カテゴリー「雑多なつぶやき」の48件の記事

第四話『第100回の全国図書館大会と中小レポート50年』

お久しぶりです。最近は近年毎年のことですが新任職員研修の講師をやったり、システム更新の準備にあたふたしたり、極々最近では、なんか色々と脆弱性が見つかったやつへの対応やら、何やらで、現実逃避したくなる日々です。
また、3月・4月は人事異動の季節ということで、長年一緒だった人が異動となり、タモロスならぬ「○○さんロス」って感じです。

さて、自分でも忘れかけていたブログの続きです。
昨年は『中小都市における公共図書館の運営』、いわゆる中小レポートが出されて50年でしたね。
で、今年は全国図書館大会がなんと第100回でもあり、ついでに1954年に図書館の自由に関する宣言が採択されてから60年ということで、記念行事一色…というわけではないのか…笑
本当なら、『新・中小レポート』とか、『図書館の自由に関する宣言・改』とか、検討されても良いとは思っていますが…なさそうですね。

50年、60年という歳月は、書くとそうでもないのですが、よく考えてみれば、1963年当時に図書館で働いていた人は図書館の仕事から離れている人がほとんでしょうし、当時とは社会情勢や情報量なども異なります。
それでも、色々出された(例えば「Lプラン21」とか)ものに比べて、なんとまぁ、息の長いものかと思います。(何もLプラン21が既に無意味とは言っていないですよ。)
「図書館は成長する有機体である」と言われているにも関わらず、今も変わらずというのは、

1.図書館の本質は変わらないので、変える必要が全くない
2.聖域化してしまい、手を加えようと思う司書がいなくなった
3.改訂版を作りたいと思っても、本業に追われ作る時間がない

のいずれかなのかなぁと思っています。

最初は「社会情勢は変わっても中小レポートの目標を達成できない図書館が多い」のかなぁと思ったりもしましたが、物価の違い、雇用の違いなどに目をつぶれば(つぶっちゃだめだろう…笑)、およその図書館がクリアしているし、当時よりしっかり運営できているように思えます。
でも、所々の館で満たしていない(雑誌50誌とか新聞保存期限とか…細々としたものは多々)館があるので、ある意味面白いです。(物価換算するとどうなのでしょう?平均単価を457円だから、約4倍必要?)

それにしても、休館日は日曜日が望ましいとか、開館時間は少なくとも午後1時より6時までとか、今読み返すと、逆にとても新鮮だったりします。

なので、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の話でも書いたような気がしますが、やはり数値目標的なものは必要だと思います。
数値目標がない理由としては、その数値以上のことをしなくなるというのが最大の理由なのだと思われますが、中小レポートを改めて読み直すと、「ちゃんと超えている部分も多いじゃん」って思いました。(当たり前といえば当たり前ですが)
そのため、最低限の数値、平均的な数値、望ましい数値の3段階方式で目標があると良いなぁと切に願います。
そうすることによって、最低限の保障はされ、平均的な数値に近くなると思いますが。

まず、中小レポートの焼き直しをしたものを作成し、人口比率または歳入比率の数値目標を掲げ、最低限の数値に満たない自治体名を挙げることによって、首長の目を向けさせないと、理想論や机上の空論にしかならないよなぁ…と思う今日この頃です。
ほとんど、全ての館が最低限数値をクリアした頃、改訂して、数値目標を少しずつ上げていけば、問題ないような気がしていますが…
(そういや、光を注ぐ交付金でちゃんと注がれなかった(一応、図書費にしたものの、その分通常予算からカットするなど)自治体名の公表はどうなった??)

話は変わって、全国図書館大会、今年は100回目ですねぇ…
日図協の大会年表を見てみますと、参加者数が出ています。
1956年に横浜で開催された時から、参加者数は1000人を超えている!
が、なんか数字がおかしい…
所々、何十何人単位までカウントされているのに、時々2000人ジャストとか…あり得ない…
まぁ、もちろん、色々な行事イベントの参加者人数はおよそ何人とどうやって計測したのかわからないけど、そんなもんかという数値になっていますから、そんなことに目くじら立てる必要もないですね。

なので、そんなことを言いたいのではなく、およその数だとしても、1956年に1000人は良いとして、平成22年も1000人?(せっかくだから1300人とかになると良いのに…と冗談でも言いたくなるのですが…)
図書館はまがりなりにも増えていて、公立図書館は今や3000を超える館があり、専任職員は1万人を超えています。
単純計算だと、3館に1人とか専任職員10人に1人という状況。ただ、実際には公立図書館だけではありませんから、ぐぐっと割合は減ります。
1000人代の参加者ということは、おそらく会場のキャパシティの関係もあるのでしょう。

となると、図書館職員である間に、どれだけの人が参加しているかという疑問も出てきます。
私の職場では分館の職員を合わせても、たぶん私が1回参加したというのが最大です。
(県外出張はまず予算がないですし、自費だとしても、2日連続などは休めないですし…)

全国各地で開催されているため、毎年参加している人とか、本業をどうやって遣り繰りできているのだろうと思っています。でも、うちみたいな小さなところでなければ、やれるのかなぁとも思いますが。

私の置かれている状況と違う状況はあまり想像できませんが、このご時世、全国へ行ける出張費が付くのも珍しいと思いますし、自費で参加している人の話もよく聞きます。
それなら、100回記念大会は、メインをそのまま東京で良いとしても、サテライト会場として各県立図書館等を結んで開催するのも面白いんじゃないかなぁ…と。
各県立図書館くらいであれば、出張費も出るでしょうし、分科会に出て現場に戻るというのも可能でしょうし。

どちらにしても、可能であれば、参加者の内訳や過去の参加回数などのアンケート調査もしてもらえると、良いかな?と思っています。(最高は何回出席なんだろう??)

最後に、「図書館の自由に関する宣言」に絡んで。
以前もどこかで書きましたように、私はこれは理想論でしかないと思っていますし、過去に書いたものとまだ考えは変わっていません。

ただ、無料で全ての情報が手に入れられるかというと、少なくない図書館で、県外からの取り寄せは送料負担でお願いしますとされているようですし、『はだしのゲン』や『BL本の問題』でも毎度のことながら問題提起がされていますし、実際に私の館でも、別の資料ですが「こんな資料が図書館にあるのはまずいのではないか(例えば「子どもたちが見たら云々」とか「税金でこんなもの買うなんて云々」など)」とクレームが出て、びしっと言い返しても、結局収集が付かず、上司が折れるなどでモヤモヤがおさまらない事があります。(「収集の自由」や「提供の自由」に関して)

また、『アンネの日記事件』に見られる状況も、「提供の自由」と「利用者の秘密を守る」の狭間で、揺れ動いた図書館も多くあったと思われます。
(書庫に入れるかカウンター付近に別置か、はたまた監視カメラでも設置しようか…と。)
あれだけ、大騒ぎして、結局その後の続報はないのもモヤモヤしますが、これに限らず、資料を破損させようとする悪意のある利用者から資料を守るにはどうすれば良いのかと考えさせられました。

もちろん妙案があるのであれば、そんなに全国的に資料の切り抜き被害とかはなくなるでしょうが。

それにしても、「図書館の自由に関する宣言」について「業界の一団体の宣言なんでしょ?」という一般の(多くは行政の)方々の発言にうまい反論が見つけられない日々でもあります。(必ずしも、図書館職員だからって入会しているわけでもないですしね…ついでに言っちゃなんですが、施設会員の負担金の予算取りの説明にも苦労しています。)

さ、GWもあと2日、頑張って仕事しよう…!

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第三話『さらば、われわれの館。』

(前回から)
「民間力を利用して」が本当の意味で機能するように、利用させていただいている民間力にあぐらをかかずに、本質を追究して、精進しないといけないんじゃないかなぁと。

ということで、3つ目の話題。
『さらば、われわれの館。』

みなさんもとっくにご存知でしょうが、個人の管理人さんが運営していた図書館司書の求人の場『われわれの館』が閉鎖、いや閉館してしまいましたね。
私自身、一応、片田舎の図書館の正職員をさせていただいているのですが、今の図書館業界に入る時も、実はつい最近まで、利用していたので、衝撃は大きかったです。(こちらが求人する方でなく、私自身がされる方としてですよ、念のため。)
13年間でしたっけ、管理人様、本当にお疲れさまでした。

さてさて、利用はよくしていたけど、実は仕組みはわかっていないんですよね。
掲示板のように、契約社員とか募集する人が登録するのは良いのですが、よく全国の情報が収集されているなぁと。

確かに、検索システムは格段に便利なりましたし、必要な情報を収集し、まとめて、発信するのが今の図書館職員が必要とするスキルの1つなのですから、「自分の司書採用の情報も探せないで、何が司書志望か」と言われちゃおしまいなんでしょうけど、まだ、そのノウハウがわからない人も多い現実もあります。
その辺のノウハウでもまとまっているといいなぁと。
ツイッターのハッシュタグ使った方法も提案され、個人的には、わかりやすいし、ハッシュタグの中に生き続けるという意味では、素敵だなぁと思っています。

現在臨時職員で働いていて、正職員を目指している人と以前話をしましたが、検索の仕方が「司書採用」「司書採用 (自治体名)」「司書採用 (採用年度)」「司書採用 (自治体名) (採用年度)」「採用試験 司書 (採用年度)」(カッコ書きは希望する場所・年度を具体的に入れる)という検索の仕方をして、TRCの求人情報を見て終わりなんだそうです。 
ツイッターはやっていないようですし、RSS云々もわからなかったようで、私としては「う~ん」でした。
SNSの利用者数が急増しているニュースはここ数年ありますが、この例を見ても、「若いからといってみんなが使っているわけでないんだねぇ」と思った例でもありました。

もちろん、司書採用の情報は日図協でも出ています。(前述の人は知らなかった。知らなさすぎ?)
でも、われわれの館にあって、日図協の採用情報にないものはたくさんあります。(もう、われわれの館がないので、「ありました」ですか。)
1人の管理人さんに出来て、業界の主団体の1つにできないって、どう考えてもおかしいですよね。

まぁ、おそらく、「情報をお寄せください」とありますから、率先して探しに行っていないでしょうし、採用する側も、地元の人を前提に考えているので、もし万が一、日図協が「載せませんか」と依頼していたとしても、「試験会場広くないし…」と思われているかもしれませんが。
そもそも、そういうページがあることすら、各自治体の人事担当者は知らないでしょうけど。
逆に人事担当に、「図書館の運営には司書が望ましい云々」という話も含めて、「司書採用のご予定がありましたが、ご一報ください」という連絡をいれておくと良いでしょう。
また、自治体のメリットとして、受験のための前泊で地域にお金が落ちるかもしれないし、全国から優秀な司書の卵が受験するかもしれないというのも記述しておくと、司書採用増えるかも?
1人採用に100人受験というのもありますし。

日図協さんは、司書採用に関してはどう考えているのでしょうか…増やしていきたいのか、各自治体に任せるだけなのか…
図書館の数が増えたから、会員数が急激に伸びている…って話は聞きませんから、もちろん、日図協の方針が気に入らないとか、会費分のメリットがないとか、そういう諸事情もあるかもしれませんけど、非正規職員が多ければ会費も負担になるでしょうし、正職員採用が増えれば、少しは…と、考えるのは変でしょうか。
学校の進路指導教員のように、採用枠を新規開拓していく気持ちはどのくらいあるんでしょうかね。

