« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年3月の6件の記事

図書館協会の求心力?

 タイトルに「日本」をつけなかったは、たぶん書いていると日図協だけのことにならないんだろうと思うから。
 おそらく、(図書館協議会ではなく)「○○市図書館協会」などは、私が知らないだけかもしれないけど、聞いたことがなく、各都道府県で「○○県図書館協会」というのが存在するんだろうなぁ…と思いながら、「あれ?全都道府県にあるっけ?」というのが最初の疑問。
もちろん、似たような団体で「○○県学校図書館協会」というのも存在しますけどね…
実はあったりなかったりすることが判明。いや、横着してネットで調べただけだから、実は存在しているのかもしれません。いや、存在しているでしょ?各都道府県図書館に事務局を置いて…非公式でも。笑

 その都道府県図書館協会の中身は大抵、その都道府県内の図書館の振興ということで、日図協と同じように公共図書館部会や大学図書館部会(学校図書館部会も含むことも。逆に大学・学校部会がないとこも。)などの部会があって、企画研修委員会などの委員会がまたある状況。

 で、どこにも日本図書館協会の下部組織ということは書いていないので、おそらく、きっと絶対違うのでしょう。

 ついでに書くと「○○県図書館協会」と「○○県学校図書館協会」は全くの別組織ということですので、前者の学校図書館部会に入っていないで後者に所属しているということもあるわけです。

 さてさて、私の所属する図書館も某県図書館協会に所属しているのですが、その部会がうまく機能していないような…
 というか、大学図書館が所属する部会もあるんですが、どうも別組織の方に入っている率が高いような…
 どうも、日本図書館協会と同じだと思われるのですが、公共図書館…いや公立図書館(笑)重視って感が否めませんものね。

 いっそ、分解してしまった方が良いのではなかろうかと…
 まぁ、知り合いにはバレているブログですから、「○○県図書館協会から離れて○○県図書館ネットワーク協会を設立したらどう?」って私が某所で言っていたことを書いても支障はないでしょう。笑
 いやね、会費に見合う恩恵があるのかどうかとか、逆に会費というのが必要なのかどうかとか、そもそも県立図書館で事務局やって、その館長が会長をやるんだったら、何も会を作らなくても県立図書館の仕事としてやってくれればいいんじゃないかとか…

 日本図書館協会だって、噂では大学図書館の求心力が失われつつあるようで(いや、噂ではすでに求心力はないとの話も。)、Webページを見ても、公共図書館部会のページはなく、大学図書館図書館部会のページはしばらく更新されていないのからもわかるように、『日本図書館協会≒公共図書館部会』って感じもします。
 それじゃあ、大学図書館や他の図書館などやそこに所属する個人へのメリットはあまりなさそう。
 もちろん、公立図書館であるうちの館も団体会員ではありますが、メリットはなんでしょう?
 私自身は会員ではありません。でも、この業界に進む時に「会員になろうかな?」と思ったことはあります。が、会員になるメリットが思いつかなかったもので…

 ちなみに、某県図書館協会に関しては、団体会員としてのメリットがちゃんとあるそうで、『相互貸借を無料で受け取れる!(郵送でやりとりしないで、県内図書館が配送車などで他館の資料を運んでくれる公立図書館寄りのサービスがあるってこと)』。
 つまり、某県図書館協会に入会していないと、相互貸借が郵送でやらざるを得ないということに。資料費削減の昨今、これはちょっときつい…

 で、そういう脅し的みたいなメリットであっても、良いのですが、日本図書館協会の会員になった場合、入会案内から見ると…
(1)『図書館雑誌』を毎月お届けします
(2)協会出版物をお届けします
(3)あなたの求職活動をサポートします
(4)あなたのスキルアップをお手伝いします
(5)協会出版物が割引価格で購入できます
(6)協会資料室が利用できます
(7)電子メディアでの情報提供も行います
とのことですが…
(1)は、図書館で見られるし、万一施設会員でなくても、他館で読めるし…
(2)は、施設会員限定なので、個人には意味がないし…
(3)は、すでに図書館で働いているのですが…
(4)は、そもそも職場をそんなに空けられる余裕はないし…
(5)は、いまだに「これを買って読みたい」と思うものが出ていないし…
(6)は、利用したいと思わないし…
(7)は、メルマガは(1)と同じ理由…

 それとも、『図書館の自由に関する宣言』の最後に『万一そのような事態が生じた場合にその救済につとめること』が日本図書館協会の責務とあるので、「会員でなければ救済しないぞ」ってわけなんでしょうか?笑
 まぁ、会員であってもどう救済してくれるか、本当に救済できるのかわかりませんが。

 何も私がメリットを見つけられないからといって、入会している人に脱会をオススメしているわけではありません。
 それは人によって入会するスタンスや要望が違うのでしょうから、「図書館雑誌を手元に置きたい」人もいるでしょうし、「求人広告出したので就職できました」という人もいるかもしれませんし、「割引価格で欲しい本が買えました」という人もいるでしょう。
 私だって、友人が所属している劇団の会員ですが、劇を見に行くので、チケットの割引価格はメリットですし、その劇団の活動をWebでも確認できますが知りたいですから、会報も送ってもらえるので悪くはないと思います。
 でも、日本図書館協会の会員になるメリットが私自身に限って言えば見当たらないので、ならないというだけです。

 これでもし、以前書いた、「図書館職員電話相談サービス」や「図書館職員が自由に交流できるインターネット上のサービス」が『会員限定で』あるとか、「あなたの研修中スキルを持った代替要員を派遣します」(代替要員が素晴らしすぎて同僚に「帰ってこなくていいぞ」と言われるとショックですが。笑)とか、「他自治体への異動もサーポートします」とか、せめて『日本の図書館』など会費以上の出版物をくれる(残り物感があるかも?)とか…
 そんなのがあれば、「入ろうかな?」って気にもなりますけど…笑

 ただ、以前も書きましたが『図書館の自由に関する宣言』は、意義のある宣言であると思いますが、日本図書館協会というただの一団体が勝手に言っている事とすれば、「守らなくても…」って意見が成り立ってしまうおそれがあります。

 個人的には、公立図書館協会・大学図書館協会・学校図書館協会・専門図書館協会・図書館類縁機関協会などがあって(現在もある協会名もありますが)、それぞれ都道府県支部があり、その都道府県支部がまとまっているのが都道府県図書館協会という形で存在して、その都道府県図書館協会の上位組織でもあり、各図書館協会に影響力がある組織として、真の日本図書館協会っていうのがあるっていうのが理想。
 どうも図書館運営と同様、各自治体・各組織に任せてばかりだと、今の現状であるような…

 他は並列でも良いけど、例えば『国立日本図書館』という別格で頂点に立つ図書館があれば、県図書館協会が県立図書館の仕事としてやれる気がするように、国立の仕事として『日本の図書館の発展に云々』というのをしていれば、図書館協会みたいな団体は不要なんじゃないかと…

 海外の図書館協会の事例は、言語能力の低い私にとっては敷居が高いのですが、時々『丸山高弘の日々是電網 The First.』(http://maru3.exblog.jp/)などのブログを拝見することによって米国図書館協会などの事例を見聞きすることがあります。
 そうすると、日本図書館協会があまり…いや、ほとんど活発でないように読み取れます。
国が違うので、考え方も方針も違って良いと思いますが…確かにちょっとね…
 日本図書館協会の方々は、私みたいに、「英語が読めないから、他国の図書館協会のことはさっぱり…」ってことはないでしょうけど、他国の事例を真似ぶことも必要かと思います。

