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2009年1月の5件の記事

『図書館の自由に関する宣言』って…

 まぁ、たぶん拙ブログを読まれている方々はご存知だろう千葉県東金市立東金図書館の例の件の話。

 もちろん、私も外部の人間ですから、内情はわかりませんが、47NEWSによると『容疑者と被害者情報漏らす 報道機関に東金市立図書館』(http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012401000452.html)ということで、容疑者と被害者の図書館の利用状況を令状もない報道機関の一記者に漏らしたという記事。

記事によると、図書館長は不在で、図書館を所管する市生涯学習課が漏らしたことになっているのですが、検索端末などを部外者がいじることもないでしょうから、図書館の誰かが操作したことになるんでしょうね。

 先に書いておきますが、内山誠一郎館長がちょっと可哀想な気もしないでもないです。記事をそのまま信用すると、当時、館長は不在で、図書館サイドは館長不在を理由に断ったのに、市の生涯学習課の誰かが漏らしたということですから、その誰かの名前は出ないのに、館長だからということで名前が出されるなんてね…

 ただ、図書館サイドで断った理由も「館長不在だから」なんでしょうか?普通だったら「『図書館の自由に関する宣言』を理由に…」だと、市生涯学習課に場所を移すこともなかったような…そう考えると、図書館内の裏切り者は誰?とか、市生涯学習課が漏らしても(どうせ漏れた情報は公になってしまいますが)図書館では漏らさない対応というのはどうかとか、色々疑問点は尽きません。

 もちろん、公務員には守秘義務がありますから、その市生涯学習課の人はそれにも違反しているわけなのですが、どういう処分になるのかなぁと。(処分が公表されることはあるのでしょうか…)

 前置きはこのくらいで、さて、この中で、私はいつも考えさせられる点がいくつかあります。『図書館の自由に関する宣言』を忘失もしくは知らないで市生涯学習課の指示に従ってしまった図書館の内部職員というのも困ったちゃんですが、市生涯学習課で指示を出したのが、上司だったら?と考えると、ちょっと複雑な気分です。

 今回の場合は守秘義務違反もあるので、問題外かもしれませんが、以前書いたように、図書館の運営方針とその上部機関の見解とが異なった場合、公務員には上司の命令に従う義務がありますから、選書で上司からのクレームがあった場合など、指示に従うか図書館の判断に従うか…今回の件でも、例えば課長あたりが、「自分が知っておきたいから」とか「外部には特定できないようにするから」とか言われた場合、上司ですから、「カウンター職員以外は何人にも教えられません」(正論でしょうが)とか、「操作方法は門外不出です」みたいなわけにはいかないでしょう。

 もっとも、異動のある職場なんでしょうから、操作制限のパスワードさえ変えなければ、以前にいた職員でも閲覧はできるかもしれませんから、市生涯学習課の人がこそっと端末操作をして行ったのかもしれないという可能性も0ではないですが…

 今回のとは毛色が違いますが、うちでも利用者に(登録可能ではなかったため)カウンターで登録できない旨を伝えたら、所管課に行ってごね続け、課長が「登録してあげなさい」という指示が出て、腹がたったことがありますので、今回のようなことが起きると1つ目には『上司の指示と図書館の判断の優先順位』について悩みます。

 これについては、この手の話を友人としていたときに、言われたことがちょっと引っかかっています。というのは、『図書館の自由に関する宣言』についてで、イメージ的には「図書館は基本としてこうでなければないらない宣言」といったものなのですが、法的根拠のあるものとしては『図書館法』までなので、上司の命令は地方公務員法で

(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
第32条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

とありますから、宣言と上司命令では上司命令優先の根拠が上なのかもしれません。(言われたのは「宣言ってこうしますよってことで法的根拠ではないんじゃない?」っていうようなこと。)

 それなら、ほんと図書館戦争の世界のように宣言そのものを法にしていれば、「図書館法に反しますから」と言えるような気がします。
 日本図書館協会自体も複写や閲覧の問題のときには「各館での判断」と言いながら、こういう時だけ「宣言が云々」と出てきて、図書館の総意による団体でも上位機関でもないのに、「あまり信用できない」と言っている人も業界内部にはいますから、「そこで宣言されても…」と一般認識的にはあるのかもしれません。

 次に、今でも「(督促状が届いて親が電話してきて)子どもの借りた何という本が督促なのか?」とか「(予約資料の用意ができたの伝言で)何という本なのか?」とか質問が来ます。もちろん、利用者の秘密を守るということなのですが、「親の監督権」だの「うち家族の中で秘密にするようなことではない」など相手もあの手この手で言わせたいらしいこと多々です。(うちでは言いませんが。)

 その割に、返却時に「他に返却し忘れて残っている資料はありませんか?」という問いには本人か家族かの確認しないまま、「○○という資料が期限切れで残っています」と言うことがあります(一つ弁明すると、この場合家族で1枚のカードを使っていたので)。
 で、ある時、似たようなケースで、離婚関係の本の期限が切れた資料があったので、伝えて、返却しに来た奥さんが表情を変えて「ふ~ん」って言って、逆に焦ったことがあります。

 それはさておき、「家族なら予約資料を言っても良いですよ」と確認が取れていれば伝えますけど、OPACやWebで予約された資料は、そういうコメント付にはなっていないので、やはり伝えられません。そうすると、どこまでを秘密にして欲しいか、登録時点で確認する必要があるでしょうね…つまり、利用事実についてや読書事実について、「家族になら秘密にする必要もない」と考える人がいますが、そういう人がいない前提で書かれてもなぁということ。

 それと、図書館のカウンターはオープンスペースが多いので、カウンター近くの席でずっと見ていると「隣の家の息子がこの雑誌を借りて行った」とか「あの娘はこういう本を借りていった」とか、わかってしまいますし、常連だったら「あの人、いつもこの手の本を借りているなぁ」とか…そうすると、図書館自体は秘密を守ってくれても、見えてしまうものまでは守ってくれないというか、守れません。(その対策としては、透けない図書館袋にできるだけ見られないように詰めてもらって、袋ごとICタグで貸出って方法もなくはないですけどね…)