もし、図書館運営に司書資格が必須であれば、人数の増減があるにしても、コンスタントに図書館のある自治体で採用がされることになります。
有することが望ましいレベルでは、ゼネラリストを育てようとする気持ちが大きい自治体では、根拠法がないから司書採用すらありません。
図書館法にその一文を入れるのがどれだけ難しいことなのか、わからなくもないですが、それをどうにかしようとするのが日図協なんじゃないかと、思っている私は勘違いですかね。

本来なら望ましい基準にあるように、司書資格を有する常勤の職員が運営していくことがベストですが、長らく司書採用はかなりの狭き門でしたし、これからもより一層狭き門でしょう。
その間の新卒司書採用希望者の受け皿として、窓口委託や指定管理受託業者があったわけで、非正規職員の不安定雇用を企業側の問題としないで、そもそも業界側の問題だと思っていかないといけないでしょう。
司書採用枠の拡大のために、業界のメイン団体の1つとしての日図協の取り組みを見せてほしいものです。
業界団体の戯言と揶揄される前に…せっかく、色んな意味で区切りなのだしね。

ということで、次回『次は第100回の全国図書館大会と中小レポート50年』に続く。

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第二話『雑誌スポンサー制度(雑誌オーナー制度)のデメリット?』

(前回から)
結局、現状だと基準はないので、職員は削られ、資料費は減らされる一方なんですが、サービスの低下は許されなさそう(ただの言い訳になりそう)なので、そういう点で苦労している図書館職員も多いだろうな。

ということで、2つ目の話題。
『雑誌スポンサー制度(雑誌オーナー制度)のデメリット?』

財政難の昨今、図書館の中で削られるやり玉に挙がるのが、雑誌費と雑誌です。
雑誌は一部の館を除いて、数年保存される消耗品的な扱いですし、分館がある自治体だと、「同じ雑誌があるんなら削れるよね?」と、そういう面でも狙われやすいため、予算確保のための説得に奔走する図書館職員といった状況も例年通りです。
さて、ここ数年で雑誌スポンサー制度を導入している館も増えているのですが、その仕組みはだいたいこんな感じですかね。

1.図書館または外部団体(NPOとか)が、図書館で収集している雑誌のスポンサー企業を探す。
2.スポンサー企業と書店等と関係する契約書を結ぶ。
3.スポンサー企業は雑誌のリストから、広告を載せたい雑誌を選び、書店等に雑誌の年間購読料を支払う。
4.書店は通常通り、雑誌を図書館に納入する。
5.図書館は雑誌新刊のカバーに該当企業の広告を貼りつける。
もちろん、自治体の広告に関する要綱とか、審査があればそういうのも入ってきますが、およそこんな感じですね。

図書館は企業からスポンサーになってもらうために、雑誌を増やせるし、スポンサー企業も公共の場に広告を出せるとともに、地域住民に社会貢献をアピールしつつ、雑誌ジャンルによっては広告ターゲットも絞れる…
つまり、図書館にとってもスポンサー企業にとっても、いわゆるWinWinなことです…と、なっているらしいです。

ええ、そんなことなら、「いっそ図書資料費も出してもらっちゃえ」という方向に進みそうなんですが、メリットばかり強調されて、デメリットが言及されていないのは落とし穴なんじゃないかと、ひねくれている私は感じます。

デメリットを考える前にもう少し現状を見てみると…
雑誌スポンサー制度を始めた当初はスポンサーが付きやすいが、継続してスポンサーになってくれないことがあるのと、そもそもスポンサーがほとんど付かない場合があることが、現状における課題のような表記がされています。
その一方で、雑誌スポンサー制度が好評といった記事も散見しています。
また、広告のサイズは表面が小さめで、裏面は全面といった感じが多いでしょうか。

この雑誌スポンサー制度は、確かに機能すれば良さそうですが、スポンサーは永続的に付いてくれるものではなく、広告効果が見られない場合などは、企業ですからすぐに撤退されてしまいます。
そうすると、一気に収集雑誌が削減されてしまうことになります。
確かに、財政難で削られてしまうだろう分を賄うために、スポンサー集めに職員が奔走するのですが、頑張れば頑張るほど撤退された時の影響が大きいはずです。
また、「どうせ削られる運命だった雑誌だろ?」という反論もちらほら聞きますが、そこがちょっと微妙なんですよね。

基本的に、図書館は雑誌は継続的に収集しています。「その雑誌の収集を止める時は、その雑誌が休廃刊したときだ」的に。
なので、スポンサーが付いたら収集して付かなかったら購入中止というのはできるだけ避けたいわけです。
でも、スポンサー側も関連する雑誌のスポンサーになることもあれば、できるだけ手に取られる雑誌のスポンサーになりたいのは人情ですから、図書館側があまりコントロールはできません。

そのため、スポンサーが付いた雑誌が図書館として継続して収集したいものであれば、スポンサーが付かなくなった時点で、別の雑誌を切ることになります。
(これがなかなか手間なんです。読まれていないだろうな、と貸出数を見て予算減のためカットした雑誌に限って、「来館して見ていたのに」とクレームが来ますし。)

雑誌の年額も月刊誌・週刊誌の違いに限らず、大きく異なりますから、金額が大きい雑誌のスポンサーを降りられると、数誌削減する候補を選ばないといけなくなります。
だからといって、予算削減されて削られた雑誌の中からというのも欠号だらけになるでしょうし…

スポンサーが付かなくなったら、その分の予算が少しは戻るかと言えば、戻らない方に賭けた方が確率高いでしょうね。

また、もし、この雑誌スポンサー制度が企業側にとってどのくらいメリットになるかというと…もし、私が企業側なら出さないかも。
裏面の全面広告はおそらく見られないだろうし、利用者にとって、見たいのは雑誌の表紙ではなく中身だろうし、せっかく自分がスポンサーになってお金を払っているのに、バックナンバーには広告載せられない場合が多いし、そもそも、図書館を利用していない人の方が多いらしいし…と。
もちろん、市役所や図書館に恩を売っておきたいとか、別な思惑があれば別ですけどね。

もし、とてもメリットがあるのであれば、「雑誌スポンサー制度って図書館でやっていませんか?」って問い合わせが先に企業側からあっても良いわけですし。
それに、都市部はともかく、地方の方で雑誌スポンサーになった団体等を聞いてみると、義理と人情でといった寄付金的な要素が大きい感じもしています。

「45誌収集して予算が付いている館がプラスアルファとして5誌雑誌スポンサーが付けるという話」と「50誌収集している館が雑誌スポンサーを5誌付くことになったので、45誌分の予算を付けるという話」は違うだろうなと。

民間の力を利用してと言えば聞こえは良いですが、要は、経費を削減するために、最小限の手間で、企業からお金を出してもらおうというだけになっている感じも否めません。
市民との協働云々も、要は、人件費を削減するために、ただで使える労力を得ようというのが前提となっているのと同じようなものですかね。

本来は、企業側が雑誌スポンサーになることがステイタスと感じるような図書館、市民がボランティアでも良いから参加したい図書館を作っていかなきゃいけないはずなんですけどね…

「民間力を利用して」が本当の意味で機能するように、利用させていただいている民間力にあぐらをかかずに、本質を追究して、精進しないといけないんじゃないかなぁと。

ということで、3つ目の話題。
『さらば、われわれの館。』に続く。

少し追記:
何も民間からお金を支援してもらうがだめとは言っていませんよ。
そういや、『ネット活用 運営資金を募る 海士町立中央図書館』(http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=542829006)って記事も最近ありましたし、図書館の資金調達は最近色々と話題になっていますし。
ただ、資金調達ありきや、他人の懐を当てにしすぎて、かつ二番煎じ、三番煎じだったり、上辺だけの取り繕いでは、結局は一時的な効果しかないのではないか、ということです。

今回は触れませんでしたが、相手は企業ですから、交渉のプロがいると図書館職員なんか太刀打ちできません。
スポンサー費用を餌に、少しずつ相手の要求が拡大したり(例えば、「イベント広告を置かせてくれ」とか、「この雑誌を収集リストに加えてくれ」とか、「販売スペースを出させてくれ」とか…だから、個人スポンサーは募集していないのかもしれませんけど。)、広告審査は通ったけど、その先で利用者とトラブったりもあるかもしれません。

よくリンクでは外部サイトで、自己責任の旨の記述がありますが、利用者が民間療法的な本を読んで「図書館にある本だから信じていたのに云々」と言われるケースもあると考えると、きっとそういうトラブルも出てくるかなぁと。

もっとも、利用者のニーズの拡大に財政がついていかないというのがそもそも問題で、目標は上を目指せとは言っても、上限もなければ下限も結局ないわけで、負のスパイラルに突入している感じもします。
おそらく、どこも財政難なのですから、資料は全部寄贈かスポンサー、職員はボランティア、システムはスタッフの持ち出しPC+フリーソフト、運営費は募金という図書館だって現れるでしょう。似たような図書館はすでにいくつかあるようですが。

図書館のない地域ではそれでも嬉しい図書館ですし、その館が取り上げられればマネしようとするところも出てきます。
図書館は金ばかりかかる所だと財政当局に思われている館は。

結局は、個々の善意が逆に首を絞めることになるのかなぁと。
(そういや、以前、やなせたかしさんが無料で仕事を引き受けていたことを吉田戦車さんが指摘していた話がありましたよね。それと同じで、自治体的には『お金をかけない=税金の無駄遣いにならない』という考えがあるわけで、それはもっともだけど、今回の話はその甘えと同じような理論になるのかな、と。)
(話の内容は異なるけど、図書館で有名どころの講師を呼んで、参加者に好評を得ていたけど、謝金は真っ先に削減されますので、予算が付かなくなり、破格値でやってくれる方もおられますが、それを下回る予算って…誰も呼べないじゃん、近い将来、謝金0になって、職員かボランティアでやることになるんだろうな…)

ではでは☆

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第一話『「図書館の望ましい基準」と「金太郎飴」』

(注:5つの話題をまとめて書いたら、あまりにも(×2)長くなったので、1つずつに分けました。1日1つずつUPされます。)

今年もあっという間に残り1カ月を切りましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
このブログもいつもながら久々になってしまい、自分でももどかしい限りです。
まぁ、前から自分に行動力は足りないとは思っていますけど。

ようやく例年のブックトーク月間が過ぎ、束の間のひとときだったりするんですが、そういや、他の図書館ってどのようにブックトークやっているのかなぁ…なんて思いました。
学年集会のような形式でやる場合もあれば、各クラスでやる形式も多いでしょう。
職員一人出かけてやったり、ボランティアと協働して開催したり、複数職員でやることもあるでしょう。

先日ある館の職員に聞いたら、学年固定で複数職員で行くから1日1クラスって話を聞いて、いいなぁ…と思いました。
というのも、私の場合は、依頼される学年は学校によって異なりますが、全学年ですし、1日で同じ学年ですが、クラス単位実施のため、同じプログラムを1日数回やるので、個人的には大変だなぁと感じています。
(それも月に6プログラム以上作らないといけなく(違う学校の同じ学年ってのもあるので)、今日は○○小△年で明日は□□小☆年という形でやっていますし、それぞれ貸出しちゃうので、使い回しが効かないんです。)
もちろん、例えば1日で1クラスずつ全学年やるとか、そういうのがあれば大変だろうなぁと思いますが。

