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市町村合併と図書館

先日、指定管理者の関係で導入館の視察に行ってきました。
確かに、図書館のことをわけわかっていない、行政職に説明に行き、新企画を却下されたり、予算を柔軟に運用できない直営よりは、内部で企画を一緒に検討して良いと思ったらすぐ実行できる(逆にだめだったらすぐやめてしまうけど)指定管理者ってのもいいなぁと思ってみたり。

ただ、直営時代の話を伺うと、今時の図書館というより一昔の図書館運営という感じでしたので、心機一転になるというのはわからなくもないですが、そのくらいだったらもう少し直営でもできるでしょ?と思いました。(まぁ、できない…いや、しようとしていないから指定管理制度をすんなり導入しているんだと思いますが)

結局は現場サイドのやる気と周囲の理解の問題なんじゃないかなぁと。(確かに直営だとモチベーションが落ちる事多々。笑)

指定管理者を受注した業者は「指定管理になったからダメになった」とかはもちろん思われたくないでしょうから、頑張るでしょうし、志の高い直営職員がいるところだと、トップダウンに反対の意思を表明したり、そういうところって、住民へのサービスもしっかりしていて、住民からの反発もよくあるし。

図書館で司書資格というのも必要ではありますが、それに加えてやっぱり図書館に対する志っていうのも必要ですよね。資格自体は講義を受けていればホイホイあげている感もなくはないですし。(単位なので優を取らないといけないわけでもないですからね。)

それと、JLAメールマガジンにも書いていましたが、図書館の非常勤・臨時職員は61.6%ということらしいです。
ということは、図書館に携わっている人の半数以上は非常勤・臨時職員!?
通常の一般行政職の非常勤・臨時職員率が27.8%ということですから、ほんと高い率ですよね。

そうすると、これにはおそらく指定管理者は入っていないと思いますから、直営なら、館長のほとんどは一般行政職の正職員というところが多いですし、予算運用などの庶務をするのもおそらく正職員が多いでしょうから、図書館に関わり、かつカウンターやフロアで利用者と直接関わる正職員は稀有?笑

まぁ、今のところ、私もその少数派なんですけどね…
臨時職員はまだ少しは予算運用の権限とかあるでしょうが、非常勤だとねぇ…ほとんどないんじゃないでしょうか。
そうすると、志があっても力を発揮させてもらえないことも多いのかなぁと。

さて、その帰り道での話。
再び、合併話があちこちで聞かれていることを受けて、うちの自治体が合併することについてどう思うかという話に。

一緒に行った総務課的な人は「私は合併には反対。せっかく地域住民のために尽力していたのに、いきなり広域にサービスするなんて…。それにその地域のことをよくわかっていた職員もバラバラになりかねないし…」といった旨を話していました。

私は図書館職員ですし、そもそも図書館のサービスは広域(果ては国民の知る権利ですから)を最初から考えていますし、過去のブログにもありますが、組織的に大きなものになった方が何かと良いと思っていますから、「私は賛成」に一票。
確かに、「今まで図書館がなかったので要望していたが、合併したことによってあることになってしまった。でも、現状は移動図書館車も来なくなり、悪くなった。」という事例も聞きますが、それはその図書館行政が悪いというだけで、私は合併にはやはり賛成。

図書館の理想としては、他人の受け売りのようなもんなのですが、
・子供でも歩いてすぐのところに図書館があり
・魅力的な書架があり
・知識の豊富な専任の職員がいて
・予算が潤沢にある
図書館があると良いのですが、
現実は予算などの関係で、
・車で行かないと通えないところに図書館があり
・古く何年も利用されていない本が並んでいて
・なんとなく「図書館に異動させられました」のような職員がいて
・予算もほとんどない
図書館がある自治体も多いのではないかと思ってみたり。

ということで、財政難で合併する自治体も多いでしょうから、理想とのギャップを妥協した方法を考えると…

例えば、旧庁舎・廃校舎・空き教室を利用した配本所等の設置。
旧庁舎の議会室での映画会とかはもうすでにあるようですけど、旧庁舎の使われなくなった書庫の利用も可能ですし、受け渡しだけであれば、旧庁舎に残っている職員にも「旧地域住民サービスの一環」として頼めなくもないでしょう。(もちろん、そう簡単にいかないののが行政!笑)
廃校舎や空き教室も合併すると増えてきますし、ただでさえ少子化なんですしねぇ…それも有効利用。
図書館で要望が案外多い学習室だって、元が教室なんだから、可能でしょうし、教室の強度的にも書庫利用だったり、分館化だって可能だと思います。
私的には、教室1つごとに分類0~9に分けてというのもやって欲しいとこではありますが。
資料の管理的には、いくら分散したとしても、データベースや蔵書上、把握できてればいいので、問題ないような気がします。
まぁ、人は配本所的なことだけにするなら、シルバー人材センターなどにお願いしてもいいですね。

しかしながら、もう一つ考えているのは、逆に使えない旧態依然の図書館や分館の廃止。
これだけ歩いてすぐのところに図書館云々言っているのに、廃止するの?という声も聞かれそうですが、魅力的でない図書館は廃止しても良いかと。
もちろん、いきなりバッサリ廃止はもちろん困りますが、上のように予算がないことを前提にすると、利用のあまりない図書館は維持費の面でも廃止して、その売却代や浮いたランニングコストを上のような、空き教室などを利用した学習室や配本所に回すことを確実にやってもらいたいと思います。
で、可能であれば、来館できない人のために郵送貸出なんかも充実させられるといいなぁと思ってみたり。

もう1つのメリットとしては、レファレンス関係。
レファレンスは個人技というよりチーム戦だと私は個人的に思っているのですが、なけなしの資料から調べて見つからなく、結局中央館や県立に依頼するのであれば、合併してそこの図書館にいたレファレンス能力の高い人を中央館に配置して、メールレファレンスや電話レファレンスなどにも対応するという方が、分館に行って調べきれなく、中央館からの回答を待つよりは利用者的にも早いような気がするんですがどうなんでしょう。
もちろん、オールマイティにレファレンス能力が高い人が一番良いのですが、知識や経験が各分野満遍なくある人って逆に珍しい気もします。
私だって、一応どんなレファレンスにも対応できます(というか人手不足なのでやらざるを得ないです)が、得意分野(理系・医学系)と不得意分野(文系…笑)だとおそらく回答の差があるでしょうし、元々縁もゆかりもないとこの図書館に勤めていますから、地域の昔関係だとその自治体史からの情報しか知らないなど、不利なこともあります。
そういう時に、昔からそこに住んでいる職員だったり、文系に強い職員と一緒であれば、検索手段も増えますし、色々な発想で調べられるメリットがあると思うので、高度なレファレンスなるほど、個人ではなくチームで取り掛かるのが良いと思っていますし。

今書いたように、上の「不便になった」というのに対しては、合併後旧庁舎などで配本をし、一両日中に中央館から取り寄せも可能で、調べ物なども電話やメールで中央館にすぐできるというのであれば、1週間に1度くらいしかない移動図書館車よりもずっと便利になると思いますし、よく聞く自治体のコミュニティーバスなどを中央図書館にも止めるようにすると、時間のあるときはそれを使うこともできますしねぇ。

なので、図書館を中心に考えると、合併するメリットは色々出てくるわけですが、地方自治的に図書館は中心にないこと多々なので、合併で他の擦り合わせや保身に忙しい議員や上役に私が意見述べてもボトムアップは却下なのです。

あぁ、ついでに、合併すれば、嫌でも今まで他館だった職員とも交流できるのは、私にとっては嬉しいなぁと。笑

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