 もちろん外部にまで教えて良いという人はほとんどいないでしょうから、今回の件は当てはまらないですが、『家族にも秘密にしたい人』と『家族には秘密にしたくない人』をどうするかという点も考えないといけないような気もします。つまり、2つ目は『利用者による秘密の程度の差』をどうするか悩みます。

 秘密にしたいかどうか、それは利用者が決めることであって、貸出履歴の問題もそうですが、図書館システム自体に、そういう柔軟さが足りないような気もします。
 貸出履歴を保持したい人は保持出来れば良いし、外部流出など気になる人は保持しないと出来れば良いし、資料名の連絡も利用者自身が可否を決められるシステムというのが今の時代には良いのかなぁと思います。
 ついでに、貸出履歴みたいなものを自分の簡易書評付で外部に公開したい人もいるかもしれませんし…(ようは本人の知らないところで公開されなければ良いのではないかと。)

 ということで、ここまでニュースになっちゃった千葉県東金市立東金図書館や市生涯学習課の今後の対応も気になるところですが、『図書館の自由に関する宣言』を遵守できない状況にある図書館がある状態はどうよ?

 個人的には記者が『図書館の自由に関する宣言』があるから聞けないと知っておくべきだと思いません(図書館職員だって「知らなかった」もしくは「秘密にあたると思わなかった」ので、市生涯学習課に教えたわけだし。上司命令だったとしても、その情報をどう使うかくらいは確認出来たでしょうし。)。

 知らない場合に、「こういう宣言があって、それを守るので、いくら言われてもお教えできません」と言い切る毅然さが図書館に足りなかったということだけですし、図書館の現場でない人であれば例え上司でも「理解してもらっている」ということはないのですから。(著作権法関連で、現場でないずっと上の上司が「公表されている新聞なのにコピーに著作権法が引っかかるの?」と聞かれたことがありますし。)

 今言えることは、漏れた情報は戻ってこないということですかねぇ…くわばらくわばら。

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○ストップサービス

 前々回に続いて、毎日新聞の1月8日の記事『都立中央図書館 新装開館に未来の姿を探る』(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090108ddlk13040287000c.html)より。
 都立中央図書館は過去に1度だけ研修で行ったことがありますが、ようは全部レファレンス室みたいな感じでしたね。新装オープンしたようなので、また行ってみたいところではありますが…

 この記事で気になったのは、『ワンストップサービス』についての図書館関係者という人のコメント「司書が培ってきた経験の蓄積や専門性が崩れかねない」という懸念はどうなんでしょ?
 たぶん、前々回のように、本当に図書館関係者がそう言ったのであれば、話の大事なところが抜けているのじゃないかなぁと。

 私自身は、『ワンストップサービス』は賛成です。ようは、窓口が1箇所で、そこに行けば用事が済むってことですよね?
 利用者が「○○について調べたいんだけど」と言われて、「それなら△階のレファレンス担当者へ…」と誘導され、そこでのレファレンスインタビューで、「それでしたら○階の方が良いかと思いますので…」とたらい回しにされるよりはずっと良いかと。(もちろん旧都立中央がそんなことはしていないと思いますがね。)

 で、抜けているかもしれないことは、図書館関係者であれば、想像が付くと思いますが…
・ワンストップサービスをして窓口を減らす。
  ↓
・窓口が減った分、常勤司書の数を減らす。
  ↓
・司書数が減った分、利用者対応の時間が減る。
  ↓
・充分な専門性を発揮できない。
  ↓
・窓口で利用者渋滞が起きる。
 ということであれば、懸念でも反対でもいいんですが、そうなるのかならないか、記事だけではわかりません。

 私は、人を減らさない前提であれば、大いにワンストップで良いかと思います。

 市町村立図書館などで満遍なくレファレンスを受けている人ならわかるでしょうが、利用者の求めている部分が分野の境界領域であったり、レファレンスインタビューをしていくと、最初の想定の分野と違うことが多々あります。
 それならば、利用者がレファレンスに来た時に1つの窓口で対応すれば、「いや、こっちの分野も見たらいいんじゃないか?」とアドバイスもすぐ出てくると思うんですが…
 なので、ワンストップサービスのイメージだと、1つのカウンターで1人が対応する小さなイメージの人もあるんでしょうが、各分野のレファレンスのプロフェッショナルが窓口のすぐそばにいるというのは、逆に心強いような…

 ついでにですが、『司書が培ってきた経験の蓄積や専門性』とありましたが、あるベテラン司書には経験の蓄積があるので、レファレンスを聞くのがOKで、新規採用された常勤の新人司書君に聞くのは間違いってことは、普通はないでしょう。

 まぁ、もちろん、新人君が一人でやろうとして、誰も助けない構図があるんであれば、新人に聞くのは回答に繋がらないかもしれませんけどね。

 私はいつも思うのですが、確かに経験は経験した人にしか蓄積できないのですが、それを共有化できないと、一人のベテラン司書だけがどんどん能力アップし、新人君は『見て真似べ』をモットーに頑張っても、なかなか能力アップに繋がらないということに…

 この記事の最後の方に『20代の司書は1人もおらず、人的なサービス水準の維持』が課題だとありましたが、経験の蓄積論で進むと、「ベテランさんが辞めたら20代がいても結局水準落ちるじゃん」と思うし、それを打開するためには、やはり、図書館職員が持てる知識や技術を共有して、経験も擬似的に共有できれば良いのではないでしょうか。