たぶん、児童畑でやっている児童担当であれば、そんなこともないのでしょうけど、私はそうじゃないので苦労するのだろうな、きっと。
1小中学校につき1職員っていう図書館職員体制ではないわけだし、図書館によってかなり違うなぁと感じる日々です。

ということで、1つ目の話題。
『「図書館の望ましい基準」と「金太郎飴」』(ちなみに『金太郎飴』って登録商標なんですよね。)

さて、夏頃でしたか、『公共図書館は「金太郎飴」であるべきか』(http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnculture/20130718-OYT8T00851.htm)という記事がありましたね。
民間委託・指定管理者の事例代表としてTSUTAYA図書館があげられるのはどうかなぁと思ったのと、そもそも「直営=金太郎飴」「民営=個性」という視点でしか書かれていないことに違和感を感じました。

公共図書館は開かれた私立図書館も含まれるので、地方自治体の公立図書館だけではないですし、個性は民営化してなくても独自性の高い公立図書館もあるのですけど…
また、「すべてを民営化」とありますが、cccは指定管理者であって、設置から全てではないんですよね。
民間が最初から設置して、周辺住民に自由に利用させている図書館ってどのくらいあるのでしょうかね。

それはさておき、何をもって金太郎飴と表現しているのか、中の人の私としてはわかりかねる部分です。
前述のブックトークだって、図書館職員が担っている館もあれば、ボランティア団体がやっている館もあるし、学校図書館の職員が…とか、そもそもブックトークって学校でやっていないというとこもあります。
貸出・返却・レファレンス・おはなし会…まぁ、その辺はサービスとしては同じようなことをしていますが、いかんせん、蔵書も違うし、規模も違うし、職員体制だって違うのだから、違うでしょう。
飲食店が併設している館もあるし、地域書店と連携すれば、「この本良かったので欲しいのですが」という要望にも対応可能です。
もちろん、直営館は公の機関ですから、民間とは違う、制限される部分もたくさんあります。

いくらAmazonが安いからといって、地域の商店を差し置くと必ずクレームが出てきますし、記事中にあるように収集や対象を特化したような資料収集も市町村立レベルだと難しいですよね。

私は、図書館の中の人間ですから、館ごとの差を感じているので、金太郎飴的ではなく感じている一方で、記事中にあるように『全国どこでも、ある程度の本がそろっているということが絶対に必要で、金太郎飴でなければならない部分もある』というのに賛成です。
最低限の基準をクリアしてこそ、個性の出し甲斐があると思うんですけどね…
金太郎飴に例えると、金太郎飴○○味って感じで。

では、最低限の基準はどうなっているかといえば、前も書いたような気がしますが、数値目標はないんですよね。その理由を探して見つけた資料『全国公共図書館研究集会報告書(平成24年度)』のP34の後ろの方(http://www.jla.or.jp/Portals/0/data/bukai/public/shiga.pdf)に『ただ、国がそういう数値を挙げるのは、今の時代の政治経済行政原理である規制緩和に反する、これが唯一の反論で、だから挙げられない』ということで、数値目標がないらしいです。
数値目標があると、それをクリアすれば良いだけになって、発展性がなくなる的な意味合いもあるようなのですが、今の地方自治体で、「図書館の独自の数値目標を掲げて、貸出し密度上位10%、各人口段階別の図書館設置団体のうちの上位の10%の中に入れるように頑張ろう」という自治体はどれほどあるのでしょうか?

確かに、人口比率ではなく、財政状況にも左右される面はあると思いますから、数値目標の出し方は苦労しますが、せめて高めに設定された最低基準をクリアできるぐらいはとしてもらわないと、図書館は迷走する…いや、すでにしているんじゃないかなぁと。
現に、「図書館の運営は司書資格がない職員でもいいんだよね?」と言われる状況も聞きますから、いくら望ましいと言っても、「そうだね、そうなればいいね、でも、法的根拠がないから、資料費も職員もカットね」と言われるのがオチでしょ。

なので、人口規模に合わせるのは、「図書館数」「図書館専有延床面積」「蔵書冊数」で、その自治体職員数の比率で「専任職員数」、図書館法で運営の司書資格必須にして、「図書館費」や「資料費」はその自治体歳入の○%とすれば、基準ができると思うんですけどね。
法的根拠なく「望ましい基準を目指せ」というよりは、ずっと良いと思っています。
それより、プラスアルファにどれだけできるかはその館の職員の努力とオリジナリティで、良いのではないかと。

結局、現状だと基準はないので、職員は削られ、資料費は減らされる一方なんですが、サービスの低下は許されなさそう(ただの言い訳になりそう)なので、そういう点で苦労している図書館職員も多いだろうな。

ということで、2つ目の話題。
『雑誌スポンサー制度(雑誌オーナー制度)のデメリット?』に続く。

少し追記:
およそ1980年以降の資料で一般流通…要はISBNがある資料という条件があるのですが、『県内にその館でしか所蔵がない資料』(「県内1冊資料」とでも呼びましょうか。)が、30万冊以上あるそうです。
「うわ~30万冊か…すごいなぁ、それだけ多様な図書が購入されているんだなぁ」と思ったら、実はその逆の話だったりします。笑
話によると、県内所蔵資料の1%、ISBNありタイトル数の2割ということで、そう考えると、所蔵がかぶる率の方が高いか…

図書館は利用者を思い浮かべながら選書している面もあるので、ベストセラー小説が貸出上位に来るなど、同じような貸出数率になっていることも少なからずあります。
そうすると、金太郎飴的ではありますよね。

でも、個々に見ると、図書館のサービスや質が地域よって大きく異なりますから、いくら相互貸借でカバーしようとしても、難しいのが実情ですね。

例えば、選書の専門性が必要か否かを理論や理想でなく、例えばTRCの新刊全点案内(要するに今週出る本的な選書アイテムですが)で、10個飛ばしで予算内の週の割合に合うように購入し続けて、貸出数が変わらないとかのデータが取れれば、面白いと思うんですけどねぇ…そんな大掛かりなのはできませんしね。笑

そういや、利用者リクエストで購入した資料が他にも利用される云々という話も以前読んだことがありますから、選書の専門性がどれくらい必要になるか…う~ん、今度ゆっくり考えてみよう。

ではでは☆

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図書館とポイント制度

武雄市の図書館がオープンしたようで、そっち方面に行くことがあったら寄ってみたいなぁと思っていますが、行く機会は皆無だからなぁ…まぁ、誰かがレポートしてくれるでしょう。
と思っていたら、ちょっと見つけたのが『全国的に話題の『武雄市図書館』に行ってみた。』(http://ekagen.net/archives/25486884.html)のエントリー。

ものすごくうるさいということで、まぁ、確かにオープンしないと(事前見学では)わからない部分です。

でも、カフェ併設している図書館はあるし、私が訪れた館は、一応複数階に分かれている館ですが、カフェ+雑誌コーナーということで多少違いはありますが、やはりそういうような音と香りはしていましたね…

他にも『図書館寄席』を開催してドッと笑い声があがる館もありましたし、公立直営の館でオープンスペースの講座を開催している館もあるし、BGMを流している館もあるので、「図書館=静か」ではない場合も多々あります。

その一方で昔ながらの図書館もあり、そのイメージでいる利用者も少なくないのはよくわかります。

私が以前いた館は、設計段階でコミュニティ機能をコンセプトとした設計だったため、階上の講座が廊下から見える感じの吹き抜けになっていたのですが、講座の声などが階下の図書館にも音が聞こえるため、「うるさい」という話が出ることがありました。

もちろん廊下でバカ騒ぎしているようであれば、注意もしますが、構造上どうにもなりませんし、コンセプトとその利用者の図書館イメージと異なっていたために出た話で理解してもらうまでが大変でした。

それとは逆に、別の館では比較的静かな館で、普通に図書館でお話会が開催されているのに、「お話会の声がうるさい」ということもありましたし、パソコンのキータッチや新聞の閲覧の音についても「うるさい」という声があがります。
「子供がうるさいので注意してくれ」ということで、騒いでいたら注意することもあるのですが、親がちゃんと「○○ちゃん、図書館で静かにしてね」と言っているそばで注意するのもどうかなぁ…ということで、子供にシーッのジェスチャーするだけのときもありますし。

図書館は不特定多数が来館する以上、図書館へのイメージは多種多様で、全員が納得するのはなかなか難しいところではありますね。
一番良いのはゾーニングなんでしょうが、色々細切れにするのはお金もかかるので、静かに読書したい人の部屋を別置すると良いですかねぇ?
無響室みたいな静音読書室を作ったら…逆に静かすぎていられないか??

話の感じからすると、非滞在型図書館と滞在型カフェがある図書館と解釈すれば、静かな図書館を期待している人は資料を借りるだけの図書館だし、カフェ風に使いたい人にとっては図書館付カフェということなのだから、良いのかなぁと思ったりします。

私がちょっと気になる点といえば、CD・DVDのレンタルが併設している点。
図書館にCD・DVDはないのかなぁ?と思ったら検索ではそうでもないようで、レンタルと競合しないものが置かれているのか、そうでもないのかがわかりませんでした。
レンタルの方がタイトル数はあるでしょうから、「図書館にないやつはレンタルで…」という流れになれば、それは儲けものでしょうけど、「図書館の視聴覚資料が少ない!」ってクレームになれば本末転倒だなぁと。
あと気になったのは、館内OPAC。併設のメリットを生かすなら、「これはセルで在庫あり、これはレンタル可、これは図書館在架中」という表示もありなんじゃないかと。Web-OPACでアマゾンで購入ボタンがあったような感じでさ。どうなっているんでしょう?

