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図書館ツアー

司書の必要性について論議される時、よく司書の専門性とか専門的知識云々が論議されますが、逆に『司書資格を持っていなければできないこと』ってはっきりいってなんでしょうか?
いや、もちろん、私もどちらかというと、司書資格がない人を指導するよりは、司書資格がある人を指導した方が、基本の「き」から教えなくても良いので、楽ですけど、人は教えればちゃんとできるので、司書資格を持っていているだけの人と指導を受けた無資格者では後者の方ができる『可能性』があります。
この辺は、ブラックジャックみたいなもので、もちろん医師の免許の有無は法的にも不可欠なんでしょうが、手術が技術的にできるかどうかや医学知識があるかどうかは、医師免許の有無とは異なるのと一緒でしょう。
私だって、卒論が医学系だったこともあり、医学のある特定分野の一部であれば、本当の医者とちゃんと専門用語を使って話をできるぐらいの知識はありますし、その程度であれば、必死にその病気について勉強をする人であれば、誰でもできますよね。

話がそれましたが、私自身はちゃんと司書資格を持っています。現場では無資格のパートさん達に、指導する立場にあるため、時間をかけて、演習問題なども交えて、レファレンス演習とかやってもらったため、無資格であってもレファレンスは手順良く応対できますし…一通りの知識はちゃんと持っていると思います。
そう考えると、指定管理者制度導入などで下手に有資格者を配置するより、よっぽど無資格ながら今のパートさんの方が優秀な気もします。
そうすると、どこに司書の専門性を持ってくるかというと、今うちでパートさんにやらせていないのが、選書と除籍などですが、
もちろん、目録の作り方とかもあまり知らないと思いますけど、今の時代、システム化されていることが多いので1から作ることはあまりないですし、そのシステムで修正処理ができるのであれば、支障はないですし…確かに寄贈本とかの目録は目録屋にはないものもありますけど、似たものを修正するのは容易ですしねぇ…

まぁ、こんなのだから、「司書資格の人って必要なの?」と言われてしまうのは、手厳しいところなんですけどね。
無資格者の指導をちゃんとしないと、有資格者がいないと間違うことも多々あるでしょうから、ぴったり張り付いているわけにもいけませんし、指導をするのですが、そうすると「司書じゃなくても」が始まる…
いや、もちろん、無資格者と有資格者の仕事を完全に分けても、カウンターで聞かれた簡単なレファレンスとか「この本ありますか?」でも有資格者にまわすとなると、利用者的には「なんで、わざわざ他の人に聞くんだろう?」ってことを考えると思いますよね。
教員は生徒にとって1年目だろうと10年目だろうと教員であるように、利用者にとって図書館にいる人は無資格者だからここまでしか聞けないということもないですし…
確かに、こんなことを言うのなら、最初から有資格者をパートに入れれば良いのでしょうが、そんなこと言い始めたら、最初から館長を有資格者に、司書をたくさん常駐にすれば良い事になりますし。笑

さてさて、司書の専門性云々の話から始めましたが、今日はツアーの話。
図書館で行なうツアーと言っても、職員親睦旅行ではありません。(そりゃそうだ。)
近場から順に考えると、まず、利用者…特に小学生などを対象にした、図書館案内ツアーがあります。
書庫とかの見学や、図書館の使いかたを知る良い機会だと思います。うちはあまり古い資料はないですし、あるとしても明治時代の百科事典で、普通に開架に置いてありますし(もちろんちゃんと新しい百科事典もありますよ。)…利用者が行けないところは書庫くらい。なので、案内の中心はOPACの使いかたと分類の話になるのですが、まぁ、小学生であれば、「へぇ~」って聞いてくれます。
次のツアーとしては、近隣の図書館の視察。
主に、職員が中心になると思いますが、他の図書館を見て、自分の図書館を省みるっていう趣旨なんですが、そんなに目新しいものも最近はないので、「おお、自動貸出機いっぱいあるなぁ」とか「企画展示目立つ~」とか「こんなポップ作っているんだぁ」とか、少しは思いますが、図書館の実情はあまりどこも変わっていなかったり…