 1年目だろうと40年目だろうと、利用者にとっては『図書館司書』なんだし、人によって違う水準というのは、ちょっと可哀想かなぁ。1年目から同じレベルでやれというはやはり無理な話ですが、ベテラン司書は経験の少ない人をちゃんと後ろでサポートして、自分の経験を受け継ぐ人をちゃんと育てる必要がありますし、受け継ぐ人がいない場合は、誰が来ても受け継げるようなノートなり、データなりを作成しておくべきだと思います。

 だから、培ってきた経験を蓄積するのは、司書個人でなく、図書館の方にすべきだと思うんですけどねぇ…そのことによって、誰が管理者になっても同じレベルでその図書館を使えるのですがねぇ…まぁ、図書館に限らず、出来ていないんでしょうけどね、200○年問題とかベテラン職員の退職であたふたする会社も多いようですし。

 同様に、専門性も確かに各階にその分野のエキスパートがいると心強いですが、本来司書の専門性って分野特化ではないでしょうから、満遍なくレベルを上げて行くのも良いと思います。もちろん、苦手な分野はあるでしょうが、それこそ、図書館内の職員やその他の知識・経験を総動員して解決に導く…それが本来の図書館でしょうし、ワンストップサービスの本来の姿はそんな感じでしょうね。

 ただ、指定管理者制度云々のときもそうでしたが、どうも人減らし・人件費削減系に進むので、このワンストップサービスも上記のように窓口が減ったからという理由で人も減らされるのかなぁと。

 で、『ワンストップ』があるのなら『ノンストップ』もあるんじゃないかと思ったら、言葉的にはあるんですね。『ノンストップサービス』。笑(そういう常識的なとこが抜けている私。)

 用語解説によると「インターネットなどで、24時間いつでも、利用者の都合の良いときに利用できるような形態でサービスを提供できる仕組み」ということで、窓口に止まる意味のワンストップとは違い、24時間停止しないという意味でなんですね…

 貸出ロッカーを利用した24時間貸し出しサービスはちらほら聞きますし、ブックポストで24時間返却も可能ですが、24時間開館は今のところ聞いたことがありません。

 この『ノンストップサービス』の定義に従えば、来館ということはないのでしょう。ということは、館そのものを『開館』する必要はないんでしょうね。

 24時間お客様相談センターみたいに、電話による24時間レファレンスサービスなら、実現可能性が高いですね。
 まぁ、24時間本の出前サービスは人員的にちょっと難しいですけど。(配達くらいであれば、非常勤でも充分でしょうが…。)

 図書館は開館時間が長ければ良いというものではないと思っていますから、24時間365日オープンというのは関心しませんが、ニーズ的には0ではないですし、来館なしの24時間利用可ってどうなるんだろうと考えると面白いかもしれません。

 『ノンストップサービス』と聞いて、端末で借りたい本を指定すると車から降りなくても本が借りられる某ハンバーガー屋のドライブスルー型(実際にはワンストップサービスだけどさ)や、借りたい本を持ってゲートをくぐれば自動的に貸出になる(おそらく今の技術的にはICタグで可能でしょう。)サービスを空想していました。

 まぁ、小さな時間的でなく、サービスを止めないという意味であれば、図書館は継続が力になるものですから、『ノンストップサービス』というか「図書館サービスを止めるな」なんでしょうがねぇ…お後がよろしいようで。笑

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理想のOPACなの?

 ライブラリー・アカデミーの課題なんですね。理想のOPACについてブログに記述するの。面白~い☆
 ので、勝手に便乗です。(課題1・課題2は…笑)

 OPACについて考える中で、館内用のOPACとWeb-OPACを分けて考えるか、一緒にするか…理想はどっちも対応なんでしょうが、『館内OPACからインターネットの情報を』というのは設置台数的にもどうなんだろうと。(一人の利用者が占有する時間がインターネット利用者端末みたいに30分とかされた時には…ねぇ?)
 なら、館内用とWeb用の棲み分けが必要?(もちろん、館内のインターネット端末にはしっかり自館のWeb-OPACが登録されているべきですけどね。)

 課題1・課題2を踏まえての課題3のようなので、みなさんのどうも無難なOPACのような気がしますし、現実+αですぐ実現可能のような気がしますが、全部拝見させていただいたわけでないので、じっくり読むとすごい発想のもあるかもしれませんねぇ…(理想があって、それに向かう目標があって、それと現実との差が問題点…って、何かの研修で言われたのを思い出しました。)

 例えば、理想というのなら、ベテラン司書のように、利用者が「何ヶ月か前の○○新聞の書評にあった『なんとかのCMにおけるなんとか』って本ありますか?」という問い合わせで、いくつかの質問から必要な資料を見つけ出す(それも『CMにおける~』ではなく『広告の~』の間違いまで訂正されて)のがやはり理想なんじゃないかと。
 もっと言うなら、前回の全自動図書館の自動レファレンス機みたいに、取りに行かなくてもガコンと出てくるともっと楽なんじゃないかと…

 で、一般認識的なOPACの基本的な機能は、『入力する→所蔵データを検索→表示・出力する』に尽きます。
 なので、今のOPACでの使い勝手から、ちょっと考えてみます。

 まず、入力。
 うちの図書館では館内はタッチパネル式とキーボード式の2種類あります。キーボードー式も画面構成的にはタッチパネル式と同じなので、マウス一つでも同じように検索できます。
 が、タッチパネル式のでも、『機械物=操作が難しい』と思われている利用者も多く、カウンターのそばに検索端末があるので、普通に聞かれることが多いです。

 じゃあ、人型アンドロイドが理想のOPACか??笑

 冗談はさておき、うちの場合、タッチパネルで漢字変換もできますが、ひらがなだけでも、もちろんOKなので、ボタンを押して検索ボタンを押すという入力くらいはやってもらいたいものですが、そもそも「そこから嫌!」な人にとっては音声認識の入力でしょうかねぇ…