他にももちろん、色んな人がおっしゃっている指定管理までの経緯とか問題点とかあるのでしょうが、個人的には首長が一番の上司で、自治体の一機関としては公務員的に上司の指示に従う義務があるんだから、ある意味導入されちゃったんだから仕方ないことなのかも、と。

一番の問題点は個人情報の件なんでしょうけど、例えばGoogleで何気なく検索していたら、cookieを利用した広告が出てきて、年代、性別、住居地域がドンピシャで、検索語関連の広告も出ますし、アマゾンや楽天などの「これを買った人は云々」みたいな利用のされ方も今の時代ですからよくある話です。

また、SNSを利用しているせいで個人情報がダダ漏れということもありますし、アンケートや懸賞などで自分から開示している場合もあるし、街の防犯カメラなどまでひっくるめると、逆に個人情報がきちんと管理されている方が少ないような…

民間企業で社員や派遣社員やアルバイトが個人情報引き抜きって話も最近はよく聞きますし、図書館のシステムは絶対安全でスタッフはきちんとしている…ってわけでもないですしね…

そうなるとどこも誰も信用できなくなってしまいますね。

もちろん、CCCが万全な体制の企業かどうかというのは別問題で、図書館の立場的には問題ありなんでしょうけど、その企業を信用しないなら、いっそその図書館は使わないで、広域利用のできる館を使うとか、図書館は未登録者にも開放されているわけですから、登録せずに閲覧だけするでも良いのかなぁと思います。

まぁ、そんなことを書くと「それはおかしい」という意見をもらうのですが、全国津々浦々の図書館で全く同じサービスが受けられるかというとそうではないわけですから、その自治体の方針がたまたまそうなってしまったので、あきらめるか、次の首長や議員の選挙に反対票を入れるかするしかないのが現状だと思いますけどね。
個人情報関係の問題は、少し前にも図書館システムから漏洩した話もありましたしねぇ…
そういうベンダーが図書館システムをやっている館なので利用しないという考えも個人の考えですからありなわけですし。

それとは別に、Tポイントカードのポイントについても問題提起がされていますが、なんかたまたま話題が大きくなっただけで、問題なさげな感じもするんですけどね…

ということで、本題は、図書館でのポイント制度の話。
3月に社団法人日本書籍出版協会が出した質問状で、『著作権法第38条第4項に定められた、非営利無償の貸与の範囲を逸脱する』といった旨の質問状(http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/takeo20130304.pdf)を出しているのですが、これについては「?」。

参考までにその項は『4  公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。』というわけですが…

Tポイントで利益誘導されるのはCCCだけなんでしょうか?「Tポイント使えます」っていうお店はCCC傘下だけでないですし、もし、参加するためのお金がCCCに流れているからということであれば、問題という論法なのかもしれませんけど、運営主体云々言い始めれば、民間会社の指定管理者全般にも言えることでしょうし…

そうでないとし、1日3ポイントということであれば、その部分については、結果的に営利になる場合もあるかもしれませんが、3ポイント分の金銭価値をその複製物の貸与を受ける者に与えているので問題ないのかなぁと思ったりします。

問題だと思う団体があるのは構いませんし、どうせなら裁判を起こしてくれると、白黒はっきりして良いのですけどね。

Tポイントがどのくらいの価値なのかいまいちわかっていないのですが、無人貸出機を使うと1日3ポイント。たぶん3円(?)。365日開館していたとしたら、約千円。
(その複製物の貸与を受ける者が-3円(実際には3円分もらっているわけなので-(-3)円という意味で)料金を受け取っているという意味に強引に解釈すると前述のが当てはまるか…?)

もちろん金額ではないのですが、次のサービスと比べたらどうでしょう?
・1時間100円の駐車料金が図書館利用者は1時間無料。
・貸出票(当日分)を見せると特定の商店で商品が数%OFF。
・貸出票に商店街クーポン付。

どちらも実際にある図書館のサービスなのですけど、金額的にはこっちの方が大きいでしょ?
前者は、「図書館を利用するのに駐車料金を取るなんて…」っていう考えはわからなくもないですが、駐車場の管理委託先はやはり民間企業だったり事業団だったりで、本来なら1時間100円をもらいたいところですよね…
それに、そういう図書館で、「図書館来館にかかったバス代やガソリン代を負担します」って話はききませんから、本来負担すべき駐車料金がサービスでお得になっているわけです。

また、近くに商業施設があったり複合施設だったりすると、図書館にちらっと寄って、駐車料金を無料にし、本は借りていかない人も少なからずいたりしますから(もちろん返却だけの人もいますし)、100円分利用者はお得ですし、もしかすると無料にされた分は還元されて、公費からその業者に支払されているかもしれないですし…

後者2つは、貸出票が金券と化しているのですから、読まなくても借りておく、最悪、借りる手続きをした瞬間に返却して貸出票だけ持っていれば、荷物にもならないわけで、Tポイントで云々言っている方々に、「そういう図書館にもクレームを入れているんですよね?」と問い質してみたいんですけど。
まぁ、そういう館があったことを知らないからという理由もあるかもしれませんが、話題があるなしで差別するのはどうかなぁ?

図書館の図書館らしいポイントの付け方とすれば、前にどこかで書いたかもしれませんが、延滞が5年間なかったのでゴールド利用券で貸出数がブルー利用券+5冊までOKとか、+3日まで返却期限が伸びるとか、自分専用予約棚が出来るとかがあっても良いですよね。

延滞でなくても、利用回数とか利用冊数で利用券がランクアップダウンする…
魅力は金券系に比べると今の時代半減するかもしれませんが、元手は少ないので良いかなぁ。

ポイント数で、借りたい資料を無料で配達とか、図書館送迎ありとか、図書館用品と交換できるでも良いのですが、そんなの財政担当課が許すはずもないですし。笑
利用券がゴージャスになるだけってのも面白いかもしれない…紙製→パウチ→プラスチック→金箔付…とか。

同じような感じで独自のポイント制度をもうすでにやっているとこもありますし。(例えば日進市立図書館(http://lib.city.nisshin.lg.jp/riyou/main.html))

ということで、図書館でのポイントや利用特典を付けるのはありだと思いますが、どこまでがOKかは今後の議論かなぁと。
とにもかくにも、図書館現場としては、悲しいかな、行政報告や事業評価のための指標の1つに貸出数があり、貸出至上主義になりたくなくても、貸出数UPのための方策を考えなければならないという面が少なからずあります。

もちろん、そんな本末転倒のお得感なくても貸出数を増やせれば良いのですが、資料費がなく呼び水としての新刊依存もできないし、資料の魅せ方1つで変えられるとわかっていても、ノウハウを持っている人も少ないし、創造する時間的人的余裕もない状況の館も多いですから、呼び水としては、Tポイントだろうが、商店街金券だろうが、許容範囲だなぁと思っています。

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選書ノウハウをどう伝えるか

 前回、県立図書館の話に触れましたが、神奈川県立川崎図書館って立地のせいもあってか、蔵書構成は普通でない部分もあるんですよね…
 だから、まぁ、サーチャーにお金を払って調査してもらうより、無料の部分で事足りることがあるってのは、このご時世では助かる人も多いのはわかるし、図書館様様と思われるのは悪い気はしません。

 ただ、全ての県立図書館で同じだけのサービスが受けられるかというと、県立レベルでさえ、各館に特色があって、特定の分野を重点的に収集してみたり、貸出数が増えるような蔵書構成にしてみたり、ずっと滞在したくなるような雰囲気だったり…ほんと様々です。
 でも、財政難をはじめ、館の方針転換だったり選書担当者の変更でガラッと変わることだってあり得ます。

 もし、各都道府県に1館、国立国会図書館並みの蔵書の図書館があれば(とはいっても、国立国会図書館でさえ全部あるわけでないのが難点なんですが)、地方だと行きにくいというのはあっても、ほぼ機会均等になるでしょう。

 しかし、現実にそうならないのは、出版されている量や流通にのらないものの量が膨大ということに加え、予算や物理的容量など、悲しい現実があるのは仕方ない(本当だったら仕方ないで済ませられないことなんでしょうけど)ことです。
 膨大な図書や資料群の中から、予算等に合わせて、各館の収集方針や利用者ニーズに応じて取捨選択して購入するのが選書というわけなのですが、最近、選書についての話が何箇所かで出たので、今日はそんな話題でも。

 さて、もうすぐ年度が終わるので、人事異動の季節なのですが、図書館職員にとっては、図書館から異動させられるかもしれないという不安なドキドキと異動してくる上司や同僚がどのくらい図書館について理解してくれる人なのかの不安なドキドキが合わさってドキドキしっぱなしな今日この頃なことと思います。

 システム操作や著作権の話などは、マニュアルや法解釈の説明書があれば、十分引き継げますし、レファレンスはもちろん経験がものを言うことが多いのですけど、簡単なものは業務端末上の操作でなんとかなることもありますし、本格的なレファレンスは個人戦でなく団体戦なのだからこれもなんとかなりますし、「これを調べる時にはまずこれとこれをあたってみる」というパスファインダー的なものを用意している館も少なくありません。
 もちろん、いつまで立っても赴任した時と同じレベルでは、大問題ですが、ちゃんと業務を学ぶ意欲があれば、着実に能力は上がります。
 しかしながら、選書については、確かにやっていく中で能力がアップするものなんですが、人によっては異動してすぐに選書をしないといけないことになるので、「選書ってどうやるの??」ということになります。

 大まかには、説明できるけど、全部を明文化するのは難しいのが選書ですからね…

 拙ブログは図書館関係者が見てくださる率が高いですけど、それ以外の方も見てくださっているので、図書館で資料がどうやって選ばれているか簡単に記述しますと…

1.新刊の図書リストが届く
 図書館への図書の卸業者は何社もありますが、いずれの場合も新刊となる図書リストが届きます。以前も取り上げましたが例えばTRC(図書館流通センター)では『週刊新刊全点案内』という冊子が毎週届きます。

2.担当者がそれを見て選ぶ
 選ぶと書くのは簡単ですが、難しいのがこの部分。
 大きい図書館であれば、分野ごとの担当者がいて、その中の該当分野から選びます。
 小~中規模であれば、およそ兼任ありで、一般書・児童書・参考資料・地域資料などを担当制にしていたり、小規模であれば、ひとまず全部担当ということで、一通り目を通します。
 ここでは大雑把に書くと、
 (1)資料収集方針や収集基準を満たすかどうか考える
 (2)蔵書構成や所蔵資料の新鮮さなどを考える
 (3)利用者のニーズや地域性、社会的な話題などを考える
 (4)資料に偏りがでないか公平性が保たれているか考える
 (5)予算の資料費を考えて週当たりどの程度買えるか考える
 ということなのですが、後でもう少し細かく書きます。

3.2の中から、選書会議などを経て購入する資料を決定する
 人数の少ない館では、担当者1名であとは館長がチェックしてというところもありますし、この時に、図書リスト以外の本(例えば、買い替え、リクエスト購入、複本、直販本など)も選んでいます。

4.システム等から発注する
 Webをとおして発注する場合やFAXなどによる発注をしているところもあります。発注先は、地元書店経由だったり直接卸業者であったりです。

5.資料が届く
 卸業者が直接または地元書店を通して装備(バーコードや背ラベル、フィルムコーティングなどをすること)した資料を図書館に送られて来て、図書館システムを導入している館にはその基本となるデータを送付されます。
 そうして、データを修正したり微調整して、納品された資料をチェックして、各館の新刊コーナーに配架されます。

 まぁ、流通している本を選ぶ場合の流れで、寄贈本とか、地域行政資料とかはまた別な流れで図書館に入ってくるのですが、割愛しておきます。

 ということで、こういう流れが1週間の中で行われているのですが、客観的にみると不思議だと思いませんか?

・週に1000冊以上の本から数十~数百冊選ぶのにどれだけ早く選んでいるのかと。

・図書のリストだけで必要な本がわかるのかと。
(まぁ、前に実際に聞かれたんですけどね…)

 図書のリストといっても、『週刊新刊全点案内』では、簡単な書誌情報に加え、あらすじレベルの内容も紹介されていますし、それ以外の図書リストについても、およそ分類ごとに並べられていることが多いです。
 そうすると、そこは図書館ですから、「この分野のこれが自分の館には足りないなぁ」と思っていますから、狙い目の分野は理解しているはずです。

 (1)はどちらかと言うと抽象的な表現が多いですから、個人的にマニアックなものや極端に主張が偏っているものでなければ、クリアできます。
 (2)も自分の館の資料を全部読んでないにしても、「このくらいの割合でこんな本が入っている」というのは大雑把にわかりますし、分野として分類番号で検索したり、件名(図書の内容を簡単に表したもの。件名で検索すると必要とする同じような資料が検索できます。)を使うと、「この内容の資料の最新は古いから買っておこう」など細かく知ることができます。
 (3)は普段から色々な情報にアンテナを向けつつ、カウンターでの利用者とのやり取りなどでわかることが多いですし、流行という意味では、同じような内容の本がリストに載るので、案外気付きやすいものです。
 (4)は客観的な主張の本が出てればそれを優先しますが、「反○○」と「○○推進」が偏らないように購入すれば良いです。
 (5)は普通に予算を50週くらいで割り算しておけば、目安はできます。
 なので、直観的には簡単そうなのですけど、図書のリストだけでは実際に中身は見ていませんから、見計らいといった直接見ることができるサービスを利用したり、実際に書店で見たりといったことも、日ごろから選書力を高めるためにやっています。

 でも、実際問題として、この流れで、簡単に選書はできません!!

