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レファレンスを見直してみる

 先日も勝手に横槍的に乗ってみた『ライブラリー・アカデミー』で、今度はレファレンスに関する課題が出たようですね。受講できる人たちがちょっと羨ましいです。

今回出たのはこんな課題のよう。
 1.日々の疑問(知りたくなったこと)を書きとめる。
 2.他の参加者の疑問(複数が望ましい)に対して、以下の両方から、回答にふさわしいデータを探し、リンク集をつくる。
  1.レファレンス協同データベース
  2.知識検索サービス
 3.その上で、あなたが考える「これからのレファレンスのあり方」を具体的に述べる。

 私は実際に参加していないから、わからないのですが、1で書かれた他の受講生の疑問を2で答えるとなると、まず受講生に疑問を出してもらわないと答えられないし、最初にUPした人は2が出来ないままUPして、後から他の人が最初にUPした人の疑問に対し2を記述した時に最初の人が2を…これでみんなが、牽制しあっていたら、誰も回答できない…まぁ、そんなことはないと思いますが。講義中に疑問の出し合いもあったかもしれないし…

 今日の話題に入る前振りとして、また勝手に課題を使わせてもらいます。(すみません…)
1.<日々の疑問>
a.今頭の中で廻っている♪ターララー、ターターター、ターラタータター…って音楽。何て曲でしょう?
b.絵を描くので、二匹の錦鯉が滝を仲良く昇っている写真が載っているものが欲しい。
c.ドラゴンクエスト9のラスボスの名前は?
d.電線に風が当たって、音楽が流れる…ってたぶん昔読んだ絵本のタイトルは?
e.ある図書館システムを作ろうと思って作っているんだけど、このプログラムどこが間違っているんだろう?
f.永久機関ってどんなものが実在するんだろう?

2.<回答に相応しいデータ>
レファレンス協同データベースでは該当するものがなく、知識検索サービスでは、eに関して足がかりとなるものが得られた。(でも回答に相応しいとは言えない)

2.5.<実際に得られた補足と回答>

 a.に関して。
 これは、私が昔持っていた疑問で、実はもう解決済みなんです。知り合いの音楽関係の人に無謀にも口ずさんだら、「それってこれじゃない?」って弾いてくれた。うん、そうそう、私が音痴なので音がだいぶずれていたが、確かに頭の中でイメージどおりの旋律でした。

 b.に関して。
 これは、実際にあったレファレンス。ネット上では『夫婦鯉滝のぼり』辺りの絵はあるのですが、うちの図書館には写真がなかったです。そもそもそういう写真があるのかなぁ?と今も時間があるときに捜索中。(レファレンス協同データベースに登録していないので、出ませんし、未解決だし。笑)

 c.に関して。
 これは、図書館に来ていた児童が「なんて名前なんだろうね」って話していたとこから。おそらくスクウェアエニックスの関係者ならわかるでしょうし、設定資料という文書はあるんでしょうが、社外秘でしょうしねぇ。1の時代からやっていた私にとっても、確かに知りたいねぇ…。発売されたらわかるこですけどね。

 d.に関して。
 これは、某県立図書館のあらすじレファレンスの未解決事項から。利用者には記憶の断片としてあって、その絵本(?)も過去に存在したものなのでしょうが、いくつか似たような絵本を列挙しても違ったようです。こういうのを知識検索サービスに載せると…まぁたまたまその質問を見た人がその本を覚えていれば解決するでしょうね。もちろん、質問が埋もれてしまうおそれも多々ありますが。

 e.に関して。
 これは、私がよくぶち当たる壁。サイトによっては、短いプログラムであればそのまま載せるとアドバイスをいただけることもあるし、中にはメールに添付して送ったら適切なアドバイスと修正方法を教えていただけることもあります。図書館だとせいぜい、このプログラムに関する本の紹介くらいかなぁ…

 f.に関して。
 これも、実際にあったレファレンス。小学生の質問だったのですが、「永久機関なんて実在しない」ではちょっと可哀想でした。どんな永久機関が考えられたかなどの話は知っていたようで、「実在しないことが証明された」ことしか伝えられなかったのですが、可能であれば「将来、永久機関を実現できるようになりたい」とか、その子の将来に希望が持てる回答したかったなぁと。アニメの設定などではあるんですけどね。笑