 他にもペンタブレット式の入力装置もあってもいいんじゃないかと。ペンで書き、消しゴムで消すみたいな方がアナログチックで良いかも。
 まぁ、どちらも認識率の精度が絶対でないので、まだ難しいところではあるんですけどね。(まずは精度をできるだけ高めるのが理想。)

 入力項目は、デフォルトで1項目のフリーワードは今のままで良いかと思います。検索に詳しい人だと、AND/OR/NOT検索もしたいところですね。初期画面で簡易検索(フリーワード・Google型・実はAND/OR/NOTなどがOK)・詳細検索(よく見るタイトル・著者名・出版者…とかの項目入力型)・マニアック検索(普段検索されないような大きさや出版年オンリーとか、CDなら総時間とか・本ならページ数とか、重さとか…書いてはみたもののまだ想像できません。笑)くらいに分かれていると理想かも?たぶん、私はマニアック検索のボタンを押しちゃうなぁ…つい気になるから。笑

 検索できる項目的には、実際には書誌データがどうしても最大限になるので、「青い表紙でクマが描いてある絵本」とかはやはり難しいか…表示・出力の方で述べますが、表紙画像があればあとからであればそういうのはわかりますね。でも先に検索したいし…
 今通常のMARCにはない表紙データ(こんな表紙だというのがわかるデータ&その写真データ)とかを入れておく必要がありますね。

 ここで、ちょっと話を逸らして、一番の問題は、その資料にどれだけのデータを詰め込めるかが、OPACを語る上で問題なんじゃないかと。
 例えば、第△回の○年の課題図書をOPACで調べようとしたときに、件名やキーワードで追加データを入力している図書館は、すぐに検索できますが、していなければ、インターネットで調べて、タイトルを同定してから、所蔵を検索になるでしょうし。そんな感じ。
 もちろんデータを詰め込みすぎると、『さくら』(西 加奈子/著,小学館,2005.03)を探すため、『さくら』とフリーワード的に検索されると、桜井誰それさんや、なんとかさくらさんの著作や伝記から、桜の木や花についての本、桜の出てくる話の本とか、旅行誌の他にも色々出てきますからねぇ…『あ』(大槻あかね/作,福音館書店,2008.11)をフリーワード検索された日にゃ…笑
 ようはノイズが多くなるってこと。

 話は戻って、入力の続き。
 入力補助として、「もしかして○○?」っていうのも良いかもしれませんが、たまにうざったいこともある(ちゃんと入力してその語で間違いないのに、)ので、これも表示の方へ。
 入力画面的にはシンプルが一番。もちろんヘルプも充実しておかないと。(図書館に相応しくないかもしれないけど、ヘルプって読むの面倒なんだよねぇ、話してくれないかなぁ…ピンポイントで。)

 次に所蔵データの検索については、やはりここは機能による面もありますが、できるだけ瞬時に。
 館内のであれば、所蔵していない資料の書誌データも組み込んでおくと、範囲が広がるかな?でも、所蔵していると誤解されそうであれば、『探す(検索開始)』だけでなく、『所蔵資料から探す』と『全てのデータから探す(所蔵しているのもいないのも全てから)』と(データが新しすぎるものはヒットしないでしょうから)『インターネットからも探す』のボタンがあるといいな。(けど、逆にシンプルさが失われるような…)

 インターネットからも検索はWeb-OPACに実装すれば良いでしょうかね。
 (実はここにおかしな点があって、所蔵のない資料の『全』データが組み込まれている…って有り得ないんですけど。笑)

 で最後に、表示・出力。
 ここが大きく分かれるところかもしれません。
 まずは、シンプルにその検索語でヒットしたもの&表紙画像を表示。貸出中の場合は、予約ボタンもあり、所蔵のないものも含めた検索ではリクエストボタンもある感じ。(ちなみに、手のひら静脈認証でスタートし検索すると、いちいちカード番号やパスワードの入力が不要)

 所蔵のない資料の場合は、リクエストボタンの他に近隣で持っている図書館を表示するボタン(近くにあるのならすぐ借りに行きたいこともあるし)と、近所の書店やネットの書店で購入できるボタンもあるといいかなぁ。(登録時に、購入先や購入方法・クレジット番号なんかを登録するとか…)

 ふと、フレーム分けされた所をみると、「もし調べたい語が○○なら△件、××なら☆件あります」と、間違った語の入力や関連項目で検索された結果も表示されている。(ワンクリックor選択でそれが表示される) 

 詳細情報を開くと、よく見る書誌情報の他に、この著者の著書の一覧も別フレームにあるので、読みたいものをチョイスできる。(同様に、件名の関連語でのヒット件数もある)

 館内OPACはあまり占拠してもらいたくないから、そこから関連語を芋づる式にっていうのは嫌かなぁ…

 他に、画面の字が小さいって言われることがあるから、ルーペ機能(文字拡大機能だと全部がでかくなるからJavascriptのルーペみたいな…)とかもあればいいし、音声ブラウザ付きのOPACでもあって欲しいし…

 ということで、まぁ、一般的なOPACの認識で、今の先進事例にプラスαするだけの機能なら、理想というよりは近い目標的な、「こんなのがいいなぁ」程度。なので、最初に書きましたが、今のOPACの不満をコミで書いてみました。

 OPACの機能どうこうよりは、どんな情報が検索できるようになっているか、図書館にどんな情報を残しているか(例えば、書評情報や雑誌の目次情報や図書のパスファインダー情報、CDやDVDの些細な情報から、貸し出し履歴や利用者の趣味・関心情報なども含め)で、どこまでを理想とするかになるんじゃないかな?

