはローカルであればまぁまぁの効果は得られると思いますし、ラジオなら、ミニ局を作ってというのも面白いかなと。

 『香る書店』に対抗して、『香る図書館』だとかは広告というよりリピーター狙いなんでしょうね…BGMの流れる図書館があるように、香る図書館って面白いなぁと。逆に広告効果云々だとしたら、新刊本の香りとかインクの香りとかでしょうかねぇ?あくまでも黴臭い香りは嫌ですけど。笑

 色々考えていく中で、図書館における広告の位置づけを、『図書館自体の認知』『図書館サービスの認知』『新規利用者の開拓』『リピーターの集客』と考えてみると…
図書館そのものやサービスについてであれば、日図協あたりがTVの政府広告みたいなので、広告すると良いでしょう。
 あとは地域住民サービスが主なのですから、地元スーパーなどへの各館によるポスター掲示と各戸配布物が効果的広告になると思います。
 もちろん、やる気があれば、画一的な『行政文書』ではなく、手書きで思いを込めて「開館して○年、一度も利用されていないあなたに是非こういうサービスがあるので利用してもらいたい」とか「ここ何ヶ月かご利用いただいていないのを寂しく思います」的なお手紙を地域住民全員に送ると、素晴らしい広告効果になるような気がします。

 で、前段はこのくらいにして、タイトルの後段の新規顧客の集客について。(相変わらず長いです。笑)

 何度もこのブログで『第62回読書世論調査の中で『7割図書館利用しない』』って話(例えば『ターゲットはどこに?』(c-town.way-nifty.com/blog/2008/11/post-e283.html))をあげていますが、「広告によってその7割のどのくらいが来館することになるのだろう?」と少し懐疑的です。
 『ターゲットではどこに?』でも書きましたが、食わず嫌いはともかく、必要としない人をどうやって…と悩むより今来ている人が3倍来るような図書館にする方が、口コミ的に新規利用者を獲得できるような気がするのは変わりません。

 でも、それだと後段は『以上』になるので、別視点で。
 先ほど、地域住民への伝達において各戸配布がしやすいということを書きました。
地域住民の目には『○○図書館』という字は目に入っているでしょう。その中の何割かはパラパラとめくって読んでくれていると思います。

それでも来館者が増えないのは、
1.42%「忙しくて利用する時間がない」
2.21%「図書館が近くにない」
3.17%「貸し出しや返却手続きが面倒」
4.10%「読みたい本や雑誌がない」
5. 4%「開館時間が不便」
ということを実現されていないからというのも一理あります。

 でも、時間が出来たから、開館時間が延びたから利用が爆発的に増えたり、利用率9割になるかと考えると『ない』ですし、意識が『図書館は本を借りて読むところだ』で、良くて『レファレンスという調べ物を手伝ってくれるらしい』程度なのですから、「読みたい本がない」「インターネットで自分で調べるし」という人は来ないでしょう。
 そうすると、広告する部分としては、『うちの図書館なら、こんなことが出来ます』部分を目立たせる必要がありますね。

 一見さんでもひとまず来館者を増やすということで、有名人の講演やイベントを連発するのも悪いことではないと思います。でも、見ていると来館はしたもののそのイベントだけが目的で顧客(長期的利用者)にならない場合も多いような気がします。
 その時記念に利用券を作るけど、登録しただけで利用はない人もいるし…

 登録だけであれば、ブックスタート時でも良いのですが、出生届を受理した時に「おめでとうございます」って図書館利用券を…いやいや、母子手帳をもらうときにでも良いかもしれませんし、入園入学時でも…えっと、転入届が出されたときでも、利用券を配れば増えるでしょうね。
 その上を行くとすると、それこそ各戸配布的に利用券と案内を配布すれば余裕で100%!笑
 上の3番なんて、「行くのが面倒」ってのもあるけど「登録手続き(記入するの)が面倒」なのでしょうから、いっそ配布しちゃえば。(途中からだとやれ個人情報云々ということがあるから、未設置だったところに図書館が出来た時とか…)

 …と、当たらぬ鉄砲数打ちゃ当たる戦法を考えたら、ベストセラー大量購入並みに虚しくなりました。笑

 もちろん、他の付加価値を付けて利用促進という手も同様にあります。
 例えば、『利用冊数○冊ごとに1ポイント(エコポイント?(笑)まぁ、商工会のポイントとか)』とか『図書館利用券の提示で地元スーパー○%引き』だとか。
 元が無料サービスがほとんどですから、図書館広告のチラシに『無料レファレンスサービス券』(有料データベースで料金取るのなら有効かも?)とか『もれなく貸出期限1日延長券』や『もれなく貸出冊数1冊増量券』とかあっても、新規顧客向けにはあまり効果ないかもしれませんが、これらはリピーター促進には有効かもしれないですね。

 でも、やっぱり、私としては、純粋な図書館サービスで勝負したいですね…
 そうすると、病院図書室への図書の貸出とかそういうありきたりなところに落ち着いちゃうんですよね。

 そういや、カレントアウェアネス・ポータルで『OPACに、利用者と図書館員は何を求めるか?-OCLCが報告書を刊行』(http://current.ndl.go.jp/node/12684)って記事があって、
・その資料がニーズに合っているかどうかを決定する際、エンドユーザーにとて最も重要なのはメタデータの要素となる。
・適切な資料の特定を支援していくれるOPACがエンドユーザーに求められている。
・業務を支援してくれるようなOPACが図書館員に求められている。
という結果が出たそうですが…当たり前じゃん。

 利用者にとっては勘違い検索でも欲しい本に当たると良いですし、図書館員にとって「これこれについて書かれている本」ってだけで目的の本が出てくるとレファレンスが楽ですし…
問題はそれをどう実現するかなんですよね。

 OPACに限らず、図書館自体で「自分ニーズに合っている資料や情報を面倒なこと(例えば職員に説明することすらも)がなく手に入れられる」のは利用者の求めだろうし、そういう素晴らしいサービスができれば、小手先のことで悩まなくても口コミなどで新規利用者は増えると思われますがどうでしょうか??

 ということで、今日のまとめ。
 図書館の広告は、新規顧客を得るためには先進的に「あっこんなとこに広告が」という話題性を重視させるか、広告を作るというよりは「どう見せるか」に重点をおき、印象の残る広告にするとか、公のメリットを生かして各戸案内をするのが、「あ~図書館に行ってみようかな」と思わせる広告で、新規顧客を増やすためには、手書きの手紙を出すとかの心のこもった(?)営業努力も必要ですし、個人的には利用していない人が利用している友人に何かを相談したときに、「それなら図書館に行くと良いよ」って言ってもらえるようなサービスを行なうことによる口コミ効果を狙った方が良いんじゃないかなぁと思った次第。

 と、ここまで書いてから、『丸山高弘の日々是電網 The First.』を再び拝見すると、『図書館歌』(http://maru3.exblog.jp/8207444/)ってタイトルがありました。
で、書き漏らしていた広告に気付きました。
歌の広告です。
CMソングで頭からこびりついて離れないものってありますよね。
スーパーなどで流れていた『おさかな天国』とかも歌が印象に残る効果がありますので、図書館の歌で印象に残るものができれば、立派な広告・広報になるでしょう。

図書館の歌といえば、『地上の星』の替え歌バージョンが思い出されるのですが…笑
(知っている前提で、ここでやめようと思ったけど、気になって夜も眠れない人がいるかもしれないから、一応何に載っているか書き留めておきます。『図書館人としての誇りと信念』(伊藤昭治古稀記念論集刊行会/編 ,出版ニュース社,2004.2,4-7852-0110-X)の中の『図書館員の心意気』(二井治美 著)をご覧ください。読んだ当時、私自身大ウケしていたので…笑)

いっそサブリミナル効果付きの図書館歌を流すってのもありかなぁ…(笑)

| | コメント (0)

雑誌の価値は?

図書館で収集される雑誌について思うことをつらつらと相変わらず取りとめもなく書く予定。笑

まず、受入れ関係。
多くの図書館は書店から素のままで納品され、図書館で装備し、登録するって手順だと思うのですが、どうでしょう?
うちの場合は、そうなので、他もそうだと思っている時点で、間違いなのかもしれませんが…

ひとまず、うちの館の流れ。
1.書店から当日発売分の雑誌が届く。
2.タトルテープやバーコードなどを貼って装備。
3.記事のうち特集記事だけ目次入力し、書誌データ登録。
4.最新号って書いてあるブックカバーを前号から取替え終了。
って感じで普通だと思っていたのですが、特集記事も目次も入っていない図書館もあるんだなぁと最近気付いた。笑
で、私としては目次全部入力してあるといいかなぁと思っていたのですが、当館の雑誌受入れ量とパートさん・職員の負担を考えると、まぁ、「特集記事くらいで」って妥協することになりました。

一方、TRCで昨年から始められた雑誌MARC、目次情報がしっかり書かれていてすごいなぁとの一言。
まぁ、今年度から検索して見るのも確か有料にはなったのですが、そこは商売ですし。

民間だとfujisan.co.jpが雑誌の+α情報として、目次情報などを公開していますし、国立国会図書館でも、雑誌記事索引にて目次情報を公開していますけどね、無料で。

『朝焼けの図書館員 | ポット出版』(http://www.pot.co.jp/asayake/)の『手作りの情報サービス戦略4』(※実際には「4」ではなく丸4です。)で読むと、それらを『ゆうき図書館』で有効に使われていることがわかります。気になる図書館の1つですから、読んだ時にはもうすでにチェックしていましたが。

で、mixiコミュを使って云々という話が書かれていたので、「あ~考え方似ているなぁ」と失礼とは思いつつも思いました。(これには某氏と私の周辺しかわからない内輪話が前段にあったりしますけど。)

というのも、OpenPNEが公開された2005年くらいに、利用者限定サービスということで、OpenPNEを使ってSNSを形成し、『レファレンスや書評とかで利用者の横の繋がりを…』と自館サーバにこっそり組み込もうとして、日の目を見なかったことがあったからで。
実際の使用目的は違うかもしれませんけどね。

また話がそれた…
で、雑誌に使われるデータについて、『三省堂書店の雑誌納品データにつけてもらっている特集記事名データ(雑誌1冊につき1件)』って書かれていて、「いいなぁ」と。
「そういう契約を結べば良いんだなぁ」と勉強させてもらいつつ、「あ~でも今配送をお願いしている個人書店だとそこまではやってくれないだろうなぁ」と。

そこで、TRCではどうなのか気になったので、それとなく…いやずばり(笑)聞いてみたら、「雑誌納品と雑誌MARCは別」ということで、納品オンリーでも雑誌MARCオンリーでも購入可能のようですが、購入した雑誌にもれなく雑誌MARCも付いてくるというわけではないようです。まぁ、これから変わるかもしれませんが。

「雑誌はその発売日に!」ということがなければ、きっと装備と自館データの送付など図書と同じことをやってもらえると思うのですが、時代はどうも『図書館の雑誌はスピード配架』ってとこなのでしょうか。

もちろん、週刊のものが、1週間遅れで配架されては、元も子もないのでしょうけどね。(笑)
1日遅れくらいなら可能でしょうかね??
いやいや、図書館側でやれば良いだけの話ではあるんですけどね。確かに。

そこで、雑誌の目次をちょっと真面目に入力してみて、どうOPACでヒットするか実験…
確かに特定キーワードであれば、有効な気もしましたが、雑誌の目次で造語が多く、それはわかっていないとヒットしにくい。
ダンスファンやダンスビューは『ダンス』って言葉でジャンジャンヒットしたり、フィッシュマガジンは魚の飼い方系がヒットするというのは、悪くはないのですが、特に「雑誌で」という人でない限り、わずらわしいくらいの件数になってしまう。というか、雑誌だとそれらがすでに該当するってすぐわかるし。(どんな雑誌を収集しているか行ってみないとわからないのであれば、蔵書検索でヒットしてくれても良いのですが、Webで公開して書誌にリンクしていれば、無駄なヒットかなぁと。)

もちろん、詳細検索のように調べる場所を絞り込んだ検索なら良いですが、フリーワード検索だとちょっと辛いかも?網羅的にヒットしているのはヒットしているんですけどね。ページ数が多くなって…(Google検索ではないですが、検索結果の上位がクリックされる確率が高いようなもんで…)

個人的には、「○号にどんなことが書かれているか」ということがわかるだけで良いような気もしました。利用者的にも雑誌名中心で確認することが多いようですし。
なので、やるとしたら、『書誌データ+特集記事』が検索対象で、目次情報は、詳細で見られるのみの方が有効かなぁ?と。

それにしても、約400タイトル受入で、原則永年保存って、それが可能なのは羨ましいなぁ。

次に、最新号の予約関係。
以前も書きましたが、雑誌の最新号でも一夜貸ししている図書館もありますが、大抵はバックナンバーとして新たな最新号が発売され、図書館に並ぶまでは貸出禁止なのですが、次に考えるのは最新号の予約を受け付けているか否か。

図書と同じように考えると、発売日前でもリクエストとして予約は受け付けられるので、1年先の号というのは大げさですが、最新号の次号くらいは、図書館で購入されるだろう号であり、出版者でも出版されるだろう号なので、予約が可能なのかもしれませんが、近隣でだけかもしれませんけど、そこまでしている図書館は見ないです。

最新号が貸出可能になったら借りられるように『最新号である状態ででも』予約することができる図書館はたまに見かけますが、やはり最新号が図書館で登録され、もしくは配架されてからなんでしょうね。(登録と配架は微妙に差が出ますけど)

うちの場合は最新号が貸出可能になった時点から予約可なので、最新号の時点ではできません。
もちろん、書架に新たな最新号が配架された時点ですから、Web予約や電話予約ではそのタイミングが計れないので、来館者有利なのですけどね。

どの方式が良いのやら…

一般利用者的には、最新号の状態でも予約をしたいし、借りられる時に一番で借りたいという人も多いでしょう。
来館利用者的には、直前まで図書館で読めて、さっきまで読んでいた雑誌が貸出可能状態になったからといって「予約が入っているので」と借りられないより、「借りられるようになった時点でそのまま借りて行きたい」でしょうね。
来館者重視かなぁ、やっぱり。(と思ったので、うちはその方式ですけど。)
確かに、一夜と言わず、最新号を貸出する図書館であれば、どのタイミングでって悩まなくて良いのですけどね。

最後に、除籍・廃棄関係。
以前これも書きましたが、丸山高弘さんの『除籍雑誌を著作権法31条の2を使ってデジタル化保存』という発想が、そのまま実現するように、今回の著作権法改正に盛り込まれていれば良かったのですが、報告書では可能のような記述でありながら、法改正には盛り込まれなかった件も関係するのですが、大抵の図書館では雑誌に保存期限をつけて除籍・廃棄しているのが現状だと思います。

そして、保存期間の切れた雑誌や除籍図書などを含めて、『図書館祭り』だの『リサイクルブックフェア』だのを開催している図書館が多いような気がします。

で、これはあくまで私個人の見解なので、ご了承願いたいですが、よく図書館便りなどで『盛況にリサイクルブックフェアが行なわれました』と書かれるのは、ほんと個人的に嫌なんです。

個人的には「保存期間切れが名目ですが、図書館的にも需要は見込めないので除籍するものです」ということで、「全く持って行かれなかったです」と「やはり需要はなかったですね」となることが理想なんです。
『盛況』ってことは、確かに平行して開催される『お話会などのイベントが』であれば、喜ばしいのでしょうが、『除籍資料が』ってことは「まだ需要があったんじゃないか」と思えるからです。
もちろん、「もらえるから」という理由もあるのでしょうが、その資料に対する需要だったのじゃないかと思ってしまうのです。

「公費で買った資料を雑誌といえど読める状態で身売りするのは、もったいない。」という考えもありますし、反対に書庫の物理的容量の問題も悩ましいですがそれに平行してあります。
デジタル化保存がまだ微妙な位置にある現在は、ゆうき図書館のように、なまらでかい書庫で「原則永年保存です」って言ってみたいところなんですけどね。
可能であれば、出版者がデータを保持して、必要に応じてバックナンバーを図書館などで購入できる体制が出来ていると、一番良いのですけどね。需要のある時に購入できるような…

確かに雑誌の情報的には即時性・速報性が高いというかそういうのがメリットと思われますし、「10年前の週刊誌にどれだけの需要が見込めるか」って一般的な考えもわからないことはないですが、資料として受入した以上、保存していきたいなぁと思う今日この頃です。

話ついでに…
最近は雑誌の休刊(あくまで廃刊ではないらしいいつになったら復刊するのやら…)が多く、逆に新規の雑誌も創刊されていますが、図書館ってなかなか購入雑誌の切り替えってあまりないような気がします。(気だけ?購入中止は多い気もしますけどね。)

逐次刊行物なので、継続…少なくても1年は継続っていうのが図書館的なんだろうなぁと思うのですが、利用者側としては、「この雑誌を購入して欲しい」という希望もあります。
で、例えば県内などを確認しても、近年創刊した雑誌って案外収集されていないですし、国立国会図書館にも納付されていないとなると、提供しづらい状況で、買うべきかどうしようか悩むところです。

価格的にはリクエストとしてその希望する号を購入するっていうことも考えられますが、きっと継続して買って欲しいと毎号のようにリクエストも来るでしょう。
まぁ、これは図書でもそういうことはあるんですけどね。
図書だと、収集方針から大きくそれない限りは、購入することも多いのですが、雑誌だと「買うからには継続して…」って意識が働いてしまい、図書の場合より躊躇してしまいます。

『知る権利云々』の理想と『予算が足りない』現実の間で悩みます。納本制度が納本率99%にでもなれば、話は別なんですけどねぇ。

いやね、読みたい雑誌があって、検索したら県内でどこも収集していなかったんで。
もちろん最新号なら購入できるけど、数年前のだと、出版者にもなかったんで。
そんなにぽっと出の雑誌ではないんだけど県内および近隣県にないんだよなぁ…

そんなことがあったので、もう少し、雑誌に関しても多様な収集と保存がされるといいなぁと。

| | コメント (10)

臨時・非常勤職員6割時代の図書館運営

JLAメールマガジン第448号によると(以前も中間集約の部分で当ブログでも取り上げましたが)、図書館全職員の62.7%が臨時・非常勤職員で、そのうち91.9%が女性ということが自治労の最終報告ということで、載っていました。
(『図書館における重み付け<その3>』参照(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/03/post-7af2.html))

臨時・非常勤職員の雇い止めもある現在、某理想的図書館追及者達に理想とされるらしい「自治体直営で館長をはじめ職員全員が有資格者で、正職員による図書館運営」という職員体制になるのはいつのことやら…おそらく法でも変えない限り、あり得ないんじゃないかと。
そりゃあ、もちろん、そのような職員体制で、潤沢な資料費があって、職員全てが志も高く能力も高い…そんな図書館ばかりであるのは、理想ですよ。確かに最終目標かもしれません。
でも、某協会や某研究会や某よくする会など、色々な所で、「あ~でもない」「こ~でもない」と議論が出てきますが、根本の『図書館法』はどこが変わったでしょうか?

この6割というのは平均ですから、臨時・非常勤職員が0の自治体や極めて少ない自治体があれば、逆に7割~9割という自治体もあるのでしょうね。
そんな中、直営だの指定管理者だの議論しているのは悠長過ぎやしませんか。

まだ4月はじめですが、おそらく、どこかの図書館はベテラン職員が異動や退職になったかと思います。そのベテラン職員の培ったノウハウはちゃんと次世代に受け継がれたでしょうか?

なんかこういうことを考えていくと、「指定管理者だとノウハウが云々」とか言われているのが馬鹿みたいな感じがします。
・臨時・非常勤職員が6割ということは、その6割に長期的展望やノウハウの蓄積はあまり期待できない。(雇い止めもあるし)
・直営の正職員がいても、行政採用であれば、5~6年で異動するので、やはりノウハウは蓄積されにくい。
・指定管理者が管理するようになっても、3~5年で変わることが考えられるので、自治体にノウハウが残らない。
もちろん、『ノウハウ』と言われるのもが、何なのか知らないんですけど。笑
部外秘でも良いのですが、「これがうちの図書館のノウハウです!」と言えるものがある図書館がどのくらいあるんでしょうかねぇ…

 おそらく、長年やっている職員のノウハウって、例えば選書において「司書の長年の感で」とか、レファレンスにおいて「おそらくこれを調べると良いかも?と思った」とか、そういうものかなぁ?と思ったりするのですが…

 例えばその1、『長期的展望に立った蔵書構成』というノウハウがあったとして、『長期的展望』は図書館設立当初から永遠に変わらないのでしょうか?
 自治体だって、『第○次総合計画』などとあまり変化は見られない場合が多いかもしれないけれど、見直しをします。
 その時々の情勢によって見直しをするため、5年~10年で見直されます。

 図書館の理想としては、『全出版物の収集』が『知る権利云々』には理想なんでしょうから、蔵書構成を論じてもどうかなぁとも思いますが、「できるだけ偏りのないように」収集するという形で、何年かごとに収集基準などを見直したり、蔵書構成を再考したりする必要があるでしょう。
 そうすると、指定管理者や切り替え時期の直営職員が5年くらいで5ヵ年計画を立てれば良いわけです。

 心配だったら、「ベストセラー本は○冊まで」とか「ベストセラー本は全て寄贈で」とか大枠を決めておけば、良いのですし、指定管理者に変えられたくないのなら、抽象的な収集基準でなく、少し具体的な基準を直営時代に作って、「これがこの自治体の方針なので、この方針に従って。従えない場合は別途協議で。」と言う権利はあると思うんですけどね。
 だって、「闘病記文庫をやります」って闘病記や医学系の本を重点購入すると、その前後で蔵書構成なんか変わってしまいますし、それをやっちゃいけないということは直営だろうと指定管理者だろうとないでしょうし…
 そうすると、このノウハウは、『ベストセラー複本いっぱい買おう!』などでなければ、大きな変化はあまり見られないのじゃないかなぁ。

 例えばその2、『レファレンス能力』というノウハウについては、確かに質問者からキーワードになる言葉を多く引き出して、欲しい情報が書かれているだろう資料に短時間で当たれるかどうかなどは、経験が必要なものもあるでしょう。
 でも、どの質問者の言っている分野についても全て知っているという人は少ないでしょうから、調べ方には定石みたいなものがあります。
 それは、その図書館にある資料であれば、「まずこの百科事典で見てみて、この手の質問だったらこれにも目を通して…」と全ての図書館共通ではないですが、調べ方のパターンはあると思いますので、それがまとめられていれば、ある程度のレベルのレファレンスは誰でも可能でしょう。
 最終的には人海戦術&総当りって手もありますし。笑
 ベテラン正職員が1人でやることを臨時・非常勤職員2人で当たると、別の道が開けることもありますから、悪くはないんですよね…

 ようは少し探して「見つかりませんのでわかりません」とシャッターを閉めることさえなければ、マニュアル+若い発想ということで、質問者の満足のいくレファレンスが可能だと思われます。

 例えばその3、『選書能力』というノウハウについては、「うちの図書館は選書に絶対的な自信があります。未所蔵資料のリクエストなんか1回もありません!」って言える図書館がどれくらいあるのやら…(1回もないのはその制度を利用者が知らないかあきらめられているんじゃ…)
 もちろん、『ベテランの直感』という選書もなくはないですけど、そのベテランだって、ある新刊に対し頭の中で取捨選択していますよね?それがフローチャートになっていれば、他の人もできるのではないか…
 まぁ、たまに「この新刊が光って見えた」という人もいますけどね。笑

 未所蔵リクエストが多ければ『選書失敗』とも思えるかもしれませんが、どうせ「10年後に使われる本を見越して」って話も聞きますから、個人的には「本当に10年後利用されているんだろうな?」って調査したいけどできないし、他館所蔵が少なければ、それはそれで相互貸借っていうのもあるし、いいんじゃないかなぁと。

 他にも色々あるけど、今回はその例をあげるのが目的でないので、進みますが…
 つまり、ノウハウが経験によるものであれば、館内研修などでみっちり仕込まれたパートさんや他館で良いサービスを受けてきたヘビーユーザーさんの方が、ポッと出の有資格正職員や行政から来たばかり職員より、優秀であるということです。
 近隣の色々な図書館を渡り歩いたパートさんがその図書館に向上をもたらすということもありますしねぇ。

 まぁ、なんでいつもこんなことをウダウダ言っているのかというと、「経験や勤務年数に基づくノウハウ云々」があって、そのノウハウを生かすことのできている図書館が『良い図書館』って主張が散見されるからで…
 実は、うちの図書館はどちらかというと新館の部類ですから、『図書館ノウハウ』なんてありません。開館当初なんて手探りのことが多かったです。
 でも、もちろん、浦安市立図書館並みなことをやっているかというと無理ですが、レファレンスは複数人で手分けして当たり、時々県立の力を借りつつも最後まで手を尽くしますし、選書も突拍子もない蔵書構成には計算上なっていません(もちろん、特色部分の重点購入はありますがね)し、どういう図書館になりたいかという目標もあります。
 すばらしく良い自慢のできる図書館というわけではないですが、平均は超えているんじゃないかなぁと思います。
 そういう図書館ですから、指定管理者制度で3年間だから「悪かろう」なんて言われると、「直営で新館は何年経てば『いいんじゃない?』って言われるんだろうか」とグサリと刺さります。

 なので、その頃思ったのが『1年目からでもやっていけるノウハウと基準』が欲しいなぁと。
 もっとも、その基準を満たして安心し切っちゃったら、向上も望めなく、意味ないですけどね。

 で、以前も書いたと思いますが、指定管理者制度導入した図書館に行って思ったことは、「指定管理者が新しくやったことはすでにうちでやっていることなんですが…直営時代はそんなこともしていなかったのか…」ってこと。
 ついでに「直営で人件費削減を中心に考えるのなら、退職間近の職員でなくどうせ行政職からの館長も含め若手職員中心にすれば良いんじゃないか。」って。

 さて、話が脱線しそうなので、戻しますが、『1年目からまともな図書館であるための図書館運営ノウハウと基準』があって、そのための『1年目から図書館でまともにやっていく職員スキルや能力』というノウハウや技術伝達がされていれば、何も臨時・非常勤職員で無資格者であってもやれるんじゃないかと思うのですがどうでしょう?

