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日本の図書館に未来は?

 このブログをご覧の皆様、去年7月末から始めた私の拙いブログをご覧頂きましてありがとうございます。普段、ちょっとずつメモ的に書きためて少しずつアップするのですが、どうも書こうとしていた内容が時期的に追いつかないなど色々と収拾が付かなくなったので、一度ポイして、今年最初の更新として、こんなことを考えてみました。

 未来がないと言ったら元も子もないでしょうし、あるんでしょうね。たぶん。笑

 もちろん、こんな私でも(こんな私だからこそ?)「あ~この人すごいな」「この人の下なら是非働きたいな」と思える図書館司書・図書館員は(直接会ったことはなくても、ネット上で拝見する分には)何人かいますし、「ここの図書館すごい」って思う図書館もちらほらありますから、私のいる図書館及び私自身もそれを目指して頑張りたいなぁと。(制約は色々ありますが。笑)

 ただ、願わくは、今年はもう少しちゃんと図書館の本業に集中させてもらいたいなぁと。まぁ、人数が少ないから仕方ないんでしょうけどね。(願いは叶わないことが確定していますけどね、今年は合併問題が業務に入ってくることですし。)

 さて、格差社会が叫ばれ続けていますが、図書館だってやっぱり格差だらけで、十把一絡げにはできない事情が多々あります。
 考えられるのが、予算上の格差、職員数や雇用形態などの人員上の格差、図書館職員の意識の格差、首脳部の意識の格差、地域住民の意識の格差なんかがあるでしょう。

 まず、予算は各自治体でまかなわれているので、まずは自治体の財政状況が大きく関わってきます。だけど、同じような人口規模で同じような自治体の財政状況であっても、図書館の予算は違うことが多いです。そうすると、この違いは図書館職員(館長含む)の予算折衝能力だったり、予算を決める首脳部の図書館に対する意識だったりするんでしょうね。(一般住民や図書館協議会員や議会の要求で予算が増えるという直接的効果はない気がしますし。)

 そう考えると、予算折衝能力が高い人がいても、最終的に予算に組み込まれなければならないので、まずは首脳部の図書館に対する意識を変えてもらわないと…ですね。
 その辺の調査って日図協などでやったことあるんでしょうか。私としてはこんなアンケートしたいなぁ…『課長・部長クラス以上の図書館利用の割合(年にどのくらいとか、何人中何人とか)』『どのように図書館を利用しているか(利用していないのはなぜか)』『あなたの自治体でどのような図書館にしたいか(予算、人事面、施策面など具体的に)』…などなど。でも、結局は、首長などが直接回答する前に回答原案を図書館職員に模範回答作らせるところも多いんだろうなぁ…うちの首長も司書が何をするのかよくわかっていなさそうだったし。

 次に職員数などは、おそらく多くの図書館で「もう1人2人いれば、こういう企画や事業ができるのに…」とか思うこともあるんでしょうが、与えられた人数で『それなりに』卒なくやっていけてしまうような感覚に陥っているような気がします。特に図書館業務に熱心な人ほど、自分の時間などを削ってやっていることも多いかと思うのですが…可能であればその熱心な人の企画などがその本人も含め誰かの犠牲なしに実現すると良いのですけどね。

 貸出は今や自動貸出機がありますし、その操作説明に1人いれば良いでしょう、返却資料の配架は今のところ機械より人の方が早そうですし、図書館によっては友の会やボランティアなどにお願いできるところもあって、それはそれで羨ましいなぁと。

 実際は自動貸出機を導入するなら人員削減だとか、配架ボランティアがあるから人員削減だとか言われるのがオチで、それならば減らされないようにした方がまだやれそうな気がしますし。そもそも新しい機器の導入にはそれなりに費用がやはりかかりますし、ボランティア頼みというのもボランティアですから強制もできませんしねぇ…