 でも…、結局、OPAC…蔵書検索するだけなら、技術的に精度の問題はあれど、大抵の理想実現は難しくないんですよね。
 大学のILLと似た機能を持たせて利用者が利用できると、相互貸借や複写依頼まで可能になりますし。
 理想を突き詰めていくと、書誌データをもっと膨大にすると…というか、書誌データ以上の、つまりカタログを背後にインターネットを越えたデータがあると、所蔵資料だけでなく、レファレンス機としても可能になるんですよね。(例えば、子供の頃読んだ断片的な記憶を入力するとOPACで検索できるとか…)

 なので、私の理想的なOPACは、前回書いたコミュニケーション機能を搭載した人工知能による自動レファレンス機に尽きます。

 あとは、今のOPACが真面目過ぎるので、ふざけた機能…例えば前回の全自動図書館で書いた「心理テスト」や「生年月日占い」からあなたに「ピッタリの本は○○」とか、まぁ、利用促進も兼ねてさ。

 他に、利用者の立場でなく、職員の立場的なOPACもあるといいですねぇ。これも書いたと思おうけど、本を入れれば、書誌情報や分類はもちろん索引付与やキーワードやあらすじ作成する機能付きOPACとか…笑

 あっ、もしかして、受講生だけでなく、私たちにも波及させるための戦略的課題だったら、思いっきり乗ってしまったよ…やられたよ…笑

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全自動図書館

 はてなブックマークでも同じ風に思った人がいて安心したのですが、1月8日の毎日新聞地方版の記事『三鷹市立図書館:全5館、全サービスを自動化 きょうリニューアルオープン /東京』(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090108ddlk13040322000c.html)では、三鷹市立図書館が貸出・返却・予約・資料検索の全てを自動化したとの内容だったのですが、『サービスのすべてを自動化した図書館』ということで、この新聞によると図書館のサービスはそれらだけのようです。笑

 まぁ、一般認識的にもこれに近いものがあるでしょうが、この記事を書いた人がそんな認識なのか、三鷹市の記事提供者(図書館長ってことはないでしょうが)が「全ての図書館サービスを自動化した」と言ったのか…

 ただ、実際に三鷹市立図書館に行ったことがないのですが、自動貸出機は最近見るところも多いですけど、自動返却機はさいたま市さんでも見ました。さいたま市さんの場合は、返却された資料をある程度仕分けしてくれるのですが、三鷹市さんの場合は配架までされるんでしょうか??たぶん同じような感じだと思うんですけどね…

予約と資料検索の自動化って、館内のOPACを使っての予約や検索はよく聞きます(うちでもそれならできる)が、自動化…どこまでできるんだろう?
普通ならば、OPACでタイトルやキーワードで検索(手動)→所蔵資料が貸出中なら予約ボタン(手動)→利用者番号とパスワードを入力またはカード差込で予約完了(手動)なんですけど…
検索して貸出中の資料を手当たり次第に予約をかけられてもなぁ…そもそも資料検索も自動化しているんでしょ?
利用者がタイトルを頭に描いただけで検索して予約が完了とか?笑

 と、導入でふざけたことを書きましたが、以前のブログで無人図書館について書いた(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/08/post_9a6b.html)ときに自動販売機や無人コンビニ風なことを述べたましたけど、あそこまでやると今の時代なら自動と呼んでもいいですよね。
 『自動』がどこまでかの定義が難しい気がします。『自動車』は(将来的にはできるでしょうが)目的地を告げれば勝手に走ってくれるものではなく、人の操作を受け付けて、機械の力で走る車ですし、『自動販売機』はお客を見つけて自分から売りに行くものではなく、お客が来てお金を払い、商品を選んだら出てくるものですし、『全自動洗濯機』も部屋に脱ぎ捨てている服を回収して洗濯し干して畳んでしまってくれるものではないですからねぇ…

 図書館だと、どこまで自動化が可能でしょうか?

 貸出は自動貸出機という名称があるように、ICタグによって貸出が可能です。利用券を手のひら静脈認証にすると利用券を取り出す一手間が削減されますね。
 返却は返却処理だけならICタグで簡単に自動化できていますよね。問題は返却された資料の配架。無人図書館の例などにあるように、ある一定範囲の場所にその本を並べるのはきっと可能でしょうが、棚の貸出された資料の部分は詰めて、返却されたらその間に入れるといった現在の運用風なのは、もちろんそういう仕組みを作ればできないことはないのでしょうが、今のところ仕分け程度なのかなぁ。前回書いたように自動返却機の仕分け条件を細かくして、床下もしくは天井ベルトコンベアで入れるべき書架に移動させるのは今でも可能でしょう。それか、貸出されたらその部分はその幅で空きスペースにするか(返却時にそこに入ればいい)…でもそうすると書誌情報に厚さの項目作らないとね。

 配架に関連して、利用者が適当に取り出して読んで別のところに置いた場合はどうしよう…まぁ、棚アンテナで誤配架くらいの情報はできるでしょうが、それを取り出して、元の場所へ…並のコンピュータならパンクしそう…常時正しい場所にあるかチェックしないといけないですからねぇ…

 そうすると利用者に現物を触れさせないでブラウジングさせる方法を考えなくてはいけませんね…ブラウジングさせないってわけにはいけないですし。
 その対策として一つは、バーチャル書架みたいな(拙ブログ『ターゲットはどこに』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/11/post-e283.html)参照)感じで、画面の中の本の背をクリックまたは触ると内容の概略表示をするという方法。でも、これだと、「この章にあるだろう図が自分が必要としているものかどうか」は実際に請求しないといけないでしょうし…それなら、拡大読書機のように実際に書架にある資料(貸出していない資料)をマニピュレーターを操作して見るという方法もできなくはない…(著作権法的にも同一構内(つまり館内)での送信だから公衆送信権は引っかからないだろうし…(著作権法第2条7の2))。

 もちろん複製物で電子ファイルにできるのならそれでもいいんですが、著作権法が大幅に改正されないといけないですから望みなしですから、このくらいかなぁ…そう考えると実際に手に取れる方がいいですね。
 そうすると、違う場所に置くとピーピーなるとか…そこらじゅうからピーピー鳴っていそう…笑
 そうなると、無人図書館で書いたように自販機みたいにケースに1冊ずつ入っていて指定したものを取り出し、借りなければ回収装置に入れる感じが妥当かな。

 まぁ、ここまでは考えたことの再確認ですから、その他のサービス。

 まず、レファレンスサービス。
 私の無人図書館での考えでは、テレビ電話型のレファレンスなので、まだ自動ではありません。

 そこで自動レファレンス機!