 何も私は「無資格の臨時・非常勤職員で図書館をやっていこう」と言っているわけではありません。分類についてなどの基礎知識を最初から教えるより有資格者の方がそこはスルーしても良いからいいですし、臨時・非常勤職員がせっかく慣れた頃に「別のところに行きます」では、図書館職員を始めて数ヶ月の人であろうと戦力減になるのは目に見えていますから、希望としてはもちろん有資格の正職員であってほしいですけど、半数以上が臨時・非常勤職員ってことなのであれば、『1年目の臨時・非常勤職員でも運営できる図書館ノウハウを』の方が『臨時・非常勤職員だからレベルが…』って愚痴を言うよりも良いかと思うのです。

 これが逆に臨時・非常勤職員が3割程度というのであれば、手の施しようがあるのでしょうが、こういう現状であれば緩和療法でないと…

 なんでこんなことになったかと考えると、日本の役所のジェネラリスト思考というのもあるのかもしれません。
 図書館の多くは自治体の管轄で、役所の職員は大抵いろいろな課を転々と異動してまわるジェネラリスト養成みたいな感じです。
 で、図書館に臨時・非常勤職員が配属されたとき、大抵、カウンター業務が主体です。
そして、大きな図書館ならデカデカと『レファレンスカウンター』と専任の正職員がいて臨時・非常勤職員には一切任せないところもあると思いますが、うちみたいな小さな図書館だと、パートさんに簡単なレファレンスはできるように指導していますし、雑誌の登録や修理などもお願いすることが多いです。

 カウンターにいる以上は、採用云々に関わらず、ある程度全般的に出来なきゃいけないと、運営側も利用者側も思っている節があるからかなぁと。

 でも、どこか外国の図書館だと、フロアで配架している職員をつかまえてレファレンスをお願いしても「カウンターにいる『司書』に聞いてください」と断られるとか。きっと、同じスタッフでも司書とそうでない人の業務がしっかり分かれているのでしょうね。
 もちろんこのスペシャリスト方式が必ずしも良いと思いませんが、「臨時・非常勤職員は単純な貸出作業と返却・配架以外禁止」と最初から棲み分けを考えた状態であって、利用者にもそれが周知してあれば、混乱もないし、正職員司書の需要に繋がったのになぁ…と。

まぁ、最初からというのであれば、図書館法に「館長をはじめ職員は有資格者で」って文言が明文化されているのでしょうけど。笑

 一方で、どこかで臨時・非常勤職員が「同じ仕事をしているのに給料が安い」って文句が出ている図書館があると聞きました。
まぁ、それは正職員の頑張りが足りないか、頑張っていても見えていないかなんでしょうけど、他館を利用してみて正職員に聞いてもパートさんに聞いても同じレベルの回答しか得られないということはよくあります。

 これがよくあってはいけないのですが、高水準で同じ場合もありますし、低水準で同じこともあるので、一概に言えませんが、そんなんだから「司書資格あってもなくても同じ」とか「正職員でなくても図書館は運営できる」と言われちゃうんです。

 だからといって、臨時・非常勤職員がしちゃいけない業務というのはないのでしょうし、正職員の半額だとして正職員1人採用するところを臨時・非常勤職員2人採用できることになるのですから、時々人海戦術的な手法を使うことのある図書館だと、この臨時・非常勤職員の割合が増える方向性に歯止めがきかないんじゃないかなぁと。

 例えば、『図書館法を根本から改正』とか『うちの自治体は有資格正職員だけで運営することに決めた』とか『臨時・非常勤職員の仕事内容はここまでだと決まった』とか、そんなことがない限り、その流れを止めて逆流させるのは難しいと思います。
 それなら、図書館業務の多くを担っている臨時・非常勤職員がいてもサービスレベルを下げない基準を作って、「あの職員は臨時・非常勤職員だし、あっちの職員は正職員でも1年目だから聞いても無駄」って言われないようにする仕組みにすることが、大事なんじゃないかなぁと思います。

 そういや、以前、図問研で、「公共図書館職務区分表2003年版」いうのを作っていたと思いますが、前提は『図書館に専門的職員が配置され、業務も一定水準の実質を伴って遂行されている場合を前提に』とのことでした。
 『業務の一定水準』の指標が欲しかったところですけど、水準を達していない場合でも使えなくないかなぁと通覧。

これには
1 司書が直接行うべき職務
2 一定の研修受けた職員がマニュアルに基づき、司書の立会いの下、直接指示を受けられる状態で行う職務
3 一定の研修を受けた職員が、規則、マニュアルに基づき行う職務
4 その他の範囲
という職務区分もありますが、正職員か臨時・非常勤職員かっていうのはないみたいなので…(おそらく会の趣旨からいうと全員正職員なのかもしれませんけど)1が1人2人の司書正職員と考え、2・3が臨時・非常勤職員(無資格可)だとどうなるか?(4は契約関係とか物品管理、教育委員会など外部との調整や条例云々は正職員でしょうし、開館準備・蔵書点検などは正職員とか臨時・非常勤職員に関わらずやる仕事ですし…)

 そう考えて眺めてみると、量が多いので載せませんが、選書や外部と関連するものや根本部分など以外はほとんど出来るんじゃないかと。
 もっとも、レファレンスのほとんどは1扱い(書誌の検索等簡単な業務は2)なので、「まぁ、良しとするか」なんですが、臨時・非常勤職員に利用者が尋ねても、先にあげた外国の例のごとく「あちらの正職員の司書にお尋ねください」となるはず。

 で、県立図書館ならばレファレンス担当職員が、小さな図書館では正職員が一生懸命調べて、こなしていくのでしょうね。
 時期によってはなかなかの負荷ですが、担当者のスキルはあがります。
 が、一方で人によっては体を壊す人もいるかもしれません。
 真面目で真剣に図書館を考える人ほど、自分を犠牲にして、こなせてしまいますが、その担当者が万が一入院ってことになったら?
 おそらくあてがわれるのは、臨時・非常勤職員でしょう。
 そうすると、その図書館でレファレンスはできない…笑
 そうなる前に、正職員司書を増やしてもらう?それが簡単に出来ていれば、6割も臨時・非常勤ってことにはなっていません。
 おそらく、『書誌の検索等簡単な業務』以外の簡単なレファレンスは臨時・非常勤職員でも可能なのでしょうね。

 以前も書きましたが、パスファインダーや新型利用者OPACなどで利用者が調べやすい環境を作っていき、それ極めると『利用者が自分で調べて自分で解決できる図書館』ができます。
 おそらく、その時代の図書館司書は、そのバックボーン部分にのみ携わることになり、直接利用者からは見えない縁の下の力持ちとなるでしょう。
 同様に、自分の体の負担軽減のためにも、臨時・非常勤職員にみっちり教育をして、館全体のレベル向上に力を入れると、利用者的には「便利な図書館」になりますが、行政側、それも外の行政側には「あそこの図書館は臨時・非常勤職員がしっかりやっているから、うちも正職員でなくてもいいんじゃないか。司書でなければ出来ないことの法律根拠はないんだろ?」って見えない部分の努力は見えません。
 まぁ、利用者が自分で全て調べることができるという極めた環境がまだ出来ていないからこそ、司書の仕事がまだ残されているんでしょうけどね。

 4割の正職員が、6割の臨時・非常勤職員からぐうの音も出ないほど素晴らしいレベルで仕事を頑張れば、それはもちろん良いのでしょうが、棲み分けなどを考えて行くのであれば、1人正職員の小さな図書館だと、やらにゃいけないことが重く圧し掛かりますよね。
よくあるパターンとして、
1.自分を犠牲にして頑張る
2.臨時・非常勤職員に業務分担をする
3.手を抜く(笑)
でしょうか。
 例え2だとしても、採用契約上、臨時・非常勤職員にやらせられないことって、自治体内でもあると思います。それは結局1人なんですよね。
 そうすると、1人で抱え込んだり、1人担当だった場合、万が一、自分が倒れた時に他の人が来てもレベルを落とさずにできるように、予め手配しておくことが必要となります。
それって、ノウハウの伝授とかマニュアル化になると思うのですが、それが可能であれば、優秀な図書館職員の神のような存在の方が、『図書館における全ノウハウ』というものを残せば、それを通じて、1年目の司書だろうと、臨時・非常勤職員だろうとやれるんじゃないかなぁ?

 ということで、私としては、4月で異動などで戦力が激減した図書館もあるでしょうから、
「ベテランが異動・退職した残された職員の方には「ノウハウとしてベテランから何が残されたか教えて欲しい」ですし、ベテラン職員の方には「あなたの培ってきたノウハウを明文化して教えて欲しい」ですし、自治体や館種を越えて図書館を渡り歩いたことのある臨時・非常勤職員や正職員の方には「他の図書館で体験したノウハウを教えて欲しい」です。」と言いたいです。

 確かに、都市部では臨時・非常勤職員のための研修とかも開かれていますが、安い時給で地方から出てきて研修を受けるのはなかなか厳しいものがあります。
それなら、可能であればそのノウハウをオープン化してもらえると、図書館業界のレベルアップに繋がるような気がします。

 現状を嘆くのは簡単なのですが、理想論を言うのではなく、「現状でどうすれば向上するか」を考えるのも必要でしょう。
 確かに、誰でも一定水準の図書館を運営できるマニュアルやノウハウ集があれば、究極的には「本・雑誌・CDを寄贈で、人はボランティアで、システム機器も寄贈で、システムの中身はオープンソースで」っていう図書館も出てくるかもしれません。
 でも、その一定水準レベルで利用者も地域住民も満足しちゃっていると、「図書館ってこんなもんだ」感となり、先に進めなくなるので、満足しない利用者というのも重要な要因なんだろうな。
 だから、地域レベルに合わせた図書館運営でなく、その一歩だけ先に行く(先に行き過ぎると地域住民が取り残されてしまう)図書館運営を心がけていかないといけません。
そう考えると、ノウハウを職員間で…と思って書きましたが、利用者や地域住民に残すっていう方法もありかもしれませんね。

 ということで、今回は、6割の臨時・非常勤職員時代であれば、正職員を採用して今から育成するというより、現状の臨時・非常勤職員のレベルをあげる方に『ひとまず』力を注いだ方が良いのじゃないか、そのレベル上げをするためにも、正職員はその上を行くレベルを目指そうってことで。

| | コメント (0)

図書館協会の求心力?

 タイトルに「日本」をつけなかったは、たぶん書いていると日図協だけのことにならないんだろうと思うから。
 おそらく、(図書館協議会ではなく)「○○市図書館協会」などは、私が知らないだけかもしれないけど、聞いたことがなく、各都道府県で「○○県図書館協会」というのが存在するんだろうなぁ…と思いながら、「あれ?全都道府県にあるっけ?」というのが最初の疑問。
もちろん、似たような団体で「○○県学校図書館協会」というのも存在しますけどね…
実はあったりなかったりすることが判明。いや、横着してネットで調べただけだから、実は存在しているのかもしれません。いや、存在しているでしょ?各都道府県図書館に事務局を置いて…非公式でも。笑

 その都道府県図書館協会の中身は大抵、その都道府県内の図書館の振興ということで、日図協と同じように公共図書館部会や大学図書館部会(学校図書館部会も含むことも。逆に大学・学校部会がないとこも。)などの部会があって、企画研修委員会などの委員会がまたある状況。

 で、どこにも日本図書館協会の下部組織ということは書いていないので、おそらく、きっと絶対違うのでしょう。

 ついでに書くと「○○県図書館協会」と「○○県学校図書館協会」は全くの別組織ということですので、前者の学校図書館部会に入っていないで後者に所属しているということもあるわけです。

 さてさて、私の所属する図書館も某県図書館協会に所属しているのですが、その部会がうまく機能していないような…
 というか、大学図書館が所属する部会もあるんですが、どうも別組織の方に入っている率が高いような…
 どうも、日本図書館協会と同じだと思われるのですが、公共図書館…いや公立図書館(笑)重視って感が否めませんものね。

 いっそ、分解してしまった方が良いのではなかろうかと…
 まぁ、知り合いにはバレているブログですから、「○○県図書館協会から離れて○○県図書館ネットワーク協会を設立したらどう?」って私が某所で言っていたことを書いても支障はないでしょう。笑
 いやね、会費に見合う恩恵があるのかどうかとか、逆に会費というのが必要なのかどうかとか、そもそも県立図書館で事務局やって、その館長が会長をやるんだったら、何も会を作らなくても県立図書館の仕事としてやってくれればいいんじゃないかとか…

 日本図書館協会だって、噂では大学図書館の求心力が失われつつあるようで(いや、噂ではすでに求心力はないとの話も。)、Webページを見ても、公共図書館部会のページはなく、大学図書館図書館部会のページはしばらく更新されていないのからもわかるように、『日本図書館協会≒公共図書館部会』って感じもします。
 それじゃあ、大学図書館や他の図書館などやそこに所属する個人へのメリットはあまりなさそう。
 もちろん、公立図書館であるうちの館も団体会員ではありますが、メリットはなんでしょう?
 私自身は会員ではありません。でも、この業界に進む時に「会員になろうかな?」と思ったことはあります。が、会員になるメリットが思いつかなかったもので…

 ちなみに、某県図書館協会に関しては、団体会員としてのメリットがちゃんとあるそうで、『相互貸借を無料で受け取れる!(郵送でやりとりしないで、県内図書館が配送車などで他館の資料を運んでくれる公立図書館寄りのサービスがあるってこと)』。
 つまり、某県図書館協会に入会していないと、相互貸借が郵送でやらざるを得ないということに。資料費削減の昨今、これはちょっときつい…

 で、そういう脅し的みたいなメリットであっても、良いのですが、日本図書館協会の会員になった場合、入会案内から見ると…
(1)『図書館雑誌』を毎月お届けします
(2)協会出版物をお届けします
(3)あなたの求職活動をサポートします
(4)あなたのスキルアップをお手伝いします
(5)協会出版物が割引価格で購入できます
(6)協会資料室が利用できます
(7)電子メディアでの情報提供も行います
とのことですが…
(1)は、図書館で見られるし、万一施設会員でなくても、他館で読めるし…
(2)は、施設会員限定なので、個人には意味がないし…
(3)は、すでに図書館で働いているのですが…
(4)は、そもそも職場をそんなに空けられる余裕はないし…
(5)は、いまだに「これを買って読みたい」と思うものが出ていないし…
(6)は、利用したいと思わないし…
(7)は、メルマガは(1)と同じ理由…

 それとも、『図書館の自由に関する宣言』の最後に『万一そのような事態が生じた場合にその救済につとめること』が日本図書館協会の責務とあるので、「会員でなければ救済しないぞ」ってわけなんでしょうか?笑
 まぁ、会員であってもどう救済してくれるか、本当に救済できるのかわかりませんが。

 何も私がメリットを見つけられないからといって、入会している人に脱会をオススメしているわけではありません。
 それは人によって入会するスタンスや要望が違うのでしょうから、「図書館雑誌を手元に置きたい」人もいるでしょうし、「求人広告出したので就職できました」という人もいるかもしれませんし、「割引価格で欲しい本が買えました」という人もいるでしょう。
 私だって、友人が所属している劇団の会員ですが、劇を見に行くので、チケットの割引価格はメリットですし、その劇団の活動をWebでも確認できますが知りたいですから、会報も送ってもらえるので悪くはないと思います。
 でも、日本図書館協会の会員になるメリットが私自身に限って言えば見当たらないので、ならないというだけです。

 これでもし、以前書いた、「図書館職員電話相談サービス」や「図書館職員が自由に交流できるインターネット上のサービス」が『会員限定で』あるとか、「あなたの研修中スキルを持った代替要員を派遣します」(代替要員が素晴らしすぎて同僚に「帰ってこなくていいぞ」と言われるとショックですが。笑)とか、「他自治体への異動もサーポートします」とか、せめて『日本の図書館』など会費以上の出版物をくれる(残り物感があるかも?)とか…
 そんなのがあれば、「入ろうかな?」って気にもなりますけど…笑

 ただ、以前も書きましたが『図書館の自由に関する宣言』は、意義のある宣言であると思いますが、日本図書館協会というただの一団体が勝手に言っている事とすれば、「守らなくても…」って意見が成り立ってしまうおそれがあります。

 個人的には、公立図書館協会・大学図書館協会・学校図書館協会・専門図書館協会・図書館類縁機関協会などがあって(現在もある協会名もありますが)、それぞれ都道府県支部があり、その都道府県支部がまとまっているのが都道府県図書館協会という形で存在して、その都道府県図書館協会の上位組織でもあり、各図書館協会に影響力がある組織として、真の日本図書館協会っていうのがあるっていうのが理想。
 どうも図書館運営と同様、各自治体・各組織に任せてばかりだと、今の現状であるような…

 他は並列でも良いけど、例えば『国立日本図書館』という別格で頂点に立つ図書館があれば、県図書館協会が県立図書館の仕事としてやれる気がするように、国立の仕事として『日本の図書館の発展に云々』というのをしていれば、図書館協会みたいな団体は不要なんじゃないかと…

 海外の図書館協会の事例は、言語能力の低い私にとっては敷居が高いのですが、時々『丸山高弘の日々是電網 The First.』(http://maru3.exblog.jp/)などのブログを拝見することによって米国図書館協会などの事例を見聞きすることがあります。
 そうすると、日本図書館協会があまり…いや、ほとんど活発でないように読み取れます。
国が違うので、考え方も方針も違って良いと思いますが…確かにちょっとね…
 日本図書館協会の方々は、私みたいに、「英語が読めないから、他国の図書館協会のことはさっぱり…」ってことはないでしょうけど、他国の事例を真似ぶことも必要かと思います。

 ところで、『専門職員認定制度』って、こないだ予備審査への申請があって、「81名もの申請」があったそうですが、個々のじゃない結果はいつ出るんでしょ?
 もし、4~50人程度が通過して上級司書なりになった場合、逆にどこの所属の人がなったのか知りたいですけどね…個々でなくても、都道府県別だとか市町村立のどこに所属しているかみたいな統計が欲しいなぁ…
「なりたい司書の鑑」「尊敬する司書」のような人であれば、良いなぁという意味も込めて。

 ついでなので、「81人もの」って想定より多いってことでしょうか?
そもそも、図書館勤務年数が10年以上の人って全国にどのくらいいるんだろう?
私は10年経っても申請しないだろうな。メリットないし。

 話は脱線しましたが、ようは、なんたら図書館協会が乱立している時点で、1箇所に求心されていないということですし、一度解体して、再構成しないと中途半端な状態なままでそれこそ船頭多くて…
 図書館が各自治体に任せきりでピラミッド構造にならないのなら、せめて協会再編くらいはして欲しいです。
 館種を越えたサービス展開とか、個々なら良いですが、大きくやろうとすると話をどこに通せば成り立つのかわからないし…

 最後に日本図書館協会の個人会員の方で、惰性やステータスという以外に、「入会したらこんなに素晴らしい」っていう方がおられましたら、教えて欲しいですし、施設会員って脱会したらどんなデメリットあるのか知りたいです。

 そういや、業界では周知の事実なんでしょうが、TRCって『社団法人日本図書館協会事業部の業務を継承する形で設立』なんですよね。
 当時の方々やその後の方々の尽力で今のTRCがあるのでしょうが、逆に分離しない形で資金投入及び業務委託状態であったら、日図協MARCとかできて、施設会員割引とかになって、メリットも格段に大きく…
 というか、もしかすると、「日本図書館協会だし…」って図書館採用率99.9%になっていたかも?(で、公取委なんかに是正…笑)
 まぁ、逆に赤字運営が続きすぎて、図書館業界がもっと衰退して荒廃していた公算も大きくはありますが。笑

 私がただ単に知らないだけとか、変なことを言うので弾かれているだけかもしれませんが、どうも『○○図書館協会』って言われる団体の求心力ってなくなってきているような気がします。それで、どうなのかなぁと思い書き連ねてみました。
で、結局日図協のことばかりになった…笑

| | コメント (0)

図書館員の悩み?

またぽわーっと、アクセスログを見て、検索に使われたキーワードを眺めていたら、複写サービス関係のキーワードが多い中、それだったら、聞いてくれりゃ(私の解釈ですが)答えるのに…とブログに書いたことより少々細かい事例のようですが、「参考になったかなぁ」と思いながら、ぶつぶつ独り言を言っていると、気になるキーワードを発見。
まぁ、アクセス者の所属とかがばれないように少し改変しますが、なぜか「司書の悩み」や「図書館職員 AND 悩み」や「図書館 AND 職員 AND 嫌われて」とか…そんな感じの検索フレーズが…

図書館職員の悩みで代表的なのは、
・予算が減らされて資料が買えない
・人員が減らされてやりたいことができない
・資料の切り抜きかが多い
・資料を返却してくれない
・行政側の理解が足りない
・周りの人の理解が足りない
など、どちらかというと愚痴っぽいものの悩みと、

・図書館の統計数が伸びない
・利用者にもっと来て欲しい
・新しい企画・サービスはできないか
・どんな資料を揃えればいいか
・なんでこういう対応なんだろう?
・こういう場合はどうすればいいんだろう?
など、運営に関する悩みかなぁと思うのですが、どうでしょう?
(いや、もっとあると思うが列挙が目的でないし…笑)

まぁ、他にもどこにでもあるような
・人間関係の問題
・業界全体の将来性の問題
・自分や勤務先の将来の問題
・無理難題なクレームのこと
などもあるでしょう。

まぁ、細かい悩みは多々あるでしょうが、悩みを分類したら面白いかなぁと。
「今の図書館員はこれに困っているランキング~」とか。

さて、仕事上悩んだ時に誰に相談するか?
同僚や友人、たまに上司ってとこでしょうかね。
同僚や同業者が友人だったら、悩みを共有できるのでしょうが、どちらかというと愚痴こぼされ要員って感じも無きにしも非ず。(もちろん、人間関係の悩みは専ら友人ってこともありますけどね。)
他にも、同業者の集まり(例えばmixiの司書コミュなどそういうインターネット上や図書館大会などの出張先など)で相談をしたりすることもあるでしょう。

でも、ここのブログに間違って(?)辿り着いちゃった人たちは、インターネット上の記述に問題解決を求めたわけですが、フレーズだけじゃ中身がわからないので勝手に想像してみると…

先にあげた「悩み」の検索フレーズで考えられるのは…
・悩みを抱えているけど、相談できる人や場所を知らない
・この業界でどんな悩みがあるのか知りたい
・同じ悩みを持つ人がいないか知りたい

「嫌われて」の検索フレーズで考えられるのは…
・職場での人間関係でうまくいっていない
・対利用者でどんな職員が嫌われるか知りたい
・利用者が職員対応に憤慨して他に同様な嫌われ方をしていない知りたい

なんでしょうかねぇ…

個人的には、正職員でもパートでも図書館運営に関する悩みや日々の疑問など、相談する場所が必要だと思って、専用SNSを開いてみたんですが、アピールも機能もさせていないので、意味ないし。笑

で、開いた時にまずは同僚に使ってみてもらおうと話はしてみたんですが、「あ、私、家でインターネットやっていないんですぅ」っていうパートさんや同僚が多く、その時点であきらめたってこともあるんですが。

そうすると、日図協などで、フリーダイヤルの悩み相談センターみたいなものを作って…とも考えましたが、「日図協を根本から変えて欲しい」って悩みはきっと解決されないだろうと思うと、これも次点案。
そうなると、私一人ではやっていけないので、有志を募って会を作り…名称は図書館問(以下略)…笑

まぁ、冗談はさておき、そもそもそういうことを考えたのは、パートさんがふと「近隣のパートさんってどうなんだろうね」って言っていたことから始まりました。
確かに、正職員であれば、なけなしの出張先で知り合いを作って相談なども可能なのですが、通常パートさんが出張するとか他館のパートと交流するっていう機会は皆無だと思います。(もちろん0ではないのですが)

なので、そんなことが出来る場所が提供できたらいいなぁと思っていたので。
もちろん、そんな当時でも掲示板を使った図書館員の悩み共有場所などもあったのですが、全世界公開だったしね、考えて書き込まないといけないので愚痴は書きにくかったし…

このようなブログだと関連しない悩みは書けませんし、SNSだとちょっと閉鎖的な気もします。
ああ、「メッセンジャーで悩みを受け付けますよ」でもいいんでしょうが…
知らない人だからできる相談と、知らない人だからできない相談ってのもあるでしょうしね。

ただ、最近の社会問題とかを考えるに、心から相談できる人が周りにいない&相談しても解決する術の知識がない場合など、深刻な結果をもたらすことが多々あると思います。
もちろん図書館界だけのことではありませんが、図書館員のうち非正規職員が全体の6割を超えるらしい現状を聞くと、気軽に相談できる場所が業界として必要かなぁと思って。

だけど、日図協も某研究会もWebページの更新と内容に注目すると、必要な情報がほとんどないですからねぇ…もっと色々な情報を載せてジャンジャン更新してくれても良いのに…もちろん、そういう情報を発信するサイトではないからなんでしょうけど。

心や時間に余裕があって、それなりに知識や配慮がないと他人の相談って受けにくいですが、どうも大きな会になると内輪もめや重箱の隅をつつくようなことばかりだとか、個人的には自館の業務で手一杯だと、そういう余裕もないんだろうな。

ちなみに、私のところの目下の悩みは、役得的な行動をする上司をどうするか…ですかね。笑(同様な事例も聞いたことがあって、その館の人が問い詰めたら「私にも利用者としての権利がある!」って逆切れだったそうで…)
詳細はみなさんのご想像にお任せしますが、選書で好きな本を勝手に買うってわけではないですし、予約順位を勝手に上げたりしているわけでもないです…そこまで行ったら私でも怒りますし、その上司の名誉(?)のために念のため。
今日はこの辺で☆

| | コメント (0)

著作権法の一部改正

『著作権法の一部を改正する法律案』がいつの間にかUP(http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/171/1251917.htm)されていました。
ずっと気になっていたのですが、ほんといつの間に…笑
(というか、これを書いている日はブログにUPする日とは違うんだけど。)

さて、改正予定の案をザーッと見て、何点か。
まず、吹き出してしまったのは、31条1項で「国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館…」と、「国立国会図書館は『公衆の利用に供することを目的とする図書館』とは違うのだよ、そこらの図書館とは!」って明確に分けられたってこと。
確かに『国立』ではあっても「国会」のための図書館ですからねぇ…これが公衆利用に供することを目的とする『国立図書館』の設置への布石であれば、申し分ないのですが、違うのでしょうね。

次に、気になっていた資料の電子化については、31条2項が新設されて、『国立国会図書館においては』と限定して「原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷又は汚損を避けるため(中略)当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる」と国立国会図書館は明文化されているのですが、普通図書館(笑)については、報告では1項2の保存のための複製で出来そうな書き方でしたが、明文化まではならなかったようで、相変わらず解釈論の展開といったところでしょうか。

それとも、これも、『図書館においては』に変更される前段階ということでしょうか…
もちろん、除籍資料などの電子複製もGoogleさんのような機器があるわけでないから、市町村図書館では難しいですが、繋ぎとしてでも、国立国会図書館が電子化した資料を保存のための複製の条項によって(所蔵資料ならば)受けられるとでもなると手間もなく良いのですが…

で、普通図書館としてありがたかったのは、37条が変更されたこと。
今までは37条で点字への複製は可能だったのですが、点字図書館系でしか視覚障害者用の録音資料が作れなかったのです。
これが『「視覚障害者等」…の福祉に関する事業を行なうもので政令で定めるもの』であれば作成可能ということになり、「政令で定めるもの」が微妙ではありますが、概要に明確に録音図書の作成が公共図書館等にも拡大となっているので、間違いなく可能なんでしょう。

ただ、気になるのは、視覚障害者サービスとして掲げているまたは事業を明記していないとできないのかなぁ?と。
でも、これで、音訳ボランティアさんにも普通に作成依頼が可能になるんじゃないかと、思うと、「著作権の許諾がないので、資料の大半は録音資料にできないんですよ」とか情熱に水をかけることを言わなくて良くなったんじゃないかなぁと。

ところで、聴覚障害者向けのサービスとして視聴覚資料に手話を付けるのは可能だったようなのですが、普通の図書館でどうやって手話付きの映像にするんだろう…作っている図書館があったら教えて欲しいものです。

他にも改定される部分はたくさんあるのですが、気になるところをいくつか。

新設された47条の7(情報解析のための複製等)で、情報解析を行なうことを目的とする場合は記録媒体に記録できる…まぁ、情報解析の定義どおりであれば無理かもしれませんが、例えば、絵本の全文をコンピュータに記録しておいて、解析という名の検索をする(もちろん検索結果に内容は表示されない)とか…

というのは、登場人物名とか台詞とか児童図書担当で精通していれば別ですが、簡単なところでは「いちもくさん」というキャラクターが出ている絵本(簡単だからすぐわかるかもしれないけど『しょうぼうじどうしゃじぷた』(渡辺茂男,福音館書店,1979))とかを利用者サイドで検索できると良いかなぁと思ってね。
まぁ、情報解析って感じじゃないからだめか。

それでも47条周りが新設されたことによって、新しい図書館サービスが何か可能になるんじゃないかなぁと思ってみたり。

個人的にはもう少し31条関連をてこ入れしてほしかったなぁ…
次の改正に期待するしかないか。
例えば、31条1項の2の保存のための複製をもう少し具体例が入ったような感じにとか…(16mmフィルムからDVD化が明確に可能だとは書かれていないし、公立図書館での資料の電子化についても…)

まぁ、平成22年1月からなんだけどね。

今日は短めだけど、重み付けの話<その1>~<その3>が長かったし。笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その3>

<正職員と非正職員>
 まず日経ビジネスオンラインの『千代田図書館の利用者“3倍増”を実現させた「クレド」の秘密』(http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090226/187463/)より。

 この中で、例として千代田区立図書館の図書館コンシェルジュに「長年探した本を紹介された古本屋で見つけた話」や「近くの美味しい蕎麦屋を教えてもらう話」が例えに出ていますが、「直営の図書館でやらないの??(もしくはやっちゃだめなの?)」って思いが…

 前者の古本屋の件ですが、利用者は「○○って本を探している」とレファレンスしますよね?図書館では「所蔵がないので他館から取り寄せます」ってなって、利用者が「読みたいんでなくて欲しいんだ」と伝えると、図書館ではネットで検索し、絶版だとわかれば、近所に古本屋があったら問い合わせてみるくらいはするでしょ。

この例では『古書店にあるかもしれないという。』と書いてあったので、事実かどうかは別にしても「なかったら無駄足になるところで止めるか普通?」って思いました。

うちの図書館の周りには古本屋はないのですが、知人の図書館では「利用者弁償になった資料が絶版だったら(図書館として是非現物となると)古本屋にあたっている」って聞きましたから、同じ手法で良いのですし。(自分たちの資料だけに使ってはいけない手法ではないし。)
古本の例はなかったですが、ある熱帯魚が欲しいっていう利用者に、電話帳から何軒かお店に問い合わせして紹介したことはあります。

 後者の蕎麦屋の件ですが、美味しいっていうのは人それぞれですからねぇ…たまに「ここから近い食べ物屋さんは?」ってのは聞かれますから、距離的に近そうな何軒かは紹介したことがありますけどね…

ここで、たぶん問題になるだろう点は、公平性の問題。
「なんでうちの店は紹介しないんじゃ」って、言われたことはないですが、「○○食べ歩きマップ」とか作ると網羅的にお店が載っているので、1店に肩入れしちゃいかんというのもわかります。

でも図書館で『○○県のおいしいお店』とかそういう本があるので、「この本にはこの店が載っています」でも良いでしょう。
同様に、「地域で発信できる情報マップを作成しよう」と図書館が主体となってお店リストだけでなく、その店内の写真やメニューやオススメの一品なんかが写真つきであるもの提供してもらって作成すれば、それを蔵書にすればいいんですし。
まぁ、そういうのは商工会が作っているところもありますけどね。大抵写真が店の写真しかない程度のものだけど。
お店によっては、商工会や自治体からの依頼であれば断らないけど、民間だと掲載を断るケースもありますし。(まぁ、逆もあるかもしれませんが、例を把握していませんので。)

逆の発想をすると、この問題の疑問に納得する人もいるんじゃないかなぁ…
例えば図書館で「恋愛小説を読みたいんだけど、オススメはありますか?」と聞かれ、所蔵している「恋愛小説」を全部並べて「図書館は所蔵資料全てオススメなのでお好きなものをどうぞ」とはしないと思いますし…
また、レファレンスの回答でも「こちらの資料にはこのように、もう一つの資料ではこのように書かれています」と数ある書かれている資料のうち代表するものを数点選んで提供しますし、元々選書って選んでるじゃん。

なので、この場合、店側から判断基準となる情報提供があれば、「煮込みうどんを食べたいという人にはこの店」という判断も可能になってくるんですけどね。
(最終手段としては公的なオススメがまずいとすると、よく聞く『私人として』すればいいんじゃないかと。「私は○○ってお店に食べに行っています」みたいな…笑)
食べ物に関しては、先に述べたように美味しい観点が違うことが常ですから、何軒かピックアップするレファレンス回答方式でないと、「図書館で聞いたけどまずかった」と言われちゃいますので、それがベターかな…と。

今日の話題から少し離れたところから始まり、そのまま飛んで行きそうになりましたが、公務員正職員だから民間指定管理者だからってやれることの差異は少ないような気がします。
もちろん、やれるからやるか否かとなると、民間有利とはなりますが。笑
(公務員だとなかなか上の理解を得るのが難しい。上主導なら力も入った企画になるんですけどね。笑)

ということで、指定管理者云々でなくても正職員と非正職員についての話をしたいと思います。

私は現在、このような小さな田舎町では絶滅危惧種のような司書採用の公務員正職員なのですが、「じゃあどれだけのことをしているか?」となると、変に期待されても困りますから先に言いますが、大したことはしていないと思います。(近くに比較対象もいないですし。)
例えば、『Webでこういう情報発信に力を入れています』とか『こんな実績があります』とか『こんな論文書きました』とか言えることがあれば良いのでしょうが、ないですねぇ…考え方はこんなですが、ごく普通なんじゃないかと思っています。
色々やりたいことの思いつきはあるのですが、言い出すと私1人に任せ切りになるような環境で、自分に鞭打つわけにも生きませんし…なので、どうみてもオーバーワークな感じでもこなしている方を見ると、ほんとすごいなぁと。

うちの館は私も含めた公務員とパートの混合の職員なのですが、全国の図書館でどのくらい全員正職員という館があるでしょうか…(いや、調べれば良いんですけどね。笑)
以前も書きましたが、2008/10/8発信のJLAメールマガジンの第424号によると『○図書館の非常勤・臨時職員は61.6% 自治労調査』ということで、5人いれば3人は非正職員状態ってことですよね…

おそらく、統計的にも非正職員率が増大している業界であるのは確かです。
でも、図書館業界的には、正職員の方が『継続的で安定したサービス』とか『ノウハウの蓄積される』とか『長期的展望に立った展開が可能』とか言われいて、正職員というのに重きが置かれ、逆に本庁の人事担当などでは、「財政難だから正職員減ね、足りない分はパートでまかなって」とか「指定管理者制度の導入ってどう?」と導入ありきで話が振られたりしますし、「色々な課を経験するのが大切だ」と異動希望もないのに定期異動があるところもありますので、図書館外では非正職員にシフトしてるような感じです。

ただ、司書採用で採用されなければ、(まぁされたとしても)通常異動する職場なら5年のうちには異動させられますし、それだと指定管理者の3年とそんなに変わらない気もします。
確かに中には図書館勤続20年のベテラン図書館職員(司書だと限らない)がいたりする図書館もありますね。その割合の統計ってどこかにあったような気もしますが…はて?

