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図書館における複写(コピー)の私的まとめ(著作権法31条1について)

 時々アクセスログを見ていると、統計的に『いじわるな複写~著作権法の解釈の間で~』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/09/post-057e.html)が(拙ブログの中では)一番読まれているらしい…
 ということで、私なりの見解をちょっとまとめてみようかと…もちろん、私の解釈が絶対ってわけではありません。(あくまで図書館司書の一人の立場ということで)

まず、著作権法の図書館の複写に関する条項を改めて確認。

著作権法31条
図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
一  図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合
二  図書館資料の保存のため必要がある場合
三  他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合 』

と、わかりきったのを載せることからはじめてみました。
で、解釈や説明を全て文章にすると相変わらずダラダラ書いてしまうので箇条書きにする…ように努力します。笑

<大前提>
 この条文、図書館が主体となって『複製することができる』ですから、図書館は『複写させなければいけない』とはないので、『複写させなくても良い』なんです。利用者に複製権はないんです。
 ついでに、コイン式でセルフっぽく見えますが、司書がチェック(複写申し込み時の可否の決定等)をすることによって、主体の図書館の手足となって利用者がコピー作業をしている解釈となります。
 また、これがあるので、複写できるのは図書館の資料で、図書館の資料以外である私物は複写できなく、1人につき1部なので友人の分はできません。
(ただし、申し合わせにより他館から借受した『図書』のみ同様に複写できます。(他館で借りてきたではないし、雑誌はだめですし、相手館がNoと言っている資料もだめですけどね。))

<複写可能施設>
 この条文で著作物を複製…つまり、コピーをして良いのは『資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの』とありますがこの点は…

著作権法施行令
(図書館資料の複製が認められる図書館等)
第1条の3 法第31条(法第86条第1項及び第102条第1項において準用する場合を含む。)の政令で定める図書館その他の施設は、国立国会図書館及び次に掲げる施設で図書館法(昭和25年法律第118号)第4条第1項の司書又はこれに相当する職員として文部科学省令で定める職員が置かれているものとする。
1.図書館法第2条第1項の図書館
2.学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条の大学又は高等専門学校(次号において「大学等」という。)に設置された図書館及びこれに類する施設
3.大学等における教育に類する教育を行う教育機関で当該教育を行うにつき学校教育法以外の法律に特別の規定があるものに設置された図書館
4.図書、記録その他著作物の原作品又は複製物を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供する業務を主として行う施設で法令の規定によつて設置されたもの
5.学術の研究を目的とする研究所、試験所その他の施設で法令の規定によつて設置されたもののうち、その保存する図書、記録その他の資料を一般公衆の利用に供する業務を行うもの
6.前各号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は一般社団法人若しくは一般財団法人その他の営利を目的としない法人(次条から第3条までにおいて「一般社団法人等」という。)が設置する施設で前2号に掲げる施設と同種のもののうち、文化庁長官が指定するもの

ですから、小中高の学校図書室(館)や企業の図書室、ついでに公民館図書室もできません。
ただし、公民館図書室を条例上、公立図書館の分館とした場合は可能です。

<条文の解釈問題>
発行後相当期間を経過していない定期刊行物について
1.経過していなくても公表された著作物なんだから、一部分は可能
2.わざわざ後に『発行後相当期間を経過した定期刊行物』とあるのだから、一部分も不可能
と2種類考えられているかもしれません。
私は1の解釈で良いと思うのですがねぇ…
「じゃあ、雑誌の最新号の複写不可ってのは?」という質問には「図書館の運営上、最新号を複写させていないってだけ」と答えたいです。

ついでに、『発行後相当期間』は、著作権者の中には「専門誌のバックナンバーなどは普通に買えるのだから次号が出たらという理論はおかしいのじゃないか」とおっしゃる方もおりますが、図書館的には「次号が出るまで」がほとんどです。(ちなみに、地方だとなかなかバックナンバーを置いている書店って少ないです…)