 機械操作が苦手な方でも自動レファレンス機の前で音声入力なら可能でしょう。
 OPACや読書案内もこいつに任せちゃいましょう。
 一番難しい技術面は放っておくので、実際は不可能なんですが…

 資料検索の場合は、処理が早ければ、自販機のようにガタンと出てくればいいですね。タイトルや著者名からリストを提示していく方式であれば、今の技術でも可能かな?音声認識や文節変換が難しいですし、『切羽へ』(井上荒野/著,新潮社,2008.05)(きりはへ)を「せっぱへ」と言われた場合など検索が難しいですけど。あいまい検索か…

 読書案内の場合は、貸出履歴などのデータがあると利用者の傾向がわかり、オススメはよりしやすいのですが、新規の利用者とかいつもの利用と違うジャンルなどの場合は、心理テストや生年月日や血液型で「こういう本があります」でもいいかなぁ?まぁ、私自身も実際に案内して「この本良かったよ~」と言われる時と「僕的にはもう少しこういう方が…」と言われる時がありますから、多少ブレがあっても面白いかもしれませんね。

 事項調査の場合は、一番難しいんでしょうが、レファレンスインタービューのような質問を繰り返し、フローチャートで絞り込む方法で質問を確定し、索引のない資料にも索引をデータベース的に付与することで、所蔵資料の情報を把握し、同時にパスファインダーやレファレンス協同データベースの検索のように、類似したものがないか照合していく作業を経て、提供資料を決定する方法ですかねぇ…

 要は、一つの資料からどれだけ情報を整理・データベース化して置いておけるかによるのでしょうが、機械ですから、レファレンスカウンターで利用者が鼻歌や歌い出しても、その音程からそれに近いCDのパターンからヒットする(あまりにも下手だったら難しいか…笑)のも可能ですし。

 自動レファレンス機でうまく調べられないものに関しては、フィードバックしてデータを色々と追加すればいいでしょうね。

 次に、複写サービス。
 資料を複写機の横の入り口に入れて、ページ指定で複写。ICタグにより総ページ数や目次情報などの資料情報と付け合せ(短篇集などもあるので)をして、ページ数が半分を超えない形で。

 加えて、住宅地図は見開きの半分までなので、プレビュー画面上で半分未満になるように利用者が選択して、その部分だけが印刷される方法で(四角や多角形の範囲指定でなくても渦巻き型だろうと飛び地であろうと見開きの半分までの指定が可能。)。

 雑誌の最新号なんかは複写不可もいいけど、目次情報などからその記事の半分までは可能にできるし…。

 問題は新聞なんでしょうが、タグを付ければまぁ成り立つけど、費用がねぇ…そうすると、新聞は自動ブラウジングの応用で、可能かな。

 他にも、予約資料宅配サービスも今の工場からの製品発送みたいに予約本を箱詰めして発送手配みたいにできるでしょうし…
 障害者サービスは上記ブラウジングにズーム機能があれば拡大読書機ですし、OCRみたいなのと組み合わせると朗読だって…(今なら認識に問題ありですけど)

 普通の利用者サービスはこんな感じでなんとか…

 で、全自動ですから、職員の業務も自動化したいなぁ…
 選書は以前も書いたような気がしますが、ベテラン司書の選書方法をフローチャート化したもので代用(実際には一般流通していない資料とかも選び出せると、なお可なんですけどね…)。

 新刊の受入れやおはなし会も上記の各種方法でなんとかなりそう。

 書架整理や蔵書点検なども最初の設定がICタグと精度の高い棚アンテナがあって逐一資料の場所を把握できる図書館ですから問題ないですし。

 資料の保守が自動化には向かないような…ページ取れの保守程度ならなんとかなりそうですが、汚破損のチェックとかは難しいか。

 相互貸借資料の貸出依頼や受入もシステムからメール等で依頼し、届いた箱から奥付等でタイトルを確認して、借受処理を施して貸出はできそうですし…

 他にもたくさんあるけど、技術的なことを除くと出来なさそうなのはないかなぁ…

 寄贈受入と装備も自動化できるかなぁ?書誌情報があるものなら良いけど、書誌情報を作るとなると…OCR的手法でなんとかなるか。でも分類とか内容把握が難しいなぁ…

 ペーパーレス時代に突入と言われつつも、電子ペーパーという技術が出てきても、電子雑誌などもありながらも、まだまだ紙ベースの本が出ている現代、50年程度先ならまだ出版物として本はあるでしょう。でも、このくらい自動化する図書館も出てきても良いかなぁと。

 そりゃあ、全ての書籍が電子データになっているんだったら、配架や汚破損の対策を考えないでも良いので、全自動な図書館は簡単でしょうけどね。

 その頃も司書って…『図書館のシステムを保守するSEみたいな人』になっているでしょうか。レファレンスのフローチャートなどもフィードバックして組み替えないと、使えない司書と同じですし。

 今の技術を駆使して、これに近いことをする図書館を建築するとすると…いくらくらいでできるかなぁ…
 全図書の索引付加とかのデータベース化に莫大な人件費とかかかりそうですけどね。
 そんな現実逃避をする今日この頃です。笑

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日本の図書館に未来は?