さてさて、うちは正職員とパートの混成部隊なのですが、実はパートで司書資格を持っている人、1人もいないんです。(本当は資格があってほしいですが、安い時給でだと自治体内限定だから)
だからといって、図書館で正職員と非正職員の業務が明確にわかれているかと問われると微妙な面もありますが、運営上は問題なく、いや、問題はあってもないようにカモフラージュして、運営されています。

私は、当初は明確に分かれた方が良いかな?とも思いましたが、利用者にとって、フロアにいる正職員もパートも同じ図書館職員に見えますし、もし質問して「私パートなのでわかりません」という答えが返ってくると2度手間になってしまいます。
なので、最初の研修のうちに、簡単なレファレンスを答えられるまでのテクニックや、『えをかく』という本の読みの検索では「エ オ カク」だの、目録規則の話や分類記号の考え方など、必要な事項を研修したり日々の業務の中で指導しています。

それ故、長く勤めてくれると研修のやりがいがあるのですが、辞められるとまた次の人にせっせと覚えこませるということをするので、なかなか大変です。
マニュアルを見て全てが理解できるものではないですからねぇ…
おそらく、司書資格取ったばかりの人や資格だけ持っている人よりは、うちのパートは即戦力になるとは思いますけどね。
(実際のレファレンスでは簡単な部分はパートも含めてやり、やっている中で質問を共有して、難しい部分や補足が必要な部分を私が同時に調べるという感じです。ちなみに、うちのパートがやっていないことは選書や会計処理などのバックヤード業務にはほとんど携わっていませんが、修理とか雑誌の登録作業などのバックヤード業務はお願いしています。)

何も、うちの館のパートをよいしょしているわけではありませんが、何を言いたかったかというと、大学の授業での演習なども含め、実際に図書館業務で活用できる授業はあまり多くないということと、少なくても1人図書館に精通した司書がいれば、その知識などを研修や日々の指導によって業務は可能ということです。
また、以前から「図書館に勤めるのに司書資格って必須じゃないというのは変だよね」という話も聞きます。
それは私もそう思います。
例えば車の運転などは小学生でも可能です。でも、法的に免許がないと運転してはいけません。教員免許がなくても勉強を教えられる人もいますし…
じゃあ、免許じゃなく資格だからといって、司書資格を持っていないとできないこと…何があるでしょう?
全ての資格がそうだと思いますが、持っていなくても教えればわかります。

それと、私が教員だった頃に言われたのですが、「1年生教員だろうとベテラン教員だろうと生徒にとっては教員は教員だ。」と。
これは図書館司書にも言えます。
新館オープンでノウハウも少なく、経験の浅い人ばかりだからといって、込み入ったレファレンスは受け付けないということもなく(まぁ、回答内容に差がでますけど)、利用者にとっては他の図書館と同じように利用してきます。
じゃあ、この回答の差を何で埋めるかというと、他館のベテラン司書などのノウハウや県立等から派遣された職員などに聞くってこともあるでしょうし、情熱で乗り切るってこともあるんじゃないかと。(例えばレファレンスで総当り的にチェックするとか…)

このノウハウというもの、「うちのベテラン司書ならわかると思うのですけど…」と個人の経験的ノウハウでしかないことが多いです。確かに、そういう人に聞けば解決することも多いですが、聞ける人がいなかったら?情熱が燃え尽きたら?

私も困る点はここです。
できるだけ、「私ならできるが、他の人が同じように継続できるか」とか「万一急にいなくなった(事故や死亡などで)時、どうするか」を考えながらやっていますが、私一人で抱え込んでいることも多くそう考えると、仕事を分担しておかないと困るということがあり得ます。
例えばWebの更新方法などは手順書があるからなんとかなるでしょうが、エクセルのマクロなどは他の人がいじる仕様になっていないし、選書やレファレンスに使っているツールだって、全てが共有されているとは言えず、伝えられていません。
他にも、経験的なものや感覚的なものなど、私も御多分にもれず、ノウハウを自分に蓄積している点も多く、それは何かあったときに問題なのかと思います。

そうすると、以前から書いていますように、『ノウハウをどこに溜めるか?』という問いに『図書館に』となるかと思います。
正職員・非正職員に限らず、図書館にそのノウハウを溜めることが出来るようになれば、やれ指定管理者だの、やれ正職員がいないだのあっても、長期的な図書館運営やサービスが可能なんじゃないかと。
まぁ、問題点は、溜められたノウハウに依存しすぎて発展性に欠けることもあり得るというとこでしょうか。
可能であれば、そのノウハウを門外不出とせずに、公開されればベテラン司書のいない図書館でもそれ同等のサービス展開などができるようになるんじゃないかと。

図書館職員の非正職員化は、職員の生活環境なども考慮すると止められるものであれば止めたい気もしますが、日図協などが「あ~だ、こ~だ」コメントを出したところで、図書館法が改定され「図書館は司書有資格者の正職員で運営されなくてはいけない」などの条文が入っていないところをみると、誰にも止められないんじゃないかと思います。誰に期待すれば良いのでしょう?(他人に期待するなって?)

だからといって、このまま進むとベテラン司書のノウハウは散逸してしまいますし、何よりも図書館の仕事自体が安定した職業としてなおのこと見られない状況になっていき、サービスが全体的に低下していくのは避けたいものです。

それなら、まずは図書館にその持てるノウハウを蓄積し、それを公開することによって「これだけやるのは正職員じゃないとな」と判断されるのもよし、「確かに1人だったら正職員だろうが複数人の非正職員にすれば可能だな」と思われるのも仕方ないかと。
その仕方ない中、どこでもレベルの高いサービスができるようになれば、業界も向上すると思うのですが…
もちろん『言うは易し行なうは難し』なのですがね。

今日のまとめ。
・直営だから民間だからといって、やれる事にはそんなに差はない。(実行に差はあるかもしれないが)
・司書資格なしでも、指導がしっかりしていれば、有資格者より有能になることもある。
・図書館は正職員重視、行政は人件費重視だが、ノウハウを溜める仕組みがちゃんとしていれば、長期展望に基づいた運営も可能。
・ノウハウは個人に溜めず図書館に溜めていき、できれば公開した方が良いのじゃないか。
・日図協などはこの非正職員化に歯止めをかけられるんだろうか…

この重み付け考の<その1><その2><その3>が元は1つだったと思うと…笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その2>

<常連と未利用者>
 前振りで、1年ぶりくらいに、先月初めに再び話題にのぼった『みんなの図書館2008年2月号』の田中敦司氏(名古屋市緑図書館)の記事より『日常的によく利用する利用者、いわゆる常連のかたと、今日カードを作って初めて利用する利用者の間に、対応の差があってはならない。してはいけないことである。』って話からスタート。

 この論文、平等性の履き違えだなぁとスルーしていたので、あまり記憶になかったのですが、改めて読み直し。

 『購入した本が図書館に入ってきたときに、想定していた常連のかたに「こんな本が入りましたよ」とは言えないことである。』
 う~ん、どうだろ?そもそも常連だから、チェック済みのような気もしますし、新着本をOPAC端末で見たりしないといけないならば、初利用者だとわからないでしょうが、言える言えないというより、新着本を入り口近くの目立つところに置いて、『新しく入った本リスト』をぶら下げて(または配布用を作って)おけば、目を通すでしょ。
 うちの常連は、真っ先にリスト見ていきますよ。初めて来た利用者だって見ていくことがありますから、そんな工夫だけで無駄なことを悩む必要もないと思うんですけどねぇ…
 これで、「次の火曜日に入る本はこれこれで…」とその常連だけに教えるとか、通常は予約できない資料を予約してあげたり、他に貸し出さない資料をその人にだけ貸すとか、予約順位を繰り上げてあげるとかなんかすると、それはもう贔屓であると思いますが…(もちろん、これから入る本リストを作っている図書館もありますけどね。)
 初めてだろうと常連だろうと誰でも見える状態で新着本リストがあれば、この場合問題ないでしょ。

 この論文では、憲法第14条や地方公務員法第13条を引き合いに出しているのですが、それなら常連云々言う前に、その理論で行くと、(名古屋市立図書館は愛知県内在住・在勤・在学なら貸出可なんだけど)全国誰でも貸出してくれないと、県境を越えたから借りられないんじゃだめなのでは??
挙げた例や話の展開が悪かったんじゃないかと…(私も展開が上手ではないのであまり言えませんが)

 私が同じような文を書くとしたら、この部分『初めての利用者にもわかりやすい掲示や案内を心がけよう』で済んでしまいます。対応の差が気になるのなら、『言わない』で低い方に合わせるのではなく、『みんなにわかりやすく伝える』と高い方にすればいいだけの話。
もちろん、この論文で「この本を買えば、あの人とあの人は借りていくだろう」と想像しながらの選書についても触れていますが、たまたま想像できただけで、何も『一切誰からも手に取られないような資料を選ぼう』って選ぶわけがないですから、今後常連になるかもしれない初めての利用者が「あ、この本」って手に取ることだってあると思って、時には10年後の誰かが利用するだろうと思って選書していることも多いはずです。

 何も「常連の○○さんはこの作家が好きだからその作家の本は全て揃えよう」ってわけではないのでしょうから。(それはそれで、偏ってはいますが、「この図書館には××って作家の本が全て揃っている」って逆に特色になりますけどね。)

 この論文、「近所の人がカウンターという事態をまず避けていくことが重要である」というのと(図書館の自由に関する宣言があまねく住民に知られるようになった)「その暁には自分の親友がカウンターにいたとしても、安心して借りる本を差し出してくれるであろう。」って文があるのですが、「自由に関する宣言が知れ渡っていないので、近所の人がカウンターにいるのは危険」と取れるのですが、知られなくても宣言はあるんだから、「安心して借りに来てください」で良いような…

 確かに、最近は近所の人でないとしても、「この人、こんな病気なの?」と思われるのではないかと思って恥ずかしいなどの理由で、対面式の貸出が嫌がられる傾向も見受けられますし、自動貸出機を導入した館の記事の中にもそのような話があったかと思います。もちろん、気にしない人もいますから、気にする人用の自動貸出機導入っていうのはありだと思います。これが近所のおしゃべりで有名なおばちゃんだったら、なおのこと借りるのを躊躇しそうです。そのおばちゃんを採用する側にも多少の問題はありそうですが、そのおばちゃんが宣言を遵守してくれれば、問題はないわけですし。

 ただ、近所の人を避けることは都会ならともかく、地方だと難しいのじゃないかな?
図書館が広域になればなるほど、その図書館にいる職員・パートはその外にいなければいけなくなるわけですし(いずれ近所もしくは知っている人が来館するかもしれませんし)…そうすると、利用登録は全国可の図書館の職員は海外移住しないと…笑(ところで、田中氏は名古屋市立図書館に当時勤めていらっしゃったようですが、愛知県外在住なんでしょうか…)

 それとも逆に、その職員・パートを図書館以外の場所で知っている人は利用不可の図書館にするとか…笑

 まぁ、そうはいきませんから、採用条件に口が堅い人とかあってもしょうがないし、宣言の徹底を図る方が合理的ですし、その地域にいなければ、それこそ細やかな地域密着サービスなんかできやしませんし。
 あまねく住民に宣言を知ってもらう必要はないと思いますが、必要であれば利用案内や入り口の目立つところに明記しておけば良いのだし、普通の公務員だって守秘義務が守られていない時も見られるのですから、守秘の徹底以上のことは言えません。
 以前に書いた全自動図書館とか無人図書館を作るなら別としても、この論調はいただけないと思う。
 せめて、上にも述べたけど、「守秘云々以前に、病気や現状のプライバシーに関わりのあることを他人に知られたくない人も最近は多くいるので、1台ぐらいは自動貸出機を」って感じなら賛成かも。

 それと貸出履歴の保存機能について「いつか使うかもしれないからといって残しておくよりは、流出のリスクを考慮して残さないほうがより安全なのではないか。いや、残すべきものではないと言える。」「残さないような選択肢があるならば、そちらを選択してほしいと願っている。」と書いているのですが、カウンターにいて「前に私が借りた本わかりませんか?」って利用者に聞かれたことがないのでしょうか?

 確かに流出のリスク云々は私もコンピュータ好きですからわかりますが、じゃあいっそ、利用登録とかもやめて、資料を貸さなきゃリスクは激減ですよ?閲覧だけなら全て公平で平等ですよ?

 もちろん、私もアマゾンの「こんな商品も~」はいりませんが、それが新たな発見となって「あ~こっちも欲しいや」って思う人だっているでしょう。論文調だから、ちょっとカチンとくるのだと思いますが、利用者の要求は十人十色なんですし、現に貸出履歴を残して欲しいとかいう人もいるのですから、そういう人のためにも私なら「残せる機能があるのであれば、それを不快に思う人もいると思うので利用者ごとに設定できるようにして欲しい」としますけどね。

 さて、私も、公平性とか平等性について考えたことがあるのですが、本題に入る前に思うところを一つ。
 この田中氏の論文では商店の「お得意様セール」の手法が図書館に使えない旨が書かれているのですが、どうしてだろう?と。
 確かに、この『お得意様セール』、入り口で案内状をチェックされ、案内状を持っていなければ入れない形のであれば、図書館が開館しているのに常連しか入れないというのは少し問題でしょう。
 が、これが優遇や優越感を満たすセールということでは、レジで数パーセント値引きされたり、粗品をもらえたりというのも含まれるかと思います。
 それで、これは不公平で、不平等なことなのかと考えると、ある一定以上の貢献があれば誰でも享受できると明確な決まりがあって、それが守られている時には、一概に不公平と言えないんじゃないかと…

 個人的には、ノーマルカード・シルバーカード・ゴールドカード・プラチナカードみたいに、最低限の図書館でやることは保障されていて、その上で、図書館の利用度や利用状況によってプラスアルファを得られる図書館ってあっても面白いかもしれません。(この条件やプラスアルファを考えるのが一番頭が痛いですけど)
 mixiみたいに、限定者しかできなかったことを徐々にノーマルに移していくというのも必要ですが。(できるだけ全員に高いサービスをしてあげたいし)

延滞のペナルティの逆の発想とすれば、難しくはないかと…

 なので、公平なスタートラインで、公平な条件の下、条件を満たせば自動的にランクアップというのは公平?不公平??
(公平の最低限(全員が享受できるレベル)をどこに定めるかも悩むところですし、どんなメリットにしても「どうしてあの人は」という疑問が利用者から出てくるので難しい問題だとは思いますが、うまい条件やプラスアルファが設定されると、プラチナカード目指して利用促進してくれるかなぁという目論みもありなんですけど。条件としては期限切れを一度も起こさないとかも入れたいねぇ…笑)

 まぁ、パウチカードから名前の刻印入りのピカピカ・キラキラなオシャレなカードになるだけでも「いいなぁ」と思う人には良いのですけど。(我ながら子供っぽい発想かも。笑)

 それはさておき、図書館では、常連やヘビーユーザーだろうと初利用者だろうと、貸出数や貸出期間に差はありませんし、常連じゃないからといってレファレンスに手を抜いたりはしません。
 もちろん、常連さんだと新刊が入る曜日や雑誌の最新号が並べられる時間までわかっていますし、職員に「あの(シリーズの)続きってもう入荷した?」って尋ねるだけで、話が通じることもあるでしょうから、そこには長く図書館に通っている経験の差というものが出来てしまいます。

 それに、本当は誰でもリクエストして購入や他館依頼してもらって、資料を取り寄せたりすることができるのですが、「お手を煩わせるの悪いから」など言って遠慮するのも利用回数の少ない方が多いような気がします。常連さんだと「悪いけど、またこれ(リクエスト)お願い」とか「さっき見たら○○図書館が貸出中じゃなかったからお願い」とか自然にサービスを享受しているんですけどね。
 そんなことはあっても、来館者には同等のサービスが知られているか知られていないかは別にして保証されていますが、非来館者だと色々な都合によりサービスは少ないことになっている図書館も多いと思います。

 確かに、中には来館できない人のために健常者でも郵送貸出をおこなったり、メールレファレンスもやっている図書館もありますし、先に挙げたように新刊情報をWebで公開したり、各種情報が充実している図書館もあります。
 でも、(最新号の雑誌や新聞、貸出禁止資料などの)ブラウジングは実際に来館しないとできませんし、拡大読書機の貸出とかもほとんど聞かないですし、朗読(音訳)サービスも来館してというのが多いのではないでしょうか。
 お話会やブックトークなんかは、ある程度団体であれば職員の出張講座みたいにやっているところも多いのですけどね。
 今のところ、鎖に繋がれた資料を図書館で見ることから、徐々に郵送貸出などで、来館しなくても受けられるサービスが増えて来ています。非来館者へのウェイトがシフトしているのでしょうかねぇ。

 将来的には、セキュリティーのかかった電子データによる貸出なども可能になり、非来館型の図書館利用という形になるかもしれませんが、「や~今日は10人も来館したよ~」ってちょっと今からすると寂しい感じですね。笑

 郵送貸出の話が出たので、ちょっと話を中断して一言。
「無料の原則で貸出は無料なんだから、郵送費取るのはどうかな?」と以前言われたのですが、私は往復利用者の実費で構わないと思いますよ。
だって、「図書館にバスで資料を借りに来たからバス代よこせ」っていう人いないでしょ?同様に「貸出利用者にガソリン代を支払います」っていう話もないですし(逆にそれをサービスにしたら利用増えるかなぁ?)、「図書館を2時間利用したのに1時間以上は駐車料金を取るなんて」ってもめることも(実際はあるのでしょうが)ほとんどないと思います。
もちろん、これで『貸出手数料』で郵送料にプラスして料金請求は(保険分は仕方ないかもしれませんが)できないのでしょうが、郵送料を取るのは問題がないと思いますけどね…

 話を戻して、全ての人に結果として公平なサービスというのは、相手の経験や状態、環境によって違いがあるのでできません。
 インターネット上で情報を発信してもインターネットに接することができない人には意味もないですし、来館できない方であれば図書館サービスを知る機会も少ないかもしれません。
 そういう人達が、全て同じ情報を得られ、同じサービスを受けられるというのは理想ですが、難しいのが現実です。
 その場合、直接伝えられなくても人を介してなら伝わることも多いですよね。
 友人、親、家族、先生、介護者、店員、お客…色々な所から伝われば、来館者も増えるでしょうし、来館できない方でも、利用したい意志表示があれば図書館は何らかの手立てを考えてくれる(例え「代理人が来館すればいい」というものだったとしても)はずなので、気軽に問い合わせてほしいものです。

 そういう感じに自然と常連さん達が未利用者の人を呼び起こし、新たな常連さんを作るようなきっかけになると、良い図書館ができるような気がします。

で、ふと思った脱線話題。
みなさんの自治体職員の図書館利用の状況はどうなんでしょうか?首長や議員さん達なんかの利用状況を知りたいなぁ…(首長が常連って図書館はある意味微妙ですけど。笑)というのも、住民に対応する窓口で「それなら図書館ででも調べられますよ」とか「詳しい資料は図書館にあるはずです」とかだって可能でしょうから。
まぁ、それには図書館自体が「図書館ってこの程度だ」と思われないサービスをやっているのが前提ですけどね。

 さてさて、『常連と未利用者』とタイトルがあるのにさっぱり未利用者について言及がなかったので、ようやく。
 図書館は、上で述べましたように、常連というか来館者に重きを置いたサービス展開が今のところ多いです。
 これは、貸出数の統計や入館者数の統計で「増えた」「減った」言っていることが多いからだと思われ、逆に近年では「受身的図書館から情報発信型図書館だ!」とWeb展開をしている図書館も増えてきました。
 もちろん、図書館のWeb上で用事が済めば図書館に来館する必要もなくなります。そうすると、長年取っている入館者数統計上は減ります。
 担当としては「Webアクセス数が飛躍的に…」と説明してもなかなか納得してもらえるものではありません。

 なので、未利用者に図書館に来てもらう対策を練らないといけないのですが、「フランス料理を食べたい人に中華料理を勧めても無駄」という考えも無きにしも非ず。
 どんなに情報発信して、図書館をPRしても関心のない人にはそれを受けることなくスルーしてしまう以前にその発信情報にアクセスすらしない状況なのですから。「上を見なければ頭上に星が輝いていることに気付かないし、その人にとっては星はないに等しい」といったところでしょうか。

 なので、未利用者はほとんど図書館サービスを享受することもなく、ともすれば享受しようとも思わないままでいることもあるでしょう。

 ただ、その一方、伝わっていないから未利用者ということもあり得ます。だって全体の3割しか利用していないのだから。
 その人達も、あることを知らないから発信された情報にアクセスしません。
 なので、せめてアクセスした時には、わかりやすくアピールする情報がある必要があります。
 アクセスしたいと思うときに例えば常連さんのような利用者が「それは図書館に行けば良いよ」というアドバイスがあれば、図書館としては願ったり叶ったりでしょう。
そのために、常連に限らず、手厚いサービスをするのが望ましいでしょうが、図書館の現状を考えていくと、人手なども足りないかと思われます。
 それなら、常連を手始めに試行して徐々に裾野を広げる方法もありなんじゃないかと…
 常連に手厚いサービスをすると冒頭の田中氏のように公平性に欠けるって考える人もいるのでしょうが、条件を一定にしておいて、利用者全てが常連になるような心持ちでいれば、「あそこは良い図書館だから通い詰めちゃうよな」って図書館にだってなれるはず。
もちろん、言葉で言うのは簡単だけど、簡単に実行できるものなら、どの図書館だってやっていますよね。笑

 以前の来館者限定みたいなサービスから徐々に来館できない人や未利用者へのサービスが広がりつつあるのは、ウェイトがシフトしているからだと思いますが、1つ懸念が。
 来館者も非来館者も常連も未利用者もWebの情報発信ならば公平に情報を得る機会に恵まれるかもしれませんが、携帯電話を持っていない人が一定数いるのと同様、インターネットをできない人だって多数います。

 全ての人に同じように情報をというのはもちろん理想ですが、Webに重きを置くのも「Webで公開しているから安心」となっては、問題なのでしょうね。(Webに情報を発信すること自体は良いことと思いますけどね。それだけで安心しちゃうのが問題。)

 情報満載の図書館便りの回覧とかもその対応としてはあるのでしょうが、一度に見切れないほどの情報量になっちゃうかもしれません。
 それに、ポスター掲示と一緒で、必要となるときにならなければ、情報はスルーされますし…
 実際、何かある場合、自分の周囲の人や友人知人にに聞いてみて、解決すれば儲けものって感じなことが多いでしょうから、図書館は住民の良き友人である方が良いのではないでしょうか。
 図書館の電話番号が住民に覚えやすいものであるというのも良いかもしれませんね。「何かお困りの時は○○番!」と。

 最後に、そういや、アマゾンが電子書籍端末「Kindle(キンドル)2」を発表し、iphoneでもアプリケーションを介して読めるようになるという記事が発表されたのですが、おそらく、その先の戦略的には他の携帯端末やゲーム端末なども視野にはあるんじゃないかと。(キンドル2が売れなくても電子書籍が売れればなんとかなりそうだし)

 そうなると、図書館としては電子書籍をどうやって貸出するかとか、そういう議論も深まってくるとは思うのですが、もしそうなってくると、図書館のサイトにアクセスして電子書籍をダウンロードして閲覧し、期限が来たら端末から電子書籍情報が消えるって感じで、図書と図書館が身近になったけど、図書館そのものには来館することもなくなる時代が来るんでしょうかねぇ…
 今は「滞在型図書館」だの「非滞在型図書館」だの言われていますが、将来は「来館型図書館」と「非来館型図書館」なんてことになるんでしょうね。
 まぁ、図書館が空気みたいになきゃ困るけど普段はあることを忘れているくらい身近な存在になってもらいたいものです。

まとめ。
・図書館は常連だからといって優遇しているわけでない。常連は経験により図書館サービスを最大限に利用しているだけ。
・明確な条件の下、サービスに何かしらのプラスアルファがあっても良いのではないだろうか。
・来館者中心のサービスから非来館者へのサービスも徐々に拡大している。将来的には非来館型の図書館というのも出てくるのではないか。
・潜在的利用者を未利用者の中から選び出すのは情報発信より人の繋がりなんじゃないだろうか…

…まとめると短いね。笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その1>

最近思うことを1つにまとめて
・貸出とレファレンス
・常連と未利用者
・正職員と非正職員
のそれぞれについて、『重み付け』ということで考えてみようかなぁと。
(追記。長くなったので<その1><その2><その3>わけます。)

ということで、その1として「貸出とレファレンスについて」いつものようにあちへふらふらこっちへふらふらしながら、ダーッと書きます。

<貸出とレファレンス>
 『貸出とレファレンス』が『図書館の両輪』という話も聞きますが、両輪って…片方を外したら成り立たないものを言うんじゃ…例えば『利用者と資料』とか…利用者に直接貸出していない図書館だってありますし、レファレンスを期待されていない図書館だって(笑)。

 おそらく、図書館の定義はそれぞれでしょうから、異論はあるでしょうが、一切貸出をしなくても図書館は成り立つでしょうし、狭義のレファレンス(事項調査)などが自館でやらなくても図書館は成り立つと思います。

 この『貸出とレファレンス』については、私なんかより、多くの先輩・諸先生方がすでに論じているでしょうから、私が論じる隙間などないでしょう。なので、論点をぼかしつつ…いや、論点はそのままに、自分なりの解釈で言いたいことだけわめきます。

 実際、貸出もレファレンスも情報を利用者に与える点では一緒のことだと思いますけどねぇ…強いて分けるなら与え方の違い?