で、その次にメインに書こうと思っていたこと。選書ツアー。
うちでは選書ツアーなるものはやったことがありません。ので、おそらく憶測になるかもしれませんが、大きな間違いがあればご指摘を。
最初に司書の専門性の話をしたときに、「選書と除籍」とありましたが、選書ツアーって利用者を大型書店や某倉庫などに連れて行って、「こんな図書がうちの図書館にあったらいいのになぁ」という職員が行なう見計らいみたいな資料選びですよね。
これには賛否両論ありますけど、一方では利用者のニーズを知る機会であり、図書館の図書の選び方を知る良い機会ですし、他方、司書の専門性が失われかねないと考える考え方や、特定の人(ツアー参加者)のニーズでしかないという考え方も理解できます。

利用者ニーズと言われても、テレビで話題の芸能人が書いた本であったり、買って読むにはちょっとな某占い師の本であったり、真偽定かでない「必ず痩せる」だの「必ず治る」だの本だって、やはりある一定量の需要がありますし、需要があるからこそ、宣伝したり出版しているわけですし。
まぁ、予算的に全ては購入できないですし、図書館に収集方針があるでしょうが、知る権利的に言うと、それらも購入努力する必要もなくもないかと。
おそらく、選書ツアーの前に、「これこれこういう本をこんな感じで選んでいます」とかそういう説明の後、つまり有資格者や図書館職員の指導の後の選書ツアーだと思われますが、「それでも需要は大きいのだから」と思う利用者・選書ツアー参加者がいたときに、それは購入するのでしょうか?
私は自分でも書店に行ったときに、「あ、この本図書館にいいな」と思って職場に戻った時に検索したらすでに所蔵していたりするので、まだ自館の蔵書を全部が全部把握できていないのです。選書ツアーではおそらく一点ずつ調べてではなく、量が少なければメモでも良いですが、楽な方法としてはPOTとかの端末でISBNのバーコードをスキャンしてって方法のようですけど、集めた時点で所蔵のチェックをかけるのが効率的でしょう。
それで、ほとんどが所蔵資料であれば、「需要にあった良い本を選んでいる」ことになるでしょうし、一冊も一致しなければ「需要や利用者視点に立った選書になっていない」ということなのじゃないかと…とすると、普段から利用者と司書の間に意識の差があるということなんでしょうね。もしくは、専門性のある司書と専門性のない利用者とのギャップと言いましょうか…もちろん、図書館的に「ん…図書館で所蔵するにはちょっと…」というものであれば、その直前講習の効果があまりなかったということでもありますし、「普段の見る目がなかったのかなぁ」と思うと私だったらちょっと悲しくなりますね。
選書ツアー後、パターンとしてはいくつかあると思いますが、選書された資料の所蔵の有無をチェックして、その後司書が改めてその中から選ぶパターンだと、せっかくの選書ツアーは何だったんだろうかと思いますし、所蔵のないものは全て購入ということであれば、いくら司書に指導を受けたとはいえ、指導することが専門性ではないと思いますし、その辺はどうなんだろうとちょっと疑問。収集方針に沿わないものだけ除くといっても、やはりフィルターがかかるわけですから、収集方針の文面が理解しづらいものであるか、説明が下手だったかという問題が考えられるでしょう。
それと、逆に考えると、選書ツアーの時期によって、毎日のように本は出版されますから、書店で目に付く本も変わってしまいますし、連れて行くメンバーによっても大きく変わるものなので、それならば、どこかホールや館内または駐車場で「大見計らいデー」など催して、ある程度図書館の収集方針に沿ったもので、多くの資料を多くの利用者に見ていただくって方法もありなんじゃないでしょうかね。

他にツアーにしたいなぁと思うのは、例えば図書の装備工場などのツアー。
私自身も見に行きたいし、その会社方にも「いつでも見に来てください」と言われているのですが、なかなか実現ができません。
各地から発注される図書の装備を一箇所で流れ作業的にやっている様って壮観なんじゃないかと。
それと、物流部分の倉庫とかも見学してみたいですよね。
利用者的にも、図書館を支える裏方の仕事って興味がわくような気もしますが、どうなんでしょう?
小学校の工場見学の一環でもいいかなぁと思いますが、そういうのは受け入れているんでしょうかねぇ…
ただ、じゃあ、「図書館にいる図書館司書は結局何をやっているの?」と聞かれそうな気もしますがねぇ…笑

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