 内部でもそうなのですから、外部から見ると実際、「インターネット全盛の時代に図書館なんて」と言われたことがあります。
 その理由が、お金があるのであれば、必要な資料を売っていれば書店で購入し、絶版であれば古書店で購入し、CDもDVDも購入かレンタルという方法があるとのことですが、この論法は無理があって、「お金がない場合」や「古書店にも売っていない場合」が含まれていませんよね。(そもそもブックオフ以外の古書店がない所だってたくさんありますし。)

 それに対して「図書館は無料だし」と言っても、逆に欲しい資料がその近くの図書館にあるとは限らないし、なければ他の図書館から借りたりするのを1週間以上待たなければならないことも多々あります。挙句に「用意(提供)できません」と言われた日にゃ…笑
 まぁ、購入やレンタルするにしても、図書館で調べたり借りたりするにしても、時間がかかることがよくあります。
 もちろん、逆に、行った書店や図書館などに、必要なものがある可能性も否定できませんけど。

 そう考えると、家でも検索できるインターネットってやはり便利です。なので、インターネット上では、出版されたものを読むことは難しいので、購入できなければ、図書館は利用されるでしょうが、無駄足にさせないためにも、少なくても図書館は自分の館でできること(所蔵情報を始めとして)を情報発信する必要があるでしょう。 

 図書館の両輪的になっているものとしては貸出とレファレンスがありますが、2000年前後から始まった『OK Web』や『教えて!goo』、2004年からの『Yahoo!知恵袋ベータ版』などのインターネット上の質問コーナーとレファレンスの差を考えると、回答の典拠のあるなしとか、未来予測の質問や時事的なまだ新聞やニュース以外の印刷媒体になっていないようなものの質問など、通常図書館では扱わないようなものまで色々あるので一概には言えませんが、例えば『レファレンス協同データベース』みたいな感じな質問がインターネットでリアルタイムに書き込めて、それをどこかの図書館が同様に典拠や経過を記述して回答とするのであれば、精度や有益性の高いインターネットによるレファレンスに他なりません。

 前置きはこのくらいで、本題。
 「図書館はサービス業だから」とよく言われますが、大手スーパーのチェーンなどとは違い、どこでも同じサービスを受けられるというのは難しいものです。
 どこで見たのか忘失したので、あいまいな表現ですが、「お客の要望を全て叶えるというのがサービスというわけではない(ある程度叶えられた以上はわがままでしかない)」みたいな表現を読んだ時、「なるほどなぁ」と思いました。

 例えば、大都市の中央図書館では、その日に調べ終わるレファレンスなのに、どこかの小さな村立図書館では、回答を得るまでに1週間以上かかるとか、終いには「これ以上の回答はうちの館では…」と不完全燃焼だったりします。確かに、都道府県立図書館とも連携は取られると思いますが、その大都市中央館に他県の村立図書館のレファレンスが届くことはまずありませんし。

 そう考えると、まず、自治体の財政レベルで資料の充実度が決まるし、その職員のモチベーションや経験などでレファレンスの回答精度も決まります。
 図書館は自治体の財政状況や意識の問題であることは先に述べたとおりですが、財政が苦しいのに「レファレンス資料の充実」や「開館日・開館時間の延長」や「ビジネス支援の実施」etc.なんて、どこでもできるわけではないと思いますから、いっそ「そんなのやりません!」の方が落ち着くかもしれません。
 「『身の丈にあった』図書館運営をします」ならば、逆に「うちの図書館ではレファレンス資料が充実していないので、一切レファレンスはしません」でも良いのですけどね。(そうはいかない…) 

 しかしながら、『図書館』ということを考えると、やはり、その図書館が大きかろうが小さかろうが、利用者の資料要求は相変わらず十人十色ですし、田舎だからレファレンスの回答はなんとなくで良いというわけにはなりません。
 では、どこまで利用者の要望を汲み取れるかと考え、その代替案を考える必要があるのではいかなぁと。(まぁ、そんなのは当たり前で、みんな苦心しているんですけど。)