 今さらながらですが、貸出云々の極端な例として『貸出至上主義』という言葉があって、「図書館は貸出してなんぼ」みたいな風潮があったり、あったり…。
 私の図書館でも利用者が「え~そんなに待つの?ベストセラーをたくさん買えばいいんじゃない」と申していたのですが、『貸出至上主義』=『貸出数をあらゆる手段で増やす』と解釈し、これに反論するときによく出てくるのが『ベストセラー多量買い』ですね。

 もちろん、うちのような小さな図書館でベストセラー本を100冊も買ったら、それは問題でしょうし、そんなことをしたら「そのまま80冊くらいは書架に並ぶよな」って状況ですから(笑)うちではしませんが、大都市で何千件も予約があって1冊ってわけにはいかないでしょ。

 確かにその市に1冊あれば情報はいつか受けられますが、数千番目の予約の方がその情報を受けられるのは果たして何年後?
 レファレンスに例えると、小学生の頃レファレンスとして受けた回答を成人したら回答して説明するようなものかなぁ?と。質問した本人もビックリでしょうね。逆に「覚えていてくれたんだ…」って感激されるかも?
 いくら「図書館は無料の貸し本屋じゃない」とわめいても、実際の利用者の中には確実に「家計節約のため」とか「買うまでもないけど読みたい」とか思っている人もいることですし、先にあげたような考えの利用者だっていますし、そもそも何千件の予約が入ることだって、PR不足だけでは言い切れません。それが一概に悪いとは思いませんが…

 何度も書いていますが、そういう利用者も含めて3割しか図書館を1年間に利用したことがないようですから、図書館のPR不足云々言う前に貸出偏重傾向は一般の図書館認識として大きいような気もします。
 そして本庁的には「無駄が多い」だの「金食い虫」だの、その挙句「受益者負担にできないのか」などと言われ、図書資料費が削減され、新刊やリクエスト本も購入できず、貸出数が減っていく…って状況。
 それを逆手に「予算の減少と貸出数の低下は相関関係がある」と主張もあったりしますけどね。…でも、本当に相関関係があるとしたら、同規模の予算の図書館は貸出数が同じかと言われると…そうでもないような気が…やっぱり一番は図書館の営業努力によるのかも?

 レファレンスに特化した図書館があるのなら、真逆の貸出に特化した図書館もあっても良いのではないかと…
『安い人件費に支えられ、調べる必要のある質問には一切答えず、利用者が持ってきた資料を自動貸出機が無言で貸出をする。』
『図書館に高価なレファレンスツールである調べ物をする資料は一切置かず、その分ひたすら複本に回す。』
『書架に1ヶ月以上置かれてあるものは、すぐに身売りに出し、複本の足しにする。』
『リクエストや予約があればすぐに発注する。その前に、選書って作業すらない。』
もちろん、これをすると利用者が増えれば増えるだけ財政難になることは明白です。そこで…
『図書館のある地域の人しか貸出ができない』
としてみるとか…
他にも『期限が切れたら恐い人が直接取り立て』とか…笑

 おかしいと言っちゃ確かにおかしい気もしますが、蔵書の9割以上が貸出中って状態であれば、施設は大きくなくて良いのですし、建設費の何十億を全て資料費に回せば「あと10年はやってける!」って状態かなぁ。

 まぁ、そういう図書館が出ていない以上、極端に特化されるとおかしいのでしょう。
 逆にレファレンス特化だとしても、都立中央図書館だと個人への直接貸出はしていないくても、協力貸出で他館経由でなら借りられますから、それもしない図書館って公立図書館だと聞きませんし…(私が知らないだけ?)

話が妄想に近くなりつつあるので修正。
ということで(どういうことで?)、図書館創成期(?)ならば、「まずは貸出で人を呼んで」「図書館とは知識の宝庫で便利だと知ってもらい」「国民に賢くなってもらおう」で良かったのですが、どうもそのまま次に進めないで、統計の取りやすい貸出数を図書館の指標として考える人が多いままになっているんだろうなぁ。

某店のオープン時サクラの行列ができる店や自社製品強制買いの会社ではないですが、職員が毎日自館資料を借りて行って、貸出数を伸ばすとかも不可能ではないですがねぇ…笑

 そこで、貸出ばっかりじゃまずいんじゃないかと思い、資料費も減ってきたことだし、それをカバーするように現れたのが、レファレンスの一部だったものが特化されたビジネス支援やなんたら支援。
 わざわざ銘打っただけあり、最近はもてはやされますが、ビジネス支援ってレファレンスじゃないの?「起業するにはどうすればいい?」とか「特許の取り方を知りたい」とか…
レファレンスって各種情報支援のはずですよね?どうも名前が付くことによって別物と化しているような…

 まぁ、ニュース記事によると、そもそも図書館のレファレンス自体『珍しいサービス』だそうで(笑:参照(http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=27051&categoryid=1))、疑問を持っても図書館で調べることはあっても調べてもらうまでには意識がいかないようです。

 冗談はさておき、レファレンスに関して、レファレンス1件の重みが数値化されていない現状では、簡単なクイックレファレンスも、何週間もかかるような事項調査も、1件は1件。
ついでに書くと、それに掛かる職員の人件費を考えると、レファレンス事例が難しくなればなるほど、1件にかかる費用は大きいです。
 職業的にサーチャーであればそれなりの対価はもらうのでしょうが、図書館職員はその利用者に「ありがとう」の評価はもらえますが、人事的には1件のレファレンスですし、特別手当が出るわけでもないですからねぇ…本来お給料はそれも含めてなんでしょうが。

 もちろん、口コミで「わからないことがあるって?あの図書館のあの司書に尋ねればわかるよ」って評価まで付けば、一番なんですけどね。(これ理想!)

 レファレンスを数値で実績を出すにあたって、これも数値を増やすのはそう難しいことではないような気もします。
「この本どこですか」はよくある話ですが、これだって『一緒にその書架まで調べに行く(またはその書架の案内をする)』ということで、
「ここに行きたいんですけど」という道案内や「午後から雨なんですね」という話しかけにも「○○新聞の予報によればそのように書かれています」も答えれば、いや、クイックで持てる知識から「そうですね」というのも、立派なレファレンスになっちゃうし…定義を狭めるから少ないままなんでしょうが、広くすれば良いのじゃないかと。
以前書いたように、「今夜のおかずの相談も乗ります!」にしたら、増えるかと。

 それと平行して、パスファインダーなり、レファレンスのデータベース化なり、利用者が調べやすいような下準備も着々と図書館で進められています。
しかし、これって、実際には利用者教育が進めばレファレンス自体が無用の長物になるわけです。
つまり、図書館職員に尋ねなくても自分で発見できるのに、わざわざ尋ねることもなくなるということ。
「今計算してみたが、レファレンス数はパスファインダーの充実数に反比例して落ちる。 職員の頑張り過ぎだ!」って言われかねない…笑

 ベストセラーの貸出にしても、レファレンスにしても、予算上の制限がありますから、どうしても限界が出てきます。
 その予算も減ってきている状況ですから、「もう少し借りたい要求に応えてあげたい」とか「この資料があれば回答できたのに」とか思ってもままならないことが多々あります。
じゃあ、どうするか?
1つは、己の不幸を呪って、「予算が云々」と愚痴をこぼし、ない物ねだりをする。
1つは、最大限の工夫を凝らして、貸出とレファレンスを増やす。
1つは、「まぁ、こんなもんでしょ」と現状で満足する。
1つは、見限って、恵まれた図書館に転職する。
まぁ、こんな風に書いたら2つめの工夫しかないのですが…いや、世の中にはもう1つ「根性で自分館を立て直す」っていう人もいますね。
その立て直す気力を維持したまま、館長職などに就く人がいると、その図書館は大きく変わります。
平だとどうも愚痴で終わってしまうような気も…

 話を戻して、貸出における昔からある図書館の工夫に相互貸借があります。
本来であれば、『購入努力をしてすでに購入するのが難しい資料』をお互いに貸し借りしましょうという前提が根底にはあったと思われますが、最近では「予算がないからあるところから借りちゃおう」と横断検索の努力(?)だけして、「県立の巡回車で持ってきてもらおう」という図書館も多いようです。(巡回しているところは。県立の費用は膨大(話によると1千万円以上かかるところも)なので…)
それによって、少なくなった資料費をカバーするのに相互貸借をフル回転させて、できるだけ利用者の要求する資料を用意して貸出をするって手法です。

もちろん、「貸して!貸して!」ばかりだと、「またかよ…」陰口を叩かれることもありますが…それに借りられる館の方でも「広域はまだ良いとしても、どうして地域住民でない人に貸すんだ」って行政のクレームも出てきます。

もう一方のレファレンスでの協力体制を考えると、レファレンスで他館のレファレンスを回答するってこと、県立以外ではあまりないんじゃないかなぁ…
以前も書いた気がしますが、自館の資料やスタッフでは難しくても、県立じゃなくお隣の図書館で某氏に聞けば実は余裕ってこともあるような気がします。
相互レファレンスってあまり聞かない…
業界用語的には図書館協力とか図書館ネットワークとか相互協力なんでしょうか?

これも確立すると「教えて!教えて!」ばかりでレファレンスしない図書館も出てくるかも…

最近のよくある工夫としては「IT化で便利に」となるのですが、以前「(上司が言うように)IT化・機械化が進めば良いってもんじゃない」と、公立図書館でIT化が進んでいる某図書館の人に言われてちょっとショックなんですが、使える人にはより便利になっていることは確かです。(逆に苦手意識のある人は置いてけぼり…)
この苦手意識のある人にどうこの便利を使ってもらうかが次の課題ですね。
最近のOPACだとタッチパネルや見やすいように改良されつつあるけど、ある人曰く、「職員に聞いたほうが早いし楽」。苦手は苦手なんですね…

他にも先に挙げたビジネス支援など新サービスと称した特化型工夫もありますし、パスファインダーの作成やPOPなども取り入れているところも増えてきています。

 ただ、他の図書館が始めたから、うちもやってみよう式では、やれる用意はあっても実績は少ないとか、ニーズに合っていないってこともしばしばあるような気がします。
 もちろん、しっかりした準備と住民全体への周知がされていれば、使ってみようと思う利用者がいると思いますが、まずは図書館がちゃんと認知されないことにはねぇ…
 図書館ってアピール下手な面があると思いますが、ポスター掲示や広報などでは目に入っても記憶に残らないことが多く、必要に駆られない限り、図書館って思い出されないような…

 そう考えると、図書館ってその地域ごとの図書館の発展段階によってやらなきゃいけないことが違うんじゃないかと。
 まずは、図書館を知ってもらう段階、次に図書館を利用してもらう段階、そして、図書館を作り上げる段階みたいに。(中で細かい段階分けがあるつもり)
ある程度、業界的には当たり前だと思われているサービスや業務もされていない図書館だって多くあります。そういうところが指定管理者になると、低い方で普通じゃなかった図書館が普通になるんですから、利用者にとっては良くなるのは当たり前かと。
 いきなり、『ビジネス支援』をやってみようとしても、利用者レベルも図書館レベルもまだなところでは、やはりずれたニーズになりそうですしね。

 例えば貸出至上主義的な運営している図書館の利用者が、「もっと調べられる資料を」という声を出してくれれば、いくらなんでも「調べられる資料は貸せないので」と断固拒否するわけはないでしょうし…(甘い?)そんな感じで、一歩ずつ段階を上げる必要があるんじゃないかと。
 この問題点としては、利用者も「図書館とはこんなもんだ」と思い込んで、その先があるとか別のサービスがあるなんて思いもしないことが多々あり、うちの利用者でも「へぇ~ここの図書館はそういうこともやっているんですね」と言われた(まぁ、時々逆もあり)ことがあるので、そういう状態になったら結局変わらないなぁとも思いますが、利用者側がまだそういう段階にいるということで…

 しかしながら、貸出からレファレンスという順番だと、貸出は資料を貸せば良いので、出来ないってことはないのでしょうが、もし貸出の次にレファレンスがあったとして、「ちゃんとどの図書館も出来ているか?」と考えると、「訊ねにくい」とか「聞いても『わからない』ばかり」とか、他館の利用者からそういう声もちらほら聞きます。

 もちろん、レファレンスでは調べるノウハウの他にも調べられる資料がないと始まりません。(予算もないからある資料でまかなわないといけません。)
で、以前もノウハウについて、ベテラン司書が持つものではなく、その地域の図書館が持つようにする旨を書いたと思いますが、レファレンス担当職員やベテラン司書だけにレファレンスのノウハウがある図書館は、その人が異動したり退職するとノウハウがなくなってしまいます。

 そうすると、指定管理云々というときに出てくる、直営でのノウハウ自体揺らいできます。
若い人に引き継ごうにも、その人も異動があるでしょうし、非常勤なら辞めてしまう可能性もありますから、「私がいなくなったらちゃんと継続できるんだろうか」と疑問を持って、万が一の事故だってあるんでしょうから、ノウハウを図書館のPCにでも溜め込んでいく必要があるでしょう。
 この蓄積されたノウハウが公開されると図書館全体の発展にも繋がると思うんですけどね。レファレンスに限らず、スタッフマニュアルとか、業務手続とか…

 結局、貸出もレファレンスも元を正せば『選書』に行き着きます。
図書館に必要な資料としてベストセラーの複本を選ぶのも、調べられるだろう高価なレファレンスツールを選ぶのも、『選書』です。
 じゃあ、選書はどうやってするかというと、収集方針などがその元です。
本来であれば収集方針はできるだけ具体的にあった方が良いと思いますが、どうも「広く収集する」とか抽象的なような…
 選書ノウハウもまとまってくるとシステマチックに選書が可能になるんですがねぇ。(選書が機械的になると司書いらなくなりそうですが…笑)

 さてさて、いつも通り、長くなるのでまとめに入りますが、『貸出とレファレンス』を論じるとどうもV.S.モードになっているような。
他にも例えば、
「利用者要求に応じたベストセラー複本論v.s.流行過ぎれば書架の肥やし論」
「今は使われなくてもいつか日の目を見るだろう資料購入論v.s.手にとって読まれなければただの死蔵資料論」
「POPを作って貸出を増やそう論v.s.1冊しかない本のPOPを作ったってしょうがない論」
とか、小さなことでも、それぞれ対立する考えが平行線のように言われます。
選書が大事だと思って「10年先、20年先に使える資料を選ぼう」としますがこれだって、「今使われないのが10年後使われる保障はない」と言われますし…

 レファレンスをやれる人材もやれるノウハウも資料もないから、貸出を頑張るのか、数字を取りたいから頑張るのか、その方が楽だから甘んじているのかわかりませんが、表面的に「貸出してなんぼ」というのは根深くあると思います。
 貸出統計じゃなく、資料の手に取られ統計が取れると、貸出偏重にならなくても良いと思いますが、合理化とか作業効率を考えるとね。
 「ならば、今すぐ利用者すべてに叡智をさずけてみせろ!」と言われても無理なんでしょうから、各図書館が段階を踏んで、変化していく時期になってきているんじゃないでしょうか。
図書館と利用者のレベルを表す方法がないものでしょうか?貸出し数が何件だとかそういう数値ではなく、「利用者がこの段階に来たので、図書館としてもレベルアップの必要性が出てきた」みたいな。

 最後に、貸出とレファレンスのその先ってなんだろう…
 貸出以前は、資料があることに意義があって、貸出がバックヤードで人は介在しているかもしれないけど、資料に重みがあり、レファレンスがバックヤードで資料が必要だけど人に重みがある…そう考えると、資料と人の重みの比率が変わってきているのであれば、資料依存が少なく人が中心となるのでしょうか。

 その図書館が貸出重視であろうがレファレンス重視であろうが、利用者が聞きたいことを気軽に聞けて、それを快く答えられる職員がいて、利用者が(わがままでない)言いたいことを気軽に言えて、それを改善しようとできる職員がいれば、きっとその図書館は全く問題がないのですよね。
 シーンと静まり返って質問もしづらい図書館から、多少話し声があっても地域のコミュニティとして気軽に利用できて集まれる図書館という感じでしょうか…
それは来館者数とか数値だけじゃないものなので、それをどうするかが問題で永遠のテーマなんだろうな。

 当たり前のように本を借りられて、当たり前のように調べることが出来て、当たり前のように発展する…そんな図書館でありたいものです。

(上手にまとめられない私ですが、いつも長い文章を読んでくれてありがとうございます。)

| | コメント (0)

図書館における複写(コピー)の私的まとめ(著作権法31条1について)

 時々アクセスログを見ていると、統計的に『いじわるな複写~著作権法の解釈の間で~』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/09/post-057e.html)が(拙ブログの中では)一番読まれているらしい…
 ということで、私なりの見解をちょっとまとめてみようかと…もちろん、私の解釈が絶対ってわけではありません。(あくまで図書館司書の一人の立場ということで)

まず、著作権法の図書館の複写に関する条項を改めて確認。

著作権法31条
図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
一  図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合
二  図書館資料の保存のため必要がある場合
三  他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合 』

と、わかりきったのを載せることからはじめてみました。
で、解釈や説明を全て文章にすると相変わらずダラダラ書いてしまうので箇条書きにする…ように努力します。笑

<大前提>
 この条文、図書館が主体となって『複製することができる』ですから、図書館は『複写させなければいけない』とはないので、『複写させなくても良い』なんです。利用者に複製権はないんです。
 ついでに、コイン式でセルフっぽく見えますが、司書がチェック(複写申し込み時の可否の決定等)をすることによって、主体の図書館の手足となって利用者がコピー作業をしている解釈となります。
 また、これがあるので、複写できるのは図書館の資料で、図書館の資料以外である私物は複写できなく、1人につき1部なので友人の分はできません。
(ただし、申し合わせにより他館から借受した『図書』のみ同様に複写できます。(他館で借りてきたではないし、雑誌はだめですし、相手館がNoと言っている資料もだめですけどね。))

<複写可能施設>
 この条文で著作物を複製…つまり、コピーをして良いのは『資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの』とありますがこの点は…

著作権法施行令
(図書館資料の複製が認められる図書館等)
第1条の3 法第31条(法第86条第1項及び第102条第1項において準用する場合を含む。)の政令で定める図書館その他の施設は、国立国会図書館及び次に掲げる施設で図書館法(昭和25年法律第118号)第4条第1項の司書又はこれに相当する職員として文部科学省令で定める職員が置かれているものとする。
1.図書館法第2条第1項の図書館
2.学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条の大学又は高等専門学校(次号において「大学等」という。)に設置された図書館及びこれに類する施設
3.大学等における教育に類する教育を行う教育機関で当該教育を行うにつき学校教育法以外の法律に特別の規定があるものに設置された図書館
4.図書、記録その他著作物の原作品又は複製物を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供する業務を主として行う施設で法令の規定によつて設置されたもの
5.学術の研究を目的とする研究所、試験所その他の施設で法令の規定によつて設置されたもののうち、その保存する図書、記録その他の資料を一般公衆の利用に供する業務を行うもの
6.前各号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は一般社団法人若しくは一般財団法人その他の営利を目的としない法人(次条から第3条までにおいて「一般社団法人等」という。)が設置する施設で前2号に掲げる施設と同種のもののうち、文化庁長官が指定するもの

ですから、小中高の学校図書室(館)や企業の図書室、ついでに公民館図書室もできません。
ただし、公民館図書室を条例上、公立図書館の分館とした場合は可能です。

<条文の解釈問題>
発行後相当期間を経過していない定期刊行物について
1.経過していなくても公表された著作物なんだから、一部分は可能
2.わざわざ後に『発行後相当期間を経過した定期刊行物』とあるのだから、一部分も不可能
と2種類考えられているかもしれません。
私は1の解釈で良いと思うのですがねぇ…
「じゃあ、雑誌の最新号の複写不可ってのは?」という質問には「図書館の運営上、最新号を複写させていないってだけ」と答えたいです。

ついでに、『発行後相当期間』は、著作権者の中には「専門誌のバックナンバーなどは普通に買えるのだから次号が出たらという理論はおかしいのじゃないか」とおっしゃる方もおりますが、図書館的には「次号が出るまで」がほとんどです。(ちなみに、地方だとなかなかバックナンバーを置いている書店って少ないです…)

 でも、日刊・週刊・月刊あたりはわかるにしても、1年に1回しか出ないものは…この場合、発行後3ヶ月経つか次号の出るまでってしている図書館が多いでしょうかねぇ…

<複写範囲の問題>(本日のメイン!笑)
 著作権者の中には「一部分というのは半分ってことではない。20%くらいが妥当じゃないか。」と考える方もおられますが、図書館業界的には「半分まで」って解釈が多数派です。
 さて、可能と思われる最大限について個別に考えてみると…

1.図書
原則は目次、前書き、後書きを除いた本文の半分まで。
目次や索引はその全部。(どんなに工夫を凝らした目次や索引でも、どうも大勢は著作物でないよう。)
本文以外の前書き・後書き・解説等はそれぞれ半分まで。

・一冊完結もの…本文の半分まで
・複数冊もの(上下巻、シリーズもの等)…各冊の半分まで
・全集・短編集等…収録されている個々の著作物の半分まで(ただし、同一紙面に複数の著作物がある場合は楽譜、地図、写真集・画集を除き、写り込みを許容する。(申し合わせより))
※この辺は普通に複写取扱い要領みたいなのでも普通にありますよね…
※なので、本来であれば、俳句は17文字の半分までが本当の解釈なのですが、写り込みの申し合わせが出来たので、見た目、一句全部できます。

・本体から分離した付録…その付録を独立した著作物と見なし、その半分まで
・表紙・背表紙・裏表紙…著作権法で保護されている写真・絵画・カットが含まれるものでなければOK?
※よく、図書館便りに表紙を載せたいとかあるのですが、新書などじゃない限り、大抵、絵や写真があるので、本来であれば、イラストレーターや写真家に著作権があるので(著作権の帰属は出版者になっているかもしれませんがどちらにしても)、だめでしょう。
が、著作権法を厳密に解釈するとだめですが、出版者に本の紹介で図書館便りに載せたい旨を伝えると、案外OKをくれることが多いです。もちろん、OKになるだろうと思って勝手にやると、いい気はしないでしょうから、その辺はビジネスマナーって感じですかねぇ…

・辞書類…各項目で著作者表示をされているものは、その項目の半分まで。それ以外の場合は他の項目同様に本文の半分まで。
※各項目著作者表示ってたまにあるんですよね…

2.定期刊行物
・雑誌の最新号…個々の記事の半分まで
※「じゃあ、個々の記事って?」ってのが問題になります。
 厳密に解釈すると、法的には1著作物ですから、記事の中にあるグラフや図・表なんかも1著作物と言えばそうなのでしょうが、記事を構成する要素とも解釈できるので、悩ましいところです。
 まぁ、内容に応じてでしょう、こういう場合。(わかりやすい例は左ページに写真、右に記事の文字があったら、記事部分は半分で、写真は複写不可となるけど、記事内に「表1のグラフによると…」とあって表が1ページを占めてなければ、そのグラフが記事の半分内の複写時に含まれるのであればOKみたいな。)

※料理のレシピ自体は特殊な食材を加えているとしてもレシピそのもの(文字情報的)には著作物性が薄いですから、レシピ部分は大丈夫でしょうが、1つの料理が完成するまでの手順は完成までが1つの記事なんでしょうから、手順は半分までとなるでしょうね。もちろん、厳密に言えば、手順の1写真ごとに著作物性がありますから、一概にYes or Noってわけにはいきません。

※時刻表について…考え方としては、いくつかあって…
1.「誰が作っても何時発・何時着は同じなんだから、全体で1つの著作物」と考え、『時刻表部分全体の半分まで』
2.もし目次を作る場合、「○○線上り」「○○線下り」っなるから『その該当線の上り・下り別でその半分まで』
3.1列車、つまり6時18分発の列車はその終着までを1つの記事なので、『1列車ごとに半分まで』
と考えられます。
 もちろん、マナー良くその出版者に問い合わせると「時刻表部分の半分まで良いですよ」(太っ腹!)とか「(複写予定範囲を伝えたら)そのくらいなら大丈夫です」とか答えてくれるので、やはり原則問い合わせですね。

 私も問い合わせたら、太っ腹な回答『最大時刻表部分全体の半分まで』を得られましたが、全ての時刻表の出版者ではないので、各自問い合わせてみてください。

※テレビガイド系については、これも「1日ごと」「1局ごと」「1番組ごと」とありますが、周囲にあらすじや番組内容紹介がなければ、1日で記事が完結していると思いますが、これも類似出版物が多く、それぞれの出版者があるので、それぞれ問い合わせですね…

※ぴあ系のコンサートや映画の案内については、小さくても1つの記事だと考えられますから、複写するとしたら、その半分でしょう。まぁ、日時・場所・問い合わせ電話番号くらいでしょうから、複写しないでメモ推奨ですが。笑

※もちろん、近所の図書館が「最新号複写不可!」とか言っても、私の論法を持ち出して対抗しようとしないでくださいね。最初の方で書きましたが、『最新号を複写させる・させない』は図書館が決めて良いのですから。

・発行後相当期間を経過した雑誌… 1冊の半分まで
・年鑑・白書・新聞縮刷版…図書扱いで本文の半分まで
・新聞の最新号…個々の記事の半分まで
※まぁ、雑誌と同じ考え。ちなみに、見出しは全部OK。ただ、新聞の写真は自社報道カメラマンでないこともあるので、後に出てくる1枚物の写真と同様に同一性保持権から不可だろうな。

・発行後相当期間を経過した新聞…全面広告を除く本紙全体の半分まで
※ちなみに、発行後相当期間を次号とすると、朝刊・夕刊は同じ号なので、次の日の朝刊が(新聞休刊日ならその日の夕刊かその次の日の朝刊、要するに次の号になるもの)が届いたらOKということに。
※ただし、朝刊と夕刊は別なので、図書の上下巻などと一緒で、それぞれに半分までを適応。
※なので、夕刊が出たからと言って、その日の朝刊はまだ最新号なのです。

3.地図
・一枚物…原則その半分までで、製作機関の承認を必要とするものは承認がなければ複写不可
・住宅地図…見開きの半分までで、全体の半分を超えない範囲
※ゼンリンさんの主張が見開きの区分図が1著作物と言っているのだから、他の地図帳とは異なり、見開きの半分までとなります。
※図書館で困るのがどこかの営業さんが来て、全区分図の右ページばかり、別の営業さんが左ページばかり複写するとき。もちろん、図書館的には『調査研究』でないような気がしますが『調査研究結果を提示しなくてはいけない』とかの規定もありませんし、本人が「調査研究だ」と言われればどうにも手出しが…。もちろん、これは図書館ではどうにもなりませんが、その両ページを合わせて持った時点でその会社やその営業さん達が著作権法違反になります。

・その他の地図帳…図書と同じ扱い
・資料中の説明地図…全部分可
※厳密には地図って1著作物なんだから、るるぶなどの旅行誌にある1ページより小さな地図もその半分って解釈もなくはないけど、最近はそこまで厳密に解釈しない場合が多いと思うので、図書なら図書扱い、雑誌なら雑誌扱いでやっているところが多いんでしょうね。

4.楽譜・楽譜集・歌詞・歌詞集等
著作権の保護期間内のものであれば一曲の半分まで。
※基本はそうなんですが、もちろん保護期間内のものです。あと、組曲は曲目ごとの半分までというのは良いと思いますけど、歌詞、3番まである曲は1番は丸々複写可能かどうか…おそらくOKでしょうね、全部で1曲なんですから。たまに、1曲=1アルバムだと思っている方がおりますが…笑

5.写真・絵画・図表・カット
・一枚物…複写不可
・写真集・画集・カット集…複写不可(ただし、複写目的で作られたカット集は図書扱いとし、その場合は一冊の半分まで。)
※「え~写真集とかって半分までじゃないの?」ってよく言われますが、写真や絵はそれ全体で1つの作品とされているので、同一性保持権に反すると思われますので、複写不可になるかと。

・資料中の説明写真… 全部分可
※地図の説明と一緒

6.AV資料に付属している表紙・裏表紙・ジャケット・地図・説明資料等
原則として上の各項目と同様の扱い…
ようは、ジャケットの表紙はほとんどが写真でしょうから、5の一枚物の写真と同じ解釈。
裏は写真類がなければ、曲目なんでしょうから、目次と同じ解釈。
説明資料の中の歌詞は上にあるように1曲の半分まで。
説明文章はその全容量の半分まで。

7.紙芝居
全部の半分まで
※意外とこの検索フレーズで見られているのは理解できます。だって実はとても悩ましいんですよね、これ。
 というのも、片面は絵1枚だし、裏はほとんどが文字。とすると絵ばかり全面複写しても良いのか逆に裏の文字を全部複写して良いのかってことにもなりますし、1枚1枚が独立しているっていう点もね…
 ただ、類似したものから考えると、右ページにテキスト・左ページに絵という絵本でテキストのみ・絵のみの複写も可能ですし、加除式の資料だとバラバラにもできますが、資料としては1資料扱いなので、本文の半分でしょうから、紙芝居はその全場面で1つの著作物なんですから、私の見解では全場面の裏表合わせた量の半分までって考えが妥当かなと。
 1枚の絵っていうのも気になりましたが、その1枚で完結した作品というわけでもないですしね…

8.折り込み広告
・最新号…求人広告のようなものは各会社で1記事とみなして、ぴあ系と同様それの半分。なので、メモ推奨。その他の広告は掲載写真(人参や胡瓜の写真)も1著作物ではあるのでしょうが、人参や胡瓜を(もちろん新鮮そうに美味しそうに撮っているのでしょうけど)それ1つの作品として撮っていないのでしょうから、広告全体を1著作物とも考えられるし…これもメモ推奨ではありますが、一面はその半分、表裏あるものは(両面で1つとも考えられなくはないでしょうが)各面半分まででしょう。
・バックナンバー…各面の半分まで
※バックナンバーは確かに定期的に発行される求人広告やスーパーのチラシもあるので、定期刊行物だから全部可と言いたいところですが、微妙だなぁ…
※よくあるのは求人広告の複写ではありますがね…。普通のスーパーの広告なんかは、問い合わせしてみると、「全部コピー可」って言われることも多いと思いますよ。元々、広告を保護するよりは品物を売りたいのでしょうから。事例がなかったから聞いたことがないけど。

9.付録物
雑誌や図書等にある付録…本誌・本体と別なものなので、それぞれ独立して考えます。新聞の朝刊・夕刊や図書の上下巻といっしょで、単体それぞれで、本文の半分のような感じです。

…検索フレーズで最近あったものに一応答えてみたつもりですが…何か抜けているかな?