 でも、日刊・週刊・月刊あたりはわかるにしても、1年に1回しか出ないものは…この場合、発行後3ヶ月経つか次号の出るまでってしている図書館が多いでしょうかねぇ…

<複写範囲の問題>(本日のメイン!笑)
 著作権者の中には「一部分というのは半分ってことではない。20%くらいが妥当じゃないか。」と考える方もおられますが、図書館業界的には「半分まで」って解釈が多数派です。
 さて、可能と思われる最大限について個別に考えてみると…

1.図書
原則は目次、前書き、後書きを除いた本文の半分まで。
目次や索引はその全部。(どんなに工夫を凝らした目次や索引でも、どうも大勢は著作物でないよう。)
本文以外の前書き・後書き・解説等はそれぞれ半分まで。

・一冊完結もの…本文の半分まで
・複数冊もの(上下巻、シリーズもの等)…各冊の半分まで
・全集・短編集等…収録されている個々の著作物の半分まで(ただし、同一紙面に複数の著作物がある場合は楽譜、地図、写真集・画集を除き、写り込みを許容する。(申し合わせより))
※この辺は普通に複写取扱い要領みたいなのでも普通にありますよね…
※なので、本来であれば、俳句は17文字の半分までが本当の解釈なのですが、写り込みの申し合わせが出来たので、見た目、一句全部できます。

・本体から分離した付録…その付録を独立した著作物と見なし、その半分まで
・表紙・背表紙・裏表紙…著作権法で保護されている写真・絵画・カットが含まれるものでなければOK?
※よく、図書館便りに表紙を載せたいとかあるのですが、新書などじゃない限り、大抵、絵や写真があるので、本来であれば、イラストレーターや写真家に著作権があるので(著作権の帰属は出版者になっているかもしれませんがどちらにしても)、だめでしょう。
が、著作権法を厳密に解釈するとだめですが、出版者に本の紹介で図書館便りに載せたい旨を伝えると、案外OKをくれることが多いです。もちろん、OKになるだろうと思って勝手にやると、いい気はしないでしょうから、その辺はビジネスマナーって感じですかねぇ…

・辞書類…各項目で著作者表示をされているものは、その項目の半分まで。それ以外の場合は他の項目同様に本文の半分まで。
※各項目著作者表示ってたまにあるんですよね…

2.定期刊行物
・雑誌の最新号…個々の記事の半分まで
※「じゃあ、個々の記事って?」ってのが問題になります。
 厳密に解釈すると、法的には1著作物ですから、記事の中にあるグラフや図・表なんかも1著作物と言えばそうなのでしょうが、記事を構成する要素とも解釈できるので、悩ましいところです。
 まぁ、内容に応じてでしょう、こういう場合。(わかりやすい例は左ページに写真、右に記事の文字があったら、記事部分は半分で、写真は複写不可となるけど、記事内に「表1のグラフによると…」とあって表が1ページを占めてなければ、そのグラフが記事の半分内の複写時に含まれるのであればOKみたいな。)

※料理のレシピ自体は特殊な食材を加えているとしてもレシピそのもの(文字情報的)には著作物性が薄いですから、レシピ部分は大丈夫でしょうが、1つの料理が完成するまでの手順は完成までが1つの記事なんでしょうから、手順は半分までとなるでしょうね。もちろん、厳密に言えば、手順の1写真ごとに著作物性がありますから、一概にYes or Noってわけにはいきません。

※時刻表について…考え方としては、いくつかあって…
1.「誰が作っても何時発・何時着は同じなんだから、全体で1つの著作物」と考え、『時刻表部分全体の半分まで』
2.もし目次を作る場合、「○○線上り」「○○線下り」っなるから『その該当線の上り・下り別でその半分まで』
3.1列車、つまり6時18分発の列車はその終着までを1つの記事なので、『1列車ごとに半分まで』
と考えられます。
 もちろん、マナー良くその出版者に問い合わせると「時刻表部分の半分まで良いですよ」(太っ腹!)とか「(複写予定範囲を伝えたら)そのくらいなら大丈夫です」とか答えてくれるので、やはり原則問い合わせですね。

