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借りたものを返すのは難しい?

図書館に勤務していて、大変だなぁと思う業務の一つに、延滞資料の督促業務があります。

電話するにしても、通常開館時間中だと仕事などで相手はいないし、土日もなかなか連絡取れず、同時登録してある携帯電話にかけると「お客様の…」とか違う人にかかったり…

相手と連絡をつけるのだけでも何度もやらなきゃいけないのに、連絡付いてからも、「あ、いついつ返すつもりで…」とか「友達に貸しちゃって…」とか「返しに行ってくれると言ってたけど…」とか、何ヶ月も直接話ができなかった挙句に「いや、見つからないんですよ」と…。
電話を何度もしようとも、督促状を何度も送ろうとも、「返さなきゃ」と思ってくれない利用者…

借りに来れるのだから、返しにも来れると思うのですけどね。

じゃあ、督促を他の図書館はどうやっているんだろう?と疑問を持っていたら、以前ちょうど良い資料を入手。
中にある50数館の対応を見てみると、だいたい似たり寄ったり。まぁ、細かくは違いますが、次のような感じ。
・他の利用者の人の予約が入ったら、すぐ~2週間以内に電話等で連絡。
・月に1度~半年に1度くらいに督促ハガキ。
・2年から~5年ほど督促連絡して、だめ(回収不能)だったら、その資料は除籍。
・利用者ペナルティはないところもあるし、あるところでは貸出停止。(なかなか返さない人はたいてい図書館にさえ来ていないことが多いので。)
(最初は、統計にしようと思ったけど、記述がバラバラなので、概略だけ。)

一番厳しいところと思われるところでも、月一回の督促状が2回目に利用者宅に抜き打ち訪問ってのが、日中の時間帯ながらあるくらい。
(でも、なかなか利用者に会えることはないのですけどね。)

確かに、督促ハガキ1枚50円だとして、1冊1500円くらいの資料に対し、30ヶ月、つまり2年ちょっと送れば、督促状の方が高く付くというのはわかりますが、除籍して終わりというのは、個人的には納得いきません。

もちろん、1冊だけでなく、複数冊督促になっていれば、まだ効果はあるでしょうが、どちらにしても、泥棒に追い銭状態のような…

資料費だって公立図書館だと税金だし、督促状の郵送料や電話代だって税金でしょうに。

そんなことを考えていたら、これまた良いタイミングでCNNのニュース(http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200808220022.html:アメリカで図書館の本を返さないで、逮捕って話。(罰金命令っていうのが督促後にあるんですね。))がありました。

さて、このニュースで気になるのは、資料2冊の返却が遅れたときに生じた罰金30ドル。
資料2冊分の金額なのか、それとも、督促手数料分なのかいまいちわかりません。
たぶん、後者かなぁと思いますが、あまり海外事情に詳しくないので、もやもや中です。

それで、日本で、そういう方法って取れないか思案してみたのですが、いかんせん図書館に関係する主な法律はわかるのですが、わからないのが図書館で貸出した資料って、利用者とはどんな(契約)関係なんでしょう?
ちらっと見ると使用貸借(当事者の一方が無償で使用した後に返還をすることを約束して相手方からある物を受け取ること。)なんかが妥当なんでしょうかねぇ…
少なくても、「いついつまでに返す」ということで返却期限を決めて貸出しているはずので、そういう契約(?)には違反しているわけです。

それで、訴訟ということであれば、ひらめきでは少額訴訟ですが、1円~10万円の手数料が1000円…1冊、それも文庫本だと割に合わない…
少額訴訟で、貸出資料の返却または弁償料金と督促手数料と訴訟料金をまとめて請求ってできないのでしょうか…

やはり返却されていない資料代とは別に罰金などをいただかないと、だめなんでしょうね。
(というか、裁判所の支払い命令をも無視したらどうなるんだろ?やっぱり逮捕??)

大学図書館では、某大学で、借りた資料を返却しないと卒業させないってことがニュースになりましたが、公立図書館でのペナルティ…
公共施設で氏名等を晒すとか、行政区長さんや地区の班長さんに「あの人、全然返却しないんですよ」って言うわけにもいきませんし。笑
住民税が倍になるとか…
と、話がずれて行きそうなので、軌道修正をしまして、督促費用を利用者に請求していない現状からすると、ペナルティは貸出停止なのでしょうが、そういう利用者はおそらく借りにさえ来ていないでしょうから、無意味に近い。

そうすると、どうやって、期限内に返却してもらうかに尽きます。
期限が切れたら、返却されるまで毎時間自動電話とかだと、逆に迷惑行為になりそうですし、1日で最低240円かかる。

最近のICタグの応用で、期限が切れたら「ピッピッピッピ」と徐々に音量が大きく鳴り響くとか、異臭がするとか…そうすると返したくなるかな?
でも、誤作動があったらちょっとイヤだな。笑

極端ではない話として、自治地区の班レベル(例えばゴミステーションのある範囲)で返却場所があると、案外返してくれるでしょうか?(返却資料の回収はゴミ収集車の巡回に便乗するとか…)
総費用的に回収業者に依頼した方が安く確実になるでしょうか?

全国各地の図書館で「これは」という事例がないということは、図書館側としては打つ手なしということなのかなぁ…
そしておそらく、資料の切り抜きなどと一緒で、マナーの悪い一部利用者のために、マナー良く利用している人が迷惑するんだろうな。

CNNのニュースを見て、「返却しないと逮捕があり得るってなんかいいなぁ」と思い、雑多なつぶやきで書いてみました。

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