 3に入る前に、少し書かせていただくと、図書館でのレファレンスはありとあらゆる疑問に答えたいというのもあります。だけど、『ゆで卵の作り方』や『日本の首相の名前』は資料を探さなくてもクイックレファレンスで即答できますが、じゃあ『核兵器の作り方』は同じようなクイックレファレンスとはできません。
 また、全てが書籍となって・図書館資料となって世に出されているわけでもなく、まして自分の図書館にはなかったりすることも多々あります。
 ついでに、aのような音のレファレンスやbのような利用者のイメージにピッタリな写真を探したりするものや、eのようなプログラムチェックは、図書館では意外と大変な部類になるかと思います。
 だからと言って、知識検索サービスなどでは、典拠が載っているものも少なく、文字に変換したときに、落ちてしまう背景やニュアンスによって誤解された回答だったり、少し調べれば間違いだとわかるものが評価された回答になっていたりしています。それに、質問が埋もれてしまって付かないこともありますからねぇ…急いでいる時に限って埋もれちゃうし。
 ということで、図書館でレファレンスするにしてもネット上で聞いてみるにしても、一長一短がありますね。どんな質問でもクイックレファレンスのように即答ってわけにはいかないんですよねぇ…

 疑問に対して知識検索サービスで回答してくれる人の多くは善意で回答してくれています。わざわざそんなサービスを使わなくても、友人知人に聞いてみたりする場合も善意で、その人の知識や経験を元に回答やアドバイスが出されます。手近な人に聞く場合は人間関係などに左右されますが、知識検索サービスによるインターネット上の自由回答のうち、中には、誰でも善意によって正確な回答をしてくれているわけではないような回答も多々あります。
 そう考えると、図書館職員なら、責務としても誠意を持って回答してもらえるかと思いますが、実際はそうでもなかったり、人によるんですよね…笑

 現場的には、レファレンスを受けるのは個人だとしても1人の知識や経験には限度がありますから、チーム戦のようにできるだけみんなで取り組むようにしています。が、うちのチームでも穴のある分野がありますし、小さな図書館ですから、回答になるはずのことが書かれている資料が図書館になかったりしています。

 なので、そのチームを大きくして、つまり、全国の図書館と連携してレファレンスにあたりたいのですが、どうもそういう仕組みにはなっていないですし…なので、県立に「そういう仕組みを作ってよ」と要望したのですが、「予算がないから」って却下。確かに県立図書館には手詰まりの時にレファレンス依頼していますが、実は隣の図書館にある資料に載っているということもあると思うのですけどね。なので、レファレンス協同データベースが出来た時に、私が期待したのは、知識検索サービスも含むこと。知識検索サービスとかぶるのですが、その回答者が全て全国の図書館員だったら、ちゃんと典拠付きだろうし、精度も高いかなぁと。

 一方、視点を変えて、利用者的に、どういう順序で図書館のレファレンスに至るかというと…
 一般的には、まず自分で調べる。次に周りに聞く。それでもわからないのが気になるなら、図書館に行ってみる…でしょうか?
 確かに、この流れで来館される方もおられますし、第一段階や第二段階でわからない場合に、図書館にわざわざ行くということを考えない人もいます。疑問に持ったことすら、なかったことにするように。もちろん、「図書館で調べたり聞くほどのことではない」とか「どうせわからない(もしくは答えられない)」とか、そういう理由もあるかもしれません。(悲しいのは図書館でそういう調べ物ができるかもしれないと思ってもらえないことかも。)
 でも、実際のレファレンスでは「○○って意味を知りたいんだけど」と、普通に辞書をひけばわかるようなことを聞いてくる方もおりました。で、わざわざこの例をあげたのは理由があって、うちの図書館を利用している人ではなく、たまたま車で通ったら図書館があったので、手帳にメモった諺の意味を調べに立ち寄ったという方でした。
 逆に、同じような辞書を引けば感覚のレファレンスでは「子供に聞かれたんだけど」とその親だろう方が来館し、「おそらくこの辞書に載っていると思うのですが…」と差し出したら「いや、辞書の引き方知らないんで、見つけてもらえませんか?」と。その項目を見つけて提供したら、喜んでいましたけど、辞書の引き方のレファレンスもついでにしちゃいました。これは最近の児童でも似ていて、質問しに来て、「どこまで調べたの?」と聞くと「調べてない」で、どうやっても回答そのものを出してもらうまで持ってきた資料もめくろうともせず、そこにずっと立ち尽くすような子も案外多くて、少し困ったりもしました。