 私も問い合わせたら、太っ腹な回答『最大時刻表部分全体の半分まで』を得られましたが、全ての時刻表の出版者ではないので、各自問い合わせてみてください。

※テレビガイド系については、これも「1日ごと」「1局ごと」「1番組ごと」とありますが、周囲にあらすじや番組内容紹介がなければ、1日で記事が完結していると思いますが、これも類似出版物が多く、それぞれの出版者があるので、それぞれ問い合わせですね…

※ぴあ系のコンサートや映画の案内については、小さくても1つの記事だと考えられますから、複写するとしたら、その半分でしょう。まぁ、日時・場所・問い合わせ電話番号くらいでしょうから、複写しないでメモ推奨ですが。笑

※もちろん、近所の図書館が「最新号複写不可!」とか言っても、私の論法を持ち出して対抗しようとしないでくださいね。最初の方で書きましたが、『最新号を複写させる・させない』は図書館が決めて良いのですから。

・発行後相当期間を経過した雑誌… 1冊の半分まで
・年鑑・白書・新聞縮刷版…図書扱いで本文の半分まで
・新聞の最新号…個々の記事の半分まで
※まぁ、雑誌と同じ考え。ちなみに、見出しは全部OK。ただ、新聞の写真は自社報道カメラマンでないこともあるので、後に出てくる1枚物の写真と同様に同一性保持権から不可だろうな。

・発行後相当期間を経過した新聞…全面広告を除く本紙全体の半分まで
※ちなみに、発行後相当期間を次号とすると、朝刊・夕刊は同じ号なので、次の日の朝刊が(新聞休刊日ならその日の夕刊かその次の日の朝刊、要するに次の号になるもの)が届いたらOKということに。
※ただし、朝刊と夕刊は別なので、図書の上下巻などと一緒で、それぞれに半分までを適応。
※なので、夕刊が出たからと言って、その日の朝刊はまだ最新号なのです。

3.地図
・一枚物…原則その半分までで、製作機関の承認を必要とするものは承認がなければ複写不可
・住宅地図…見開きの半分までで、全体の半分を超えない範囲
※ゼンリンさんの主張が見開きの区分図が1著作物と言っているのだから、他の地図帳とは異なり、見開きの半分までとなります。
※図書館で困るのがどこかの営業さんが来て、全区分図の右ページばかり、別の営業さんが左ページばかり複写するとき。もちろん、図書館的には『調査研究』でないような気がしますが『調査研究結果を提示しなくてはいけない』とかの規定もありませんし、本人が「調査研究だ」と言われればどうにも手出しが…。もちろん、これは図書館ではどうにもなりませんが、その両ページを合わせて持った時点でその会社やその営業さん達が著作権法違反になります。

・その他の地図帳…図書と同じ扱い
・資料中の説明地図…全部分可
※厳密には地図って1著作物なんだから、るるぶなどの旅行誌にある1ページより小さな地図もその半分って解釈もなくはないけど、最近はそこまで厳密に解釈しない場合が多いと思うので、図書なら図書扱い、雑誌なら雑誌扱いでやっているところが多いんでしょうね。

4.楽譜・楽譜集・歌詞・歌詞集等
著作権の保護期間内のものであれば一曲の半分まで。
※基本はそうなんですが、もちろん保護期間内のものです。あと、組曲は曲目ごとの半分までというのは良いと思いますけど、歌詞、3番まである曲は1番は丸々複写可能かどうか…おそらくOKでしょうね、全部で1曲なんですから。たまに、1曲=1アルバムだと思っている方がおりますが…笑

5.写真・絵画・図表・カット
・一枚物…複写不可
・写真集・画集・カット集…複写不可(ただし、複写目的で作られたカット集は図書扱いとし、その場合は一冊の半分まで。)
※「え~写真集とかって半分までじゃないの?」ってよく言われますが、写真や絵はそれ全体で1つの作品とされているので、同一性保持権に反すると思われますので、複写不可になるかと。