 ところで、『専門職員認定制度』って、こないだ予備審査への申請があって、「81名もの申請」があったそうですが、個々のじゃない結果はいつ出るんでしょ?
 もし、4~50人程度が通過して上級司書なりになった場合、逆にどこの所属の人がなったのか知りたいですけどね…個々でなくても、都道府県別だとか市町村立のどこに所属しているかみたいな統計が欲しいなぁ…
「なりたい司書の鑑」「尊敬する司書」のような人であれば、良いなぁという意味も込めて。

 ついでなので、「81人もの」って想定より多いってことでしょうか?
そもそも、図書館勤務年数が10年以上の人って全国にどのくらいいるんだろう?
私は10年経っても申請しないだろうな。メリットないし。

 話は脱線しましたが、ようは、なんたら図書館協会が乱立している時点で、1箇所に求心されていないということですし、一度解体して、再構成しないと中途半端な状態なままでそれこそ船頭多くて…
 図書館が各自治体に任せきりでピラミッド構造にならないのなら、せめて協会再編くらいはして欲しいです。
 館種を越えたサービス展開とか、個々なら良いですが、大きくやろうとすると話をどこに通せば成り立つのかわからないし…

 最後に日本図書館協会の個人会員の方で、惰性やステータスという以外に、「入会したらこんなに素晴らしい」っていう方がおられましたら、教えて欲しいですし、施設会員って脱会したらどんなデメリットあるのか知りたいです。

 そういや、業界では周知の事実なんでしょうが、TRCって『社団法人日本図書館協会事業部の業務を継承する形で設立』なんですよね。
 当時の方々やその後の方々の尽力で今のTRCがあるのでしょうが、逆に分離しない形で資金投入及び業務委託状態であったら、日図協MARCとかできて、施設会員割引とかになって、メリットも格段に大きく…
 というか、もしかすると、「日本図書館協会だし…」って図書館採用率99.9%になっていたかも?(で、公取委なんかに是正…笑)
 まぁ、逆に赤字運営が続きすぎて、図書館業界がもっと衰退して荒廃していた公算も大きくはありますが。笑

 私がただ単に知らないだけとか、変なことを言うので弾かれているだけかもしれませんが、どうも『○○図書館協会』って言われる団体の求心力ってなくなってきているような気がします。それで、どうなのかなぁと思い書き連ねてみました。
で、結局日図協のことばかりになった…笑

| | コメント (2)

図書館員の悩み?

またぽわーっと、アクセスログを見て、検索に使われたキーワードを眺めていたら、複写サービス関係のキーワードが多い中、それだったら、聞いてくれりゃ(私の解釈ですが)答えるのに…とブログに書いたことより少々細かい事例のようですが、「参考になったかなぁ」と思いながら、ぶつぶつ独り言を言っていると、気になるキーワードを発見。
まぁ、アクセス者の所属とかがばれないように少し改変しますが、なぜか「司書の悩み」や「図書館職員 AND 悩み」や「図書館 AND 職員 AND 嫌われて」とか…そんな感じの検索フレーズが…

図書館職員の悩みで代表的なのは、
・予算が減らされて資料が買えない
・人員が減らされてやりたいことができない
・資料の切り抜きかが多い
・資料を返却してくれない
・行政側の理解が足りない
・周りの人の理解が足りない
など、どちらかというと愚痴っぽいものの悩みと、

・図書館の統計数が伸びない
・利用者にもっと来て欲しい
・新しい企画・サービスはできないか
・どんな資料を揃えればいいか
・なんでこういう対応なんだろう?
・こういう場合はどうすればいいんだろう?
など、運営に関する悩みかなぁと思うのですが、どうでしょう?
(いや、もっとあると思うが列挙が目的でないし…笑)

まぁ、他にもどこにでもあるような
・人間関係の問題
・業界全体の将来性の問題
・自分や勤務先の将来の問題
・無理難題なクレームのこと
などもあるでしょう。

まぁ、細かい悩みは多々あるでしょうが、悩みを分類したら面白いかなぁと。
「今の図書館員はこれに困っているランキング~」とか。

さて、仕事上悩んだ時に誰に相談するか?
同僚や友人、たまに上司ってとこでしょうかね。
同僚や同業者が友人だったら、悩みを共有できるのでしょうが、どちらかというと愚痴こぼされ要員って感じも無きにしも非ず。(もちろん、人間関係の悩みは専ら友人ってこともありますけどね。)
他にも、同業者の集まり(例えばmixiの司書コミュなどそういうインターネット上や図書館大会などの出張先など)で相談をしたりすることもあるでしょう。

でも、ここのブログに間違って(?)辿り着いちゃった人たちは、インターネット上の記述に問題解決を求めたわけですが、フレーズだけじゃ中身がわからないので勝手に想像してみると…

先にあげた「悩み」の検索フレーズで考えられるのは…
・悩みを抱えているけど、相談できる人や場所を知らない
・この業界でどんな悩みがあるのか知りたい
・同じ悩みを持つ人がいないか知りたい

「嫌われて」の検索フレーズで考えられるのは…
・職場での人間関係でうまくいっていない
・対利用者でどんな職員が嫌われるか知りたい
・利用者が職員対応に憤慨して他に同様な嫌われ方をしていない知りたい

なんでしょうかねぇ…

個人的には、正職員でもパートでも図書館運営に関する悩みや日々の疑問など、相談する場所が必要だと思って、専用SNSを開いてみたんですが、アピールも機能もさせていないので、意味ないし。笑

で、開いた時にまずは同僚に使ってみてもらおうと話はしてみたんですが、「あ、私、家でインターネットやっていないんですぅ」っていうパートさんや同僚が多く、その時点であきらめたってこともあるんですが。

そうすると、日図協などで、フリーダイヤルの悩み相談センターみたいなものを作って…とも考えましたが、「日図協を根本から変えて欲しい」って悩みはきっと解決されないだろうと思うと、これも次点案。
そうなると、私一人ではやっていけないので、有志を募って会を作り…名称は図書館問(以下略)…笑

まぁ、冗談はさておき、そもそもそういうことを考えたのは、パートさんがふと「近隣のパートさんってどうなんだろうね」って言っていたことから始まりました。
確かに、正職員であれば、なけなしの出張先で知り合いを作って相談なども可能なのですが、通常パートさんが出張するとか他館のパートと交流するっていう機会は皆無だと思います。(もちろん0ではないのですが)

なので、そんなことが出来る場所が提供できたらいいなぁと思っていたので。
もちろん、そんな当時でも掲示板を使った図書館員の悩み共有場所などもあったのですが、全世界公開だったしね、考えて書き込まないといけないので愚痴は書きにくかったし…

このようなブログだと関連しない悩みは書けませんし、SNSだとちょっと閉鎖的な気もします。
ああ、「メッセンジャーで悩みを受け付けますよ」でもいいんでしょうが…
知らない人だからできる相談と、知らない人だからできない相談ってのもあるでしょうしね。