 よく聞かれるのが、「AとBと同じような内容の本が同時期に出版されたとき、なぜAを購入することにしたのか」ということです。
 その内容の本を購入することになった図書館であれば、全館Aを選ぶかというと、そうではなく、実際にBを選ぶ館もあるわけですし、Bを選んだ館が変かといえば、Bの方を読みたい人に相互貸借で借りられるという点で、選択の多様性を保証する意味では正しい選択だったりもします。

 『週刊新刊全点案内』の後ろの方に約半年前くらいの号で売れた数がわかるリストが出ているのですけど、0冊はおいておいて、1冊という本を購入した館って逆にすごいなぁと思います。
 そういうことからも、著者名や出版者名から「この人(出版社)は○○に定評があるから、同じような内容なら買いだな。」って判断が多いですけど、司書だから100%が選ぶとは限らないのが、選書ノウハウの明文化を難しくしているのだと思っています。

 それに加え、所蔵のない資料も相互貸借で借りることができるというのも大きいでしょう。
 所蔵のない資料のリクエストが一切ない図書館って聞いたことがありません。新刊や簡単に購入可能なリクエストであれば予算のある限り、基本的に購入している館はまれにありますが、相互貸借もしなくて良い館って…(もちろん、利用が極端に少ないとか、そういう仕組みが浸透していないとか、リクエストという行為が皆無とかは除いてですけど)

 つまりは、選書をどれだけ頑張っても多かれ少なかれ選定外の要望は出てきます。
 そうであれば、極端な話、新刊図書リストの5つ置きに購入しても図書館として成り立つ場合があるんじゃないか(それだと選書に関して専門性云々はなくなるんだが。)、だからと言って、そんな大掛かりな実験を自分の自治体を巻き込んでやるのは無理ですし…と思うこともあります。

 また、通常の図書館であれば、選書は客観的に見てその館で必要とされるであろうと考えられた図書が選ばれて購入されるわけで、図書館職員の趣味や関心で購入されているわけではないのですが、その一方で、その職員の趣味や関心で購入したからと言って、かなりマニアックでない限り、同様な趣味や関心のある利用者の需要を満たすわけですし、もちろんそればかりというわけにはいかないですが、偏りにだけ気をつければ、選書として成り立つのではないかと思ったりもします。

 実際に、その場合とは少々異なりますが、利用者のリクエストで購入した図書はよほどのことがない限り、複数回貸出されますし。
 今は極端なことを書きましたが、極端じゃない場合としても、職員によって、ある分野に強い弱いというのはあります。

 例えば、医学系に強い司書がいれば、闘病記文庫の他にもその病気の人が関心を持つであろう資料を選んで購入します。それがその館の特色となって利用者の中にはそれを目的で利用する人も増えます。
 では、その司書が異動や退職したら、どうでしょう?
 蔵書構成の比率的に、医学系が若干多めに購入されることになるのですが、その司書の時代よりちぐはぐな選書だったりして、数年後にはその司書の選書したものも古くなりますので、使えないことになりかねません。
 確かに、長期的展望に立ってだの、重点的に購入だのをしても、成長する有機体というわけではないですが、良くも悪くも変わっていくのは変えられません。
 だからといって、特色もなく無難な選書だけというのも、図書館の需要的にどうだろうと思います。
 大きな図書館ではそんなに感じないかもしれませんが、小さな図書館であれば、4月以降の新刊が大きく変化してしまうかもしれません。

 では、どうすれば良いかといえば、ベストなのはノウハウの伝授です。それもできるだけ具体的な。
 例えば、公式twitterが4月からつぶやかなくなったとか、つまらないつぶやきになったとか、館の方針転換がされたのでなければ、中の人が変わったからで、やりかたのノウハウは伝授されても、どういうことをつぶやくかの感覚的なノウハウが伝授されていないわけです。
 選書は私が考えるに、最もノウハウを伝えにくい業務だと思います。
 実際に司書の判断が絡むので、その判断をフローチャートにすることで、システム化できそうな感じもするのですが、ガラガラポンで「Aは購入、Bは見送り」とはならないのは、8割の司書が選んでも2割の司書は選ばないこともあるわけですし、前述のように色々な本が選ばれることで多様性は相互貸借により保証されるわけなので、間違いではないですからねぇ…

 そこで、長い目で見て変わっていくのは本当に仕方ないことなのですが、ノウハウを伝えるために、どうすれば良いか考えてみました。

 ・判断に関するツールがあれば、開示しておく(例えば新聞の書評欄だったり、インターネットのURLだったりも含む)
  出版後の場合なら、誰かが評価しているわけですから、簡単ですが、出版に前後しての判断をしないといけない部分なので、例えば、「この人(出版社)は○○に定評があるから、同じような内容なら買いだな。」的なものを作っておくと、新しく赴任した人も参考にできるかと思います。

 ・新刊図書リストに選んだ理由を簡単にメモしておく
  後任の人が見直す時間もあまりないかと思いますけど、説明責任ではないですが、簡単なメモでも、選書で何を見ているのかポイントがわかり、選び方が伝わります。

 ・引き継ぎ書にプラスして「こういう考えで選んでいる」という想いを表しておく
  同じ選び方はできないとしても、明文化されることによって、その図書館での選び方がわかります。

 では、逆にそういうノウハウが伝授されなかった場合は、どうするか。 

 ・まず、その図書館の蔵書を見ておく
  どの道、図書館を把握する必要があるので、異動が決まってから赴任する前でも、図書館をじっくり観察しておきます。そうすることで、「この分野(著者)の本多いな」とか「ここは古い本が多いな」とかわかります。多いところや新しい本はよく購入する部分で、古い本はあまり購入しない部分ということですし。

 ・数か月間の新刊図書リストと所蔵資料を見比べる
  メモではないにしても、アンダーラインが引いていたり、著者名に○がついていたり、件名に冊数がメモしてあったりしていることもありますし、選書会議や選定リストだけでは、その時どんな本が出ていたかわからないこともありますから、見ておく必要があります。

 ・著者や件名で検索をかけてみる
  多いから買うのか少ないからあえて買うのかは、後任の人の判断ですが、その館の癖がわかるかと思います。

 それ以外で、ノウハウではなく選書眼を鍛えるためには、「1に情報収集、2に情報収集、3、4は図書館把握で、5に情報収集」ですかね…
 ニュースや新聞や書評誌を読んだりすることはもちろん、書店を数件まわって面置き・平置きの本やポップのある本をチェックすると、時代の流れもわかりますし、選ぶのが苦手な分野でもなんとかやっていけます。
 自分の図書館の本を見直すのも図書館把握です(図書の動きの善悪しもわかるし)が、他の図書館も見て回って「自分の館にないこの本はどうして購入されたか」と考えることも勉強になります。

 ということで、ぐだぐだ書いてみましたが、選書は図書館の要ではありますが、絶対に正しいという解もありません。
 システム化するとしたら、ウェイトの付け方が非常に多岐にわたり、細かくしないと使えないシステムになってしまう気もしますが、参考にはなるでしょう。
 裏技チックに、数週間待って他の館の様子を見ながらという方法もおそらく可能だったりもします。

 でも、十人十色とは言いますから、その利用者の要求は様々です。一生懸命選んでも選ばなくても図書館としては成り立つかとは思いますが、「この館(もしくは分野)のおすすめ本は何ですか?」という利用者の問いに「この館にある本は全ておすすめできます!」と言えるようになると、とてもやりがいがあることでしょう。

 図書館の資料購入費は税金からなっていますので、気軽には購入できませんが、「選書どうしよう…」と悩んで気を病むよりは、気楽に考えて、利用者に「ねっ、その本いいでしょ?」って言えるように、購入した本をどう魅せる(見せる)か、利用させるかを重点に考えると、年数が経てばきっと良い図書館になることと思います。

 ちなみに、私はここのところ、児童サービスにウェイトを置かざるを得ない立場にいるのですが、前任者が児童畑な人だったため、私の考えとは異なる部分も多く、なので、最初のうちはほぼ踏襲していましたが、徐々に私カラーになっている感じもしています。笑
 まぁ、利用者から評価されたし、それはそれでいいのかな?

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県立図書館どうなるのやら…

1月更新には間に合わなかったけど、みなさま、今年もよろしくお願いします。

昨年末、珍しく立て続けにエントリーをUPしたのですが、先日『認定司書』と『雑司ケ谷R.I.P.』の件を気にしていると書いたエントリーを読んでくれた図書館員の方からメールをいただき、モヤモヤが少しすっきりしました。
こういう反応が返ってくると、いくら拙いブログであっても、続けていて良かったなぁと思います。

認定司書の方は、日図協のページにもなった方々の記述があります()し、図書館雑誌にも昨年は連載がありましたね。
第2期の少ない理由が震災があると考えているようなので、第3期がこれより減ったらどうなの?という意味で、気にはしているんですけどね…もしかするとそれを危惧したから昨年の特集があったんでしょうかね…

ただ、特集を読み返すと、やはり内側向きかな?認定司書のメリットを云々とか業界誌にいくら書いたって、「司書」を「書士」と間違う首長もいる中で、「認定司書だから云々」とはならないだろうなぁと。

実際に、図書館じゃない部署に異動ということもあるようですし…
例えば、首長宛てにアンケートを送って、「貴自治体職員で認定司書を持った職員がいた場合云々」という項目を質問して、その回答を公表するとかやれば良いのに…と思ったりしましたけどね。
まぁ、無回答か検討していないけど検討中が多くなるか、特に考慮されないが多くなるのか…

『雑司ケ谷R.I.P.』の方は、教えてもらった話によると、貸出制限後の所蔵数的に少し増って感じのようです。
元々『さらば雑司ケ谷』を持っていなかったり、所蔵していても『雑司ケ谷R.I.P.』は買っていない館があったりといった感じでしたけど、出たときより所蔵が増えたのは事実のようです。

ただ、購入理由は各館の中の話なので、図書館職員が待って買ったのか、出版されたあと、図書館の中の人以外にもこの件が認知され、「借りられるか近くの図書館でリクエストしてみよう」的なものも含めて利用者リクエストによるものなのかがわかりにくいのが難しいところですね。

また、他にも「公立図書館では貸出しないで」とあった図書についての判断とか、「各館の判断で」と言えばそれまでですが、どうもいつの間にかスルーになっている感じもします。

さてさて、図問研が『神奈川県立図書館に関する緊急アピール』(http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/statement/%e7%a5%9e%e5%a5%88%e5%b7%9d%e7%9c%8c%e7%ab%8b%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e7%b7%8a%e6%80%a5%e3%82%a2%e3%83%94%e3%83%bc%e3%83%ab/)ってことで、話題になっていますが、ものすごく違和感があったりしています。
廃止にするのに反対ということはわかりますが、埼玉県でも統廃合の話は出ていますよね?(http://www.pref.saitama.lg.jp/page/gikai-gaiyou-h2409-f050.html