・資料中の説明写真… 全部分可
※地図の説明と一緒

6.AV資料に付属している表紙・裏表紙・ジャケット・地図・説明資料等
原則として上の各項目と同様の扱い…
ようは、ジャケットの表紙はほとんどが写真でしょうから、5の一枚物の写真と同じ解釈。
裏は写真類がなければ、曲目なんでしょうから、目次と同じ解釈。
説明資料の中の歌詞は上にあるように1曲の半分まで。
説明文章はその全容量の半分まで。

7.紙芝居
全部の半分まで
※意外とこの検索フレーズで見られているのは理解できます。だって実はとても悩ましいんですよね、これ。
 というのも、片面は絵1枚だし、裏はほとんどが文字。とすると絵ばかり全面複写しても良いのか逆に裏の文字を全部複写して良いのかってことにもなりますし、1枚1枚が独立しているっていう点もね…
 ただ、類似したものから考えると、右ページにテキスト・左ページに絵という絵本でテキストのみ・絵のみの複写も可能ですし、加除式の資料だとバラバラにもできますが、資料としては1資料扱いなので、本文の半分でしょうから、紙芝居はその全場面で1つの著作物なんですから、私の見解では全場面の裏表合わせた量の半分までって考えが妥当かなと。
 1枚の絵っていうのも気になりましたが、その1枚で完結した作品というわけでもないですしね…

8.折り込み広告
・最新号…求人広告のようなものは各会社で1記事とみなして、ぴあ系と同様それの半分。なので、メモ推奨。その他の広告は掲載写真(人参や胡瓜の写真)も1著作物ではあるのでしょうが、人参や胡瓜を(もちろん新鮮そうに美味しそうに撮っているのでしょうけど)それ1つの作品として撮っていないのでしょうから、広告全体を1著作物とも考えられるし…これもメモ推奨ではありますが、一面はその半分、表裏あるものは(両面で1つとも考えられなくはないでしょうが)各面半分まででしょう。
・バックナンバー…各面の半分まで
※バックナンバーは確かに定期的に発行される求人広告やスーパーのチラシもあるので、定期刊行物だから全部可と言いたいところですが、微妙だなぁ…
※よくあるのは求人広告の複写ではありますがね…。普通のスーパーの広告なんかは、問い合わせしてみると、「全部コピー可」って言われることも多いと思いますよ。元々、広告を保護するよりは品物を売りたいのでしょうから。事例がなかったから聞いたことがないけど。

9.付録物
雑誌や図書等にある付録…本誌・本体と別なものなので、それぞれ独立して考えます。新聞の朝刊・夕刊や図書の上下巻といっしょで、単体それぞれで、本文の半分のような感じです。

…検索フレーズで最近あったものに一応答えてみたつもりですが…何か抜けているかな?

<勝手に複写の問題>
 実際、メモ用紙に書き写したり、住宅地図を紙にトレースしたりするのは、複製していることなのですが、自分でやっている分には30条の私的複製だと考えられます。
同様に、携帯電話のカメラやデジカメで写したり、ハンディースキャナでスキャンしたりするのも30条で出来そうです。
 以前も書きましたが『個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」で『使用』に関して範囲を決めていて、複製場所については言及していない』というのもありますし、31条も図書館が図書館資料を複製することができるとあるので、図書館空間における複製行為全般を制限できるかや、『複写機器』についての言及もありません。

 で、それがダメだと言われるのは…以前書いたのですが…
・館内撮影禁止もしくは撮影制限がされている場合…私的複製による複写目的でもカメラな以上制限できますし、音が出るのなら、なおさら運営上注意してやめさせることができます。
・ハンディスキャナ…電子メモみたいなものなので、手書きメモも許さないのであれば、不許可で良いですし、電源を使われるのであれば、それは運営上使うなと言えますし、上と同様音がうるさければやめるように主張できますが、音も静かで電池式の携帯ハンディスキャナは、資料を痛めるような使い方をしていない限り、認めざるを得ないと思います。
もし、条文の『図書館等において』を『図書館にある複写機』だけでなく『図書館という空間』として考えているのであれば、認められない複製行為(図書館は複製のために複写機を設置しているのでという論法)として、許可しないということも考えられなくはないですが、ちょっと論拠が弱いかもしれません。この辺はもう少し判例が欲しいところです。