 例えば滋賀県立図書館だと、ニュースにもなりましたが、資料費確保のために、休館日を逆に増やしたということがありましたね。
 確かに休館日であれば、光熱費も抑えられますし、人件費だって…(例えばうちの館は複合館だから電気代に月80万だし。)
 この場合は資料費のための休館日増加でしたが、同じように『週に4日、金・土・日・月のみ開館だが朝8時から夜10時まで』という図書館があってもいいし、『開館時間は日の出から日の入りだけど、○時までに予約をかければ24時間貸出ロッカーを使って24時間いつでも借りられる』とか、『昼から開館の日が週に○日』とか、『電気代を考えて、館内に5人以下になった時点で閉館』とか、開館日や開館時間は、何も長く開ければいいわけでないでしょうから、そんな工夫もできるでしょうし、以前このブログでも書いたテレビ電話レファレンスのように、県立のレファレンス担当が、テレビ電話を使ってレファレンスに回答(資料が必要であれば相互貸借で近隣図書館で受け取れる感じで)するようにすれば、レファレンス資料が不足しがちな小規模図書館でも県立レベルのレファレンスをすぐ受けられるし…
 でも、地方公務員的思考のためか、なかなか実現に至っていないようです。

 図書館での技術的には、以前のカード式よりも資料検索がずっとやりやすくなっていますし、お金をかける気になれば、ICタグを充分に利用した棚アンテナ(誤配架とか、貸出でなくても、手に取った回数もカウントできるようですし)を導入したり、うまくすれば、床下にベルトコンベアみたいなものを配置して、返却本をその配架する書架まで自動に分類してくれるというのもできると思います。(最終的には棚への自動配架もいつかは…)
 そんな感じで、ITで喰われたものもあるでしょうが、得るものも大きい感じがします。

 将来的には、貸出も自動、返却・配架も自動、挙句にAI司書による正確なレファレンスに、相互貸借も電子ブック的なデータによる転送(貸出とその館から一時的にそのデータが扱えなくなる仕様)とか…

 さてさて、図書館は最後にはやっぱり人だと思います。 
 今は、SNSやらブログや掲示板など、遠く離れていてもコミュニケーションをとる手段はたくさんあり、私も議論に混ぜてもらったりするのですが、「じゃあ、隣の図書館の○○さんとは語り合ったことがあるか」というとないです。(私だけ?)
 私自身が社交的ではないのも関係するのかなぁ…本音ではもっと色々な人の話を聞きたいのですが。
 全国図書館大会や図書館総合展なんかも行けるのなら行きたいですが、地方だと難しいものがありまして。(それでも参加者名簿を見ると北は北海道から南は沖縄まで参加している人はしているので、できるんだと思いますが、仕事の都合をどうやってつけているのかちょっと不思議です。)

 最初に述べたように、一人一人ではとても素晴らしい人がたくさんいるのですが、よく考えてみると、なかなかその人達の意志を継げる環境にある人っていないんですよね。やはり、そういう人達の下で働いてみるとかしないと、なかなか論文や講演会などでは実感がわきません。
 もし、そういう方々が一堂…いや一館に集まって建設から携わったらどんな図書館ができるでしょうか…
 どこか、そういう方々を全てヘッドハンティングしてみてくれないかなぁ…(もちろん、その方々だって今いる図書館に愛着はあるでしょうが、日本の図書館の最高水準の図書館を作って啓蒙するということに関心が高い人も多いと思うんですが…)
 
 で、最後に、昨年の暮れ、図書館振興財団(http://www.toshokanshinko.or.jp/)が設立されたのですが、その動きによっては、これからの図書館界も変わっていくことでしょう。
 私自身は、図書館は今みたいに各自治体任せではなく、1つの組織であってほしいと思っています(そうするとシステムなんかはうんと安くできると思うし、そのお金で資料購入もそうでしょうが、相互貸借の物流なども充実すると思いますし、人的交流も盛んになると思うんですけどね。)から、全ての図書館を財団立なんかにしていただけると(各図書館の運営費は各自治体から予算額に応じて徴収ということになると運営しやすいかも?)画期的かなぁ…まぁ、一司書の戯言ですけど。笑

 遅ればせながら、相変わらずまとまりがないのですが、今年もちょびちょび書いていきますので、よろしくお願いします。 

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