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貸出しない図書館

前回に引き続き、図書館について考えてみます。
さて、図書館は「本を貸してくれるとこ」という考えの方が一般的ですが、貸してくれない図書館もあります。

例えば、東京都立中央図書館。
ここは、調べ物をするための資料が揃っており、個人貸出はしていないようです。
ただ、都内の市町村立図書館などで、協力貸出はしているので、全く貸出をしていないわけではないのですが…

協力貸出は、1館で全部の本が集められない(もちろん集められるのなら最もいいのですけど。)ので、図書館で協力し合って収集し、相互に融通しよう…つまり、自分のところにない本を他の図書館から借りられるようにするサービスなのですが、都道府県によっては、郵送で資料を送り、その金額を利用者または相手館負担にしたり、協力車や連絡車といった運搬車を週に1度や月に2度走らせて、各市町村立図書館に届ける…といったことをしています。

で、今日の話題。
全く貸出しない図書館というのは可能かどうか。

例えば、まんが喫茶。
まんが喫茶は漫画図書館ではないので、本を借りてはいけません。
ただ、時間+注文したものの料金で運営し、中でくつろぎながらマンガが読めます。
私は、そんなに行ったことがないのですが、所蔵されていないマンガの本って取り寄せてくれない…ですよね??
まぁ、希望を聞いて入れるかどうかくらいはあるでしょうけど…

一方、図書館内の飲食は原則禁止のところは多いと思います。
でも、最近では筑波大学の図書館にスタバが出来たり、喫茶コーナー併設のところも、新潟の「ほんぽーと」などちらほら見えるようになってきました。
まぁ、でも、正確には館内の飲食禁止には変わらないのでしょうけど。

図書館としては、多角経営になり、本末転倒なんですけどね…
どうせ館内であるけども貸出手続きをして、実質館外になるのであれば、ようは飲食店街のど真ん中に図書館があってもいいんですし。

実体験上ですが、よく利用者に、「夏の暑い日くらいペットボトルの持込を許可してほしい」といわれることがあります。
確かにうちの図書館は暑いです。エアコン28度ですし、日当たり良好ですし。
ただ、持ち込みや飲食は、資料保存のために許可できません。
だって、その人は慎重な人で水をこぼさないかもしれませんが、持ち込む人によっては、思わず倒してしまったりして濡らすこともありますし、小さな食べかすなどがゴキブリなど呼び込むかもしれませんし…と考えると、許可できませんよね。

…飲食可云々の話にそれていきそうですが、いわゆる滞在型の図書館になれば、館外貸出は必要がなくなるかもしれないということです。

館外貸出しないためには、どうしても「利用者がいつでも利用できて」「くつろげて」「長くいたくなる」ような長時間開館で滞在型の図書館でなければ、ちょっと難しい気もします。
ここでどう滞在型を構築するかいくつか考えてみましょう。

飲食・喫茶は、どうも図書館の資料保存機能と相反するような気がします。
でも例えば、万一汚破損しても手に入りやすい資料…たとえば、出版されて半年から1年の本を別置にしてコーナーを作ったり、雑誌の最新号のコーナーは許可しても良いかもしれません。荒業的には1冊は飲食物持ち込み禁止ゾーンで、もう一冊は飲食可能ゾーンとか…資料費が単純に倍だけど。笑

AVブースの増設は、確かにCDやDVDも図書館の資料ですが、だからといって、本を貸さないでも良いと思える滞在ではないでしょう。
ただ単に図書館に滞在するのであれば、それで良いのでしょうが。

インターネット端末の設置は、今でも図書館で置いてあるところがありますけど、資料が利用促進されるかというとそうでもないような気がします。

理美容室というのは、そのお店の範囲でパーマとかするときに滞在時間が長いですが、パーマじゃなければ、ちょっと利用がないかも。
これも水濡れとかが怖い気もしますが、併設したお店と話し合いをしておくといいことですし…

で、他にも色々考えたのですが、最終的に独断と偏見で残したのが次の2つ。
1つ目は、フットケア・フットマッサージ。
これは本を読むという行為は、手と目と頭を使うということで、足は使わないということや、足止めをすると滞在せざるを得ないということから、なかなか良いかもと。

2つ目は、保育施設併設型。
私も娘がいますが、「保育してくれたらゆっくり本を選べるのに…」という奥さんの言葉も最もだと思い、あげてみました。
もちろん、一時預かりや預かり保育をして図書館へ、という方法もありなんですけどね。
図書館的には時間無制限の絵本読み聞かせというのもあると良いかもしれません。
普通は、30分やら1時間の決まったものしかやっていないですので、開館時間のいつ行っても読んでもらえるというのは良いかもしれませんね。


話は戻って、貸し出さないということは、無断持ち出しゲートのすり抜けがなければ、本がなくならないとか、督促する業務もないということになります。
今、ちょっと手元に県内のアンケート結果がないので資料を出せませんが、督促って電話とハガキのみというところが多く、最近では督促電話が自動にできたりするのですが、着信拒否とかあまり影響が出ないので、督促の回収率が悪いようなきがします。
督促もそうですが、資料の延滞となると、どの図書館でも悩みの種だと思うのですが、いかがでしょう?

資料費は足りないけど、人件費は余っているとか、人手が余っているのであれば、税務課の徴収のように、資料の回収に行くことが可能ですが、まずもって人手も不足しているのが図書館の現状でしょうから、そっちに割く人員はほとんどいません。
うちは、人手も不足しておりますが、月に1度は督促にまわっています。
人件費から算出する費用効果の問題もありますが、館内に戻っていたら借りられたり、利用があっただろう費用効果と比べるとどうなんでしょう。
確かにあっても借りられないかもしれませんが。笑


ここまで書いてきたら、どうにか長時間滞在型の図書館ができれば、館外貸出ってしなくても良いような気がしてきました。
もっとも、その滞在型図書館の実現の方が一番難しいので、しばらく考える必要があるのでしょうがね。

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