 なので、著作権法上は辛いけども、神社仏閣が撮影禁止に出来ているのと同様に『所蔵者の有する所有権の行使』ということで、資料が写真やスキャナに写し取られるのを制限するという考えも…でも、厳しいな。笑

<CD・DVDの複製の問題>
 そもそも図書館にこれらを複製する機器を置いていることは皆無とは思いますが、法的には『その他の資料』も含まれていますから、CDだったら歌詞・楽譜同様に1曲の半分まで、DVDは映画の半分まで可能だとは思います。機器があったとしても半分の判定が面倒でしょうが。笑
 上映についてや映画会、補償金云々についてはまた日を改めて。(過去にも多少言及していますので、そちらを参照してください。)

<拡大問題>
 今日は第31条1の問題まとめのつもりなので、第38条(営利を目的としない上演等)は後回しなんですが…書画カメラ(OHC)などで、単に大きくして写すのであれば、拡大読書機と同様にOKなのですけど、OHPやパワーポイントにすると、複製権がOHPシートやスキャナによるデジタル化が絡むので、やるとしたら31条1で半分までってことですね…

<半分の複写は?>
 判例等により「半分を超えたら一部分とは言えない」という考えから、最大『半分○○』と図書館界では解釈しています。
 なんで○○にしたかと言うと、『半分以下』と『半分未満』という考えがあり、「以下」なら『半分』が入ります。
 100ページあって49ページなら『一部』表現できますが、50ページだと言葉的には『半分』って使う気もするので微妙です。
 なので「複写範囲をXとすると、X>半分 だと一部分でない」って発言なのか、イコールが入るのか判断が分かれるところのような気がしますね。

今日は、こういった感じなのですが、思ったより長くなっちゃいましたね…全部読んでくれたみなさま、お疲れ様でした。そしてどうもありがとうございます。

 ところで、最近出された『著作権法コンメンタール2 23条~90条の3』(半田正夫・松田政行/編,勁草書房,2009.1,978-4-326-40253-3)を持っている方(もしくは図書館の方)、31条関係の記述はどの程度のものなんでしょう?(図書館だとまだ入っていないところが多いかな?)
 とても気になるのですが、近隣の書店に置いていなし、うちの館では購入しないことが決まったので…まぁ、9千円(税抜き)だから、必要なら購入するのも良いのですが…

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著作権考」カテゴリの記事

コメント

 はじめまして,こんにちは。hanboと申します。
図書館における住宅地図の複写についてお教え下さい。
住宅地図の中には,見開きの片側頁の或る一部の拡大図がもう一方の頁に掲載されているところがありますね。こういった場合も,原則どおり,半分の頁しか複写できないのでしょうか。そうだとすると,あまりに杓子定規な解釈のように思えるのですが。

投稿: hanbo | 2009年5月26日 (火) 13:31

> hanboさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
私は著作権者そのものではないので、これが絶対に正解ってことは言えませんが、ゼンリンさんの主張では『区割り図』を1つの著作物と主張しています。

ほとんどのページは見開き2ページで一つの地図なのですが、確かにそういうページも見かけたことがありますので、普通に解釈すると、『拡大図』と『広域図』が見開き2ページにある場合は、『拡大図』部分の半分まで、『広域図』部分の半分までという解釈が妥当だと思います。(なので、区割り図が見開き2ページ内に2つ載っている場合も、それぞれの半分までという感じだと思います。)