<勝手に複写の問題>
 実際、メモ用紙に書き写したり、住宅地図を紙にトレースしたりするのは、複製していることなのですが、自分でやっている分には30条の私的複製だと考えられます。
同様に、携帯電話のカメラやデジカメで写したり、ハンディースキャナでスキャンしたりするのも30条で出来そうです。
 以前も書きましたが『個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」で『使用』に関して範囲を決めていて、複製場所については言及していない』というのもありますし、31条も図書館が図書館資料を複製することができるとあるので、図書館空間における複製行為全般を制限できるかや、『複写機器』についての言及もありません。

 で、それがダメだと言われるのは…以前書いたのですが…
・館内撮影禁止もしくは撮影制限がされている場合…私的複製による複写目的でもカメラな以上制限できますし、音が出るのなら、なおさら運営上注意してやめさせることができます。
・ハンディスキャナ…電子メモみたいなものなので、手書きメモも許さないのであれば、不許可で良いですし、電源を使われるのであれば、それは運営上使うなと言えますし、上と同様音がうるさければやめるように主張できますが、音も静かで電池式の携帯ハンディスキャナは、資料を痛めるような使い方をしていない限り、認めざるを得ないと思います。
もし、条文の『図書館等において』を『図書館にある複写機』だけでなく『図書館という空間』として考えているのであれば、認められない複製行為(図書館は複製のために複写機を設置しているのでという論法)として、許可しないということも考えられなくはないですが、ちょっと論拠が弱いかもしれません。この辺はもう少し判例が欲しいところです。

 なので、著作権法上は辛いけども、神社仏閣が撮影禁止に出来ているのと同様に『所蔵者の有する所有権の行使』ということで、資料が写真やスキャナに写し取られるのを制限するという考えも…でも、厳しいな。笑

<CD・DVDの複製の問題>
 そもそも図書館にこれらを複製する機器を置いていることは皆無とは思いますが、法的には『その他の資料』も含まれていますから、CDだったら歌詞・楽譜同様に1曲の半分まで、DVDは映画の半分まで可能だとは思います。機器があったとしても半分の判定が面倒でしょうが。笑
 上映についてや映画会、補償金云々についてはまた日を改めて。(過去にも多少言及していますので、そちらを参照してください。)

<拡大問題>
 今日は第31条1の問題まとめのつもりなので、第38条(営利を目的としない上演等)は後回しなんですが…書画カメラ(OHC)などで、単に大きくして写すのであれば、拡大読書機と同様にOKなのですけど、OHPやパワーポイントにすると、複製権がOHPシートやスキャナによるデジタル化が絡むので、やるとしたら31条1で半分までってことですね…

<半分の複写は?>
 判例等により「半分を超えたら一部分とは言えない」という考えから、最大『半分○○』と図書館界では解釈しています。
 なんで○○にしたかと言うと、『半分以下』と『半分未満』という考えがあり、「以下」なら『半分』が入ります。
 100ページあって49ページなら『一部』表現できますが、50ページだと言葉的には『半分』って使う気もするので微妙です。
 なので「複写範囲をXとすると、X>半分 だと一部分でない」って発言なのか、イコールが入るのか判断が分かれるところのような気がしますね。

今日は、こういった感じなのですが、思ったより長くなっちゃいましたね…全部読んでくれたみなさま、お疲れ様でした。そしてどうもありがとうございます。

 ところで、最近出された『著作権法コンメンタール2 23条~90条の3』(半田正夫・松田政行/編,勁草書房,2009.1,978-4-326-40253-3)を持っている方(もしくは図書館の方)、31条関係の記述はどの程度のものなんでしょう?(図書館だとまだ入っていないところが多いかな?)
 とても気になるのですが、近隣の書店に置いていなし、うちの館では購入しないことが決まったので…まぁ、9千円(税抜き)だから、必要なら購入するのも良いのですが…

| | コメント (2)

レファレンスを見直してみる(その2)

 勝手に引き続き、レファレンス周りの話。

 『ライブラリー・アカデミー』の受講生のみなさんの課題である日々の疑問が徐々に出てきていて、「ほうほう、そういう疑問をお持ちなのですね…」と受講生の疑問達にどこまでうちの図書館が回答し得るかと閉館後の薄暗い図書館でちまちま調べている今日この頃です。もちろん、見つかるものもあるし、見つからないものあるし…
 まぁ、受講生のみなさんは優秀なので、その後ちゃんと自分で回答を見つけて来るとは思いますが、「これが真相のようです」みたいなのはUPされないのかなぁ?
ただ、疑問出したけど、誰も回答してくれなかった疑問はどうなるんだろうと思ってみたり…自分だったらちょっと悲しいなぁ…

 そういや、この課題では、自館もしくは近隣館を利用して、どのように回答に導くかは、課題ではないのですね…

 課題の中に『自分でも調べてみる』とか『市町村立と県立にレファレンスしてみる』などがあると、より一層、レファレンスの問題点や課題が見えてくるような気もしますが…

 いっそ、色々な図書館に同じ質問を投げかけてみると、図書館による癖とかわかるかもしれませんね。

 えっと、レファレンス、まぁ、リファレンスと言っている人もおりますが、リポートをレポートと呼ぶが如く、日本語特有の事情なんでしょうね。発音記号からすると、リポートをレポートにする方がものすごく不自然ではありますが。

 それはさておき、レファレンスを『調べ物の手伝い』として考えると、事項調査のみならず、図書館の利用の仕方から本の所在、どう調べて良いかの相談や、道案内に至るまで、『知りたいことに答える』という意味ではレファレンスですよね。

 なかなか、それが浸透しないのか、図書館調査で見られるレファレンス件数に異常なバラつきが見られます。うちの館の職員同士でも見解が違うので、少なくても満場一致した事項調査類をレファレンス統計に出しているので、近隣に比べてちょっと少ないような感じです。

 最近のレファレンスの傾向としては、うちの館だけなのかもしれませんが、「○○について書いてある本があるか」式で、他の本から部分的に集めてくるのではなく、そのものの本を欲しがるケース(もちろん、そんな本がある確率は低いですが)や、自分で調べる努力をしていただけないケースも多く(そうすると調べ物の手伝いというより代行ですね。)、プレサーチインタビュー(レファレンスインタビュー)をしても「○○の何について」の絞込みが利用者自身も出来ていないケースもある(「いや、何と言われても○○について書かれていれば何でも」って答えが返ってくる始末…)ので、その辺は図書館による利用指導なども必要なのかなぁと実感。

 ああ、あと、回答は全て数分のうちに出てくると思っていらっしゃる方も多いかなぁ…もちろん逆に「回答はいつでも良いので」と無期限ってのもやりにくいんですが(特に見つからない場合)。なので、個人的には5分レファレンスである程度目処を立てて経過報告し、そこまでで良いか、後で連絡か選択してもらうようにしています。
まぁ、インタビュー内で、どのくらいのボリュームが必要かとか期限はどのくらいなのかも聞きますけどね。(語の意味だけ知りたい人に出典の資料を探したり、「提供できますが?」って言っても、「意味がわかれば十分です」って言われますので、捜索前にやるインタビューはほんと重要ですね。)

 他に気になる最近の傾向だと、5分レファレンスで途中経過報告をしたとき目処が立とうが立たなくても「ああ、そこまででいいです、どうもありがとう」と結論まで行く前に強制終了されちゃう場合があって、私としては不完全燃焼で、勝手に継続して調べたりしています。
これの理由は様々で、本音は『(質問を)あきらめた』のか『(時間的に)待てない』のか『(図書館を)見限った』のかわかりませんが、「こんな質問に時間かけてもらうなんて悪いし…」とか、「その後は自分で調べるんで…」とか言われるのですが、今日中とかでなければ、せめて1日は調べさせてもらいたいなぁと。

 もちろん、調べて何かわかった場合、次回来館したときに「先日の質問ですが、~ってことまであの後わかりましたよ」って話すと、喜ばれることも多いのですがね。
うちは小さな図書館なので、以前書いたワンストップサービスではありませんが、カウンターは1つで全て対応しています。
全般的に誰が受けても私が絡むようにしているのですが、私自身全てが得意分野ってわけでないので、時々遠回りになる気もしますが、なんとかやれています。(まぁ、小さいから。)

 でも、人員がたくさんいれば、「○○さんは××分野の担当ね」と、基本はどんな分野でもレファレンスを受ける形にしますが、それぞれ得意分野を十進分類のように配置すると、そりゃあきっと回答もスムーズでしょう。でも、大抵無理なので、レフェラルサービス(たらい回し(笑)…いや、専門機関紹介&照会サービス)的に、自治体内で得意分野の専門員リストを作って、回答の補強をしてもらう人を登録していくとか、近隣のレファレンス担当者と常に連携して相互レファレンスをするとかをして行きたいですね。

 さて、「レファレンスを見直してみる」とは言ったものの、チーム戦(1人で抱え込んで回答するわけでなくって意味)を個人戦にするつもりはありませんし、レファレンス手順も、『質問を受ける→インタビューする→レファレンス開始→途中経過報告→継続調査→最終回答』ってのは変えられないです。

 見直す部分としては、他のところはやっているのでしょうが、うちの館ではレファレンスのもう一つの行為である『レファレンスしやすいリストの作成』とかはしなきゃいけないなぁと思ったり、上にも書きましたが、住民や他館との連携を取れるシステム作り(言うなれば『知るシステム』(笑))をしていくことなどでしょうか…

 他にレファレンスに関係する時間的効率化を図らないといけないとか、そのためのナビゲーションシステムの充実とか、多々やらないといけないことがありますが、一番は『図書館で何でも聞ける体制作り』が一番難しくも効果的なんじゃないでしょうか。『気軽に聞ける』って状況であれば心理的負担も少ないでしょうし…

 例えば、「今晩のおかず何にしよう?」ってのも立派なレファレンスで、インタビュー的には「最近出したおかず」「冷蔵庫にあるもの」「家族の好み」…etc.を聞いて「この資料のこのページにある料理なんかどうでしょう?」って資料ごと紹介するなんて、図書館的にはできますが、それを図書館で聞いてみようとする人は皆無でしょう?

 知識検索サービスを図書館で(最初は利用者限定ででも)やったっていいんですし、最初から「○○の××について調べて欲しい」的な質問が書かれていたら、「やっぱり図書館的な質問をしなきゃだめかなぁ」と思いますが、そこはちょっとサクラを入れて、「今晩のおかず」でも「仲直りの仕方」でも質問があがっていると、「ああ、こんな質問もして良いんだ」ってなると思うのですが…

 まぁ、レファレンスという言葉にとらわれていると難しく考えちゃいそうですが、調べることだけが利用者の知りたいことではないので、『図書館は何でも相談できます』で良いような気もします。

 そうするとビジネス支援だ何だと言っても、相談ではあるんですし、レフェラルサービスという他機関の紹介およびそこへの照会だって今までやっているのですし、「こちらの資料にはこのように書かれていますし、こちらにはこうですね」みたいな解答の無い回答をするのも今までやっているんですから、病気の相談があればその病気の詳細の書かれた資料の提示と専門病院の紹介ってのもできるし、悩み相談だって、同じような悩みの資料と相談室の電話番号を提示できるし、言うなれば図書館に相談すれば相談先を教えてくれるだけでなくもれなく資料も付いてくるみたいな、一見抱合せ販売(笑)みたいなことも可能でしょう。
そうなるとライブラリーカウンセラーとでも言うのでしょうか。笑

 話が突飛な方向へ向かいましたが、レファレンスの見直しは、まず味方、つまり図書館員がレファレンスという認識をかなり広く持つような意識改革と、それを大いにPRするというのが必要ですし、従来のレファレンスを発展させた色々な人からも回答をもらえる環境作りが必要なんだろうなぁと思います。
見直しによって今後は質問も回答もマルチレファレンスってところでしょうか…

レファレンスってカテゴリー作ろうかなぁ…

| | コメント (0)

レファレンスを見直してみる

 先日も勝手に横槍的に乗ってみた『ライブラリー・アカデミー』で、今度はレファレンスに関する課題が出たようですね。受講できる人たちがちょっと羨ましいです。

今回出たのはこんな課題のよう。
 1.日々の疑問(知りたくなったこと)を書きとめる。
 2.他の参加者の疑問(複数が望ましい)に対して、以下の両方から、回答にふさわしいデータを探し、リンク集をつくる。
  1.レファレンス協同データベース
  2.知識検索サービス
 3.その上で、あなたが考える「これからのレファレンスのあり方」を具体的に述べる。

 私は実際に参加していないから、わからないのですが、1で書かれた他の受講生の疑問を2で答えるとなると、まず受講生に疑問を出してもらわないと答えられないし、最初にUPした人は2が出来ないままUPして、後から他の人が最初にUPした人の疑問に対し2を記述した時に最初の人が2を…これでみんなが、牽制しあっていたら、誰も回答できない…まぁ、そんなことはないと思いますが。講義中に疑問の出し合いもあったかもしれないし…

 今日の話題に入る前振りとして、また勝手に課題を使わせてもらいます。(すみません…)
1.<日々の疑問>
a.今頭の中で廻っている♪ターララー、ターターター、ターラタータター…って音楽。何て曲でしょう?
b.絵を描くので、二匹の錦鯉が滝を仲良く昇っている写真が載っているものが欲しい。
c.ドラゴンクエスト9のラスボスの名前は?
d.電線に風が当たって、音楽が流れる…ってたぶん昔読んだ絵本のタイトルは?
e.ある図書館システムを作ろうと思って作っているんだけど、このプログラムどこが間違っているんだろう?
f.永久機関ってどんなものが実在するんだろう?

2.<回答に相応しいデータ>
レファレンス協同データベースでは該当するものがなく、知識検索サービスでは、eに関して足がかりとなるものが得られた。(でも回答に相応しいとは言えない)

2.5.<実際に得られた補足と回答>

 a.に関して。
 これは、私が昔持っていた疑問で、実はもう解決済みなんです。知り合いの音楽関係の人に無謀にも口ずさんだら、「それってこれじゃない?」って弾いてくれた。うん、そうそう、私が音痴なので音がだいぶずれていたが、確かに頭の中でイメージどおりの旋律でした。

 b.に関して。
 これは、実際にあったレファレンス。ネット上では『夫婦鯉滝のぼり』辺りの絵はあるのですが、うちの図書館には写真がなかったです。そもそもそういう写真があるのかなぁ?と今も時間があるときに捜索中。(レファレンス協同データベースに登録していないので、出ませんし、未解決だし。笑)

 c.に関して。
 これは、図書館に来ていた児童が「なんて名前なんだろうね」って話していたとこから。おそらくスクウェアエニックスの関係者ならわかるでしょうし、設定資料という文書はあるんでしょうが、社外秘でしょうしねぇ。1の時代からやっていた私にとっても、確かに知りたいねぇ…。発売されたらわかるこですけどね。

 d.に関して。
 これは、某県立図書館のあらすじレファレンスの未解決事項から。利用者には記憶の断片としてあって、その絵本(?)も過去に存在したものなのでしょうが、いくつか似たような絵本を列挙しても違ったようです。こういうのを知識検索サービスに載せると…まぁたまたまその質問を見た人がその本を覚えていれば解決するでしょうね。もちろん、質問が埋もれてしまうおそれも多々ありますが。

 e.に関して。
 これは、私がよくぶち当たる壁。サイトによっては、短いプログラムであればそのまま載せるとアドバイスをいただけることもあるし、中にはメールに添付して送ったら適切なアドバイスと修正方法を教えていただけることもあります。図書館だとせいぜい、このプログラムに関する本の紹介くらいかなぁ…

 f.に関して。
 これも、実際にあったレファレンス。小学生の質問だったのですが、「永久機関なんて実在しない」ではちょっと可哀想でした。どんな永久機関が考えられたかなどの話は知っていたようで、「実在しないことが証明された」ことしか伝えられなかったのですが、可能であれば「将来、永久機関を実現できるようになりたい」とか、その子の将来に希望が持てる回答したかったなぁと。アニメの設定などではあるんですけどね。笑

 3に入る前に、少し書かせていただくと、図書館でのレファレンスはありとあらゆる疑問に答えたいというのもあります。だけど、『ゆで卵の作り方』や『日本の首相の名前』は資料を探さなくてもクイックレファレンスで即答できますが、じゃあ『核兵器の作り方』は同じようなクイックレファレンスとはできません。
 また、全てが書籍となって・図書館資料となって世に出されているわけでもなく、まして自分の図書館にはなかったりすることも多々あります。
 ついでに、aのような音のレファレンスやbのような利用者のイメージにピッタリな写真を探したりするものや、eのようなプログラムチェックは、図書館では意外と大変な部類になるかと思います。
 だからと言って、知識検索サービスなどでは、典拠が載っているものも少なく、文字に変換したときに、落ちてしまう背景やニュアンスによって誤解された回答だったり、少し調べれば間違いだとわかるものが評価された回答になっていたりしています。それに、質問が埋もれてしまって付かないこともありますからねぇ…急いでいる時に限って埋もれちゃうし。
 ということで、図書館でレファレンスするにしてもネット上で聞いてみるにしても、一長一短がありますね。どんな質問でもクイックレファレンスのように即答ってわけにはいかないんですよねぇ…

 疑問に対して知識検索サービスで回答してくれる人の多くは善意で回答してくれています。わざわざそんなサービスを使わなくても、友人知人に聞いてみたりする場合も善意で、その人の知識や経験を元に回答やアドバイスが出されます。手近な人に聞く場合は人間関係などに左右されますが、知識検索サービスによるインターネット上の自由回答のうち、中には、誰でも善意によって正確な回答をしてくれているわけではないような回答も多々あります。
 そう考えると、図書館職員なら、責務としても誠意を持って回答してもらえるかと思いますが、実際はそうでもなかったり、人によるんですよね…笑

 現場的には、レファレンスを受けるのは個人だとしても1人の知識や経験には限度がありますから、チーム戦のようにできるだけみんなで取り組むようにしています。が、うちのチームでも穴のある分野がありますし、小さな図書館ですから、回答になるはずのことが書かれている資料が図書館になかったりしています。

 なので、そのチームを大きくして、つまり、全国の図書館と連携してレファレンスにあたりたいのですが、どうもそういう仕組みにはなっていないですし…なので、県立に「そういう仕組みを作ってよ」と要望したのですが、「予算がないから」って却下。確かに県立図書館には手詰まりの時にレファレンス依頼していますが、実は隣の図書館にある資料に載っているということもあると思うのですけどね。なので、レファレンス協同データベースが出来た時に、私が期待したのは、知識検索サービスも含むこと。知識検索サービスとかぶるのですが、その回答者が全て全国の図書館員だったら、ちゃんと典拠付きだろうし、精度も高いかなぁと。

 一方、視点を変えて、利用者的に、どういう順序で図書館のレファレンスに至るかというと…
 一般的には、まず自分で調べる。次に周りに聞く。それでもわからないのが気になるなら、図書館に行ってみる…でしょうか?
 確かに、この流れで来館される方もおられますし、第一段階や第二段階でわからない場合に、図書館にわざわざ行くということを考えない人もいます。疑問に持ったことすら、なかったことにするように。もちろん、「図書館で調べたり聞くほどのことではない」とか「どうせわからない(もしくは答えられない)」とか、そういう理由もあるかもしれません。(悲しいのは図書館でそういう調べ物ができるかもしれないと思ってもらえないことかも。)
 でも、実際のレファレンスでは「○○って意味を知りたいんだけど」と、普通に辞書をひけばわかるようなことを聞いてくる方もおりました。で、わざわざこの例をあげたのは理由があって、うちの図書館を利用している人ではなく、たまたま車で通ったら図書館があったので、手帳にメモった諺の意味を調べに立ち寄ったという方でした。
 逆に、同じような辞書を引けば感覚のレファレンスでは「子供に聞かれたんだけど」とその親だろう方が来館し、「おそらくこの辞書に載っていると思うのですが…」と差し出したら「いや、辞書の引き方知らないんで、見つけてもらえませんか?」と。その項目を見つけて提供したら、喜んでいましたけど、辞書の引き方のレファレンスもついでにしちゃいました。これは最近の児童でも似ていて、質問しに来て、「どこまで調べたの?」と聞くと「調べてない」で、どうやっても回答そのものを出してもらうまで持ってきた資料もめくろうともせず、そこにずっと立ち尽くすような子も案外多くて、少し困ったりもしました。

 えっと、話が逸れかけましたが、疑問を持った時の初手であろう『自分で調べる』や『周りに聞く』という習慣のない人も多く、疑問をそのまま置き去りにしちゃう、一方向的な授業の弊害のような人が多くなっていて、調べたかと思うとGoogleに一語だけで検索とか、口語文章で検索とか、効率の悪い調べ方しかしていない場合も多いかなぁというのが実感で、例にあげた立ち寄った利用者のように、図書館を身近に感じている人ほど、周りにいる人に聞く感覚で、図書館に聞きに来るような感じもします。

 もちろん、図書館に行ったら何かを聞いて欲しいってわけでもなく、自分で調べられるのであれば、結構なことでしょう。私自身も疑問を持ったら自分で調べて自己レファレンスで終了してしまいますからね。自分の疑問に他館のレファレンスなんて利用したことないし…いや、これは言い過ぎで、実際は、非公式に他館の司書に聞いたりしていますけどね。笑
 レファレンスが『調べ物のお手伝いをすること』とよく言われますが、もし究極的に調べ方の指導が行き届いた状態では、図書館員も利用者も調べる手順が同じになるし、データベースも究極的に完備しているのなら、レファレンスっていう業務自体がなくなるか、手伝えることとしたら「この本に○○っていう語は何個書かれている?」みたいな人海戦術やしらみつぶしみたいなものにしかならないのかなぁと、ちょっと危惧していますが。笑

 さて、ようやく3です。『これからのレファレンスのあり方』とのことですが、どこに視点を置くかによって、書くことが変わっちゃいますが…

 一図書館司書としてレファレンスを考えると、レファレンスは個人戦でなくてチーム戦なので、各チームの能力アップはもちろんのこと、より大きなチームにし、そこの所蔵資料だけに頼らない協力と回答をしていく必要があるだろうし、もちろん、図書館員だけでは、やはり心もとない部分(不得意分野など)もあるし、県内所蔵なし資料をはじめ、穴が多々あるので、あらゆる分野の専門家とも連携できる必要があるんじゃないかと。
 ということで、一図書館司書としては、回答の正確性と未解決事例の減少のために、自分の図書館だけからの回答だけにならないような協力と多重回答ができるようなシステム的環境の構築が不可欠ではなかろうかと思います。

 利用者側からだと、図書館で聞いて欲しいと言われても、「こんな質問に手を煩わせるのは悪いなぁ」と思っちゃったり、いざ質問しても、妙に時間がかかったりして待ってられないし、待ちに待った回答が希望するものじゃなかったり未解決になるとガッカリすることもあると思うし、だからといって、インターネットで調べるにもどうもうまく調べられないことも多いようなので、そんなに大事なことではないし、まぁいいかなぁって気にもなるのではないかなぁ。それに、知識検索サービスも利用しても、場所によって回答が異なり、どれが本当にそうなのか疑問も出ることがある気も…
 ということで、利用者側からすると、知識検索サービスのような気楽さを持ちつつ、正確で早い回答を得られる仕組みができると良いのではないかと。

 実際、某県立図書館でのレファレンスは減っているそうで、知識検索サービスに流れているのか、期待にそぐわない回答が多かったのか、そもそも疑問すら持たなくなってきてるのかわかりませんが、確かにレファレンスのあり方は少し変容しているかもしれませんね。

 ということで、私のこれからのレファレンスのあり方としては、究極は以前からも書いているレファレンスマシーンなのですが、調べ方の手順とノウハウおよび資料データをどんどん詰め込み、利用者が自分で調べられるようになる方向、つまりレファレンスという業務が必要なくなる方向で考えていければなぁとは思うのですが、それはそれで突飛なので…

 個人的な『これからのレファレンスのあり方』として、上にも書いたけど、他館連携を強めて大きなチームとして対応していくようにし、図書館的には、十進分類の如く、各分野の専門機関を把握するようにしていきながら、正確で詳細な回答を出せるようにするのが1つ。
 ついで、気軽さ、即答性を満たすために、必ずしも図書館でないと回答できないわけでもないものもあるので、図書館でも知識検索サービスのようなサービスを開始する。回答は一般の人もするが、図書館でも確実に回答するようにする。

 イメージ的には、次のような感じ。

1.ちょっと疑問があったので、ある県のレファレンスポータルサイトにアクセスする。
2.よく利用する図書館とその疑問の入力とその説明、回答期限、回答レベルなどを設定して、送信。
3.しばらくすると、その図書館より先に、隣の市の利用者がさっそく回答をくれた。
4.続いて、その図書館からも回答が入力された。
5.でも、ちょっと足りない気もしたので、補足説明とレベルをもう少し上げた設定にしてみた。
6.最初の図書館からの補足回答と、近隣図書館や県立図書館からの回答が日を追うごとに出てきた。
7.しばらくすると、図書館でない専門機関からの回答も出てきた。
8.その専門機関の回答にあった資料を近くの図書館に請求すると、県内になかったので隣県から取り寄せてくれた。
9.疑問が解決してすっきり。

 この問題点としては、質問者とのコミュニケーションが取れない点。
 もちろん、補足説明とかがあるのでしょうが、質問者がちゃんと的確な質問ができる場合でなければ成り立たない点。それはちょっと酷だなぁ…
 ただ、これからは、たぶん、気軽に早くて正確なレファレンスが望まれるんじゃないかなぁと。
 まぁ、今日はそんなところで。

 えっ、「課題は前振りって書いていたのに、本題は?」ですって?
 一応、言いたかったことが書けちゃったみたいだから、書き終えようと思っていたのですが…今回書きたかったことは…

・図書館でのレファレンスでは苦手なものがある。(音やイメージの検索)
 イメージ検索ってGoogleでもあるけど、あれはその文字列の近くにある画像(もしくはタイトルのある画像)を検索しているので、「右上に太陽があって左下に貝があって、真ん中の砂浜に赤いリボンの麦藁帽子の落ちている写真」とかは検索できないし…
 音のレファレンスも、色々ツールはあるけど、鼻歌検索とかはまだちょっと微妙かなぁ…

・1つの図書館ではレファレンスに限界がある。(職員知識や蔵書量の限界)
 可能であれば、図書館員専用でもいいから、大規模なレファレンスサイトが欲しい。回答者は全てどこかの図書館員みたいな。

・知識検索サービスにも一長一短があって回答を鵜呑みに出来ない。
 回答者が誰でも参加可というのは回答に玉石混合が出てくる場合が多い。もちろん、図書館の図書でも玉石混合(必ずしも図書館にある図書だから正しいわけではない)でしょうが。
 メリットとしては、本当にその手の専門家(例だとSEとか)がちゃんと回答してくれると図書館より得るものが大きいこともある。

・疑問を持っても回答まで行き着かないままスルーされることもある。
 教育の問題なのか、それとも、個人的性格の問題なのか、はたまた、調べ方がわかっていないからなのか…もちろん、気にするほどでもないと忘れちゃう疑問も多々あるんでしょうが。
ってことを絡めて書きたかったんです。

 こんな感じで受講生でない分、好き勝手書いていますが、旧データベース検索技術者2級を合格して(1級は不合格…笑)、サーチャーと呼ばれたいなぁと思いながら、図書館で調べたりレファレンスを受ける仕事に魅力を感じている人間なので、レファレンスについて考える課題でしたので、横槍を入れてみました。

 そういや、うろ覚えですが、「レファレンスとは利用者が調べて見つける喜びを代わりに図書館員が感じること」って感じのことを誰か書いていたなぁ…ずっと昔に見て、「これは名言だ!」とウケる前に感動しました。ただ、最近は「この楽しみを利用者にも知ってもらいたいなぁ」と思うこともなきにしもあらず。笑

| | コメント (0)

著作権法31条2!