神奈川県立図書館と埼玉県立図書館の違いは、「新県立図書館においては閲覧や直接貸出のサービスを廃止、市町村立図書館を通じての貸出のみを行う」ということを発表しているか否かということだけなので、まぁ、文面からも「統廃合をするな」とはないので、その部分に対してのアピールなのでしょう。

それをふまえて、私が感じたこといくつか。

・「一般公衆の利用に供し」に違反?
 建前上は、市町村立図書館の相互貸借により借りられるわけですし、何も「一般人には指一本も触れさせない」とは言っていませんけどね…
 もちろん、利便性は格段に落ちますよ、でも、考え方ややり方で変わると思うんだけどなぁ。
 その手の理論を拡張すると、「書庫の本を(書庫出納を介さないで)直接手に取れないのは…」ってなりそうと思うのは考えすぎでしょうか。
 それに閲覧と貸出を分けずに記述しているのも少し怖い気がします。前もどこかで記述した気がしますが、セットに考えるせいで、レファレンス本や地域・郷土資料に「貸出しないなんて云々」と言う利用者もいますしね…
 「一般公衆の利用に供し」は何も直接サービスだけの話を書いているわけでないと、思っているんですけどね。

 で、逆に、図書館法に反したらといって、罰則らしいものがない気もするのですが…それを言ったらキリがないのですけど、間接的には提供するらしいので、法に反しているというまでは言えないと思います。

・改訂された「公立図書館の設置及び運営に関する望ましい基準」?
 頭に「改訂された」とあるので、間違っていないのですけど、改訂後は『図書館の設置及び運営に関する望ましい基準』という名称なんですよね…(http://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/1282451.htm またはhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/001/__icsFiles/afieldfile/2013/01/31/1330295.pdf)。

 それにしても、拙ブログで12月19日はとうに過ぎているのに…とアップした日、文部科学省ではタイミング良く?悪く?アップされたのに、2月になっても日図協では…はぁ…orz(自分の意見が通らなかったから更新意欲がなくなったんでしょうか??メルマガでは触れていたのですが、このページ(http://www.jla.or.jp/ibrary/gudeline/tabid/234/Default.aspx)はまだ変わらず…)

 「住民の閲覧も含む直接利用が県立図書館の役割であること」と書かれていますが、それはどの文を差しているのでしょう?「閲覧」って語は市町村立図書館の施設設備の部分と私立図書館の部分にしかないんですけど…
 で、市町村立図書館のその部分を準用したとしても、「ねばならない」ではなく、「努めるものとする。」です。
 「努めるものとする」や「望ましい」が多用されていることはすぐにわかりますが、それをしないからといって基準違反というのであれば、多くの市町村教育委員会が違反しているってことになるんじゃないでしょうかねぇ?
 『法律を遵守し、基準に則った運営を行ってください。』って全自治体に言いたいですね。笑
 まぁ、「努めようとしたけど、諸般の事情がありますので、実現はできません」と返ってくるだけでしょうけどね。
 首長が「娯楽関係の映画のDVDを買うな」と言っているところもあるようですし、光交付金の話を何度も出しますが(笑)、一応付けておいて、その分通常予算を減するなんて当時の総務大臣もおかしい言っているのにするのですから、その程度のことで、考えを変えるほど財政当局等は甘くないわけです。

・検討会の議事録は情報公開できないもの?
 ニュースありきで、どこぞやの記者だったが確認したら「そういう意見もあったというだけで云々」って本決まりではない返答があったとかあったような気がしますが、もちろんそんなことは鵜呑みにはできないですけど、情報公開請求しても出てこないものなんでしょうかねぇ?
 で、「他に公開しないこと」と言われても公開しちゃうとか。笑

・時間はどのくらいかければ良いのか…
 この手の問題、確かに県民に問うのは必要だと思います。それに異論はありません。でも、必ず、相反する意見が出てきます。その一方で、すでにある施設なのですから、ランニングコストはかかりますから、つぶすならつぶすで。
 もちろん、なくさない方向というのはベストでしょうが、耐震性云々、財政難云々であれば、その代替え案がないといけないのですが…
 そういや、前述の埼玉県立図書館は、県立川越図書館を廃止したわけですが、そのノウハウや問題点はどうなっているか検討したのでしょうかねぇ…
 相互貸借の話ではないのですから、いつか提供できるように、いつか良い方向にでは難しいので、期限は切る必要があります。

 で、実際問題として、1館廃止&閲覧・直接貸出停止が決まっていた場合、パブリックコメントを募集しようが、時間をいくらかけようが、方向が一転することはないような気もしますけどね。パブコメ後に考えていた方向でなくなったってことはほとんどないと思うんですけどね、首長の一存で前任者の企画が凍結的なものはあるでしょうが。

・県立図書館が直接貸出する意味は?
 まぁ、確かに閲覧して「借りたいな」と思っても、「お近くの市町村立図書館で…」というのは面倒な話です。
 立地場所により「市町村立図書館が遠いので」とかいう利用者も多いですし。
 同じ自治体内に都道府県立図書館と市町村立図書館がある地域は限られていますけど、どうやって棲み分けているんだろう?といつも思います。
 基本図書と専門図書でしょうか?都道府県立図書館がある地域の住民は、両方を使い分けるのが簡単ですが、都道府県立図書館から離れたところにいる住民は、その地域の図書館で専門書系も扱ってもらいたいと思うでしょうから、その地域の図書館は一部専門書を扱うか相互貸借で取り寄せることになるわけですから、そういう場所の利用者は県立図書館は書庫レベルでしかないわけですし。

 実際、「あ~、この資料は県立しかないですね」って話をしたとき、「県立図書館まで行くのか…」って言われますし。(その後、一巡回貸出で借受しますけど。)
 なので、私個人としては、市町村立図書館のバックアップを充実させて欲しいです。
 書かれているように、市町村立図書館から見れば「県立図書館のレファレンススキルは非常に高い」のは概ね確かですし、レファレンスをしないとはどこにもないのですが…人が減るという前提ではあるんでしょうけど、全員が全員高度かというと…??
 また、考えようによっては、いわゆる一巡回貸出(例えば相互貸借の連絡便が届いて次の連絡便が来るまで、館内閲覧条件での貸出。)ではなく、参考図書なども市町村立図書館ではあまり貸さない資料を館内閲覧のみでなくて、貸出するということになれば、ちょっと良いかも?と思いますし、規格関係資料や特許関係資料もレファレンスインタビューがしっかりしていれば、何も全部通覧したい人はともかく、利用者的には必要な情報が手に入れば良いのですから、そういうのでもいいかな、と。

・市町村立図書館への負担と言うけれど
 う~ん、確かに相互貸借の量は格段に増えるでしょうね。ただ、地方に住んでいる利用者からすれば、わざわざ県立図書館まで足を運ばなくても良いというメリットがありますし、相互貸借の本来は絶版等で購入して提供できない場合に考える手段であって、自館でその資料を買わない分、相互貸借で頑張るわけで、逆に県立図書館への貸出業務はなくなるわけだし…

 また、相互貸借にかかる費用が相互負担な自治体もあるでしょうが、神奈川県って協力車とか連絡巡回車って走らせていませんでしたっけ?そういう車を走らせているところは、基本的に県内図書館にある資料の相互貸借は週に1回などかもしれないけど無料でできたかと…宅配に関しても、県立図書館へ着払いし県立図書館元払いで各館へ郵送というところもあるわけなので、自治体費用負担はないのでは??
 もちろん、あるところでそれ式やられたら費用が問題ですが、逆に、相互貸借にかかる費用は県立負担ということを条件にすれば、良いだけの話ですし。

・神奈川県は住民一人当たりの図書館費は全国最低レベルなの?
 これは、へぇ~って思いました。まぁ、図書館年鑑を調べればわかるのでしょうけど。どこかに都道府県・市町村別人口1人あたりの資料費&貸出数ランキングが一覧になっていないかなぁ…
 逆にそれこそ図書館法か何かで、「自治体内人口1人あたり●●●円以上(または歳入の●%)を資料費としなければならない」と明記されれば、予算確保に苦労しなくて良いのですけどね。

ということで、なんとなく反論めいて再反論されそうですけど、私は以前書いたように、都道府県立図書館は直接貸出を始める前に戻って、より市町村立図書館のために尽力して欲しいと思っていますから、そう思っただけで、おそらく経費削減に名を借りた人件費削減による人減らしや資料費削減によるサービス低下はやめてほしいとは思っていますよ。
ただ、そうなると、相手の考えを変えるための論拠としては、どうもこのアピールでは乏しいかな、と。

で、日図協の見解は…???????????
(私は日図協の中の人でないけど、ちゃんと機能しているのでしょうか??)
まぁ、『指導する立場にないのでコメントしない』という常套句が出るんでしょうが。笑

ではでは☆

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『公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準』が改正したんだけど?

2012年12月27日現在、まだ文部科学省のページにアップされていないようですが、12月19日の官報号外275号(http://kanpou.npb.go.jp/20121219/20121219g00275/20121219g002750000f.html)に、『公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準』の改正した全文が載っていました。
パブリックコメントが募集されていた時に読んだ人も多いと思うので、その時点から変わったとこを中心に書きたいと思います。

相変わらず数値目標などが皆無なので、「努めるものとする」「ことが望ましい」ばかりで、必ずしも設置・採用・収集しなくても良いと解釈されるのがオチなので、読んで脱力してしまう感じがするのは否めません。
確かに、数値目標があるとそれにとらわれすぎて、「それを越えた部分はしない」となるのも本末転倒なんでしょうが、結果コメントにもあるように(参考:「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000606&Mode=2))、『報告書では、「目標基準例」を掲載しています』とあくまで、基準には載せないというスタンスなんですね…
それなら、その例を基準にちゃんと載せておくのがわかりやすいのではないかと思うんですけどね。(ちなみに、報告書はこれ(http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000092338))
でも、結果についてにあるように「数値目標として設定することが望まれます。」って、どっち付かずなブレたコメントがあったりしますけどね。
数値目標が高すぎると地方自治体から反発されるし、低すぎるとそれはそれで文句が出る…まぁ難しいのはわかりますが、自治体の規模に対して%で基準を作るなど、最低基準と目標値といった数値目標を作れば良い気もしますけどね。

さて、まだ改正版を読んでいない人のために、主な変更点を簡単に書くと…
・私立図書館も基準の対象になった
・地域課題に対応したサービスも明記
・危機管理に関する規定を追加
・指標や目標、評価、結果などをどんどん情報公開すること
・電磁的記録や地域資料の電子化についての規定
が大きなところで、あとはサービスを充実させたり連携先を広げたりですかねぇ…

パブコメ後では、総則の『三 運営の基本』の最初に『図書館の設置者は、当該図書館の設置の目的を適切に達成するため、司書及び司書補の確保並びに資質・能力の向上に十分留意しつつ、必要な管理運営体制の構築に努めるものとする。』が増えた
5番目に図書館の管理が指定管理者以外もひっくるめて『他の者』になったり、公立図書館の『4 職員』のところの『専門的職員』が『司書及び司書補』になったということが、結果についてにも書かれていますが、主な変更点かなぁ。