なので、単純に片面1ページ(拡大図の方全部とか)丸々の複写はできないと思われます。

ちなみに、見開き2ページで片面しか複写が不能というのは便宜上の書き方で、正確には『1ページ相当分』という解釈です。
例えば、見開き2ページに紙で他が写らないようにして『田』の字に例えると、上半分とか見開き2ページの左上と右下とか、1ページ相当分の中央部とか可能だと思われます。(もちろん、そういう手間や処理を施して複写してもらえるか否かは図書館の判断ですけど。)
(実際、「この道路に沿って斜めに」という利用者がいましたし。)
(ついでに、地方部だと、田畑がほとんどを占めていて、住宅部は1ページ相当分にも満たないこともありますけどね…)

おっしゃっている『杓子定規』が「見開き2ページの片面」という意味であれば、実際はそうではないことがわかっていただけると思いますし、「半分までなんて…もうちょっと図書館は融通きかせて」であれば、著作権法の「著作物の一部分」が改正されない限り、難しいですね、ゼンリンさんが区割り図1つが一著作物だと主張していますから。(他の権利者的には「半分なんて一部分じゃない!20%くらいが妥当だろう」と主張している方もおられるようですし)

このような回答でわかっていただけましたでしょうか?
これからもよろしくお願いします。

投稿: トーネコ | 2009年5月27日 (水) 13:14

 はじめまして、著作権法も障害になることを体験しました。某理工系の本を参照しようと本屋を探すと、出版社は倒産、絶版になっていました。インターネットで「本やタウン」は受注してくれて、全国で探してくれましたが、なかったので解約してくれとのこと。
 国会図書館にあったので、第2章をコピー依頼すると、「第2章は単独著者なので、半分以下しかコピーできない」とのこと。
 
 著作権を守るという一般的な趣旨には賛同しますが、出版社が倒産せず販売していれば購入するし、購入せよという趣旨も分かるけれど、入手できなくなった場合、とても不便で、ばかげています。
 倒産しなくても、理工学書はあまり売れないので、絶版になりやすい。文芸書と違って、すぐ内容が古くなるので、盗作しても意味がない。自分の専門分野に関係する分野も少し遡って調べるとき意味があります。もし、自分が書いた本が絶版なら、「図書館にあって興味があれば、コピーして読まれて結構ですよ」と思います。日本にとって、理工学情報のインフラ整備は重要です(飯の種です)。あまり考慮されいませんが。
 探せば、どこかにあるし、借り出してコンビニでコピーすれば安上がりですが、大きな図書館は利便性があります。

 著作権法第31条後半に書いてある趣旨を、絶版になった理工学書を参照したい利用者にも適用すれば良かろうに、と思います。

投稿: 柳野 健 | 2010年2月23日 (火) 20:47

> 柳野 健さん
はじめまして。コメントありがとうございます。

そうですね、私も理系な人なので、よくわかります。

出版社が廃業しようが夜逃げしようが、私たちの知ったことではないのですが、基本著作者の死後50年は保護されるので、著作権法的には今回のようなことになるんですよね。
今回は章が単独著者だったようですから、国立国会図書館の対応は法を守る立場としては仕方ないですね。

実際は絶版や入手困難さの定義がままならない(例えば雑誌のバックナンバーで出版社品切れは重版されることはまずないから絶版扱いなのかどうかとか、古本屋でのみ入手が可能な本はどの程度から入手困難とされるかとか)こともありますし、実はその本の出版する権利は譲渡され、出す予定は明確でなくても、「いつか出すかもしれない」と譲渡先の出版社に言われると絶版ではなく重版待ちってこともあるので、難しいところではあります。

私は個人的に、出版業界に早く著作権処理機関を設立してもらって、そこで汚破損で使えなくなったページ1ページからでも販売してくれたり、重版未定の本の複製販売をしてくれたり、雑誌のバックナンバーをいつでも入手出来たりすればいいなぁと思っていますが、電子書籍が販売されるこのご時勢でもまだまだ無理なんだろうなともどかしい限りです。