 どうもこのカテゴリーで、著作権法31条1について、法解釈とか別に現場の解釈的なことを書いていたら、最新号の複写とか時刻表の複写とかそういう検索で、拙ブログを見に来ていただいていることが多いので、嬉しい半面、「間違った解釈していないよな…」とちょっと不安になってみたり。あとで、31条1について自分なりにまとめたいなぁ…

 さて、今回は31条の2について、以前から気にしていたことについて文化審議会著作権分科会での報告案(http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/bunkakai/27/index.html)が出ていましたから、先にこっちを。

 また人様のブログを絡めてしまいますが、丸山高弘の日々是電網  The First. : 廃棄資料のデジタル化は違法/合法?(http://maru3.exblog.jp/7843542/)から、丸山高弘さんは、廃棄図書をデジタル化することについて何度か(廃棄図書のデジタル化...応用編(http://maru3.exblog.jp/7869934/)、やはり、いずれデジタル図書館ができるんじゃないかな。(http://maru3.exblog.jp/7888062/))書かれています。

 これには、基本的には賛成。もちろん、『過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会報告案』しか当時はなかったので、普通の図書館でも可能なのか協議が必要なのかはっきりしていませんでしたから、今回の報告案が出るまで、微妙な解釈でしたがね…(まぁ、出ても微妙な点はありますけど)

 もちろん、全て賛成というわけではありません。寄贈本を受けた先からというのはちょっと無謀な気もしますし、バックナンバーが手に入る状態の時は、そちらを手に入れる方がセオリーかなとも思います。(実際に図書館での保存ということであれば。)

 ちなみに、『過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会報告案』の注の60には『必ずしも廃棄は必要ない』旨の考え方もあるので、色々と考えないといけないことが多々ありますから、原本もデジタルも保存は悪いことではないように思います。

 そこまでいかなくても、今回の文化審議会著作権分科会報告書(案)で気になっていた部分だけサッと目を通すと、P192に国立国会図書館以外の図書館でのデジタル化が『二 図書館資料の保存のため必要がある場合』に当てはまる場合、『その所蔵する資料を複製することができる。』(ここまでは条文にあるんだから当たり前)とあり、その後段の『例えば、損傷、紛失の防止等のためデジタル化することも不可能でなく』と(媒体の旧式化)で『事実上閲覧が不可能となる場合において、新しい媒体への移替えのためにデジタル化することについても、同規定の解釈として不可能ではないと考えられる』が朗報かなぁ。

 もちろん、そのまた後段で『デジタル化された資料を館外に提供したり提示したりすることについては(中略)関係者間の協議によって議論を続けることが必要である。』とありますから、この解釈が微妙ですよね。この『提示』は通常であれば『館外に提示』なんでしょうが、『提示』だけだと館内閲覧もできなくなってしまうからね…

 ひとまず、図書館の所蔵資料で損傷・紛失防止の観点と資料保存の観点から、及び、再生機器が販売していない資料については、著作権保護期間内の資料のデジタル化はどこの図書館でもOKで、ただし、館外貸出などはまだする時期ではないという解釈で良いのでしょうかねぇ?

 とすると、丸山高弘さんほど極端ではないですが、次のことなら一応可能かなぁと。

・雑誌に関しては出版者品切れで重版未定な時点でデジタル化する。
(ただし、デジタル化した雑誌は館内閲覧のみ)
※図書も同様にしたいけど、図書だと数年後再刊とかあり得るし。

・利用回数が多くて、痛みが激しくなりつつある児童書をデジタル化しておく。
(ただし、閲覧・貸出は原本で。)
※複本があればページ紛失のときに複製を作っても良いようなのですが、複本がないので、1ページ抜けただけで利用不能になることもあるので、その場合にデジタル化したものからページ複製を作って修理するとか…

・16ミリフィルムやレーザーディスクのDVD・ブルーレイ化
※これは第一段階としては待望ですね。ただ、関係者と協議しないと館内閲覧しかできませんが…

 ただ、こうは書いたものの、損傷・紛失防止の観点からすると、最近話題の雑誌切抜き問題に応用もできるのではないかと思ったりするのですが…

 そうすると、丸山高弘さんではないですが、図書館の全資料をひとまずデジタル化するって考えにもなってしまいますね。もちろん、館外貸出はしませんよ。今のところ関係者の協議が必要ですし。

 もう少し、議論が煮詰まって、早めにわかり易い法改正に繋がればいいんですけどねぇ…ひとまず、たぶん他の人より遅いでしょうが速報的に比較的短めに書いてみました。笑

 これからゆっくり文化審議会著作権分科会報告書(案)を読んでみます。

| | コメント (2)

『図書館の自由に関する宣言』って…

 まぁ、たぶん拙ブログを読まれている方々はご存知だろう千葉県東金市立東金図書館の例の件の話。

 もちろん、私も外部の人間ですから、内情はわかりませんが、47NEWSによると『容疑者と被害者情報漏らす 報道機関に東金市立図書館』(http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012401000452.html)ということで、容疑者と被害者の図書館の利用状況を令状もない報道機関の一記者に漏らしたという記事。

記事によると、図書館長は不在で、図書館を所管する市生涯学習課が漏らしたことになっているのですが、検索端末などを部外者がいじることもないでしょうから、図書館の誰かが操作したことになるんでしょうね。

 先に書いておきますが、内山誠一郎館長がちょっと可哀想な気もしないでもないです。記事をそのまま信用すると、当時、館長は不在で、図書館サイドは館長不在を理由に断ったのに、市の生涯学習課の誰かが漏らしたということですから、その誰かの名前は出ないのに、館長だからということで名前が出されるなんてね…

 ただ、図書館サイドで断った理由も「館長不在だから」なんでしょうか?普通だったら「『図書館の自由に関する宣言』を理由に…」だと、市生涯学習課に場所を移すこともなかったような…そう考えると、図書館内の裏切り者は誰?とか、市生涯学習課が漏らしても(どうせ漏れた情報は公になってしまいますが)図書館では漏らさない対応というのはどうかとか、色々疑問点は尽きません。

 もちろん、公務員には守秘義務がありますから、その市生涯学習課の人はそれにも違反しているわけなのですが、どういう処分になるのかなぁと。(処分が公表されることはあるのでしょうか…)

 前置きはこのくらいで、さて、この中で、私はいつも考えさせられる点がいくつかあります。『図書館の自由に関する宣言』を忘失もしくは知らないで市生涯学習課の指示に従ってしまった図書館の内部職員というのも困ったちゃんですが、市生涯学習課で指示を出したのが、上司だったら?と考えると、ちょっと複雑な気分です。

 今回の場合は守秘義務違反もあるので、問題外かもしれませんが、以前書いたように、図書館の運営方針とその上部機関の見解とが異なった場合、公務員には上司の命令に従う義務がありますから、選書で上司からのクレームがあった場合など、指示に従うか図書館の判断に従うか…今回の件でも、例えば課長あたりが、「自分が知っておきたいから」とか「外部には特定できないようにするから」とか言われた場合、上司ですから、「カウンター職員以外は何人にも教えられません」(正論でしょうが)とか、「操作方法は門外不出です」みたいなわけにはいかないでしょう。

 もっとも、異動のある職場なんでしょうから、操作制限のパスワードさえ変えなければ、以前にいた職員でも閲覧はできるかもしれませんから、市生涯学習課の人がこそっと端末操作をして行ったのかもしれないという可能性も0ではないですが…

 今回のとは毛色が違いますが、うちでも利用者に(登録可能ではなかったため)カウンターで登録できない旨を伝えたら、所管課に行ってごね続け、課長が「登録してあげなさい」という指示が出て、腹がたったことがありますので、今回のようなことが起きると1つ目には『上司の指示と図書館の判断の優先順位』について悩みます。

 これについては、この手の話を友人としていたときに、言われたことがちょっと引っかかっています。というのは、『図書館の自由に関する宣言』についてで、イメージ的には「図書館は基本としてこうでなければないらない宣言」といったものなのですが、法的根拠のあるものとしては『図書館法』までなので、上司の命令は地方公務員法で

(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
第32条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

とありますから、宣言と上司命令では上司命令優先の根拠が上なのかもしれません。(言われたのは「宣言ってこうしますよってことで法的根拠ではないんじゃない?」っていうようなこと。)

 それなら、ほんと図書館戦争の世界のように宣言そのものを法にしていれば、「図書館法に反しますから」と言えるような気がします。
 日本図書館協会自体も複写や閲覧の問題のときには「各館での判断」と言いながら、こういう時だけ「宣言が云々」と出てきて、図書館の総意による団体でも上位機関でもないのに、「あまり信用できない」と言っている人も業界内部にはいますから、「そこで宣言されても…」と一般認識的にはあるのかもしれません。

 次に、今でも「(督促状が届いて親が電話してきて)子どもの借りた何という本が督促なのか?」とか「(予約資料の用意ができたの伝言で)何という本なのか?」とか質問が来ます。もちろん、利用者の秘密を守るということなのですが、「親の監督権」だの「うち家族の中で秘密にするようなことではない」など相手もあの手この手で言わせたいらしいこと多々です。(うちでは言いませんが。)

 その割に、返却時に「他に返却し忘れて残っている資料はありませんか?」という問いには本人か家族かの確認しないまま、「○○という資料が期限切れで残っています」と言うことがあります(一つ弁明すると、この場合家族で1枚のカードを使っていたので)。
 で、ある時、似たようなケースで、離婚関係の本の期限が切れた資料があったので、伝えて、返却しに来た奥さんが表情を変えて「ふ~ん」って言って、逆に焦ったことがあります。

 それはさておき、「家族なら予約資料を言っても良いですよ」と確認が取れていれば伝えますけど、OPACやWebで予約された資料は、そういうコメント付にはなっていないので、やはり伝えられません。そうすると、どこまでを秘密にして欲しいか、登録時点で確認する必要があるでしょうね…つまり、利用事実についてや読書事実について、「家族になら秘密にする必要もない」と考える人がいますが、そういう人がいない前提で書かれてもなぁということ。

 それと、図書館のカウンターはオープンスペースが多いので、カウンター近くの席でずっと見ていると「隣の家の息子がこの雑誌を借りて行った」とか「あの娘はこういう本を借りていった」とか、わかってしまいますし、常連だったら「あの人、いつもこの手の本を借りているなぁ」とか…そうすると、図書館自体は秘密を守ってくれても、見えてしまうものまでは守ってくれないというか、守れません。(その対策としては、透けない図書館袋にできるだけ見られないように詰めてもらって、袋ごとICタグで貸出って方法もなくはないですけどね…)

 もちろん外部にまで教えて良いという人はほとんどいないでしょうから、今回の件は当てはまらないですが、『家族にも秘密にしたい人』と『家族には秘密にしたくない人』をどうするかという点も考えないといけないような気もします。つまり、2つ目は『利用者による秘密の程度の差』をどうするか悩みます。

 秘密にしたいかどうか、それは利用者が決めることであって、貸出履歴の問題もそうですが、図書館システム自体に、そういう柔軟さが足りないような気もします。
 貸出履歴を保持したい人は保持出来れば良いし、外部流出など気になる人は保持しないと出来れば良いし、資料名の連絡も利用者自身が可否を決められるシステムというのが今の時代には良いのかなぁと思います。
 ついでに、貸出履歴みたいなものを自分の簡易書評付で外部に公開したい人もいるかもしれませんし…(ようは本人の知らないところで公開されなければ良いのではないかと。)

 ということで、ここまでニュースになっちゃった千葉県東金市立東金図書館や市生涯学習課の今後の対応も気になるところですが、『図書館の自由に関する宣言』を遵守できない状況にある図書館がある状態はどうよ?

 個人的には記者が『図書館の自由に関する宣言』があるから聞けないと知っておくべきだと思いません(図書館職員だって「知らなかった」もしくは「秘密にあたると思わなかった」ので、市生涯学習課に教えたわけだし。上司命令だったとしても、その情報をどう使うかくらいは確認出来たでしょうし。)。

 知らない場合に、「こういう宣言があって、それを守るので、いくら言われてもお教えできません」と言い切る毅然さが図書館に足りなかったということだけですし、図書館の現場でない人であれば例え上司でも「理解してもらっている」ということはないのですから。(著作権法関連で、現場でないずっと上の上司が「公表されている新聞なのにコピーに著作権法が引っかかるの?」と聞かれたことがありますし。)

 今言えることは、漏れた情報は戻ってこないということですかねぇ…くわばらくわばら。

| | コメント (0)

○ストップサービス

 前々回に続いて、毎日新聞の1月8日の記事『都立中央図書館 新装開館に未来の姿を探る』(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090108ddlk13040287000c.html)より。
 都立中央図書館は過去に1度だけ研修で行ったことがありますが、ようは全部レファレンス室みたいな感じでしたね。新装オープンしたようなので、また行ってみたいところではありますが…

 この記事で気になったのは、『ワンストップサービス』についての図書館関係者という人のコメント「司書が培ってきた経験の蓄積や専門性が崩れかねない」という懸念はどうなんでしょ?
 たぶん、前々回のように、本当に図書館関係者がそう言ったのであれば、話の大事なところが抜けているのじゃないかなぁと。

 私自身は、『ワンストップサービス』は賛成です。ようは、窓口が1箇所で、そこに行けば用事が済むってことですよね?
 利用者が「○○について調べたいんだけど」と言われて、「それなら△階のレファレンス担当者へ…」と誘導され、そこでのレファレンスインタビューで、「それでしたら○階の方が良いかと思いますので…」とたらい回しにされるよりはずっと良いかと。(もちろん旧都立中央がそんなことはしていないと思いますがね。)

 で、抜けているかもしれないことは、図書館関係者であれば、想像が付くと思いますが…
・ワンストップサービスをして窓口を減らす。
  ↓
・窓口が減った分、常勤司書の数を減らす。
  ↓
・司書数が減った分、利用者対応の時間が減る。
  ↓
・充分な専門性を発揮できない。
  ↓
・窓口で利用者渋滞が起きる。
 ということであれば、懸念でも反対でもいいんですが、そうなるのかならないか、記事だけではわかりません。

 私は、人を減らさない前提であれば、大いにワンストップで良いかと思います。

 市町村立図書館などで満遍なくレファレンスを受けている人ならわかるでしょうが、利用者の求めている部分が分野の境界領域であったり、レファレンスインタビューをしていくと、最初の想定の分野と違うことが多々あります。
 それならば、利用者がレファレンスに来た時に1つの窓口で対応すれば、「いや、こっちの分野も見たらいいんじゃないか?」とアドバイスもすぐ出てくると思うんですが…
 なので、ワンストップサービスのイメージだと、1つのカウンターで1人が対応する小さなイメージの人もあるんでしょうが、各分野のレファレンスのプロフェッショナルが窓口のすぐそばにいるというのは、逆に心強いような…

 ついでにですが、『司書が培ってきた経験の蓄積や専門性』とありましたが、あるベテラン司書には経験の蓄積があるので、レファレンスを聞くのがOKで、新規採用された常勤の新人司書君に聞くのは間違いってことは、普通はないでしょう。

 まぁ、もちろん、新人君が一人でやろうとして、誰も助けない構図があるんであれば、新人に聞くのは回答に繋がらないかもしれませんけどね。

 私はいつも思うのですが、確かに経験は経験した人にしか蓄積できないのですが、それを共有化できないと、一人のベテラン司書だけがどんどん能力アップし、新人君は『見て真似べ』をモットーに頑張っても、なかなか能力アップに繋がらないということに…

 この記事の最後の方に『20代の司書は1人もおらず、人的なサービス水準の維持』が課題だとありましたが、経験の蓄積論で進むと、「ベテランさんが辞めたら20代がいても結局水準落ちるじゃん」と思うし、それを打開するためには、やはり、図書館職員が持てる知識や技術を共有して、経験も擬似的に共有できれば良いのではないでしょうか。

 1年目だろうと40年目だろうと、利用者にとっては『図書館司書』なんだし、人によって違う水準というのは、ちょっと可哀想かなぁ。1年目から同じレベルでやれというはやはり無理な話ですが、ベテラン司書は経験の少ない人をちゃんと後ろでサポートして、自分の経験を受け継ぐ人をちゃんと育てる必要がありますし、受け継ぐ人がいない場合は、誰が来ても受け継げるようなノートなり、データなりを作成しておくべきだと思います。

 だから、培ってきた経験を蓄積するのは、司書個人でなく、図書館の方にすべきだと思うんですけどねぇ…そのことによって、誰が管理者になっても同じレベルでその図書館を使えるのですがねぇ…まぁ、図書館に限らず、出来ていないんでしょうけどね、200○年問題とかベテラン職員の退職であたふたする会社も多いようですし。

 同様に、専門性も確かに各階にその分野のエキスパートがいると心強いですが、本来司書の専門性って分野特化ではないでしょうから、満遍なくレベルを上げて行くのも良いと思います。もちろん、苦手な分野はあるでしょうが、それこそ、図書館内の職員やその他の知識・経験を総動員して解決に導く…それが本来の図書館でしょうし、ワンストップサービスの本来の姿はそんな感じでしょうね。

 ただ、指定管理者制度云々のときもそうでしたが、どうも人減らし・人件費削減系に進むので、このワンストップサービスも上記のように窓口が減ったからという理由で人も減らされるのかなぁと。

 で、『ワンストップ』があるのなら『ノンストップ』もあるんじゃないかと思ったら、言葉的にはあるんですね。『ノンストップサービス』。笑(そういう常識的なとこが抜けている私。)

 用語解説によると「インターネットなどで、24時間いつでも、利用者の都合の良いときに利用できるような形態でサービスを提供できる仕組み」ということで、窓口に止まる意味のワンストップとは違い、24時間停止しないという意味でなんですね…

 貸出ロッカーを利用した24時間貸し出しサービスはちらほら聞きますし、ブックポストで24時間返却も可能ですが、24時間開館は今のところ聞いたことがありません。

 この『ノンストップサービス』の定義に従えば、来館ということはないのでしょう。ということは、館そのものを『開館』する必要はないんでしょうね。

 24時間お客様相談センターみたいに、電話による24時間レファレンスサービスなら、実現可能性が高いですね。
 まぁ、24時間本の出前サービスは人員的にちょっと難しいですけど。(配達くらいであれば、非常勤でも充分でしょうが…。)

 図書館は開館時間が長ければ良いというものではないと思っていますから、24時間365日オープンというのは関心しませんが、ニーズ的には0ではないですし、来館なしの24時間利用可ってどうなるんだろうと考えると面白いかもしれません。

 『ノンストップサービス』と聞いて、端末で借りたい本を指定すると車から降りなくても本が借りられる某ハンバーガー屋のドライブスルー型(実際にはワンストップサービスだけどさ)や、借りたい本を持ってゲートをくぐれば自動的に貸出になる(おそらく今の技術的にはICタグで可能でしょう。)サービスを空想していました。

 まぁ、小さな時間的でなく、サービスを止めないという意味であれば、図書館は継続が力になるものですから、『ノンストップサービス』というか「図書館サービスを止めるな」なんでしょうがねぇ…お後がよろしいようで。笑

| | コメント (0)

理想のOPACなの?

 ライブラリー・アカデミーの課題なんですね。理想のOPACについてブログに記述するの。面白~い☆
 ので、勝手に便乗です。(課題1・課題2は…笑)

 OPACについて考える中で、館内用のOPACとWeb-OPACを分けて考えるか、一緒にするか…理想はどっちも対応なんでしょうが、『館内OPACからインターネットの情報を』というのは設置台数的にもどうなんだろうと。(一人の利用者が占有する時間がインターネット利用者端末みたいに30分とかされた時には…ねぇ?)
 なら、館内用とWeb用の棲み分けが必要?(もちろん、館内のインターネット端末にはしっかり自館のWeb-OPACが登録されているべきですけどね。)

 課題1・課題2を踏まえての課題3のようなので、みなさんのどうも無難なOPACのような気がしますし、現実+αですぐ実現可能のような気がしますが、全部拝見させていただいたわけでないので、じっくり読むとすごい発想のもあるかもしれませんねぇ…(理想があって、それに向かう目標があって、それと現実との差が問題点…って、何かの研修で言われたのを思い出しました。)

 例えば、理想というのなら、ベテラン司書のように、利用者が「何ヶ月か前の○○新聞の書評にあった『なんとかのCMにおけるなんとか』って本ありますか?」という問い合わせで、いくつかの質問から必要な資料を見つけ出す(それも『CMにおける~』ではなく『広告の~』の間違いまで訂正されて)のがやはり理想なんじゃないかと。
 もっと言うなら、前回の全自動図書館の自動レファレンス機みたいに、取りに行かなくてもガコンと出てくるともっと楽なんじゃないかと…

 で、一般認識的なOPACの基本的な機能は、『入力する→所蔵データを検索→表示・出力する』に尽きます。
 なので、今のOPACでの使い勝手から、ちょっと考えてみます。

 まず、入力。
 うちの図書館では館内はタッチパネル式とキーボード式の2種類あります。キーボードー式も画面構成的にはタッチパネル式と同じなので、マウス一つでも同じように検索できます。
 が、タッチパネル式のでも、『機械物=操作が難しい』と思われている利用者も多く、カウンターのそばに検索端末があるので、普通に聞かれることが多いです。

 じゃあ、人型アンドロイドが理想のOPACか??笑

 冗談はさておき、うちの場合、タッチパネルで漢字変換もできますが、ひらがなだけでも、もちろんOKなので、ボタンを押して検索ボタンを押すという入力くらいはやってもらいたいものですが、そもそも「そこから嫌!」な人にとっては音声認識の入力でしょうかねぇ…

 他にもペンタブレット式の入力装置もあってもいいんじゃないかと。ペンで書き、消しゴムで消すみたいな方がアナログチックで良いかも。
 まぁ、どちらも認識率の精度が絶対でないので、まだ難しいところではあるんですけどね。(まずは精度をできるだけ高めるのが理想。)

 入力項目は、デフォルトで1項目のフリーワードは今のままで良いかと思います。検索に詳しい人だと、AND/OR/NOT検索もしたいところですね。初期画面で簡易検索(フリーワード・Google型・実はAND/OR/NOTなどがOK)・詳細検索(よく見るタイトル・著者名・出版者…とかの項目入力型)・マニアック検索(普段検索されないような大きさや出版年オンリーとか、CDなら総時間とか・本ならページ数とか、重さとか…書いてはみたもののまだ想像できません。笑)くらいに分かれていると理想かも?たぶん、私はマニアック検索のボタンを押しちゃうなぁ…つい気になるから。笑

 検索できる項目的には、実際には書誌データがどうしても最大限になるので、「青い表紙でクマが描いてある絵本」とかはやはり難しいか…表示・出力の方で述べますが、表紙画像があればあとからであればそういうのはわかりますね。でも先に検索したいし…
 今通常のMARCにはない表紙データ(こんな表紙だというのがわかるデータ&その写真データ)とかを入れておく必要がありますね。

 ここで、ちょっと話を逸らして、一番の問題は、その資料にどれだけのデータを詰め込めるかが、OPACを語る上で問題なんじゃないかと。
 例えば、第△回の○年の課題図書をOPACで調べようとしたときに、件名やキーワードで追加データを入力している図書館は、すぐに検索できますが、していなければ、インターネットで調べて、タイトルを同定してから、所蔵を検索になるでしょうし。そんな感じ。
 もちろんデータを詰め込みすぎると、『さくら』(西 加奈子/著,小学館,2005.03)を探すため、『さくら』とフリーワード的に検索されると、桜井誰それさんや、なんとかさくらさんの著作や伝記から、桜の木や花についての本、桜の出てくる話の本とか、旅行誌の他にも色々出てきますからねぇ…『あ』(大槻あかね/作,福音館書店,2008.11)をフリーワード検索された日にゃ…笑
 ようはノイズが多くなるってこと。

 話は戻って、入力の続き。
 入力補助として、「もしかして○○?」っていうのも良いかもしれませんが、たまにうざったいこともある(ちゃんと入力してその語で間違いないのに、)ので、これも表示の方へ。
 入力画面的にはシンプルが一番。もちろんヘルプも充実しておかないと。(図書館に相応しくないかもしれないけど、ヘルプって読むの面倒なんだよねぇ、話してくれないかなぁ…ピンポイントで。)

 次に所蔵データの検索については、やはりここは機能による面もありますが、できるだけ瞬時に。
 館内のであれば、所蔵していない資料の書誌データも組み込んでおくと、範囲が広がるかな?でも、所蔵していると誤解されそうであれば、『探す(検索開始)』だけでなく、『所蔵資料から探す』と『全てのデータから探す(所蔵しているのもいないのも全てから)』と(データが新しすぎるものはヒットしないでしょうから)『インターネットからも探す』のボタンがあるといいな。(けど、逆にシンプルさが失われるような…)

 インターネットからも検索はWeb-OPACに実装すれば良いでしょうかね。
 (実はここにおかしな点があって、所蔵のない資料の『全』データが組み込まれている…って有り得ないんですけど。笑)

 で最後に、表示・出力。
 ここが大きく分かれるところかもしれません。
 まずは、シンプルにその検索語でヒットしたもの&表紙画像を表示。貸出中の場合は、予約ボタンもあり、所蔵のないものも含めた検索ではリクエストボタンもある感じ。(ちなみに、手のひら静脈認証でスタートし検索すると、いちいちカード番号やパスワードの入力が不要)

 所蔵のない資料の場合は、リクエストボタンの他に近隣で持っている図書館を表示するボタン(近くにあるのならすぐ借りに行きたいこともあるし)と、近所の書店やネットの書店で購入できるボタンもあるといいかなぁ。(登録時に、購入先や購入方法・クレジット番号なんかを登録するとか…)

 ふと、フレーム分けされた所をみると、「もし調べたい語が○○なら△件、××なら☆件あります」と、間違った語の入力や関連項目で検索された結果も表示されている。(ワンクリックor選択でそれが表示される) 

 詳細情報を開くと、よく見る書誌情報の他に、この著者の著書の一覧も別フレームにあるので、読みたいものをチョイスできる。(同様に、件名の関連語でのヒット件数もある)

 館内OPACはあまり占拠してもらいたくないから、そこから関連語を芋づる式にっていうのは嫌かなぁ…

 他に、画面の字が小さいって言われることがあるから、ルーペ機能(文字拡大機能だと全部がでかくなるからJavascriptのルーペみたいな…)とかもあればいいし、音声ブラウザ付きのOPACでもあって欲しいし…

 ということで、まぁ、一般的なOPACの認識で、今の先進事例にプラスαするだけの機能なら、理想というよりは近い目標的な、「こんなのがいいなぁ」程度。なので、最初に書きましたが、今のOPACの不満をコミで書いてみました。

 OPACの機能どうこうよりは、どんな情報が検索できるようになっているか、図書館にどんな情報を残しているか(例えば、書評情報や雑誌の目次情報や図書のパスファインダー情報、CDやDVDの些細な情報から、貸し出し履歴や利用者の趣味・関心情報なども含め)で、どこまでを理想とするかになるんじゃないかな?

 でも…、結局、OPAC…蔵書検索するだけなら、技術的に精度の問題はあれど、大抵の理想実現は難しくないんですよね。
 大学のILLと似た機能を持たせて利用者が利用できると、相互貸借や複写依頼まで可能になりますし。
 理想を突き詰めていくと、書誌データをもっと膨大にすると…というか、書誌データ以上の、つまりカタログを背後にインターネットを越えたデータがあると、所蔵資料だけでなく、レファレンス機としても可能になるんですよね。(例えば、子供の頃読んだ断片的な記憶を入力するとOPACで検索できるとか…)

 なので、私の理想的なOPACは、前回書いたコミュニケーション機能を搭載した人工知能による自動レファレンス機に尽きます。

 あとは、今のOPACが真面目過ぎるので、ふざけた機能…例えば前回の全自動図書館で書いた「心理テスト」や「生年月日占い」からあなたに「ピッタリの本は○○」とか、まぁ、利用促進も兼ねてさ。

 他に、利用者の立場でなく、職員の立場的なOPACもあるといいですねぇ。これも書いたと思おうけど、本を入れれば、書誌情報や分類はもちろん索引付与やキーワードやあらすじ作成する機能付きOPACとか…笑

 あっ、もしかして、受講生だけでなく、私たちにも波及させるための戦略的課題だったら、思いっきり乗ってしまったよ…やられたよ…笑

| | コメント (0)

全自動図書館

 はてなブックマークでも同じ風に思った人がいて安心したのですが、1月8日の毎日新聞地方版の記事『三鷹市立図書館:全5館、全サービスを自動化 きょうリニューアルオープン /東京』(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090108ddlk13040322000c.html)では、三鷹市立図書館が貸出・返却・予約・資料検索の全てを自動化したとの内容だったのですが、『サービスのすべてを自動化した図書館』ということで、この新聞によると図書館のサービスはそれらだけのようです。笑

 まぁ、一般認識的にもこれに近いものがあるでしょうが、この記事を書いた人がそんな認識なのか、三鷹市の記事提供者(図書館長ってことはないでしょうが)が「全ての図書館サービスを自動化した」と言ったのか…

 ただ、実際に三鷹市立図書館に行ったことがないのですが、自動貸出機は最近見るところも多いですけど、自動返却機はさいたま市さんでも見ました。さいたま市さんの場合は、返却された資料をある程度仕分けしてくれるのですが、三鷹市さんの場合は配架までされるんでしょうか??たぶん同じような感じだと思うんですけどね…

予約と資料検索の自動化って、館内のOPACを使っての予約や検索はよく聞きます(うちでもそれならできる)が、自動化…どこまでできるんだろう?
普通ならば、OPACでタイトルやキーワードで検索(手動)→所蔵資料が貸出中なら予約ボタン(手動)→利用者番号とパスワードを入力またはカード差込で予約完了(手動)なんですけど…
検索して貸出中の資料を手当たり次第に予約をかけられてもなぁ…そもそも資料検索も自動化しているんでしょ?
利用者がタイトルを頭に描いただけで検索して予約が完了とか?笑

 と、導入でふざけたことを書きましたが、以前のブログで無人図書館について書いた(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/08/post_9a6b.html)ときに自動販売機や無人コンビニ風なことを述べたましたけど、あそこまでやると今の時代なら自動と呼んでもいいですよね。
 『自動』がどこまでかの定義が難しい気がします。『自動車』は(将来的にはできるでしょうが)目的地を告げれば勝手に走ってくれるものではなく、人の操作を受け付けて、機械の力で走る車ですし、『自動販売機』はお客を見つけて自分から売りに行くものではなく、お客が来てお金を払い、商品を選んだら出てくるものですし、『全自動洗濯機』も部屋に脱ぎ捨てている服を回収して洗濯し干して畳んでしまってくれるものではないですからねぇ…

 図書館だと、どこまで自動化が可能でしょうか?