ただ、最近の社会問題とかを考えるに、心から相談できる人が周りにいない&相談しても解決する術の知識がない場合など、深刻な結果をもたらすことが多々あると思います。
もちろん図書館界だけのことではありませんが、図書館員のうち非正規職員が全体の6割を超えるらしい現状を聞くと、気軽に相談できる場所が業界として必要かなぁと思って。

だけど、日図協も某研究会もWebページの更新と内容に注目すると、必要な情報がほとんどないですからねぇ…もっと色々な情報を載せてジャンジャン更新してくれても良いのに…もちろん、そういう情報を発信するサイトではないからなんでしょうけど。

心や時間に余裕があって、それなりに知識や配慮がないと他人の相談って受けにくいですが、どうも大きな会になると内輪もめや重箱の隅をつつくようなことばかりだとか、個人的には自館の業務で手一杯だと、そういう余裕もないんだろうな。

ちなみに、私のところの目下の悩みは、役得的な行動をする上司をどうするか…ですかね。笑(同様な事例も聞いたことがあって、その館の人が問い詰めたら「私にも利用者としての権利がある!」って逆切れだったそうで…)
詳細はみなさんのご想像にお任せしますが、選書で好きな本を勝手に買うってわけではないですし、予約順位を勝手に上げたりしているわけでもないです…そこまで行ったら私でも怒りますし、その上司の名誉(?)のために念のため。
今日はこの辺で☆

| | コメント (0)

著作権法の一部改正

『著作権法の一部を改正する法律案』がいつの間にかUP(http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/171/1251917.htm)されていました。
ずっと気になっていたのですが、ほんといつの間に…笑
(というか、これを書いている日はブログにUPする日とは違うんだけど。)

さて、改正予定の案をザーッと見て、何点か。
まず、吹き出してしまったのは、31条1項で「国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館…」と、「国立国会図書館は『公衆の利用に供することを目的とする図書館』とは違うのだよ、そこらの図書館とは!」って明確に分けられたってこと。
確かに『国立』ではあっても「国会」のための図書館ですからねぇ…これが公衆利用に供することを目的とする『国立図書館』の設置への布石であれば、申し分ないのですが、違うのでしょうね。

次に、気になっていた資料の電子化については、31条2項が新設されて、『国立国会図書館においては』と限定して「原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷又は汚損を避けるため(中略)当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる」と国立国会図書館は明文化されているのですが、普通図書館(笑)については、報告では1項2の保存のための複製で出来そうな書き方でしたが、明文化まではならなかったようで、相変わらず解釈論の展開といったところでしょうか。

それとも、これも、『図書館においては』に変更される前段階ということでしょうか…
もちろん、除籍資料などの電子複製もGoogleさんのような機器があるわけでないから、市町村図書館では難しいですが、繋ぎとしてでも、国立国会図書館が電子化した資料を保存のための複製の条項によって(所蔵資料ならば)受けられるとでもなると手間もなく良いのですが…

で、普通図書館としてありがたかったのは、37条が変更されたこと。
今までは37条で点字への複製は可能だったのですが、点字図書館系でしか視覚障害者用の録音資料が作れなかったのです。
これが『「視覚障害者等」…の福祉に関する事業を行なうもので政令で定めるもの』であれば作成可能ということになり、「政令で定めるもの」が微妙ではありますが、概要に明確に録音図書の作成が公共図書館等にも拡大となっているので、間違いなく可能なんでしょう。

ただ、気になるのは、視覚障害者サービスとして掲げているまたは事業を明記していないとできないのかなぁ?と。
でも、これで、音訳ボランティアさんにも普通に作成依頼が可能になるんじゃないかと、思うと、「著作権の許諾がないので、資料の大半は録音資料にできないんですよ」とか情熱に水をかけることを言わなくて良くなったんじゃないかなぁと。

ところで、聴覚障害者向けのサービスとして視聴覚資料に手話を付けるのは可能だったようなのですが、普通の図書館でどうやって手話付きの映像にするんだろう…作っている図書館があったら教えて欲しいものです。

他にも改定される部分はたくさんあるのですが、気になるところをいくつか。

新設された47条の7(情報解析のための複製等)で、情報解析を行なうことを目的とする場合は記録媒体に記録できる…まぁ、情報解析の定義どおりであれば無理かもしれませんが、例えば、絵本の全文をコンピュータに記録しておいて、解析という名の検索をする(もちろん検索結果に内容は表示されない)とか…

というのは、登場人物名とか台詞とか児童図書担当で精通していれば別ですが、簡単なところでは「いちもくさん」というキャラクターが出ている絵本(簡単だからすぐわかるかもしれないけど『しょうぼうじどうしゃじぷた』(渡辺茂男,福音館書店,1979))とかを利用者サイドで検索できると良いかなぁと思ってね。
まぁ、情報解析って感じじゃないからだめか。

それでも47条周りが新設されたことによって、新しい図書館サービスが何か可能になるんじゃないかなぁと思ってみたり。

個人的にはもう少し31条関連をてこ入れしてほしかったなぁ…
次の改正に期待するしかないか。
例えば、31条1項の2の保存のための複製をもう少し具体例が入ったような感じにとか…(16mmフィルムからDVD化が明確に可能だとは書かれていないし、公立図書館での資料の電子化についても…)

まぁ、平成22年1月からなんだけどね。

今日は短めだけど、重み付けの話<その1>~<その3>が長かったし。笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その3>

<正職員と非正職員>
 まず日経ビジネスオンラインの『千代田図書館の利用者“3倍増”を実現させた「クレド」の秘密』(http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090226/187463/)より。

 この中で、例として千代田区立図書館の図書館コンシェルジュに「長年探した本を紹介された古本屋で見つけた話」や「近くの美味しい蕎麦屋を教えてもらう話」が例えに出ていますが、「直営の図書館でやらないの??(もしくはやっちゃだめなの?)」って思いが…

 前者の古本屋の件ですが、利用者は「○○って本を探している」とレファレンスしますよね?図書館では「所蔵がないので他館から取り寄せます」ってなって、利用者が「読みたいんでなくて欲しいんだ」と伝えると、図書館ではネットで検索し、絶版だとわかれば、近所に古本屋があったら問い合わせてみるくらいはするでしょ。

この例では『古書店にあるかもしれないという。』と書いてあったので、事実かどうかは別にしても「なかったら無駄足になるところで止めるか普通?」って思いました。

うちの図書館の周りには古本屋はないのですが、知人の図書館では「利用者弁償になった資料が絶版だったら(図書館として是非現物となると)古本屋にあたっている」って聞きましたから、同じ手法で良いのですし。(自分たちの資料だけに使ってはいけない手法ではないし。)
古本の例はなかったですが、ある熱帯魚が欲しいっていう利用者に、電話帳から何軒かお店に問い合わせして紹介したことはあります。

 後者の蕎麦屋の件ですが、美味しいっていうのは人それぞれですからねぇ…たまに「ここから近い食べ物屋さんは?」ってのは聞かれますから、距離的に近そうな何軒かは紹介したことがありますけどね…

ここで、たぶん問題になるだろう点は、公平性の問題。
「なんでうちの店は紹介しないんじゃ」って、言われたことはないですが、「○○食べ歩きマップ」とか作ると網羅的にお店が載っているので、1店に肩入れしちゃいかんというのもわかります。