 えっと、話が逸れかけましたが、疑問を持った時の初手であろう『自分で調べる』や『周りに聞く』という習慣のない人も多く、疑問をそのまま置き去りにしちゃう、一方向的な授業の弊害のような人が多くなっていて、調べたかと思うとGoogleに一語だけで検索とか、口語文章で検索とか、効率の悪い調べ方しかしていない場合も多いかなぁというのが実感で、例にあげた立ち寄った利用者のように、図書館を身近に感じている人ほど、周りにいる人に聞く感覚で、図書館に聞きに来るような感じもします。

 もちろん、図書館に行ったら何かを聞いて欲しいってわけでもなく、自分で調べられるのであれば、結構なことでしょう。私自身も疑問を持ったら自分で調べて自己レファレンスで終了してしまいますからね。自分の疑問に他館のレファレンスなんて利用したことないし…いや、これは言い過ぎで、実際は、非公式に他館の司書に聞いたりしていますけどね。笑
 レファレンスが『調べ物のお手伝いをすること』とよく言われますが、もし究極的に調べ方の指導が行き届いた状態では、図書館員も利用者も調べる手順が同じになるし、データベースも究極的に完備しているのなら、レファレンスっていう業務自体がなくなるか、手伝えることとしたら「この本に○○っていう語は何個書かれている?」みたいな人海戦術やしらみつぶしみたいなものにしかならないのかなぁと、ちょっと危惧していますが。笑

 さて、ようやく3です。『これからのレファレンスのあり方』とのことですが、どこに視点を置くかによって、書くことが変わっちゃいますが…

 一図書館司書としてレファレンスを考えると、レファレンスは個人戦でなくてチーム戦なので、各チームの能力アップはもちろんのこと、より大きなチームにし、そこの所蔵資料だけに頼らない協力と回答をしていく必要があるだろうし、もちろん、図書館員だけでは、やはり心もとない部分(不得意分野など)もあるし、県内所蔵なし資料をはじめ、穴が多々あるので、あらゆる分野の専門家とも連携できる必要があるんじゃないかと。
 ということで、一図書館司書としては、回答の正確性と未解決事例の減少のために、自分の図書館だけからの回答だけにならないような協力と多重回答ができるようなシステム的環境の構築が不可欠ではなかろうかと思います。

 利用者側からだと、図書館で聞いて欲しいと言われても、「こんな質問に手を煩わせるのは悪いなぁ」と思っちゃったり、いざ質問しても、妙に時間がかかったりして待ってられないし、待ちに待った回答が希望するものじゃなかったり未解決になるとガッカリすることもあると思うし、だからといって、インターネットで調べるにもどうもうまく調べられないことも多いようなので、そんなに大事なことではないし、まぁいいかなぁって気にもなるのではないかなぁ。それに、知識検索サービスも利用しても、場所によって回答が異なり、どれが本当にそうなのか疑問も出ることがある気も…
 ということで、利用者側からすると、知識検索サービスのような気楽さを持ちつつ、正確で早い回答を得られる仕組みができると良いのではないかと。

 実際、某県立図書館でのレファレンスは減っているそうで、知識検索サービスに流れているのか、期待にそぐわない回答が多かったのか、そもそも疑問すら持たなくなってきてるのかわかりませんが、確かにレファレンスのあり方は少し変容しているかもしれませんね。

 ということで、私のこれからのレファレンスのあり方としては、究極は以前からも書いているレファレンスマシーンなのですが、調べ方の手順とノウハウおよび資料データをどんどん詰め込み、利用者が自分で調べられるようになる方向、つまりレファレンスという業務が必要なくなる方向で考えていければなぁとは思うのですが、それはそれで突飛なので…