パブコメ時にあった、改正についての主な改正内容に記述している『図書館機能を十分に発揮するため、館長に必要な知識・資格を有する者を置く』という文面を見ると、置くのが必須になったような錯覚を覚えますが、

旧版では
・館長は、図書館の管理運営に必要な知識・経験を有し、図書館の役割及び任務を自覚して、図書館機能を十分発揮させられるよう不断に努めるものとする。
・館長となる者は、司書となる資格を有する者が望ましい。

改正版では
・市町村教育委員会は、市町村立図書館の館長として、その職責にかんがみ、図書館サービスその他の図書館の運営及び行政に必要な知識・経験とともに、司書となる資格を有する者を任命することが望ましい。

となっています。
つまり、館長個人の話から任命権者に話をシフトしただけで、結局、『望ましい』なんですよね。「置かなければならない」ぐらいにならないと、人事担当などに「そうね、そういう人を置くのが望ましいよね、でも大人の事情があるんだから、置けなくても仕方ないよね。」と言われるのが目に見えています。

ほんと、初めの一歩だとしても、館長の有資格条項だけでも規定できれば、主幹級の人が今更資格講習を受けて資格を取りに行く人もあまりいないでしょうから、今現場にいる司書さんの館長への道が開けるし、図書館の運営に司書資格が必須になれば、ペーパー司書だったとしても、新たな雇用も生まれるのでしょうが…図書館法の改正で改「善」されないかなぁ。

まぁ、確かにそんなに言及するほどのものではないのですが、パブコメ時よりも話題が少ないってちょっと寂しい気もします。(単に私が気付いていないだけかもしれませんけどね。)
日図協のパブコメは公開されていますけど、正式版についての意見や見解はないんですかねぇ…正式版すらまだ載っていないし。平成24年12月19日から施行されているのですよ!一応…笑

日図協のパブコメを見ながら、結果についてのコメントを見つつ、本文を見ていると、なんとも苦笑いしそうになる感じです。

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(仮称)図書館員大賞を考えてみる

年末も押し迫り、クリスマスも目前で、なぜかどこの図書館も児童コーナーはどこもかしこもクリスマス本特集で、先日も『Xマス絵本 お薦めは? 図書館と書店に調査』中日新聞(http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20121220/CK2012122002000039.html)という記事を読み、私だったらどれを候補にあげようかなぁと思いながら、前回、TRC図書館スタッフが選ぶ…の話を振った手前、『もし、図書館員大賞をやるので、1月~11月末に出た本で0~8類の1冊ずつのおすすめを挙げてください』と言われた場合のことを考えてみました。

実際、考えてみると意外と難しいですね。
かなり印象に残っていないと、1月・2月の資料の印象が薄くなっている…そして、図書館で購入した資料以外の図書は基本的に選外になる…(選定候補も入れても良いのですけど…)

で、今回は私だけなので、紹介文を長くしても良いけど、本格的にやるのであれば、各人思い入れが色々あるでしょうから、100字~140字ならまとまるかなぁと。
大掛かりになれば、本屋大賞と同じようにタイトルのみの一次…って感じの方が能率があがるでしょうけど。

ということで、共感をあまりよばないだろうトーネコ選、2012年のおすすめ図書~9類除く各類1冊~。笑

0類
総記なんでコンピュータ関連や図書館、書評系の本とか色々あるのですが、私が選ぶのは、これ。

ご存じ、東京子ども図書館発行の図書で、児童畑の図書館の人にとっては、当たり前な良書(?)が、あらすじと簡単な紹介文で紹介されています。
また、特徴的な部分としては、キーワードから絵本を探せる点で、絵本選び、学校等への読み聞かせ、お話会、ブックトークに十分力を発揮することでしょう。

1類
哲学に、人生訓に、宗教などですから、『超訳ニーチェの言葉2』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)とか『夢解釈<初版>上・下』(中央公論新社)や地獄関連の本もいいなぁと思いましたし、見て楽しむというのであれば、『錯視図鑑』(誠文堂新光社)もと思って、かなり迷ったりしていましたが、私はこれを。



マジックに興味のある人は数多くいるでしょうが、この本は神経科学者が、どうしてあるものが見えなかったりするのかなどを科学的に考えています。
もちろん、適度にマジックのタネ明かしはされているのですが、理屈はわかっても、手品を見るとやっぱり騙されてしまう脳って不思議だなぁと思える本です。

2類
歴史に地誌に伝記と類で分けるのがもったいない気もしますが…地誌系だと『原色ニッポン 南の島 大図鑑』(阪急コミュニケーションズ)で、伝記系だと『この年齢(とし)だった!』(集英社)なのですが、最終決断して個人的には、これですかねぇ…



今でこそ、英語を話せる人も増えていますが、確かに幕末期にはオランダ語が話せる人はいたけど、英語は当時の日本人にとっては新しい言語だったんだよなぁと。
やはり、LとR音は当時も難しかったんだと、妙に納得しましたが、情報や移動手段が少ない時代の通訳できる人物の大変さがよくわかる本です。

3類
法律や経済、教育などちょっと硬めの本が多い3類ですが、逆に民俗などではちょっと楽しい本もあったりします。シリーズで出ている『47都道府県・こなもの食文化百科』(丸善出版)も今年出た中で良いなぁと思った一冊ですが、私はこっちで。



この本は赤ちゃんの気持ちがわかる本などの育児書でなく、赤ちゃんがどうやって認識し人間となっていくのかという科学的に分析された内容です。
だからといって、小難しい本ではなく、どんな実験をやってどんなことがわかったかが分かりやすく書かれており、人間ってやっぱりすごいなぁと思える本です。

4類
自然科学と医学の中から選ぶことになるのですが、『世界で一番美しい…』シリーズ(創元社)、『邪惡な植物』『邪惡な虫』(朝日出版)、『アートで見る医学の歴史』(河出書房新社)、『冥王星を殺したのは私です』(飛鳥新社)も個人的にはとても良かったのですが、最後に選んだのはこれです。



タイトルの印象とは違って、ヘンな虫図鑑というわけではありません。著者がコスタリカで見つけた変わった虫たちを紹介する中で、自然の大切さを知ることができるのがこの本です。
あとがきの『自然の中でちっぽけで「ヘンな」虫であっても…(中略)…大切で必要な存在だ』の部分が印象的でした。

5類
工業系から家事・育児までこちらも他の類に変わらずそのうち1つというのが難しく、『アイスクリーム基本とバリエーション』(柴田書店)や『電卓のデザイン』(太田出版)なんかが印象に残っているのですけど、最終的に選んだのはこれ。



過去の建築物である巨大ピラミッドから未来の宇宙エレベーター、そして銀河鉄道999の発着用高架橋まで、建設のプロのみなさんが、大真面目に考えたプロジェクトが載っているのがこの本です。
もちろん実際に作と予想以上の困難や費用もかかるとは思うのですが、出資者がいれば本当に出来そうです。

6類
どの産業に視点を向けるかで選択が変わってしまう感じがしますが、『おもかげ復元師』(ポプラ社)や『バナナの世界史』(太田出版)も良いのでやっぱり迷ったのですが、個人的にはこの本を。



この本は「どの魚が一番美味しいか」という本ではありません。味という視点以外にも、色、におい、食感、見た目など色々な角度から、どんな魚が「うまい」のかを考えていくことをテーマにした本です。
全100巻シリーズの40巻目なのですが、専門的なこともわかりやすく書いていて読みやすいです。

7類
こちらも芸術やスポーツで色々と好みがわかれるのですが、『絵本作家のアトリエ1』(福音館書店)や『絵本作家という仕事』(講談社)などは図書館員的には興味をあるところですし、『招待状のデザイン・コレクション』(グラフィック社)も素敵だったのですが、これかなぁ…



写真を撮る本の中に混ざっているこの本。タイトル通り、撮り方ではなく、証明写真などでの撮られ方について書かれている本です。
願書や履歴書、運転免許証、パスポートなど意外と思い通りにならない証明写真ですが、写りを良くする方法から貼る前のカット術まで、わかりやすく書かれています。

8類
言語系だと、日本語か関心の高い言語が選ばれるか、珍しい言語か…で、票は割れそうな類ですけど、職場体験の受け入れ時のレファレンスで筆順の話をよくするので、『筆順のはなし』(中央公論新社)も良かったのですが、こっちをあげてみます。


「てんてん」つまり濁点は、近代に発明されたものだそうで、その濁点について、その成立過程や歴史について書かれているのがこの本で、音を文字にする場合の日本人的な捉え方や考え方がわかります。
改めて、日本語ってすごいと思うとともに、日本人の感覚的な文字の捉え方に納得しました。

一般書はこんな感じでしょうかねぇ…
書評っぽく語りたい本や例にも出さなかったけどもう少し触れたい本もあるのですが、あくまで、ひとまずやってみるということで。

で、児童書も類別でも良いのですけど、児童書と絵本という組み分けで挙げると…

児童書
今回、児童書と絵本という枠組みにしましたが、絵本扱いにするかどうか館によっても違いますし、一般と同様に0~8類でそれぞれというのもありかもしれません。その中で選んだのはこれ。



今年の5~6月にイモムシの本が続けて出たのですが、ブームだったのでしょうか??子どもの目線でよく見かけるイモムシとその成長した姿がわかります。
どれも甲乙付けにくかったのですが、個人的に一番見やすかったです。

絵本
絵本は選ぶにしても量が多いので主題分類などを使って読み物系を除外するのも仕方ないかなぁと思いました。図書館員としては『としょかんねこデューイ』などでも良かったのですが…



他にも今年出た本で良いのはありますが、この本を読んで、こんな感じで「図書館の一日」ってのも出て欲しいなぁと強く思ったので、一番の印象に残っています。
博物館の研究員がどのような仕事をしているのかや、大きな展示品の展示の方法など文字通り博物館の一日を通して描かれています。
(ちなみに去年は『野球場の一日』が出てました。)

さて、ようやく本題。
(仮称)図書館員大賞を本当にやるとしたら、どんなことを考えないといけないのか、少しやってみて思ったこと。

<やる中身編>
・9類は類で除くか否か
 小説類は他で散々やっているから、図書館はそれ以外でというスタンスだったので、9類を全部除いてしまったのですが、小説だけが9類ではないですから、「9類(日本小説)、9類(翻訳小説)、9類(その他)」くらいには分けておこうか悩むところです。

・0~8類から各1冊か0~8類から1冊か
 9類を除いて1冊というのは意外とスッと出るような気もしますし、集計しやすそうな感じもします。
 また、各類1冊とした場合、印象度はやはり類によって異なるのもちょっと心配だったりします。 

・児童書はどうするか
 今回は児童書一括りプラス絵本としましたが、その館で絵本扱いにするか否かでも違ってくるでしょうし、一般で小説類を除いた場合、読み物系絵本は除くかどうかも厄介な問題な気も。
 児童書部門は児童奉仕担当者が選ぶのでしょうが、「最低でも5年で20年以上読み継がれたもので…」的な人がいる館だと「該当なし」になるかもということや(私の偏見?)、0~8類でシリーズものが良かった場合は1シリーズなのかそれでも1冊なのかとか、復刊系の取り扱いもある程度決めておかないといけないなぁ(それは一般書の方も新装版などでも言えることですが。)と。