でも図書館で『○○県のおいしいお店』とかそういう本があるので、「この本にはこの店が載っています」でも良いでしょう。
同様に、「地域で発信できる情報マップを作成しよう」と図書館が主体となってお店リストだけでなく、その店内の写真やメニューやオススメの一品なんかが写真つきであるもの提供してもらって作成すれば、それを蔵書にすればいいんですし。
まぁ、そういうのは商工会が作っているところもありますけどね。大抵写真が店の写真しかない程度のものだけど。
お店によっては、商工会や自治体からの依頼であれば断らないけど、民間だと掲載を断るケースもありますし。(まぁ、逆もあるかもしれませんが、例を把握していませんので。)

逆の発想をすると、この問題の疑問に納得する人もいるんじゃないかなぁ…
例えば図書館で「恋愛小説を読みたいんだけど、オススメはありますか?」と聞かれ、所蔵している「恋愛小説」を全部並べて「図書館は所蔵資料全てオススメなのでお好きなものをどうぞ」とはしないと思いますし…
また、レファレンスの回答でも「こちらの資料にはこのように、もう一つの資料ではこのように書かれています」と数ある書かれている資料のうち代表するものを数点選んで提供しますし、元々選書って選んでるじゃん。

なので、この場合、店側から判断基準となる情報提供があれば、「煮込みうどんを食べたいという人にはこの店」という判断も可能になってくるんですけどね。
(最終手段としては公的なオススメがまずいとすると、よく聞く『私人として』すればいいんじゃないかと。「私は○○ってお店に食べに行っています」みたいな…笑)
食べ物に関しては、先に述べたように美味しい観点が違うことが常ですから、何軒かピックアップするレファレンス回答方式でないと、「図書館で聞いたけどまずかった」と言われちゃいますので、それがベターかな…と。

今日の話題から少し離れたところから始まり、そのまま飛んで行きそうになりましたが、公務員正職員だから民間指定管理者だからってやれることの差異は少ないような気がします。
もちろん、やれるからやるか否かとなると、民間有利とはなりますが。笑
(公務員だとなかなか上の理解を得るのが難しい。上主導なら力も入った企画になるんですけどね。笑)

ということで、指定管理者云々でなくても正職員と非正職員についての話をしたいと思います。

私は現在、このような小さな田舎町では絶滅危惧種のような司書採用の公務員正職員なのですが、「じゃあどれだけのことをしているか?」となると、変に期待されても困りますから先に言いますが、大したことはしていないと思います。(近くに比較対象もいないですし。)
例えば、『Webでこういう情報発信に力を入れています』とか『こんな実績があります』とか『こんな論文書きました』とか言えることがあれば良いのでしょうが、ないですねぇ…考え方はこんなですが、ごく普通なんじゃないかと思っています。
色々やりたいことの思いつきはあるのですが、言い出すと私1人に任せ切りになるような環境で、自分に鞭打つわけにも生きませんし…なので、どうみてもオーバーワークな感じでもこなしている方を見ると、ほんとすごいなぁと。

うちの館は私も含めた公務員とパートの混合の職員なのですが、全国の図書館でどのくらい全員正職員という館があるでしょうか…(いや、調べれば良いんですけどね。笑)
以前も書きましたが、2008/10/8発信のJLAメールマガジンの第424号によると『○図書館の非常勤・臨時職員は61.6% 自治労調査』ということで、5人いれば3人は非正職員状態ってことですよね…

おそらく、統計的にも非正職員率が増大している業界であるのは確かです。
でも、図書館業界的には、正職員の方が『継続的で安定したサービス』とか『ノウハウの蓄積される』とか『長期的展望に立った展開が可能』とか言われいて、正職員というのに重きが置かれ、逆に本庁の人事担当などでは、「財政難だから正職員減ね、足りない分はパートでまかなって」とか「指定管理者制度の導入ってどう?」と導入ありきで話が振られたりしますし、「色々な課を経験するのが大切だ」と異動希望もないのに定期異動があるところもありますので、図書館外では非正職員にシフトしてるような感じです。

ただ、司書採用で採用されなければ、(まぁされたとしても)通常異動する職場なら5年のうちには異動させられますし、それだと指定管理者の3年とそんなに変わらない気もします。
確かに中には図書館勤続20年のベテラン図書館職員(司書だと限らない)がいたりする図書館もありますね。その割合の統計ってどこかにあったような気もしますが…はて?

さてさて、うちは正職員とパートの混成部隊なのですが、実はパートで司書資格を持っている人、1人もいないんです。(本当は資格があってほしいですが、安い時給でだと自治体内限定だから)
だからといって、図書館で正職員と非正職員の業務が明確にわかれているかと問われると微妙な面もありますが、運営上は問題なく、いや、問題はあってもないようにカモフラージュして、運営されています。

私は、当初は明確に分かれた方が良いかな?とも思いましたが、利用者にとって、フロアにいる正職員もパートも同じ図書館職員に見えますし、もし質問して「私パートなのでわかりません」という答えが返ってくると2度手間になってしまいます。
なので、最初の研修のうちに、簡単なレファレンスを答えられるまでのテクニックや、『えをかく』という本の読みの検索では「エ オ カク」だの、目録規則の話や分類記号の考え方など、必要な事項を研修したり日々の業務の中で指導しています。

それ故、長く勤めてくれると研修のやりがいがあるのですが、辞められるとまた次の人にせっせと覚えこませるということをするので、なかなか大変です。
マニュアルを見て全てが理解できるものではないですからねぇ…
おそらく、司書資格取ったばかりの人や資格だけ持っている人よりは、うちのパートは即戦力になるとは思いますけどね。
(実際のレファレンスでは簡単な部分はパートも含めてやり、やっている中で質問を共有して、難しい部分や補足が必要な部分を私が同時に調べるという感じです。ちなみに、うちのパートがやっていないことは選書や会計処理などのバックヤード業務にはほとんど携わっていませんが、修理とか雑誌の登録作業などのバックヤード業務はお願いしています。)

何も、うちの館のパートをよいしょしているわけではありませんが、何を言いたかったかというと、大学の授業での演習なども含め、実際に図書館業務で活用できる授業はあまり多くないということと、少なくても1人図書館に精通した司書がいれば、その知識などを研修や日々の指導によって業務は可能ということです。
また、以前から「図書館に勤めるのに司書資格って必須じゃないというのは変だよね」という話も聞きます。
それは私もそう思います。
例えば車の運転などは小学生でも可能です。でも、法的に免許がないと運転してはいけません。教員免許がなくても勉強を教えられる人もいますし…
じゃあ、免許じゃなく資格だからといって、司書資格を持っていないとできないこと…何があるでしょう?
全ての資格がそうだと思いますが、持っていなくても教えればわかります。

それと、私が教員だった頃に言われたのですが、「1年生教員だろうとベテラン教員だろうと生徒にとっては教員は教員だ。」と。
これは図書館司書にも言えます。
新館オープンでノウハウも少なく、経験の浅い人ばかりだからといって、込み入ったレファレンスは受け付けないということもなく(まぁ、回答内容に差がでますけど)、利用者にとっては他の図書館と同じように利用してきます。
じゃあ、この回答の差を何で埋めるかというと、他館のベテラン司書などのノウハウや県立等から派遣された職員などに聞くってこともあるでしょうし、情熱で乗り切るってこともあるんじゃないかと。(例えばレファレンスで総当り的にチェックするとか…)

このノウハウというもの、「うちのベテラン司書ならわかると思うのですけど…」と個人の経験的ノウハウでしかないことが多いです。確かに、そういう人に聞けば解決することも多いですが、聞ける人がいなかったら?情熱が燃え尽きたら?