 個人的な『これからのレファレンスのあり方』として、上にも書いたけど、他館連携を強めて大きなチームとして対応していくようにし、図書館的には、十進分類の如く、各分野の専門機関を把握するようにしていきながら、正確で詳細な回答を出せるようにするのが1つ。
 ついで、気軽さ、即答性を満たすために、必ずしも図書館でないと回答できないわけでもないものもあるので、図書館でも知識検索サービスのようなサービスを開始する。回答は一般の人もするが、図書館でも確実に回答するようにする。

 イメージ的には、次のような感じ。

1.ちょっと疑問があったので、ある県のレファレンスポータルサイトにアクセスする。
2.よく利用する図書館とその疑問の入力とその説明、回答期限、回答レベルなどを設定して、送信。
3.しばらくすると、その図書館より先に、隣の市の利用者がさっそく回答をくれた。
4.続いて、その図書館からも回答が入力された。
5.でも、ちょっと足りない気もしたので、補足説明とレベルをもう少し上げた設定にしてみた。
6.最初の図書館からの補足回答と、近隣図書館や県立図書館からの回答が日を追うごとに出てきた。
7.しばらくすると、図書館でない専門機関からの回答も出てきた。
8.その専門機関の回答にあった資料を近くの図書館に請求すると、県内になかったので隣県から取り寄せてくれた。
9.疑問が解決してすっきり。

 この問題点としては、質問者とのコミュニケーションが取れない点。
 もちろん、補足説明とかがあるのでしょうが、質問者がちゃんと的確な質問ができる場合でなければ成り立たない点。それはちょっと酷だなぁ…
 ただ、これからは、たぶん、気軽に早くて正確なレファレンスが望まれるんじゃないかなぁと。
 まぁ、今日はそんなところで。

 えっ、「課題は前振りって書いていたのに、本題は?」ですって?
 一応、言いたかったことが書けちゃったみたいだから、書き終えようと思っていたのですが…今回書きたかったことは…

・図書館でのレファレンスでは苦手なものがある。(音やイメージの検索)
 イメージ検索ってGoogleでもあるけど、あれはその文字列の近くにある画像(もしくはタイトルのある画像)を検索しているので、「右上に太陽があって左下に貝があって、真ん中の砂浜に赤いリボンの麦藁帽子の落ちている写真」とかは検索できないし…
 音のレファレンスも、色々ツールはあるけど、鼻歌検索とかはまだちょっと微妙かなぁ…

・1つの図書館ではレファレンスに限界がある。(職員知識や蔵書量の限界)
 可能であれば、図書館員専用でもいいから、大規模なレファレンスサイトが欲しい。回答者は全てどこかの図書館員みたいな。

・知識検索サービスにも一長一短があって回答を鵜呑みに出来ない。
 回答者が誰でも参加可というのは回答に玉石混合が出てくる場合が多い。もちろん、図書館の図書でも玉石混合(必ずしも図書館にある図書だから正しいわけではない)でしょうが。
 メリットとしては、本当にその手の専門家(例だとSEとか)がちゃんと回答してくれると図書館より得るものが大きいこともある。

・疑問を持っても回答まで行き着かないままスルーされることもある。
 教育の問題なのか、それとも、個人的性格の問題なのか、はたまた、調べ方がわかっていないからなのか…もちろん、気にするほどでもないと忘れちゃう疑問も多々あるんでしょうが。
ってことを絡めて書きたかったんです。

 こんな感じで受講生でない分、好き勝手書いていますが、旧データベース検索技術者2級を合格して(1級は不合格…笑)、サーチャーと呼ばれたいなぁと思いながら、図書館で調べたりレファレンスを受ける仕事に魅力を感じている人間なので、レファレンスについて考える課題でしたので、横槍を入れてみました。

 そういや、うろ覚えですが、「レファレンスとは利用者が調べて見つける喜びを代わりに図書館員が感じること」って感じのことを誰か書いていたなぁ…ずっと昔に見て、「これは名言だ!」とウケる前に感動しました。ただ、最近は「この楽しみを利用者にも知ってもらいたいなぁ」と思うこともなきにしもあらず。笑

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