 貸出は自動貸出機という名称があるように、ICタグによって貸出が可能です。利用券を手のひら静脈認証にすると利用券を取り出す一手間が削減されますね。
 返却は返却処理だけならICタグで簡単に自動化できていますよね。問題は返却された資料の配架。無人図書館の例などにあるように、ある一定範囲の場所にその本を並べるのはきっと可能でしょうが、棚の貸出された資料の部分は詰めて、返却されたらその間に入れるといった現在の運用風なのは、もちろんそういう仕組みを作ればできないことはないのでしょうが、今のところ仕分け程度なのかなぁ。前回書いたように自動返却機の仕分け条件を細かくして、床下もしくは天井ベルトコンベアで入れるべき書架に移動させるのは今でも可能でしょう。それか、貸出されたらその部分はその幅で空きスペースにするか(返却時にそこに入ればいい)…でもそうすると書誌情報に厚さの項目作らないとね。

 配架に関連して、利用者が適当に取り出して読んで別のところに置いた場合はどうしよう…まぁ、棚アンテナで誤配架くらいの情報はできるでしょうが、それを取り出して、元の場所へ…並のコンピュータならパンクしそう…常時正しい場所にあるかチェックしないといけないですからねぇ…

 そうすると利用者に現物を触れさせないでブラウジングさせる方法を考えなくてはいけませんね…ブラウジングさせないってわけにはいけないですし。
 その対策として一つは、バーチャル書架みたいな(拙ブログ『ターゲットはどこに』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/11/post-e283.html)参照)感じで、画面の中の本の背をクリックまたは触ると内容の概略表示をするという方法。でも、これだと、「この章にあるだろう図が自分が必要としているものかどうか」は実際に請求しないといけないでしょうし…それなら、拡大読書機のように実際に書架にある資料(貸出していない資料)をマニピュレーターを操作して見るという方法もできなくはない…(著作権法的にも同一構内(つまり館内)での送信だから公衆送信権は引っかからないだろうし…(著作権法第2条7の2))。

 もちろん複製物で電子ファイルにできるのならそれでもいいんですが、著作権法が大幅に改正されないといけないですから望みなしですから、このくらいかなぁ…そう考えると実際に手に取れる方がいいですね。
 そうすると、違う場所に置くとピーピーなるとか…そこらじゅうからピーピー鳴っていそう…笑
 そうなると、無人図書館で書いたように自販機みたいにケースに1冊ずつ入っていて指定したものを取り出し、借りなければ回収装置に入れる感じが妥当かな。

 まぁ、ここまでは考えたことの再確認ですから、その他のサービス。

 まず、レファレンスサービス。
 私の無人図書館での考えでは、テレビ電話型のレファレンスなので、まだ自動ではありません。

 そこで自動レファレンス機!

 機械操作が苦手な方でも自動レファレンス機の前で音声入力なら可能でしょう。
 OPACや読書案内もこいつに任せちゃいましょう。
 一番難しい技術面は放っておくので、実際は不可能なんですが…

 資料検索の場合は、処理が早ければ、自販機のようにガタンと出てくればいいですね。タイトルや著者名からリストを提示していく方式であれば、今の技術でも可能かな?音声認識や文節変換が難しいですし、『切羽へ』(井上荒野/著,新潮社,2008.05)(きりはへ)を「せっぱへ」と言われた場合など検索が難しいですけど。あいまい検索か…

 読書案内の場合は、貸出履歴などのデータがあると利用者の傾向がわかり、オススメはよりしやすいのですが、新規の利用者とかいつもの利用と違うジャンルなどの場合は、心理テストや生年月日や血液型で「こういう本があります」でもいいかなぁ?まぁ、私自身も実際に案内して「この本良かったよ~」と言われる時と「僕的にはもう少しこういう方が…」と言われる時がありますから、多少ブレがあっても面白いかもしれませんね。

 事項調査の場合は、一番難しいんでしょうが、レファレンスインタービューのような質問を繰り返し、フローチャートで絞り込む方法で質問を確定し、索引のない資料にも索引をデータベース的に付与することで、所蔵資料の情報を把握し、同時にパスファインダーやレファレンス協同データベースの検索のように、類似したものがないか照合していく作業を経て、提供資料を決定する方法ですかねぇ…

 要は、一つの資料からどれだけ情報を整理・データベース化して置いておけるかによるのでしょうが、機械ですから、レファレンスカウンターで利用者が鼻歌や歌い出しても、その音程からそれに近いCDのパターンからヒットする(あまりにも下手だったら難しいか…笑)のも可能ですし。

 自動レファレンス機でうまく調べられないものに関しては、フィードバックしてデータを色々と追加すればいいでしょうね。

 次に、複写サービス。
 資料を複写機の横の入り口に入れて、ページ指定で複写。ICタグにより総ページ数や目次情報などの資料情報と付け合せ(短篇集などもあるので)をして、ページ数が半分を超えない形で。

 加えて、住宅地図は見開きの半分までなので、プレビュー画面上で半分未満になるように利用者が選択して、その部分だけが印刷される方法で(四角や多角形の範囲指定でなくても渦巻き型だろうと飛び地であろうと見開きの半分までの指定が可能。)。

 雑誌の最新号なんかは複写不可もいいけど、目次情報などからその記事の半分までは可能にできるし…。

 問題は新聞なんでしょうが、タグを付ければまぁ成り立つけど、費用がねぇ…そうすると、新聞は自動ブラウジングの応用で、可能かな。

 他にも、予約資料宅配サービスも今の工場からの製品発送みたいに予約本を箱詰めして発送手配みたいにできるでしょうし…
 障害者サービスは上記ブラウジングにズーム機能があれば拡大読書機ですし、OCRみたいなのと組み合わせると朗読だって…(今なら認識に問題ありですけど)

 普通の利用者サービスはこんな感じでなんとか…

 で、全自動ですから、職員の業務も自動化したいなぁ…
 選書は以前も書いたような気がしますが、ベテラン司書の選書方法をフローチャート化したもので代用(実際には一般流通していない資料とかも選び出せると、なお可なんですけどね…)。

 新刊の受入れやおはなし会も上記の各種方法でなんとかなりそう。

 書架整理や蔵書点検なども最初の設定がICタグと精度の高い棚アンテナがあって逐一資料の場所を把握できる図書館ですから問題ないですし。

 資料の保守が自動化には向かないような…ページ取れの保守程度ならなんとかなりそうですが、汚破損のチェックとかは難しいか。

 相互貸借資料の貸出依頼や受入もシステムからメール等で依頼し、届いた箱から奥付等でタイトルを確認して、借受処理を施して貸出はできそうですし…

 他にもたくさんあるけど、技術的なことを除くと出来なさそうなのはないかなぁ…

 寄贈受入と装備も自動化できるかなぁ?書誌情報があるものなら良いけど、書誌情報を作るとなると…OCR的手法でなんとかなるか。でも分類とか内容把握が難しいなぁ…

 ペーパーレス時代に突入と言われつつも、電子ペーパーという技術が出てきても、電子雑誌などもありながらも、まだまだ紙ベースの本が出ている現代、50年程度先ならまだ出版物として本はあるでしょう。でも、このくらい自動化する図書館も出てきても良いかなぁと。

 そりゃあ、全ての書籍が電子データになっているんだったら、配架や汚破損の対策を考えないでも良いので、全自動な図書館は簡単でしょうけどね。

 その頃も司書って…『図書館のシステムを保守するSEみたいな人』になっているでしょうか。レファレンスのフローチャートなどもフィードバックして組み替えないと、使えない司書と同じですし。

 今の技術を駆使して、これに近いことをする図書館を建築するとすると…いくらくらいでできるかなぁ…
 全図書の索引付加とかのデータベース化に莫大な人件費とかかかりそうですけどね。
 そんな現実逃避をする今日この頃です。笑

| | コメント (0)

日本の図書館に未来は?

 このブログをご覧の皆様、去年7月末から始めた私の拙いブログをご覧頂きましてありがとうございます。普段、ちょっとずつメモ的に書きためて少しずつアップするのですが、どうも書こうとしていた内容が時期的に追いつかないなど色々と収拾が付かなくなったので、一度ポイして、今年最初の更新として、こんなことを考えてみました。

 未来がないと言ったら元も子もないでしょうし、あるんでしょうね。たぶん。笑

 もちろん、こんな私でも(こんな私だからこそ?)「あ~この人すごいな」「この人の下なら是非働きたいな」と思える図書館司書・図書館員は(直接会ったことはなくても、ネット上で拝見する分には)何人かいますし、「ここの図書館すごい」って思う図書館もちらほらありますから、私のいる図書館及び私自身もそれを目指して頑張りたいなぁと。(制約は色々ありますが。笑)

 ただ、願わくは、今年はもう少しちゃんと図書館の本業に集中させてもらいたいなぁと。まぁ、人数が少ないから仕方ないんでしょうけどね。(願いは叶わないことが確定していますけどね、今年は合併問題が業務に入ってくることですし。)

 さて、格差社会が叫ばれ続けていますが、図書館だってやっぱり格差だらけで、十把一絡げにはできない事情が多々あります。
 考えられるのが、予算上の格差、職員数や雇用形態などの人員上の格差、図書館職員の意識の格差、首脳部の意識の格差、地域住民の意識の格差なんかがあるでしょう。

 まず、予算は各自治体でまかなわれているので、まずは自治体の財政状況が大きく関わってきます。だけど、同じような人口規模で同じような自治体の財政状況であっても、図書館の予算は違うことが多いです。そうすると、この違いは図書館職員(館長含む)の予算折衝能力だったり、予算を決める首脳部の図書館に対する意識だったりするんでしょうね。(一般住民や図書館協議会員や議会の要求で予算が増えるという直接的効果はない気がしますし。)

 そう考えると、予算折衝能力が高い人がいても、最終的に予算に組み込まれなければならないので、まずは首脳部の図書館に対する意識を変えてもらわないと…ですね。
 その辺の調査って日図協などでやったことあるんでしょうか。私としてはこんなアンケートしたいなぁ…『課長・部長クラス以上の図書館利用の割合(年にどのくらいとか、何人中何人とか)』『どのように図書館を利用しているか(利用していないのはなぜか)』『あなたの自治体でどのような図書館にしたいか(予算、人事面、施策面など具体的に)』…などなど。でも、結局は、首長などが直接回答する前に回答原案を図書館職員に模範回答作らせるところも多いんだろうなぁ…うちの首長も司書が何をするのかよくわかっていなさそうだったし。

 次に職員数などは、おそらく多くの図書館で「もう1人2人いれば、こういう企画や事業ができるのに…」とか思うこともあるんでしょうが、与えられた人数で『それなりに』卒なくやっていけてしまうような感覚に陥っているような気がします。特に図書館業務に熱心な人ほど、自分の時間などを削ってやっていることも多いかと思うのですが…可能であればその熱心な人の企画などがその本人も含め誰かの犠牲なしに実現すると良いのですけどね。

 貸出は今や自動貸出機がありますし、その操作説明に1人いれば良いでしょう、返却資料の配架は今のところ機械より人の方が早そうですし、図書館によっては友の会やボランティアなどにお願いできるところもあって、それはそれで羨ましいなぁと。

 実際は自動貸出機を導入するなら人員削減だとか、配架ボランティアがあるから人員削減だとか言われるのがオチで、それならば減らされないようにした方がまだやれそうな気がしますし。そもそも新しい機器の導入にはそれなりに費用がやはりかかりますし、ボランティア頼みというのもボランティアですから強制もできませんしねぇ…

 内部でもそうなのですから、外部から見ると実際、「インターネット全盛の時代に図書館なんて」と言われたことがあります。
 その理由が、お金があるのであれば、必要な資料を売っていれば書店で購入し、絶版であれば古書店で購入し、CDもDVDも購入かレンタルという方法があるとのことですが、この論法は無理があって、「お金がない場合」や「古書店にも売っていない場合」が含まれていませんよね。(そもそもブックオフ以外の古書店がない所だってたくさんありますし。)

 それに対して「図書館は無料だし」と言っても、逆に欲しい資料がその近くの図書館にあるとは限らないし、なければ他の図書館から借りたりするのを1週間以上待たなければならないことも多々あります。挙句に「用意(提供)できません」と言われた日にゃ…笑
 まぁ、購入やレンタルするにしても、図書館で調べたり借りたりするにしても、時間がかかることがよくあります。
 もちろん、逆に、行った書店や図書館などに、必要なものがある可能性も否定できませんけど。

 そう考えると、家でも検索できるインターネットってやはり便利です。なので、インターネット上では、出版されたものを読むことは難しいので、購入できなければ、図書館は利用されるでしょうが、無駄足にさせないためにも、少なくても図書館は自分の館でできること(所蔵情報を始めとして)を情報発信する必要があるでしょう。 

 図書館の両輪的になっているものとしては貸出とレファレンスがありますが、2000年前後から始まった『OK Web』や『教えて!goo』、2004年からの『Yahoo!知恵袋ベータ版』などのインターネット上の質問コーナーとレファレンスの差を考えると、回答の典拠のあるなしとか、未来予測の質問や時事的なまだ新聞やニュース以外の印刷媒体になっていないようなものの質問など、通常図書館では扱わないようなものまで色々あるので一概には言えませんが、例えば『レファレンス協同データベース』みたいな感じな質問がインターネットでリアルタイムに書き込めて、それをどこかの図書館が同様に典拠や経過を記述して回答とするのであれば、精度や有益性の高いインターネットによるレファレンスに他なりません。

 前置きはこのくらいで、本題。
 「図書館はサービス業だから」とよく言われますが、大手スーパーのチェーンなどとは違い、どこでも同じサービスを受けられるというのは難しいものです。
 どこで見たのか忘失したので、あいまいな表現ですが、「お客の要望を全て叶えるというのがサービスというわけではない(ある程度叶えられた以上はわがままでしかない)」みたいな表現を読んだ時、「なるほどなぁ」と思いました。

 例えば、大都市の中央図書館では、その日に調べ終わるレファレンスなのに、どこかの小さな村立図書館では、回答を得るまでに1週間以上かかるとか、終いには「これ以上の回答はうちの館では…」と不完全燃焼だったりします。確かに、都道府県立図書館とも連携は取られると思いますが、その大都市中央館に他県の村立図書館のレファレンスが届くことはまずありませんし。

 そう考えると、まず、自治体の財政レベルで資料の充実度が決まるし、その職員のモチベーションや経験などでレファレンスの回答精度も決まります。
 図書館は自治体の財政状況や意識の問題であることは先に述べたとおりですが、財政が苦しいのに「レファレンス資料の充実」や「開館日・開館時間の延長」や「ビジネス支援の実施」etc.なんて、どこでもできるわけではないと思いますから、いっそ「そんなのやりません!」の方が落ち着くかもしれません。
 「『身の丈にあった』図書館運営をします」ならば、逆に「うちの図書館ではレファレンス資料が充実していないので、一切レファレンスはしません」でも良いのですけどね。(そうはいかない…) 

 しかしながら、『図書館』ということを考えると、やはり、その図書館が大きかろうが小さかろうが、利用者の資料要求は相変わらず十人十色ですし、田舎だからレファレンスの回答はなんとなくで良いというわけにはなりません。
 では、どこまで利用者の要望を汲み取れるかと考え、その代替案を考える必要があるのではいかなぁと。(まぁ、そんなのは当たり前で、みんな苦心しているんですけど。)

 例えば滋賀県立図書館だと、ニュースにもなりましたが、資料費確保のために、休館日を逆に増やしたということがありましたね。
 確かに休館日であれば、光熱費も抑えられますし、人件費だって…(例えばうちの館は複合館だから電気代に月80万だし。)
 この場合は資料費のための休館日増加でしたが、同じように『週に4日、金・土・日・月のみ開館だが朝8時から夜10時まで』という図書館があってもいいし、『開館時間は日の出から日の入りだけど、○時までに予約をかければ24時間貸出ロッカーを使って24時間いつでも借りられる』とか、『昼から開館の日が週に○日』とか、『電気代を考えて、館内に5人以下になった時点で閉館』とか、開館日や開館時間は、何も長く開ければいいわけでないでしょうから、そんな工夫もできるでしょうし、以前このブログでも書いたテレビ電話レファレンスのように、県立のレファレンス担当が、テレビ電話を使ってレファレンスに回答(資料が必要であれば相互貸借で近隣図書館で受け取れる感じで)するようにすれば、レファレンス資料が不足しがちな小規模図書館でも県立レベルのレファレンスをすぐ受けられるし…
 でも、地方公務員的思考のためか、なかなか実現に至っていないようです。

 図書館での技術的には、以前のカード式よりも資料検索がずっとやりやすくなっていますし、お金をかける気になれば、ICタグを充分に利用した棚アンテナ(誤配架とか、貸出でなくても、手に取った回数もカウントできるようですし)を導入したり、うまくすれば、床下にベルトコンベアみたいなものを配置して、返却本をその配架する書架まで自動に分類してくれるというのもできると思います。(最終的には棚への自動配架もいつかは…)
 そんな感じで、ITで喰われたものもあるでしょうが、得るものも大きい感じがします。

 将来的には、貸出も自動、返却・配架も自動、挙句にAI司書による正確なレファレンスに、相互貸借も電子ブック的なデータによる転送(貸出とその館から一時的にそのデータが扱えなくなる仕様)とか…

 さてさて、図書館は最後にはやっぱり人だと思います。 
 今は、SNSやらブログや掲示板など、遠く離れていてもコミュニケーションをとる手段はたくさんあり、私も議論に混ぜてもらったりするのですが、「じゃあ、隣の図書館の○○さんとは語り合ったことがあるか」というとないです。(私だけ?)
 私自身が社交的ではないのも関係するのかなぁ…本音ではもっと色々な人の話を聞きたいのですが。
 全国図書館大会や図書館総合展なんかも行けるのなら行きたいですが、地方だと難しいものがありまして。(それでも参加者名簿を見ると北は北海道から南は沖縄まで参加している人はしているので、できるんだと思いますが、仕事の都合をどうやってつけているのかちょっと不思議です。)

 最初に述べたように、一人一人ではとても素晴らしい人がたくさんいるのですが、よく考えてみると、なかなかその人達の意志を継げる環境にある人っていないんですよね。やはり、そういう人達の下で働いてみるとかしないと、なかなか論文や講演会などでは実感がわきません。
 もし、そういう方々が一堂…いや一館に集まって建設から携わったらどんな図書館ができるでしょうか…
 どこか、そういう方々を全てヘッドハンティングしてみてくれないかなぁ…(もちろん、その方々だって今いる図書館に愛着はあるでしょうが、日本の図書館の最高水準の図書館を作って啓蒙するということに関心が高い人も多いと思うんですが…)
 
 で、最後に、昨年の暮れ、図書館振興財団(http://www.toshokanshinko.or.jp/)が設立されたのですが、その動きによっては、これからの図書館界も変わっていくことでしょう。
 私自身は、図書館は今みたいに各自治体任せではなく、1つの組織であってほしいと思っています(そうするとシステムなんかはうんと安くできると思うし、そのお金で資料購入もそうでしょうが、相互貸借の物流なども充実すると思いますし、人的交流も盛んになると思うんですけどね。)から、全ての図書館を財団立なんかにしていただけると(各図書館の運営費は各自治体から予算額に応じて徴収ということになると運営しやすいかも?)画期的かなぁ…まぁ、一司書の戯言ですけど。笑

 遅ればせながら、相変わらずまとまりがないのですが、今年もちょびちょび書いていきますので、よろしくお願いします。 

| | コメント (0)

図書館の指定管理

本当は来年度から導入する予定だったけど、いつの間にか話が消えた感のある指定管理者制度の導入。
司書採用で採用された私にとっては、今の職場にいられなくなるという問題はあったのですが、生活的には不慣れな職場への異動となるか、別の仕事に転職するかのどちらかですから、特に問題もなかったので、賛成も反対もしなかったんですけどねぇ…
図書館を利用する利用者にとって「良い図書館」であれば、どこが運営しようと良いのですけどね。

ちょど、図書館系ブログの中で、久しぶりに指定管理云々に言及されておられる方のがいたので、興味深く読ませていただきました。
まず、
・Tohru’s  diary 「指定管理者制度と公共図書館への導入について」レジュメ公開(http://sakuraya.or.tp/blog_t/index.cgi?no=510
では、中立的な立場でまとめられていて、私が今回「参考までに」と聞かれた時の回答意見と近いものがあります。

この中にも「司書は足りない判断情報を社会に提供するために分析し、発信する必要がある。」とありますが、ただ、現実としては、「そういうデメリットや考察なんか聞いていない。どういうメリットがあって、いくら削減されるか調べろ」って(館長が)言われましたが…笑
まぁ、指定管理者制度を導入しようとする行政側の人や議員の人で、図書館をちゃんと理解し、いや、日常的に図書館を利用している人っていないんですよね…
そして、「図書館を自分の目で見てから」と思うだけましなのかもしれませんが、大抵、平日の午前中とかに来館して、「暇そうだね」と。(某盗撮知事みたいに。)
(土日の忙しい時間帯に来てくれたら少しは認識変わるでしょうか…というか、その時間帯に来ても構ってあげられないのですけどね。人手不足なんだし。)

結局、多くの場合、指定管理導入問題は、「指定管理にしてサービスの向上」というよりは、「人件費削減ありき」なんです。
「経費削減ありき」ですから、デメリットを述べても「そんなこと聞いちゃいない」からはじまり「ただの保身だの」「財政難なんだし」「図書館があるだけいいじゃないか」と言われ、利用者が同様に言っても「行政をわかっていない」「(何がノウハウかわからないが)民間ノウハウでサービス向上する」「(光熱費は考えずに)開館日や開館時間が延びるんだから便利になる」と一蹴されます。
そういうのがまかり通るのが地方の田舎の図書館です。(もちろん全てとは言いません。)

指定管理者制度を導入した図書館に視察に行ってみましたが、直営時代の図書館運営に疑問符が付く運営だったようで、私も「それなら民間にした方がまだまし」と思いました。
実際、直営の時、年齢が高い職員ばかりで、指定管理になったら非常勤・パートとなれば、人件費は大幅に浮くわな。
それで、管理費とかが圧縮されているのなら、まだ「民間にして良かったねぇ」と言えますが、実際はそうではないらしく、それでも満足度が増えたということは、直営時代の職員の怠慢でしかなかったんですよね…その金額とスタッフのアイディアで指定管理者制度導入後の運営が人件費を別にしてできるんですから。

極端な話、運営費が変わらないのであれば、「司書持ちの図書館運営ボランティアを育成して、運営すれば人件費かからないし。」(これは本当に極端ですし、安定してボランティアがいるとは限らない点に大きな問題があるんですけどね。)って考えを持つ人だっているんじゃないかなぁ…夏場とか忙しい時期には児童・生徒の職場体験と称する配架作業員を増やすとかさ。そんな考えも出て来そうですよ。

指定管理制度導入推進派の人が出してくるのは、大抵が「指定管理者にして良かった」という新聞記事。
確かにそれまでの運営がどうだったかを度外視して「経費が削減された」「満足度があがった」という文言が踊ります。
私の館でも「千代田区立図書館が指定管理者になって良くなったそうじゃない」と言われました。
まぁ、そうなんですが、どうも話を聞いていくと「指定管理者制度を導入すれば同じようなことができる」と思っているようで…
普通に考えると規模も違うし、元々の職員数も違うし、利用者の需要も違うので、同じにできるわけないんですけどねぇ。

そもそも、新聞等で書かれているメリットとデメリットの意見がどれも同じようだってどういうことでしょう?
メリットで出てくるのが「人件費が削減された」「開館日増加・開館時間延長」「購入雑誌が増えた」「カウンター職員が明るくなった」「企画もされるようになった」…だから「安い経費で利用者が増え貸出数も増えた」で、
デメリットで出てくるのが「安い給料で不安定」「専門性の確保に疑問」などです。
どうしてメリットに「疑問があったら図書館に行って聞いてみるようになった」とか「遠い図書館に行けなくても近くで十分足りるようになった」とかそういうのが出て来ず、デメリットも「今までこれだけやってきたのを無にするのか」とか「これは民間では出来ない」とかそういうのが出てこないんでしょうね…

で、結局、指定管理者制度のメリットを述べるのも、議会の質問への回答をするのも、結局は図書館の担当者だから、要は「自分はもらっているお金ほど働いていないし、企画力も無能なので指定管理の方が良いです」って言っているようなものなんですけどね。
図書館に司書採用で入った人や図書館に愛着のある人だと、それは悔しい屈辱的なことだと思うんですけど…。
もちろん、自分のいる図書館に愛想が尽きた(意見しても変わらないとかで)場合は、積極的になる人もいますけど。
なんとなく図書館に異動で来て「本庁に戻りたいなぁ」と思っている職員だっていますから、そういう人も積極的に「導入すると(私に言われてもわからないけど)こういうメリットがあります」と積極的です。

こちらの記事で
1 (施設管理、カウンター業務等、根幹的業務でない部分に指定管理業務にする場合)通常の業務委託が可能な範囲に、わざわざ指定管理者制度を導入しなければいけない理由を追及する。
2 導入メリットの「民間のノウハウ」(人件費削減を除く)とは具体的に何を想定しているのか追及する。
3 導入メリットの「経費削減」(人件費を含む)のうち、比較対象の現状の経費算定は適切か、特に非効率な現状の運営・人員配置改善を、指定管理者制度の導入メリットに含ませていないか追及する。
4 指定管理者の評価(指定管理者決定時及び指定管理期間中の)基準はどういう想定なのかを追及する。

と述べられているのは、本当に最もなことだと思いますが、
1・3の追求は「いや、記事に経費削減って書いているっしょ、個別に業務委託するより業務も煩雑にならないんで、いいんじゃない?」でしたし、2・4は「それはこっち(議員や行革担当)が考えるんじゃなく、君たち(図書館担当)が考えることだよ」でしたので、二の句が継げない状態で、終いには「トップが言い出していることなんだし、公務員は上の指示に従っていればいいんだ」ですもの。

まともな論法が通じません。(だから、現在立ち消え中というのが驚きなのです。ようやく理解してもらえたのならまだ良いのですが…)
ちゃんと相手に『検討』する気があるのなら、述べられていることは正論で、感情論にしないためにも良いなぁと思います。

このレジュメを見て、「そうだよなぁ、ちゃんと現状分析とメリット・デメリットを考えなきゃ」と思う議員や行政担当者、手抜き図書館員が増えてくれることいいんですけどねぇ…おそらく関心がある人しか見ないでしょうから、難しいでしょうが。

次に、
・丸山高弘の日々是電網  The First. : 指定管理者制度の公共図書館への導入(http://maru3.exblog.jp/7717762/
丸山氏は、全国で最初に指定管理制度を図書館に導入した山中湖情報創造館の現館長としても有名な方です。
そこで、ライブラリー・ボード(『図書館委員会』という『方針決定や館長を含めた人事権すら持ったユーザーグループで、資金調達も積極的に行っていくような集まり』)に指定管理を受注させていくということが述べられています。
その中で、
(1)有能で的確な図書館長を採用する,
(2)図書館の運営と計画に関する成文化された政策・方針を決定し採択する,
(3)図書館の目標を決定し,図書館の計画を遂行するために,充分な資金を獲得する,
(4)地域社会との関連において図書館の計画と図書館に対する要求を知り,諸基準と図書館の動向にたち遅れないようにする,
(5)立案されたPR計画を決定し,支持し,実際に参画する
というモデルケースを提案されておられ、これが実現すれば、確かに『良い図書館』が出来そうだなぁと思います。

個別な図書館を考えていくと、「とても良い図書館ですねぇ」と言われる図書館は、そのようなライブラリー・ボードなんかなくても、すでにこれを満たしていると思います。
もちろん、(3)は公的資金ですけどね。
街が財政難ではなく、有能な館長が赴任し、図書館の予算も十分もらえているとこだと(2)(4)(5)だって普通に満たしていますし。