私も困る点はここです。
できるだけ、「私ならできるが、他の人が同じように継続できるか」とか「万一急にいなくなった(事故や死亡などで)時、どうするか」を考えながらやっていますが、私一人で抱え込んでいることも多くそう考えると、仕事を分担しておかないと困るということがあり得ます。
例えばWebの更新方法などは手順書があるからなんとかなるでしょうが、エクセルのマクロなどは他の人がいじる仕様になっていないし、選書やレファレンスに使っているツールだって、全てが共有されているとは言えず、伝えられていません。
他にも、経験的なものや感覚的なものなど、私も御多分にもれず、ノウハウを自分に蓄積している点も多く、それは何かあったときに問題なのかと思います。

そうすると、以前から書いていますように、『ノウハウをどこに溜めるか?』という問いに『図書館に』となるかと思います。
正職員・非正職員に限らず、図書館にそのノウハウを溜めることが出来るようになれば、やれ指定管理者だの、やれ正職員がいないだのあっても、長期的な図書館運営やサービスが可能なんじゃないかと。
まぁ、問題点は、溜められたノウハウに依存しすぎて発展性に欠けることもあり得るというとこでしょうか。
可能であれば、そのノウハウを門外不出とせずに、公開されればベテラン司書のいない図書館でもそれ同等のサービス展開などができるようになるんじゃないかと。

図書館職員の非正職員化は、職員の生活環境なども考慮すると止められるものであれば止めたい気もしますが、日図協などが「あ~だ、こ~だ」コメントを出したところで、図書館法が改定され「図書館は司書有資格者の正職員で運営されなくてはいけない」などの条文が入っていないところをみると、誰にも止められないんじゃないかと思います。誰に期待すれば良いのでしょう?(他人に期待するなって?)

だからといって、このまま進むとベテラン司書のノウハウは散逸してしまいますし、何よりも図書館の仕事自体が安定した職業としてなおのこと見られない状況になっていき、サービスが全体的に低下していくのは避けたいものです。

それなら、まずは図書館にその持てるノウハウを蓄積し、それを公開することによって「これだけやるのは正職員じゃないとな」と判断されるのもよし、「確かに1人だったら正職員だろうが複数人の非正職員にすれば可能だな」と思われるのも仕方ないかと。
その仕方ない中、どこでもレベルの高いサービスができるようになれば、業界も向上すると思うのですが…
もちろん『言うは易し行なうは難し』なのですがね。

今日のまとめ。
・直営だから民間だからといって、やれる事にはそんなに差はない。(実行に差はあるかもしれないが)
・司書資格なしでも、指導がしっかりしていれば、有資格者より有能になることもある。
・図書館は正職員重視、行政は人件費重視だが、ノウハウを溜める仕組みがちゃんとしていれば、長期展望に基づいた運営も可能。
・ノウハウは個人に溜めず図書館に溜めていき、できれば公開した方が良いのじゃないか。
・日図協などはこの非正職員化に歯止めをかけられるんだろうか…

この重み付け考の<その1><その2><その3>が元は1つだったと思うと…笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その2>

<常連と未利用者>
 前振りで、1年ぶりくらいに、先月初めに再び話題にのぼった『みんなの図書館2008年2月号』の田中敦司氏(名古屋市緑図書館)の記事より『日常的によく利用する利用者、いわゆる常連のかたと、今日カードを作って初めて利用する利用者の間に、対応の差があってはならない。してはいけないことである。』って話からスタート。

 この論文、平等性の履き違えだなぁとスルーしていたので、あまり記憶になかったのですが、改めて読み直し。

 『購入した本が図書館に入ってきたときに、想定していた常連のかたに「こんな本が入りましたよ」とは言えないことである。』
 う~ん、どうだろ?そもそも常連だから、チェック済みのような気もしますし、新着本をOPAC端末で見たりしないといけないならば、初利用者だとわからないでしょうが、言える言えないというより、新着本を入り口近くの目立つところに置いて、『新しく入った本リスト』をぶら下げて(または配布用を作って)おけば、目を通すでしょ。
 うちの常連は、真っ先にリスト見ていきますよ。初めて来た利用者だって見ていくことがありますから、そんな工夫だけで無駄なことを悩む必要もないと思うんですけどねぇ…
 これで、「次の火曜日に入る本はこれこれで…」とその常連だけに教えるとか、通常は予約できない資料を予約してあげたり、他に貸し出さない資料をその人にだけ貸すとか、予約順位を繰り上げてあげるとかなんかすると、それはもう贔屓であると思いますが…(もちろん、これから入る本リストを作っている図書館もありますけどね。)
 初めてだろうと常連だろうと誰でも見える状態で新着本リストがあれば、この場合問題ないでしょ。

 この論文では、憲法第14条や地方公務員法第13条を引き合いに出しているのですが、それなら常連云々言う前に、その理論で行くと、(名古屋市立図書館は愛知県内在住・在勤・在学なら貸出可なんだけど)全国誰でも貸出してくれないと、県境を越えたから借りられないんじゃだめなのでは??
挙げた例や話の展開が悪かったんじゃないかと…(私も展開が上手ではないのであまり言えませんが)

 私が同じような文を書くとしたら、この部分『初めての利用者にもわかりやすい掲示や案内を心がけよう』で済んでしまいます。対応の差が気になるのなら、『言わない』で低い方に合わせるのではなく、『みんなにわかりやすく伝える』と高い方にすればいいだけの話。
もちろん、この論文で「この本を買えば、あの人とあの人は借りていくだろう」と想像しながらの選書についても触れていますが、たまたま想像できただけで、何も『一切誰からも手に取られないような資料を選ぼう』って選ぶわけがないですから、今後常連になるかもしれない初めての利用者が「あ、この本」って手に取ることだってあると思って、時には10年後の誰かが利用するだろうと思って選書していることも多いはずです。

 何も「常連の○○さんはこの作家が好きだからその作家の本は全て揃えよう」ってわけではないのでしょうから。(それはそれで、偏ってはいますが、「この図書館には××って作家の本が全て揃っている」って逆に特色になりますけどね。)

 この論文、「近所の人がカウンターという事態をまず避けていくことが重要である」というのと(図書館の自由に関する宣言があまねく住民に知られるようになった)「その暁には自分の親友がカウンターにいたとしても、安心して借りる本を差し出してくれるであろう。」って文があるのですが、「自由に関する宣言が知れ渡っていないので、近所の人がカウンターにいるのは危険」と取れるのですが、知られなくても宣言はあるんだから、「安心して借りに来てください」で良いような…

 確かに、最近は近所の人でないとしても、「この人、こんな病気なの?」と思われるのではないかと思って恥ずかしいなどの理由で、対面式の貸出が嫌がられる傾向も見受けられますし、自動貸出機を導入した館の記事の中にもそのような話があったかと思います。もちろん、気にしない人もいますから、気にする人用の自動貸出機導入っていうのはありだと思います。これが近所のおしゃべりで有名なおばちゃんだったら、なおのこと借りるのを躊躇しそうです。そのおばちゃんを採用する側にも多少の問題はありそうですが、そのおばちゃんが宣言を遵守してくれれば、問題はないわけですし。