 このブログをご覧の皆様、去年7月末から始めた私の拙いブログをご覧頂きましてありがとうございます。普段、ちょっとずつメモ的に書きためて少しずつアップするのですが、どうも書こうとしていた内容が時期的に追いつかないなど色々と収拾が付かなくなったので、一度ポイして、今年最初の更新として、こんなことを考えてみました。

 未来がないと言ったら元も子もないでしょうし、あるんでしょうね。たぶん。笑

 もちろん、こんな私でも(こんな私だからこそ?)「あ~この人すごいな」「この人の下なら是非働きたいな」と思える図書館司書・図書館員は(直接会ったことはなくても、ネット上で拝見する分には)何人かいますし、「ここの図書館すごい」って思う図書館もちらほらありますから、私のいる図書館及び私自身もそれを目指して頑張りたいなぁと。(制約は色々ありますが。笑)

 ただ、願わくは、今年はもう少しちゃんと図書館の本業に集中させてもらいたいなぁと。まぁ、人数が少ないから仕方ないんでしょうけどね。(願いは叶わないことが確定していますけどね、今年は合併問題が業務に入ってくることですし。)

 さて、格差社会が叫ばれ続けていますが、図書館だってやっぱり格差だらけで、十把一絡げにはできない事情が多々あります。
 考えられるのが、予算上の格差、職員数や雇用形態などの人員上の格差、図書館職員の意識の格差、首脳部の意識の格差、地域住民の意識の格差なんかがあるでしょう。

 まず、予算は各自治体でまかなわれているので、まずは自治体の財政状況が大きく関わってきます。だけど、同じような人口規模で同じような自治体の財政状況であっても、図書館の予算は違うことが多いです。そうすると、この違いは図書館職員(館長含む)の予算折衝能力だったり、予算を決める首脳部の図書館に対する意識だったりするんでしょうね。(一般住民や図書館協議会員や議会の要求で予算が増えるという直接的効果はない気がしますし。)

 そう考えると、予算折衝能力が高い人がいても、最終的に予算に組み込まれなければならないので、まずは首脳部の図書館に対する意識を変えてもらわないと…ですね。
 その辺の調査って日図協などでやったことあるんでしょうか。私としてはこんなアンケートしたいなぁ…『課長・部長クラス以上の図書館利用の割合(年にどのくらいとか、何人中何人とか)』『どのように図書館を利用しているか(利用していないのはなぜか)』『あなたの自治体でどのような図書館にしたいか(予算、人事面、施策面など具体的に)』…などなど。でも、結局は、首長などが直接回答する前に回答原案を図書館職員に模範回答作らせるところも多いんだろうなぁ…うちの首長も司書が何をするのかよくわかっていなさそうだったし。

 次に職員数などは、おそらく多くの図書館で「もう1人2人いれば、こういう企画や事業ができるのに…」とか思うこともあるんでしょうが、与えられた人数で『それなりに』卒なくやっていけてしまうような感覚に陥っているような気がします。特に図書館業務に熱心な人ほど、自分の時間などを削ってやっていることも多いかと思うのですが…可能であればその熱心な人の企画などがその本人も含め誰かの犠牲なしに実現すると良いのですけどね。

 貸出は今や自動貸出機がありますし、その操作説明に1人いれば良いでしょう、返却資料の配架は今のところ機械より人の方が早そうですし、図書館によっては友の会やボランティアなどにお願いできるところもあって、それはそれで羨ましいなぁと。

 実際は自動貸出機を導入するなら人員削減だとか、配架ボランティアがあるから人員削減だとか言われるのがオチで、それならば減らされないようにした方がまだやれそうな気がしますし。そもそも新しい機器の導入にはそれなりに費用がやはりかかりますし、ボランティア頼みというのもボランティアですから強制もできませんしねぇ…

 内部でもそうなのですから、外部から見ると実際、「インターネット全盛の時代に図書館なんて」と言われたことがあります。
 その理由が、お金があるのであれば、必要な資料を売っていれば書店で購入し、絶版であれば古書店で購入し、CDもDVDも購入かレンタルという方法があるとのことですが、この論法は無理があって、「お金がない場合」や「古書店にも売っていない場合」が含まれていませんよね。(そもそもブックオフ以外の古書店がない所だってたくさんありますし。)

 それに対して「図書館は無料だし」と言っても、逆に欲しい資料がその近くの図書館にあるとは限らないし、なければ他の図書館から借りたりするのを1週間以上待たなければならないことも多々あります。挙句に「用意(提供)できません」と言われた日にゃ…笑
 まぁ、購入やレンタルするにしても、図書館で調べたり借りたりするにしても、時間がかかることがよくあります。
 もちろん、逆に、行った書店や図書館などに、必要なものがある可能性も否定できませんけど。

 そう考えると、家でも検索できるインターネットってやはり便利です。なので、インターネット上では、出版されたものを読むことは難しいので、購入できなければ、図書館は利用されるでしょうが、無駄足にさせないためにも、少なくても図書館は自分の館でできること(所蔵情報を始めとして)を情報発信する必要があるでしょう。 

 図書館の両輪的になっているものとしては貸出とレファレンスがありますが、2000年前後から始まった『OK Web』や『教えて!goo』、2004年からの『Yahoo!知恵袋ベータ版』などのインターネット上の質問コーナーとレファレンスの差を考えると、回答の典拠のあるなしとか、未来予測の質問や時事的なまだ新聞やニュース以外の印刷媒体になっていないようなものの質問など、通常図書館では扱わないようなものまで色々あるので一概には言えませんが、例えば『レファレンス協同データベース』みたいな感じな質問がインターネットでリアルタイムに書き込めて、それをどこかの図書館が同様に典拠や経過を記述して回答とするのであれば、精度や有益性の高いインターネットによるレファレンスに他なりません。

 前置きはこのくらいで、本題。
 「図書館はサービス業だから」とよく言われますが、大手スーパーのチェーンなどとは違い、どこでも同じサービスを受けられるというのは難しいものです。
 どこで見たのか忘失したので、あいまいな表現ですが、「お客の要望を全て叶えるというのがサービスというわけではない(ある程度叶えられた以上はわがままでしかない)」みたいな表現を読んだ時、「なるほどなぁ」と思いました。