だけど、そういう良い図書館がありながら、他方、「なんか暇そうな、誰にでもできるような仕事しかない図書館」や「無料の貸本屋的図書館」だってあるから、指定管理の是非などが出てきているわけでして…
各館でなく、図書館全体が変わるにはコマが足りない気がします。

例えば(1)。日本でそういう有能で的確な図書館長ってどのくらいいるのでしょう?今ある全図書館(中央館だけでも)に配置するほどいるのでしょうか?
確かに、図書館に理解があるくらいの図書館長ならまだいますが、館長自身が有能でもその館長もいつかは退職やお亡くなりになるわけですし、後継者育成もできるような人でなければ、いけないですし、図書館長として有能な人がわんさかいるようなら、とっくに図書館は変化していると思いますが…
山中湖情報創造館が指定管理者として始まったときの館長は小林是綱氏で、これまた有名な方で、私もすごい方だなぁと思っていますが、当時の新聞記事によると館長は無給のボランティアとのことでした。
彼のように有能な方を館長にするとがらっと図書館は変わるでしょうしが、他が真似できないような「自分は無給で」とかはやって欲しくなかったのが当時の率直な気持ちです。
そうすると、「全員他に収入源(印税だろうと何だろうと)がある人でスタッフを構成すれば人件費0じゃないか」ということになりますもの。(実際、そう言われたこともあるし。)

話を戻して。
館長が有能であれば、もちろんその図書館は変わります。
では、そういう館長を育成してくれるのはどこ?
都道府県立図書館や筑波大で新任図書館長研修をしたり、TRCが筑波大大学院に公共図書館の経営管理者を養成する寄付講座を開いたり、TRC自身が指定管理者を受注する時のために館長募集&1年間程の研修をしたりしていますけど、新任館長の研修って必須研修ってわけでもないから、行政事務職上がりの館長ってほとんど参加しないんですよねぇ、うちも何人か館長が代わりましたが参加したの見たことないし…
大学院の経営管理者養成講座にしても、まずそれに参加する意思がないとねぇ…
TRC自身の館長研修はTRC自身のためではありますが、形的には「館長をやろうとする意思があり」「図書館に対して何かしらの考えを持ち」「1年かけて研修する」ということで、一番良いような気がします。
まぁ、有能な館長になるか否かは、結局その人自身なのですけどね。
有能な図書館司書で、「館長はやりたくないな」って人もいますし…

そうすると、ライブリー・ボードのように、各自治体でそのような委員会を持って、数少ない有能な図書館長を引っ張り合うよりは、以前もどこかで書いたと思いますが、図書館という業界が一組織であると、有能な人を集めてその人たちの指示で各館が動く…でいいんじゃないかと。
そもそも、日本図書館協会がそういう組織の中心になっていれば良かったんですけどねぇ…今となっては…

次に(3)。
充分な資金がやはりネックです。
もちろん、矢祭式で蔵書を寄贈によってまかなうのも、悪くはありません(以前書いたように二匹目のドジョウは難しいようですが)。
企業や個人で雑誌1年分寄贈という方法もありますし、書架命名権という方法(誰それ文庫みたいな企業版)だってやれそうな気がします。
別事業で資金を持ち、それを図書館に還元する…今でもお金持ちはたくさんいますけど、今の公立図書館のように入場料も貸出料も取らない図書館を作った人っているでしょうか?
確かに、公立図書館に寄附してくれるところはありますけど。
それにこの度の不況で、そこまで奇特な人はいないでしょう。

そうすると、大口はあきらめて、赤い羽根共同募金のごとく各戸募金をお願いするのがベターですね。
しかし、『7割図書館利用しない』状況で、「図書館は必要だからお金を出すか」と思ってくれるか…
せめて、『7割の住民が図書館を月に1度は利用する』状況を作らないと…

「れば」「たら」言っていても仕方ないので、話を進めますと、
(2)は今のどの図書館でも作ることが出来ます。が、気をつけなければ、ほとんどが抽象的なものになるような気がします。
もちろん丸山氏の考えているのは抽象的な文言ではないと思いますけど、「資料の充実を図る」とか「利用者ニーズに基づいた資料を幅広く収集する」とか、今でも見られる成文化された抽象的な文を見ていると、「具体的な数値目標を持ったものを成文化する」必要があるなぁと。

現場やカウンターで図書館の危機意識がある職員が「あーだこーだ」言っても、上の方に行くにしたがって危機意識も問題意識もなくなっているような現在、薬袋秀樹氏の『図書館運動は何を残したか』ではないけれど、「変わらない体質」が残っていくような気もします。
それであれば、「あそこは財政豊かだからできるんだよねぇ」とか「あそこは館長がすばらしいからできるんだよねぇ」とか『どこの館でも真似ができる』状況やモデルがないと、指定管理者云々より図書館自体がおかしくなってしまうような気がします。

なので、各自治体や各館にまかせてきた図書館運営を1つにまとめることによって実現させていく方が、より早い理想実現になるのではないかと思うのですが、どうもその方向には進んでいないような気がして…
例えば『日本図書館』という図書館全てを取り仕切る中心組織を作り、国立レベル・都道府県立レベル・市町村立レベル・地域スポットレベルの図書館を作り、予算は国立は国家予算から、県立・市町村立図書館は各自治体予算から一定比率で予算をいただく形にし、地域スポット館は有志による寄付金によって市町村立の下で運営する…とどうして最初からしなかったんでしょうね。

さて、ちょうど日図協でも『公立図書館の指定管理者制度について』(http://www.jla.or.jp/kenkai/200812.pdf)というのも出されていましたね。
「指定管理者制度の適用は適切ではないと判断しております。」って珍しくはっきり書いていますね…笑
もちろん、今、自分の勤めている図書館が指定管理者になると立場上多少面倒なことになるので、多少直営寄りな考えもなくはないですが、図書館界が良くなれば良いという観点からは、指定管理者制度導入でもした方が良い館があるのも事実だと思うので、この意見表明には反論したくなります。

1.「司書集団の専門性の蓄積」とあるけど、専任の司書を集団の名の下に複数名ちゃんと採用して、ずっとそこの図書館の運営に携わっていられる自治体はどれくらいあるのでしょうか?数年で事務職員の異動がある図書館と指定管理者と、引継ぎの仕方が違うとは思えないんですけど…

2.「一貫した方針のもと」は、収集方針や除籍基準は直営だろうと民間だろうとあればそれに従うはずですし、民間が「こういう方針に変更したいのですが…」というのは勝手に変えられるものでもないでしょう。(出された起案をちゃんと読まないで通すというのは行政側ですし、そもそもそれが不安なら仕様書にちゃんと盛り込めばいいだけの話ですし。)

3.経費負担は、もちろん自治体にしてもらっているはずです。指定管理料として。それも出し渋っているからおかしなことになっているんじゃないかと…。人件費の浮いた分、資料費に別途資料費としてまわせば、指定管理者だろうともっと良い図書館が出てくると思うのですが。

4.「民間において云々」で、今まで民間には『図書館を運営』というのはなかったのに、逆にこれだけやれていてすごいとは思えないのでしょうか…言うなれば、司書1年生が何十年のベテラン司書と同じに立ち回れと言っているようで酷かなぁ。でも、物的能力は民間の方が上でしょうし、人的能力も指定管理・直営に関わらず、人ですから、条件の良い方に流れるのではないかと。

5.その条件は結局「賃金等労働条件」なんでしょうが、指定管理者だからではなく、その経費削減をした状態でやらせようとしている自治体側の責任じゃないかなぁ…経費削減なしで民間にやらせるときっとサービスは向上すると思うけどね。それに組織立ってノウハウを蓄積していけば、例えその図書館が数年の管理期間だとしても、そのノウハウを他の図書館でも役立たせるようなまわし方をすれば、その会社自体にはノウハウが蓄積されるのだし、良いのではないかと…そうすると10年後くらいには直営よりもしっかりノウハウが蓄積されている可能性もあるんじゃないかなぁ。
おそらく、この5の部分が問題の根本なんじゃないでしょうかねぇ…
ただ、直営の場合でも、カウンター周りはパートや非常勤の人がたくさんいますから、「カウンター・フロアにいなくても利用者ニーズがわかる!」と豪語する正職員がいれば別ですし、全員正職員の司書資格持ちで、しっかりやっている図書館は別ですが、選書とカウンターはちょこちょこやっているけど、ほとんどパートさん任せというところも少なくないので、パートさんの労働条件はあまり変わらないか、直営の方が悪かったりしますからねぇ…

それに、直営の時だと、パート・アルバイトと正職員、課長・館長・主査・係長と平職、庶務・管理係と奉仕係、それぞれの垣根というかしがらみで「じゃあ、これこれをやってみよう」とか「目新しくこれを実現しよう」というのがすぐに動けないということが時々あります。
こういう時は、指定管理の方が分があると思います。もちろん、直営でも館長の号令の下、新企画などが動き出す直営図書館もなくはないですけど。

意見表明で「公の施設の設置目的を効果的に達成するため必要があると認められるとき」に照らした説明がないとありますが、指定管理者制度を導入した自治体の中には「図書館は金がかかるからなぁ」と住民要望で設置したは良いけど大した目的もないところもある(というか、その手の首長の話っぷりを聞けばわかります)し、逆に、直営だとどうしようもない状態(「本を貸してりゃいいんでしょ」みたいな。)だから、導入したというところもあるでしょうに…
そもそも、図書館設置目的を今の図書館全てが効果的に達成できているというのは大きな勘違いなんじゃないかなぁ?
本来であれば、住民のニーズに対応できる人材がいなきゃいけないのに、直営の中にそういう人(例えば専任司書とか)がいないから、この事態なんじゃないかと…
一般認識的にも「7割が利用しない図書館」で「本を無料で貸してくれる所」の認識がいまだに根強いのは、直営の怠慢運営のつけなのではないでしょうかねぇ…

もちろん、そうでない良く住民が利用して、職員もエキスパートぞろいの図書館は、最初からそういう話すら出ないし、話が出ても「この高いサービスが維持できるのか」と住民自らが言ってくれる(自分で言っていたらお終いだけど)ような図書館なんですから、そういう図書館は考えなくても成り立っているんです。

実際、導入前の状況を聞くと散々なイタイ図書館がたくさんありましたが、そういう図書館への指導などは日本図書館協会からあったのでしょうか?
案外、地域住民の方々は「図書館ってこの程度」と地元図書館を基準に考えていることが多いです。

引っ越してきて「え~図書館ってそういうこともやっているの?」と驚かれる利用者を目の当たりにすると、『どういう図書館を利用していたんだろ…』と思うこともしばしば。逆に良い意味のクレームで「前に住んでいたとこの図書館はこういうことをやっていたよ」と勉強になることもあります。

たぶん、そんな1000万円削減とかでなく、数十万円の削減程度で良いのなら、民間だろうと立派にやっていけると思います。
もし、直営の図書館職員で本気に指定管理者制度の導入の可否を悩むのなら、指定管理者と同様に、どのくらいの経費でどれだけのことが出来るか書き出してみるのが一番です。
公募して一番安いところが取るというわけではないので、多少人件費の面で高くなっても、これだけのことが出来ると自信をもって言えるのであれば、大丈夫なんじゃないかなぁ…

まぁ、もちろん、上で述べたように、トップダウンで「まず指定管理者制度導入ありき」と言われて凹むこと多々あるでしょうが。笑

| | コメント (12)

選書と検閲

一昔前、船橋市西図書館蔵書廃棄事件では、図書館職員の思想によって一部蔵書が廃棄されたというのが問題になりました。最近では堺市立図書館のBL蔵書問題で圧力によって開架にあったものが書庫行き、そして当初は除籍・廃棄されそうな気配でした(結局、書庫行きで収まったようですが)。
もちろん思想的な図書や宗教的な図書をはじめ、裁判になった出版物など、多くの図書が図書館には保存されています。図書館は情報や資料を『収集』し、『保存』し、『提供』する場所ですからね…

まず、図書館は
・図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設(図書館法より)
・知る権利を保障する機関(図書館の自由に関する宣言より)
・社会教育のための機関(社会教育法より)
となっており、
『図書館法』は『社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)の精神に基き』あるもので、『社会教育法』は『教育基本法 (平成十八年法律第百二十号)の精神に則り』あるものですから、教育基本法の精神に反する資料が出版されたら、表現の自由と知る権利を取るか、教育基本法の精神を取るか悩むところです。

まぁ、同様に、公務員の図書館職員ですと、上司の命令に従う義務と図書館の自由に関する宣言を守るのとどっちを取るかというのもいつも悩ましいんですけどね。(図書館の自由に関する宣言では、図書館員が不利益をうける事態になったときは日本図書館協会が救済してくれるそうですが、本当にするのか、いや出来るのか…不安。笑(だって、文書を送って終わりのような気がして。))
(例えば、今回のBL問題騒動だって『今後は、収集および保存、青少年への提供を行わないことといたします。』って『「市民の声」Q&A』で書いちゃったんだから、おかしいんであって、そんなに時間をかけなくても、結論は出るはずなんですけどね。日本図書館協会がすぐコメントを出すかと思えたけどねぇ…)

参考までに、地方公務員法第三十二条では、
「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。 」
とありますから、『職務上の命令』で「この本を除籍しなさい」という命令が出た時、「それは検閲だから拒否します」が可能かどうか…
もし、「図書館の自由に関する宣言」が、『図書館戦争』に出てきたような「図書館法」の一部であるならば、「法令の定める規定」になるので、良いのですけどね。
で、その拒否の後、人事的に職名変更(司書→主事)で強制異動となった場合、報復人事だと訴えても、「宣言」は宣言であって、法や条例ではないから「上司の職務上の命令に従う義務がある」と言われるのがオチですし。
気力体力や時間的金銭的余裕があれば、頑張れますけど、私は無理かも。

さて、上にあげたどちらの問題も、図書館外の人から見ると「最初から買わなきゃいいじゃん」となってしまいますが、資料収集する基準が各図書館で収集方針や収集基準として成文化されているところも多いですし、その成文化しているものを見ると、具体的に細かくというよりは、少々抽象的に「蔵書構成を考慮して…」とか「収集するように努める」など微妙な表現が多いです。
そこで、『図書館の自由に関する宣言』をもう一度確認すると…
「第1 図書館は資料収集の自由を有する」の中で
まず「図書館は、国民の知る自由を保障する機関として、国民のあらゆる資料要求にこたえなければならない。」とあるので、要は「利用者からリクエストがあったら提供しなさい」ってことが書いてあり、続いて、
(1)多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。
(2)著者の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない。
(3)図書館員の個人的な関心や好みによって選択をしない。
(4)個人・組織・団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制したりはしない。
(5)寄贈資料の受入にあたっても同様である。図書館の収集した資料がどのような思想や主張をもっていようとも、それを図書館および図書館員が支持することを意味するものではない。
とありますから、「出版されている資料は広く収集しなさい」ってことなんでしょう。

が、実際問題として、予算というのが限られていますから、そこの図書館で読めない資料は五万とあります。
ない資料を他館や国立国会図書館に求めても、国立国会図書館の納本制度をしても納本されていない資料もありますから、全ての資料を提供というのは無理です。

そこで、自館の収集方針と予算に見合う資料を収集すると、以前『所蔵の少ないものを知る権利』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/09/post-d5c5.html)でも書きましたが、優先順位が低いものは所蔵館がなくなってしまうことになります。
だからといって、『図書館界のため、積極的に他館が所蔵していない資料ばかり集める』という図書館は地域住民などの反対(「利用したい資料がない」など)もありますから、優先順位的に高いものはやはり購入して、残りで出版された図書全体を見ながら購入となるでしょう。

まぁ、そんなに意識しなくても、リクエスト購入や職員による選書で、うちのような小さな館(蔵書7~9万冊)で、県内でうちしか持っていないのが450冊程度ありますから、もっと大きな館はもっとあるでしょうし(ということで、「普通図書館に所蔵されていない本が○○冊ある」って論議は無駄な話です。蔵書比率などで考えればいいのですが…)、利用者がリクエストした資料が県内に1~2館くらいの所蔵しかないというのもよくあるのですが、検索すると県内に全くないというのも多々あります。

利用者のリクエスト要求もほんと様々で、どこかで見ましたが「BLなんてリクエストするやついるのか」って書いていた人もいたけど、そういう人はやはり普通にいますし、あまり収集されていないライトノベルや携帯小説の単行本などは最近多いですね、マンガのリクエストもちらほら見ますし、極めつけは自分の本(自費出版も含めて)をわざわざリクエストしていく人まで…一応『資料要求』ですからね。

だからといって、『国民のあらゆる資料要求にこたえなければならない』は理想であり、現実とは予算的にも乖離しているという考えから、県内所蔵なしで且つ予算があまりなければ、その場で断ってしまう強気の図書館や「国立国会図書館に郵送費実費を利用者に負担してもらってならば云々」とか話をして、めでたく(?)キャンセルの方向で…と持ち込む図書館もありますし、逆に「提供はしてあげたい」と思いつつも、他館が購入するのを待ったり、寄贈を募ったりと提供までの時間がかかってしまう図書館もありますし(まぁ、確かに、「すぐこたえなくてはならない」ですからねぇ…限度はあるでしょうけど)、もちろん所蔵のない資料のリクエストがたくさんあったら対応できないでしょうが、利用者リクエスト用の予算として通常の資料費にあまり影響しない範囲でほぼ購入して所蔵する図書館まで色々な対応があります。
(利用者が1万人いたとして、1割の1000人が所蔵していないリクエストを数冊ずつしたらすでに予算オーバーってこともあるでしょうし)

それでも、利用者ニーズに合った選書をしていればリクエストも減るのでしょうが、利用していない人のニーズはなかなか収集できないものですから、常連と呼ばれる一部利用者によるニーズ構成になるおそれもあります。

それもふまえて、その年々少なくなる資料費で、同じような資料の中から選んで購入する選書という仕事を図書館員はやるのですが、「今必要でなくてもいつか利用される本だろう」とか、「こっちは説明が細かく書かれているなぁ」とか、色々理由はありますが、どちらかというと(一般認識的に)しっかりした物、定評のある著者の物の方を選ぶ傾向にあるような気がします。
だから、そういう本の方が優先順位が高くなるので、優先順位の低い本はやはり買われない。各図書館が『選ぶ』という人の手を介したことをする限り、同じような構成になることが多いし、以前例に出したTRCの『新刊全点案内』という選書の友も成り立つことになるわけですよね。(図書館でよく買われそうなものを主にストックする方式なので。)

そうなると、たまに「図書館員が本を選ぶというのは検閲みたいなものじゃないですか?」と言われることがあります。
確かに、選んでいるということは、選ばれない物は除外されているとは思いますが、予算的に泣く泣くなんですし、何も「この著者の本が好きだからこれとそれを比べてこっちにしている」というわけでないので、検閲ではないとは思うのですが、『検閲』の意味を調べてみると、『基準や規程にあっているかどうかを調べあらためる』という意味もあるので、もちろん収集基準などに照らし合わせているからなぁ…

まぁ、逆に資料の収集は全県で出版の割合から分野・内容・著者を機械的に購入することが決まっていれば、「県内のどこかには必ずあるはず」ということになるのですが、そういう収集方針にはやはり違和感が…
(それでも、県立図書館には市町村立図書館がどこも持っていない資料を中心に、機械的にでも購入していってもらいたいなぁと。)

「良書」「悪書」という表現はあまり好きではないのですが、『良書を選択して所蔵する』と「選書」の建前の裏には『悪書となるものを排除』という検閲に近いものがちらほら見えます。
選書では「資料が持つ価値」を判断しますし、検閲では特定の人に『不愉快な』部分があるかどうかを判断するということであれば、選書は利用者の知る権利を保護しようとしているのに対し、検閲は資料が利用者に及ぼす影響から保護しようとしているのでしょう。
そもそもその判断だって、人それぞれで価値観が違いますから、絶対的な判断でないですしねぇ…
もちろん独断と偏見での選書や検閲は誰から見てもまずいでしょうがね。

実際、うちの図書館でも「どうしてこんな資料が置いてあるんだ!」と言ってくる利用者もいます。
まだ、直接言っていただけるのなら、(話が平行線(知る権利か教育的配慮かなど)になること多々ですけど)説明のしようがありますが、どうも(ずっと上の方の)上役や議員を伴ってもしくは経由して言いに来る方もいて、元々ちゃんと理解してもらえていない中で図書館としての正論を述べなきゃいけませんから、なかなか大変なことも多いです。(まず「司書」(私の現在の職名)を「書士」と呼ぶのをやめて欲しいなぁ…笑)
今の直属の上司がまだ図書館に対して比較的ちゃんと理解してもらえているから、良いのですが、異動になったらきっと孤立無援の状態です。ふぅ。

確かに、図書館のあり方などをしっかりPRしなきゃいけないのはわかりますが、普段図書館を利用していないで、たまに来館したかと思えば「役所では当日の新聞でも複写してんのに、なんで図書館はしないんだ」(当日の記事の複写を頼みに来て、私がノーと言ったのが不満らしい…)とか、一から説明してちゃんと聞いてくれれば良いのですが、いかんせん、そういう方々はちゃんと聞いてくれないことも多々。

現在の図書館の性質上、主に教育委員会があって、(予算の関係も含め)首長部局があって、予算は議会の議決という形なので、良い意味の圧力であれば構わないのですが、変な圧力が多々あるので、やっぱり図書館は地方自治体とは別組織でないとだめなんじゃないかな…

まぁ、まぁ、話は逸れそうですが、選書一つとっても、
・図書館の蔵書
教育的配慮を中心にした制限は必要v.s.知る権利を満たすため特別な制限はできるだけしない
・ベストセラーの複本
利用者需要はあるのだから資料費に影響がない範囲で複本購入v.s.図書館として各館1冊あれば良い
・職員によるリクエスト
利用者としての側面でのリクエストと考えるv.s.選書に影響が出るので控える
など、細かいものも(宗教本や漫画の受入れについてやシリーズもので購入しているものと同系統の別著者の本(科学ものなど)の購入(蔵書構成優先か多様性優先か)など)含めると選書会議などでも意見が分かれること多々なので、「本当に良いのだろうか…」と悩むことも多いです。

私自身、自信を持って選書できているかと言われると、同じ本でも感じ方は十人十色ですので、「(私が選んだ本より)同じような内容だったらこっちの方がわかりやすい」という利用者もいることでしょう。
なので、他館の購入状況が気になってみたりするのですけど、「うわ、これ買ったのうちだけか…」とか一喜一憂してみたり。(そのくせ、相互貸借で依頼が来るんですよね…そういうの。他館の予約ばかりで外回り(相互貸借で貸出される)ものも多いです。)

出版点数や売り上げに左右されないものも購入するのが図書館の強みだと思うのですが、人によっては「売れる=需要」と考える人もいて、その調整が難しいのですが、評判の良い図書館のベテラン司書達の頭の中の選書判断基準をフローチャートにしてみると、面白いかも?
本のデータを事細かに入れると「図書館所蔵確率64%」とか表示されるような。笑
こういうのは、また専門性を失わせるものかもしれませんが、ベテラン司書のノウハウや経験を次世代の担い手がうまく受信できない現在であれば、「あのベテラン司書が退職したら蔵書に偏りが出来た」と言われないようにしたいのと、1年目の司書だろうと50年目の司書だろうと同じようにしっかりとした選書が出来るためには、必要だろうな…

収集の自由はあっても、予算的・立場的・経験的不自由がある現実。笑

| | コメント (2)

ターゲットはどこに?

10月26日の毎日新聞での第62回読書世論調査の中で『7割図書館利用しない』とありましたが、
その利用していない人の
1.42%「忙しくて利用する時間がない」
2.21%「図書館が近くにない」
3.17%「貸し出しや返却手続きが面倒」
4.10%「読みたい本や雑誌がない」
5. 4%「開館時間が不便」
だそうで、残り6%それ以外の理由なんでしょうか…その中身がちょっと気になります。

でも、こういう設問がないんですね。『図書館を利用したいと思っていますか?』
これで、利用しない7割の人々が、「図書館を前から利用したといとは常々思っているんですけど…」と思っているのなら、嬉しい限りなのですが、「図書館?あまり必要性感じないし」と思ってのアンケート回答であるとすると、どうなんだろうと。
というのも、もちろん本当に忙しくて休みの日もなく働いている方々もいるでしょうし、私用で忙しい人もいると思いますが、普通に考えると『土日にちょっと図書館に寄ってみる』とか『家族に借りてきてもらう』というのは可能なような気がしますし、貸出の登録をはじめ、利用券を持ち歩いて提示するのも面倒ってことはないんじゃないかと思ってみたりするのですが、どうなんでしょうね。

図書館側の対策としては、
a.貸出返却に利用できる場所を増やす。
b.魅力ある資料構成にする。
まぁ、これに尽きるんでしょうが、通常、予算と人員と資料の管理の都合で難しいんですよね。
よく「駅前返却ボックスを設置してください」とか「開館時間を延ばしてください」とかの要望をネットでも見ますし。
郵送貸出返却などもやっている図書館がありますが、この7割のほとんどは「そこまでして…」と思っているかもしれませんし、もしかすると「今の図書館はそういうシステムまであるんだ」と思ってくれるかもしれません。

郵送貸出などもそうですが、図書館の広報活動などをしてみて、常連の利用者さんでも「あれ?何冊まで借りられるっけ?」と尋ねたり、「来てみたら休館日だったんだよね…」と言われたりします。
おそらくどこの図書館でも利用登録時に説明はしているはずでしょうし、カウンターに知るすべがあったり、図書館カレンダーや館内のポスターだったりしていると思うのですが、目に入っているけど、認識・記憶されていないことが多々あるかと思います。
確かに職員に聞けばどこにそれが書いてあるか探すより早いし、それもコミュニケーションの1つだと思うので、良いのですが、常連さんでそうであれば、あまり利用していない人や、利用すらしようとしない人にとって、広報誌の広報記事などはあまり読まれていないような気がします。

図書館がどんどん情報発信をしていかなきゃいけないことや、そのための情報作成を頑張っていかなきゃならないことはわかっていますが、発信し放しではなく、どう受信してもらえるかもちゃんと考えないといけないでしょうね。
例えば、図書館のWebページを拝見すると、いくつかのパターンがあるように思えます。
1.画面もシンプル情報もシンプル
例えば、図書館の所在地と利用案内と蔵書検索のみのような…
2.画面はテクニカルだが情報がシンプル
例えば、画面構成や見た目がすばらしいが、内容が1とあまり大差ないような…
3.画面いっぱいに多くの情報盛りだくさん
例えば、ニュースや天気予報をはじめ、オススメ本や様々な情報があるような…
4.画面はシンプルっぽいが情報が奥深くある
例えば、トップ画面からリンクをどんどん辿っていくとたくさん情報があるような…
他には、そこそこの画面でそこそこの情報といったところでしょうか。

私自身は、トップ画面は比較的シンプルで、そこから飛ぶ画面に盛りだくさんの情報というパターンの方がいいんですけどね。個人的に。
(リンクが深くまであると迷うし、必要とする情報まで行くのが大変ですし、逆に最初の画面で情報いっぱいだと、必要な情報を探すのが大変で…)
ただ、どんな人がアクセス&来館するかわからないから、もう利用している人には必要のない利用券の作れる範囲云々の情報は必要になりますし、ヘビーユーザーではどんな資料がこれから入るかとか、どんなことができるようになるかとか、新しいサービスはどうこうといった情報がある必要がありますよね…。

そうそう、『情報いっぱい』で思い出しました。
ある利用者から言われたことなのですが、「図書館に本がいっぱいあるのはいいんだけど、この中から読みたい本を見つけるのがちょっと億劫なんだよね…」と。
確かに。笑
好きなジャンルや好きな作者などがあって、それ系を読み漁る式の人なら良いのですが、「なんか面白そうな本ないかなぁ」という人の場合、職員に聞いても「なんか」じゃ難しいですし、職員のオススメ本が必ずしもその利用者にビビビッとくるとは限りませんし…
そうすると、貸出履歴などからレコメンドするような機能が必要になるでしょうか…アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のように「この本を借りたことのある人はこんな本も読んでいます」になるのでしょうか…
まぁ、市レベルならある程度そういうのも良いでしょうが、町村レベルだと「これは○○さんの履歴だな」ってわかったりするので、その辺をどうにか…例えば近隣市町村の貸出データもまとめちゃうとか…
(個人的には、『占い』という性格区分のジャンルがあるように、生年月日や生まれた場所から貸出履歴も似てこないかなどを調査してみたいですけどね…笑)

私がこの利用者の意見に妙に納得がいったのは、私自身がそうであるからかもしれません。
私が図書館職員でなく、昔のように一般利用していた時を考えると、なんとなくぶらぶらして、気になったタイトルを開いてみて、面白そうだったら借りてみるでしたからね…
背にはタイトルしかなく、内容がどんなのかは、OPACで調べるか、実際に見てみるかしかないですからね。図書館職員に聞くとかも面倒だと思っていましたし。笑
今だと、バーチャル書架にして、マウスカーソルを置くと内容