 ただ、近所の人を避けることは都会ならともかく、地方だと難しいのじゃないかな?
図書館が広域になればなるほど、その図書館にいる職員・パートはその外にいなければいけなくなるわけですし(いずれ近所もしくは知っている人が来館するかもしれませんし)…そうすると、利用登録は全国可の図書館の職員は海外移住しないと…笑(ところで、田中氏は名古屋市立図書館に当時勤めていらっしゃったようですが、愛知県外在住なんでしょうか…)

 それとも逆に、その職員・パートを図書館以外の場所で知っている人は利用不可の図書館にするとか…笑

 まぁ、そうはいきませんから、採用条件に口が堅い人とかあってもしょうがないし、宣言の徹底を図る方が合理的ですし、その地域にいなければ、それこそ細やかな地域密着サービスなんかできやしませんし。
 あまねく住民に宣言を知ってもらう必要はないと思いますが、必要であれば利用案内や入り口の目立つところに明記しておけば良いのだし、普通の公務員だって守秘義務が守られていない時も見られるのですから、守秘の徹底以上のことは言えません。
 以前に書いた全自動図書館とか無人図書館を作るなら別としても、この論調はいただけないと思う。
 せめて、上にも述べたけど、「守秘云々以前に、病気や現状のプライバシーに関わりのあることを他人に知られたくない人も最近は多くいるので、1台ぐらいは自動貸出機を」って感じなら賛成かも。

 それと貸出履歴の保存機能について「いつか使うかもしれないからといって残しておくよりは、流出のリスクを考慮して残さないほうがより安全なのではないか。いや、残すべきものではないと言える。」「残さないような選択肢があるならば、そちらを選択してほしいと願っている。」と書いているのですが、カウンターにいて「前に私が借りた本わかりませんか?」って利用者に聞かれたことがないのでしょうか?

 確かに流出のリスク云々は私もコンピュータ好きですからわかりますが、じゃあいっそ、利用登録とかもやめて、資料を貸さなきゃリスクは激減ですよ?閲覧だけなら全て公平で平等ですよ?

 もちろん、私もアマゾンの「こんな商品も~」はいりませんが、それが新たな発見となって「あ~こっちも欲しいや」って思う人だっているでしょう。論文調だから、ちょっとカチンとくるのだと思いますが、利用者の要求は十人十色なんですし、現に貸出履歴を残して欲しいとかいう人もいるのですから、そういう人のためにも私なら「残せる機能があるのであれば、それを不快に思う人もいると思うので利用者ごとに設定できるようにして欲しい」としますけどね。

 さて、私も、公平性とか平等性について考えたことがあるのですが、本題に入る前に思うところを一つ。
 この田中氏の論文では商店の「お得意様セール」の手法が図書館に使えない旨が書かれているのですが、どうしてだろう?と。
 確かに、この『お得意様セール』、入り口で案内状をチェックされ、案内状を持っていなければ入れない形のであれば、図書館が開館しているのに常連しか入れないというのは少し問題でしょう。
 が、これが優遇や優越感を満たすセールということでは、レジで数パーセント値引きされたり、粗品をもらえたりというのも含まれるかと思います。
 それで、これは不公平で、不平等なことなのかと考えると、ある一定以上の貢献があれば誰でも享受できると明確な決まりがあって、それが守られている時には、一概に不公平と言えないんじゃないかと…

 個人的には、ノーマルカード・シルバーカード・ゴールドカード・プラチナカードみたいに、最低限の図書館でやることは保障されていて、その上で、図書館の利用度や利用状況によってプラスアルファを得られる図書館ってあっても面白いかもしれません。(この条件やプラスアルファを考えるのが一番頭が痛いですけど)
 mixiみたいに、限定者しかできなかったことを徐々にノーマルに移していくというのも必要ですが。(できるだけ全員に高いサービスをしてあげたいし)

延滞のペナルティの逆の発想とすれば、難しくはないかと…

 なので、公平なスタートラインで、公平な条件の下、条件を満たせば自動的にランクアップというのは公平?不公平??
(公平の最低限(全員が享受できるレベル)をどこに定めるかも悩むところですし、どんなメリットにしても「どうしてあの人は」という疑問が利用者から出てくるので難しい問題だとは思いますが、うまい条件やプラスアルファが設定されると、プラチナカード目指して利用促進してくれるかなぁという目論みもありなんですけど。条件としては期限切れを一度も起こさないとかも入れたいねぇ…笑)

 まぁ、パウチカードから名前の刻印入りのピカピカ・キラキラなオシャレなカードになるだけでも「いいなぁ」と思う人には良いのですけど。(我ながら子供っぽい発想かも。笑)

 それはさておき、図書館では、常連やヘビーユーザーだろうと初利用者だろうと、貸出数や貸出期間に差はありませんし、常連じゃないからといってレファレンスに手を抜いたりはしません。
 もちろん、常連さんだと新刊が入る曜日や雑誌の最新号が並べられる時間までわかっていますし、職員に「あの(シリーズの)続きってもう入荷した?」って尋ねるだけで、話が通じることもあるでしょうから、そこには長く図書館に通っている経験の差というものが出来てしまいます。

 それに、本当は誰でもリクエストして購入や他館依頼してもらって、資料を取り寄せたりすることができるのですが、「お手を煩わせるの悪いから」など言って遠慮するのも利用回数の少ない方が多いような気がします。常連さんだと「悪いけど、またこれ(リクエスト)お願い」とか「さっき見たら○○図書館が貸出中じゃなかったからお願い」とか自然にサービスを享受しているんですけどね。
 そんなことはあっても、来館者には同等のサービスが知られているか知られていないかは別にして保証されていますが、非来館者だと色々な都合によりサービスは少ないことになっている図書館も多いと思います。

 確かに、中には来館できない人のために健常者でも郵送貸出をおこなったり、メールレファレンスもやっている図書館もありますし、先に挙げたように新刊情報をWebで公開したり、各種情報が充実している図書館もあります。
 でも、(最新号の雑誌や新聞、貸出禁止資料などの)ブラウジングは実際に来館しないとできませんし、拡大読書機の貸出とかもほとんど聞かないですし、朗読(音訳)サービスも来館してというのが多いのではないでしょうか。
 お話会やブックトークなんかは、ある程度団体であれば職員の出張講座みたいにやっているところも多いのですけどね。
 今のところ、鎖に繋がれた資料を図書館で見ることから、徐々に郵送貸出などで、来館しなくても受けられるサービスが増えて来ています。非来館者へのウェイトがシフトしているのでしょうかねぇ。

 将来的には、セキュリティーのかかった電子データによる貸出なども可能になり、非来館型の図書館利用という形になるかもしれませんが、「や~今日は10人も来館したよ~」ってちょっと今からすると寂しい感じですね。笑

 郵送貸出の話が出たので、ちょっと話を中断して一言。
「無料の原則で貸出は無料なんだから、郵送費取るのはどうかな?」と以前言われたのですが、私は往復利用者の実費で構わないと思いますよ。
だって、「図書館にバスで資料を借りに来たからバス代よこせ」っていう人いないでしょ?同様に「貸出利用者にガソリン代を支払います」っていう話もないですし(逆にそれをサービスにしたら利用増えるかなぁ?)、「図書館を2時間利用したのに1時間以上は駐車料金を取るなんて」ってもめることも(実際はあるのでしょうが)ほとんどないと思います。
もちろん、これで『貸出手数料』で郵送料にプラスして料金請求は(保険分は仕方ないかもしれませんが)できないのでしょうが、郵送料を取るのは問題がないと思いますけどね…