 例えば、大都市の中央図書館では、その日に調べ終わるレファレンスなのに、どこかの小さな村立図書館では、回答を得るまでに1週間以上かかるとか、終いには「これ以上の回答はうちの館では…」と不完全燃焼だったりします。確かに、都道府県立図書館とも連携は取られると思いますが、その大都市中央館に他県の村立図書館のレファレンスが届くことはまずありませんし。

 そう考えると、まず、自治体の財政レベルで資料の充実度が決まるし、その職員のモチベーションや経験などでレファレンスの回答精度も決まります。
 図書館は自治体の財政状況や意識の問題であることは先に述べたとおりですが、財政が苦しいのに「レファレンス資料の充実」や「開館日・開館時間の延長」や「ビジネス支援の実施」etc.なんて、どこでもできるわけではないと思いますから、いっそ「そんなのやりません!」の方が落ち着くかもしれません。
 「『身の丈にあった』図書館運営をします」ならば、逆に「うちの図書館ではレファレンス資料が充実していないので、一切レファレンスはしません」でも良いのですけどね。(そうはいかない…) 

 しかしながら、『図書館』ということを考えると、やはり、その図書館が大きかろうが小さかろうが、利用者の資料要求は相変わらず十人十色ですし、田舎だからレファレンスの回答はなんとなくで良いというわけにはなりません。
 では、どこまで利用者の要望を汲み取れるかと考え、その代替案を考える必要があるのではいかなぁと。(まぁ、そんなのは当たり前で、みんな苦心しているんですけど。)

 例えば滋賀県立図書館だと、ニュースにもなりましたが、資料費確保のために、休館日を逆に増やしたということがありましたね。
 確かに休館日であれば、光熱費も抑えられますし、人件費だって…(例えばうちの館は複合館だから電気代に月80万だし。)
 この場合は資料費のための休館日増加でしたが、同じように『週に4日、金・土・日・月のみ開館だが朝8時から夜10時まで』という図書館があってもいいし、『開館時間は日の出から日の入りだけど、○時までに予約をかければ24時間貸出ロッカーを使って24時間いつでも借りられる』とか、『昼から開館の日が週に○日』とか、『電気代を考えて、館内に5人以下になった時点で閉館』とか、開館日や開館時間は、何も長く開ければいいわけでないでしょうから、そんな工夫もできるでしょうし、以前このブログでも書いたテレビ電話レファレンスのように、県立のレファレンス担当が、テレビ電話を使ってレファレンスに回答(資料が必要であれば相互貸借で近隣図書館で受け取れる感じで)するようにすれば、レファレンス資料が不足しがちな小規模図書館でも県立レベルのレファレンスをすぐ受けられるし…
 でも、地方公務員的思考のためか、なかなか実現に至っていないようです。

 図書館での技術的には、以前のカード式よりも資料検索がずっとやりやすくなっていますし、お金をかける気になれば、ICタグを充分に利用した棚アンテナ(誤配架とか、貸出でなくても、手に取った回数もカウントできるようですし)を導入したり、うまくすれば、床下にベルトコンベアみたいなものを配置して、返却本をその配架する書架まで自動に分類してくれるというのもできると思います。(最終的には棚への自動配架もいつかは…)
 そんな感じで、ITで喰われたものもあるでしょうが、得るものも大きい感じがします。

 将来的には、貸出も自動、返却・配架も自動、挙句にAI司書による正確なレファレンスに、相互貸借も電子ブック的なデータによる転送(貸出とその館から一時的にそのデータが扱えなくなる仕様)とか…

 さてさて、図書館は最後にはやっぱり人だと思います。 
 今は、SNSやらブログや掲示板など、遠く離れていてもコミュニケーションをとる手段はたくさんあり、私も議論に混ぜてもらったりするのですが、「じゃあ、隣の図書館の○○さんとは語り合ったことがあるか」というとないです。(私だけ?)
 私自身が社交的ではないのも関係するのかなぁ…本音ではもっと色々な人の話を聞きたいのですが。
 全国図書館大会や図書館総合展なんかも行けるのなら行きたいですが、地方だと難しいものがありまして。(それでも参加者名簿を見ると北は北海道から南は沖縄まで参加している人はしているので、できるんだと思いますが、仕事の都合をどうやってつけているのかちょっと不思議です。)

 最初に述べたように、一人一人ではとても素晴らしい人がたくさんいるのですが、よく考えてみると、なかなかその人達の意志を継げる環境にある人っていないんですよね。やはり、そういう人達の下で働いてみるとかしないと、なかなか論文や講演会などでは実感がわきません。
 もし、そういう方々が一堂…いや一館に集まって建設から携わったらどんな図書館ができるでしょうか…
 どこか、そういう方々を全てヘッドハンティングしてみてくれないかなぁ…(もちろん、その方々だって今いる図書館に愛着はあるでしょうが、日本の図書館の最高水準の図書館を作って啓蒙するということに関心が高い人も多いと思うんですが…)
 
 で、最後に、昨年の暮れ、図書館振興財団(http://www.toshokanshinko.or.jp/)が設立されたのですが、その動きによっては、これからの図書館界も変わっていくことでしょう。
 私自身は、図書館は今みたいに各自治体任せではなく、1つの組織であってほしいと思っています(そうするとシステムなんかはうんと安くできると思うし、そのお金で資料購入もそうでしょうが、相互貸借の物流なども充実すると思いますし、人的交流も盛んになると思うんですけどね。)から、全ての図書館を財団立なんかにしていただけると(各図書館の運営費は各自治体から予算額に応じて徴収ということになると運営しやすいかも?)画期的かなぁ…まぁ、一司書の戯言ですけど。笑

 遅ればせながら、相変わらずまとまりがないのですが、今年もちょびちょび書いていきますので、よろしくお願いします。 

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