今回の件だとその著作者に直接「これこれこういう事情で複製したいのですが…」とお願いした方が早かったかもしれませんね。
(昔、お願いしたらその本をくれた教授がいました。)
私が言うのもなんですが国立国会図書館は資料は豊富だけど個人の貸出ができないので、こういう時はちょっと不便かもしれません。学術書であれば市町村立図書館だと難しいですが、県立図書館や大学図書館だと借りられる資料を取り寄せてもらえたんじゃないかなぁと思ったりもします。

ちなみに、今回の話とちょっとずれるかもしれませんが、学術誌の場合、普通、図書館だとバックナンバーになったら、全ページの半分を超えない程度であれば1著者の論文は全部分複写可能です。
でも、学術誌のとある出版社の意見としては、「まだ(バックナンバーとして)書店でも手に入るのだから、相当期間を経過しているわけではない(から複写するな)」というのがありました。
地方に行くとその学術誌の最新号でさえままならないのに…
と思ったわけなのですが、利用者や著作者までも飛び越えて出版社有利な現状が強気にさせている気がしました。

著作者の権利を認めつつもユーザ側にも優しい著作権法であってほしいものですが、現状は真逆な方向へ進みそうですね。

投稿: トーネコ | 2010年2月23日 (火) 23:10

はじめまして。公共図書館に勤めています。編み物の図を拡大して複写したいというお客さんがみえます。とりあえずは、貸し出し可能なので借りて頂いてますがどうでしょうか。

投稿: 佳子 | 2012年4月26日 (木) 18:02

> 佳子さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
編み図の状態で判断は変わってしまいますけど、こんな感じでしょうかね…

1.雑誌最新号本体にある編み図
その図の半分まで
※編み図は正確に考えると1著作物ですし。

2.雑誌バックナンバー本体にある編み図
その図は全部可
※もちろん全体の半分を超えないことですけど。

3.図書本体にある編み図
その図は全部可
※作品解説・作り方をどう判断するかによりますが。

4.付録として切り離されている編み図
全面編み図は半分まで
1枚ものの半分以下の編み図は全部可ただし、その1枚の半分を超えないこと
※型紙とかは特に全面複写しないと意味がないですが、それはお断りですね。そもそもA3より大きいので面倒すぎます。

5.貸出後の複写
図書館のあずかり知らぬことなので私的複写
※ほんと、声を大にしては言えませんが。笑

という感じではないでしょうか。
もちろん本書に複製を禁ずとありますが、図書館は権利の制限を受けている(31条)ですし、私的複製は30条で大丈夫ですし。

ただ、これは判断の一例ですので、編み図が著作物の1つだと判断し、どこにあっても半分と考えることも可能ですし、作品集の各作品は短編のようなものと考える判断もなくはないです。

さて、最後に残った拡大コピーですが、画集、写真集、絵本その他芸術性の高い図書館資料だと同一性保持が働きそうなのですが、編み図は良いと思われます。

国立国会図書館などでは作業が煩雑になるので個別に対応できないのでやらないということですが、市町村立図書館の複写要領などでは可能としているところが多いですね。

ただし、利用者に複写させると、コピーミスとかがあるので、複製物が2部になってしまうためにコピーを回収するとかの別問題が出てきますから、職員は機器操作に精通している必要がありますがね。(よくA4→A3をしようとして、A4縦とA4横を間違えて置く利用者もいますし。)

いずれにしても、借りられる資料は借りていただければ良いですが、借りられる資料であれば、一枚ものでなければおよそ複写は可能で拡大もA3まででやってあげられる余裕があるのであれば構わないと、そういう事例があった時、私はそう判断して指示を出します。

投稿: トーネコ | 2012年4月26日 (木) 21:01

読ませていただいて
参考になりました!
ありがとうございます。

投稿: | 2014年5月15日 (木) 20:38

?さん
参考になったようで、良かったです☆
判例がない以上、絶対の判断はないのですが、気になることがあれば、お気軽にどうぞ。

投稿: トーネコ | 2014年5月15日 (木) 21:04

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