 話を戻して、全ての人に結果として公平なサービスというのは、相手の経験や状態、環境によって違いがあるのでできません。
 インターネット上で情報を発信してもインターネットに接することができない人には意味もないですし、来館できない方であれば図書館サービスを知る機会も少ないかもしれません。
 そういう人達が、全て同じ情報を得られ、同じサービスを受けられるというのは理想ですが、難しいのが現実です。
 その場合、直接伝えられなくても人を介してなら伝わることも多いですよね。
 友人、親、家族、先生、介護者、店員、お客…色々な所から伝われば、来館者も増えるでしょうし、来館できない方でも、利用したい意志表示があれば図書館は何らかの手立てを考えてくれる(例え「代理人が来館すればいい」というものだったとしても)はずなので、気軽に問い合わせてほしいものです。

 そういう感じに自然と常連さん達が未利用者の人を呼び起こし、新たな常連さんを作るようなきっかけになると、良い図書館ができるような気がします。

で、ふと思った脱線話題。
みなさんの自治体職員の図書館利用の状況はどうなんでしょうか?首長や議員さん達なんかの利用状況を知りたいなぁ…(首長が常連って図書館はある意味微妙ですけど。笑)というのも、住民に対応する窓口で「それなら図書館ででも調べられますよ」とか「詳しい資料は図書館にあるはずです」とかだって可能でしょうから。
まぁ、それには図書館自体が「図書館ってこの程度だ」と思われないサービスをやっているのが前提ですけどね。

 さてさて、『常連と未利用者』とタイトルがあるのにさっぱり未利用者について言及がなかったので、ようやく。
 図書館は、上で述べましたように、常連というか来館者に重きを置いたサービス展開が今のところ多いです。
 これは、貸出数の統計や入館者数の統計で「増えた」「減った」言っていることが多いからだと思われ、逆に近年では「受身的図書館から情報発信型図書館だ!」とWeb展開をしている図書館も増えてきました。
 もちろん、図書館のWeb上で用事が済めば図書館に来館する必要もなくなります。そうすると、長年取っている入館者数統計上は減ります。
 担当としては「Webアクセス数が飛躍的に…」と説明してもなかなか納得してもらえるものではありません。

 なので、未利用者に図書館に来てもらう対策を練らないといけないのですが、「フランス料理を食べたい人に中華料理を勧めても無駄」という考えも無きにしも非ず。
 どんなに情報発信して、図書館をPRしても関心のない人にはそれを受けることなくスルーしてしまう以前にその発信情報にアクセスすらしない状況なのですから。「上を見なければ頭上に星が輝いていることに気付かないし、その人にとっては星はないに等しい」といったところでしょうか。

 なので、未利用者はほとんど図書館サービスを享受することもなく、ともすれば享受しようとも思わないままでいることもあるでしょう。

 ただ、その一方、伝わっていないから未利用者ということもあり得ます。だって全体の3割しか利用していないのだから。
 その人達も、あることを知らないから発信された情報にアクセスしません。
 なので、せめてアクセスした時には、わかりやすくアピールする情報がある必要があります。
 アクセスしたいと思うときに例えば常連さんのような利用者が「それは図書館に行けば良いよ」というアドバイスがあれば、図書館としては願ったり叶ったりでしょう。
そのために、常連に限らず、手厚いサービスをするのが望ましいでしょうが、図書館の現状を考えていくと、人手なども足りないかと思われます。
 それなら、常連を手始めに試行して徐々に裾野を広げる方法もありなんじゃないかと…
 常連に手厚いサービスをすると冒頭の田中氏のように公平性に欠けるって考える人もいるのでしょうが、条件を一定にしておいて、利用者全てが常連になるような心持ちでいれば、「あそこは良い図書館だから通い詰めちゃうよな」って図書館にだってなれるはず。
もちろん、言葉で言うのは簡単だけど、簡単に実行できるものなら、どの図書館だってやっていますよね。笑

 以前の来館者限定みたいなサービスから徐々に来館できない人や未利用者へのサービスが広がりつつあるのは、ウェイトがシフトしているからだと思いますが、1つ懸念が。
 来館者も非来館者も常連も未利用者もWebの情報発信ならば公平に情報を得る機会に恵まれるかもしれませんが、携帯電話を持っていない人が一定数いるのと同様、インターネットをできない人だって多数います。

 全ての人に同じように情報をというのはもちろん理想ですが、Webに重きを置くのも「Webで公開しているから安心」となっては、問題なのでしょうね。(Webに情報を発信すること自体は良いことと思いますけどね。それだけで安心しちゃうのが問題。)

 情報満載の図書館便りの回覧とかもその対応としてはあるのでしょうが、一度に見切れないほどの情報量になっちゃうかもしれません。
 それに、ポスター掲示と一緒で、必要となるときにならなければ、情報はスルーされますし…
 実際、何かある場合、自分の周囲の人や友人知人にに聞いてみて、解決すれば儲けものって感じなことが多いでしょうから、図書館は住民の良き友人である方が良いのではないでしょうか。
 図書館の電話番号が住民に覚えやすいものであるというのも良いかもしれませんね。「何かお困りの時は○○番!」と。

 最後に、そういや、アマゾンが電子書籍端末「Kindle(キンドル)2」を発表し、iphoneでもアプリケーションを介して読めるようになるという記事が発表されたのですが、おそらく、その先の戦略的には他の携帯端末やゲーム端末なども視野にはあるんじゃないかと。(キンドル2が売れなくても電子書籍が売れればなんとかなりそうだし)

 そうなると、図書館としては電子書籍をどうやって貸出するかとか、そういう議論も深まってくるとは思うのですが、もしそうなってくると、図書館のサイトにアクセスして電子書籍をダウンロードして閲覧し、期限が来たら端末から電子書籍情報が消えるって感じで、図書と図書館が身近になったけど、図書館そのものには来館することもなくなる時代が来るんでしょうかねぇ…
 今は「滞在型図書館」だの「非滞在型図書館」だの言われていますが、将来は「来館型図書館」と「非来館型図書館」なんてことになるんでしょうね。
 まぁ、図書館が空気みたいになきゃ困るけど普段はあることを忘れているくらい身近な存在になってもらいたいものです。

まとめ。
・図書館は常連だからといって優遇しているわけでない。常連は経験により図書館サービスを最大限に利用しているだけ。
・明確な条件の下、サービスに何かしらのプラスアルファがあっても良いのではないだろうか。
・来館者中心のサービスから非来館者へのサービスも徐々に拡大している。将来的には非来館型の図書館というのも出てくるのではないか。
・潜在的利用者を未利用者の中から選び出すのは情報発信より人の繋がりなんじゃないだろうか…

…まとめると短いね。笑

| | コメント (0)

図書館における重み付け<その1>

最近思うことを1つにまとめて
・貸出とレファレンス
・常連と未利用者
・正職員と非正職員
のそれぞれについて、『重み付け』ということで考えてみようかなぁと。
(追記。長くなったので<その1><その2><その3>わけます。)

ということで、その1として「貸出とレファレンスについて」いつものようにあちへふらふらこっちへふらふらしながら、ダーッと書きます。

<貸出とレファレンス>
 『貸出とレファレンス』が『図書館の両輪』という話も聞きますが、両輪って…片方を外したら成り立たないものを言うんじゃ…例えば『利用者と資料』とか…利用者に直接貸出していない図書館だってありますし、レファレンスを期待されていない図書館だって(笑)。

 おそらく、図書館の定義はそれぞれでしょうから、異論はあるでしょうが、一切貸出をしなくても図書館は成り立つでしょうし、狭義のレファレンス(事項調査)などが自館でやらなくても図書館は成り立つと思います。

 この『貸出とレファレンス』については、私なんかより、多くの先輩・諸先生方がすでに論じているでしょうから、私が論じる隙間などないでしょう。なので、論点をぼかしつつ…いや、論点はそのままに、自分なりの解釈で言いたいことだけわめきます。

 実際、貸出もレファレンスも情報を利用者に与える点では一緒のことだと思いますけどねぇ…強いて分けるなら与え方の違い?