・コメントの有無
 図書館員なので2000字…っていうのも悪くはないのでしょうけど、できるだけ気軽に参加できた方が良いので、前述のように100文字程度のコメントを付けてですかねぇ。
 そうじゃないと、最初から流されたり横着する人多数な気もしますし。

<やり方編>
・個人参加か機関参加か自治体参加か
 図書館員の個人参加だったら積極的な人が推す本が有利になりますので、やはり機関参加か自治体参加ですかねぇ…
 実際にやってみて、地域性にもよるのではないかと思いますので、分館の多い地域に流されないためには、中央館で集約してもらい各自治体で挙げてもらう方式が良いでしょうね。
 都道府県立図書館もやはり分館がある場合もありましょうが、都道府県立図書館1枠が妥当だと思うのですが、2票持つ権利があってもいいのかなぁと。

・参加館が増えたらどうするか
 まぁ、これは本屋大賞と同じように各自治体から出たものを県立図書館でまとめて、各類上位のものを出し合って、上位10くらいで再投票が良いですよね。
 地域性が出てくることを期待しているのですが、こればかりは箱をあけてみないと…

・どこが主催するか
 日図協が図書館年鑑に前の年の集計結果を載せるのが楽しいと思うのですが、きっとやらないんだろうなぁ。
 TRCがやっても良いとは思いますが、TRCと契約していない館が参加しにくいということで、図書館振興財団でしょうかねぇ。 

<準備編>
・まずは個人で。
 1年近く休止していたので、私が探していないだけで、同じようなことをやっている人(日常的に書評ブログがある人はすぐできそうですし)もいるかもしれませんが、県の企画担当などでなければ、なかなか一気にはできません。
 なので、個人レベル…例えば各ブログとかで同じようなことをやる人が増えれば、県域レベルでやろうという企画が持ち上がるかもしれないなぁと。
 ただ、私は影響力皆無な図書館員なので、まずそうそうに広がらないのが痛い所でしょうか。笑
 1冊挙げるだけならTwitterでハッシュタグ付けても良いのでしょうが…それでも、付けるとしたら #libgp-0、…、#libgp-8、#libgp-c、#libgp-pかな?

 以下様式っぽいもの。

 (仮称)図書館員大賞プレ
 ※9類を除いて今年出た本で私がおすすめしたい本

 ☆0類
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 ☆1類
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 ☆2類
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 ☆3類
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 ☆4類
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 ☆5類
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 ☆6類
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 ☆7類
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 ☆8類
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 ☆児童書
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 ☆絵本
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・次に県レベルで。
 県レベルで各自治体から集約することをすれば、全国規模まであと少しだと思われます。
 ただ、色々と込み入った事情もありますから、似たようなものを色々な都道府県でやってもらって、統一していくといいかなぁと。

ということで、まとめ。
(仮称)図書館員大賞をやってみたら、どれほど面倒…いや、楽しいことになるかと思い、考えてみたら、色々と配慮・検討しないといけないことが少し見えてきました。
でも、1年間の出版物を改めて通覧してみると、別出版社で同じ時期にピンポイントな本が出たり、今年の情勢やブームなどが見えてきたり、面白いなぁと思いました。

前座予定がなんか長文になってしまいましたねぇ…
こっちもちょっとやりたかったなぁ…19日の官報号外であった改正望ましい基準。
(参考:『「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が改正される』(http://current.ndl.go.jp/node/22557))
一通り目は通したけど…やれやれです。
年内間に合えば。

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徒然ならざる雑記

1年ぶりのブログ更新です。
もちろん、図書館から離れたわけでなく、粛々と(?)図書館業務に勤しんでいました。
著作権法の改正、津々浦々の図書館で起きた色々なこと、研修について、図書館の自由に関する宣言について、日常業務で思ったこと、もちろん先日無事に終った地獄の(?)ブックトーク月間とか、話題には事欠きませんが、書ききれる前に月日の方が進んでしまい、今に至っています。orz
なので、復帰1回目は、軽く近況報告から始めます。

まず、先日、かなり久しぶりに図書館総合展に参加してきました。初日だけですけど。
有楽町の東京国際フォーラムでやった最後の年だったので、8年くらい前だったでしょうか。
横浜はちょっと遠い感じなので、なかなか行く機会がなかったのですが、なんか変わったなぁって印象が強かったです。

前回からかなり日が経っていますし、私自身もそれなりに年を重ねていますからなのかもしれませんが、大学の学祭的な感じが増えたかなぁと。
それと、ブースは…「うちのここを見て行ってくださいよ」的な積極性が少なくなった感じも…

初日のフォーラム始まる直前の受付の混み様は大変でしたね、この大人数への対応であれでは、参加者が図書館関係者でなければ、揉め事が起きたんじゃないかと。
例えば、名刺ありの人と記入する人を分けるとか最後尾表示やフォーク式の行列にするとか、各フォーラム受付でも受付できるとか…

あと、感想は、前回よりあまり知り合いに会わなかったなぁ(顔見知りで同時間にいたけど会えなかった方もいましたし、知っていても会うのは初対面(?)な方には、人見知りが激しいので声をかけなかったからもあるんでしょうが)ってとこですかね。

それでも、参加したフォーラムは『図書館100連発-フツーの図書館にできること 』(http://www.ustream.tv/recorded/27151402)と『思いがけずシステム担当者になってしまったら -OPACをDIYで充実させる』の2つでしたが、講師の方から元気をもらった感じがしました。

次に、ブログ休止中に、『図書館の自由に関する宣言』に絡む事案のメールをいただきました。
ちょうどその頃、似たような案件が出たこともあり、深く考えることとなりました。

1.あまり図書館で収集されない図書は提供されないこともあるのか
2.図書館の自由に関する宣言の絶対度はどのくらいなのか
3.図書館は結局どういう施設なのか

ということについてです。
たぶん、これだけ書くと、

A1.提供されないことはあり得ない!
A2.図書館司書たるもの絶対順守!
A3.国民の知る権利を保障する機関!

なんて、回答が返ってくるのでしょうが。(笑)

実際には相互貸借されなかった資料もあるし、取り寄せ利用者実費負担だと買った方が安くなる場合もあるし、収集方針により購入見送りということも多々あります。
そして、私自身は『図書館の自由に関する宣言』は理想論ではあっても現実からかなり乖離しているなぁと感じていますから、私の1と2への回答は推して知るべしでしょう。
もちろん、貸出館で貴重書扱いなどであればなおさらですし、コミック系の相互貸借しない館も数多くありますけどね。

3については、「図書館は福祉機関なんだから、云々」とか「この本の内容はエグいのでYAコーナーに置くのは教育機関としていかがなものか」とか…まぁ、そういう時には「『図書館の自由に関する宣言』に…」とある種のダブルスタンダードだったりもしますが。

他の図書館の方々はどうなんでしょう?図書の所在が確認できれば必ず提供まで進めているのでしょうか…
もちろん、提供するまでの時間は問わないのであれば、そりゃあどうにかなりそうですけど。笑

自分の館では収集しないけど、相互貸借で借りられたら提供するとかも、ちょっとナンセンスな感じもしますしね…

最近は来年度の予算要求でドタバタやっていますが、行政事務側(財務とか首長とか)に『図書館の自由に関する宣言』を説いても、「業界団体の宣言ごときは云々」と一蹴されますし、「法的根拠がなければ云々」と資料費は大雑把に削られるは、司書だろうとなんだろうと異動対象にさせられるは、なかなか思うようにいかないことが多々あるので、図書館戦争じゃないですけど、宣言を図書館法に盛り込み、数値目標も明記して、司書有資格項目を追加して…と、図書館法を変えれば全ては解決するんですけどね。

もちろん、何でもかんでも法にするのはちょっと…とは思いますけど、v.s.財務課や人事課等をするのであれば、絶対に法的根拠がないと一蹴されるのがオチですからねぇ…
光を注ぐ交付金だって、大臣がどんな発言しようとも、上乗せではなく、付け替え(交付金分減額)したところも多数あるようですから(図書館がそういうのを望むわけがないですから)、なかなか大変なわけです。(そういや、付け替えした状況などの集計って出てませんよね?)

最後に、最近気になった話題は、本屋大賞ならぬ図書館職員による大賞をと以前から考えていて、他にも同じように考えておられる方もいたので、近々実現するかな?と思いながら月日は過ぎて行っていましたが、それに近いことをTRCの図書館スタッフでやってくれたことが、なんか第一歩という感じで良かったなぁと。(ただ、本屋大賞と違って2011年の出版物に対してなんだよなぁ…)
(参考:http://www.trc.co.jp/topics/e_ranking.html

個人的には、一括りで集計していたので、それぞれの分野から1冊ずつあげてください的な各分類同数程度集計とか9類を外す縛りとかが欲しかった(もちろん9類は9類ででも良いですけど)のと、児童書、絵本のランキングもあると良かったなぁと。
企画的にはとても良いと思うので、おそらく来年もパワーアップして開催されるとは思うんですけど、どうでしょう?

私もそういうのをやりたかった方の人なので、『もし私が各都市の図書館にアンケート用紙を送りつけたら回答どのくらい集まるかなぁ』と考えたり、『日図協とかでやってくれないかなぁ』と他人頼みをしてみたりしていましたが、例えばいっそTRC主催でも良いのではないかと思ってみたりもこれを見て思った次第。

時々、図書館関係の調査が大学の研究室経由で(卒論・修論用も含め)送られてくるけど、それは「研究だし」とか「後輩だし」とか意外と回答率が高かったりするのでしょうけど、一介の図書館屋の私なんかがなんとなくで調査したって…と思う今日この頃です。
まぁ、そこで根回しして動けるか動けないかで決まるっていえばそれまでなんでしょうけど。

それから、今なんとなく気になっていること。(箇条書きにて)

・神奈川県立図書館や埼玉県立図書館の統廃合
 どちらも耐震関係の名目なのですが、市町村立図書館と同じように直接貸出等をしてきた状態から館数も減り、どういう位置付けになるか…

・認定司書関連
 現在認定司書の人は(http://www.jla.or.jp/committees/nintei/nintei/tabid/210/Default.aspx)に載っているのですが、結局のところどうなんでしょうかねぇ…
 第1期認定審査で37名、第2期認定審査で15名ということらしいのですが、元の応募数は知りませんけど、3期は10人前後くらいになるでしょうか。もう少し減るかな?
 やはり、認定されたメリットが見えないですし、論文や講師もどうも似たような人たちで回っている感じがするので、そもそも10年居られるかも疑わしい現在ではねぇ…
 おそらく、今後は数人ずつといったところでしょうか。そうすると身近に認定司書がいて「あの人のように」とはならないだろうなぁと、第3期の応募状態が気になっています。

・U40 - Future Librarianの現在
 しばらく関心から外れていたら、結局どうなったのか不明のため。

・雑司ケ谷R.I.P.などが結局どうなったか
 6カ月経ったあととかの比較がどこかないかなぁと思ったけど見つからなかったので。

本日は、衆議院選挙の投票日ですねぇ、私はいつものように期日前投票だったのですが、ふと、数年前の『日本図書館協会、政党マニフェストの公立図書館での閲覧についての要請を提出』(http://current.ndl.go.jp/node/16410)ってのを思い出したんですけど、うちの館内にないなぁ…なんて。笑
解散総選挙だと、各党アンケートとか日図協はしないんですかねぇ…やはり日図協の動きが見えない…

そんな感じ(?)で、これからもどうぞよろしくお願いします。

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