 今さらながらですが、貸出云々の極端な例として『貸出至上主義』という言葉があって、「図書館は貸出してなんぼ」みたいな風潮があったり、あったり…。
 私の図書館でも利用者が「え~そんなに待つの?ベストセラーをたくさん買えばいいんじゃない」と申していたのですが、『貸出至上主義』=『貸出数をあらゆる手段で増やす』と解釈し、これに反論するときによく出てくるのが『ベストセラー多量買い』ですね。

 もちろん、うちのような小さな図書館でベストセラー本を100冊も買ったら、それは問題でしょうし、そんなことをしたら「そのまま80冊くらいは書架に並ぶよな」って状況ですから(笑)うちではしませんが、大都市で何千件も予約があって1冊ってわけにはいかないでしょ。

 確かにその市に1冊あれば情報はいつか受けられますが、数千番目の予約の方がその情報を受けられるのは果たして何年後?
 レファレンスに例えると、小学生の頃レファレンスとして受けた回答を成人したら回答して説明するようなものかなぁ?と。質問した本人もビックリでしょうね。逆に「覚えていてくれたんだ…」って感激されるかも?
 いくら「図書館は無料の貸し本屋じゃない」とわめいても、実際の利用者の中には確実に「家計節約のため」とか「買うまでもないけど読みたい」とか思っている人もいることですし、先にあげたような考えの利用者だっていますし、そもそも何千件の予約が入ることだって、PR不足だけでは言い切れません。それが一概に悪いとは思いませんが…

 何度も書いていますが、そういう利用者も含めて3割しか図書館を1年間に利用したことがないようですから、図書館のPR不足云々言う前に貸出偏重傾向は一般の図書館認識として大きいような気もします。
 そして本庁的には「無駄が多い」だの「金食い虫」だの、その挙句「受益者負担にできないのか」などと言われ、図書資料費が削減され、新刊やリクエスト本も購入できず、貸出数が減っていく…って状況。
 それを逆手に「予算の減少と貸出数の低下は相関関係がある」と主張もあったりしますけどね。…でも、本当に相関関係があるとしたら、同規模の予算の図書館は貸出数が同じかと言われると…そうでもないような気が…やっぱり一番は図書館の営業努力によるのかも?

 レファレンスに特化した図書館があるのなら、真逆の貸出に特化した図書館もあっても良いのではないかと…
『安い人件費に支えられ、調べる必要のある質問には一切答えず、利用者が持ってきた資料を自動貸出機が無言で貸出をする。』
『図書館に高価なレファレンスツールである調べ物をする資料は一切置かず、その分ひたすら複本に回す。』
『書架に1ヶ月以上置かれてあるものは、すぐに身売りに出し、複本の足しにする。』
『リクエストや予約があればすぐに発注する。その前に、選書って作業すらない。』
もちろん、これをすると利用者が増えれば増えるだけ財政難になることは明白です。そこで…
『図書館のある地域の人しか貸出ができない』
としてみるとか…
他にも『期限が切れたら恐い人が直接取り立て』とか…笑

 おかしいと言っちゃ確かにおかしい気もしますが、蔵書の9割以上が貸出中って状態であれば、施設は大きくなくて良いのですし、建設費の何十億を全て資料費に回せば「あと10年はやってける!」って状態かなぁ。

 まぁ、そういう図書館が出ていない以上、極端に特化されるとおかしいのでしょう。
 逆にレファレンス特化だとしても、都立中央図書館だと個人への直接貸出はしていないくても、協力貸出で他館経由でなら借りられますから、それもしない図書館って公立図書館だと聞きませんし…(私が知らないだけ?)

話が妄想に近くなりつつあるので修正。
ということで(どういうことで?)、図書館創成期(?)ならば、「まずは貸出で人を呼んで」「図書館とは知識の宝庫で便利だと知ってもらい」「国民に賢くなってもらおう」で良かったのですが、どうもそのまま次に進めないで、統計の取りやすい貸出数を図書館の指標として考える人が多いままになっているんだろうなぁ。

某店のオープン時サクラの行列ができる店や自社製品強制買いの会社ではないですが、職員が毎日自館資料を借りて行って、貸出数を伸ばすとかも不可能ではないですがねぇ…笑

 そこで、貸出ばっかりじゃまずいんじゃないかと思い、資料費も減ってきたことだし、それをカバーするように現れたのが、レファレンスの一部だったものが特化されたビジネス支援やなんたら支援。
 わざわざ銘打っただけあり、最近はもてはやされますが、ビジネス支援ってレファレンスじゃないの?「起業するにはどうすればいい?」とか「特許の取り方を知りたい」とか…
レファレンスって各種情報支援のはずですよね?どうも名前が付くことによって別物と化しているような…

 まぁ、ニュース記事によると、そもそも図書館のレファレンス自体『珍しいサービス』だそうで(笑:参照(http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=27051&categoryid=1))、疑問を持っても図書館で調べることはあっても調べてもらうまでには意識がいかないようです。

 冗談はさておき、レファレンスに関して、レファレンス1件の重みが数値化されていない現状では、簡単なクイックレファレンスも、何週間もかかるような事項調査も、1件は1件。
ついでに書くと、それに掛かる職員の人件費を考えると、レファレンス事例が難しくなればなるほど、1件にかかる費用は大きいです。
 職業的にサーチャーであればそれなりの対価はもらうのでしょうが、図書館職員はその利用者に「ありがとう」の評価はもらえますが、人事的には1件のレファレンスですし、特別手当が出るわけでもないですからねぇ…本来お給料はそれも含めてなんでしょうが。

 もちろん、口コミで「わからないことがあるって?あの図書館のあの司書に尋ねればわかるよ」って評価まで付けば、一番なんですけどね。(これ理想!)

 レファレンスを数値で実績を出すにあたって、これも数値を増やすのはそう難しいことではないような気もします。
「この本どこですか」はよくある話ですが、これだって『一緒にその書架まで調べに行く(またはその書架の案内をする)』ということで、
「ここに行きたいんですけど」という道案内や「午後から雨なんですね」という話しかけにも「○○新聞の予報によればそのように書かれています」も答えれば、いや、クイックで持てる知識から「そうですね」というのも、立派なレファレンスになっちゃうし…定義を狭めるから少ないままなんでしょうが、広くすれば良いのじゃないかと。
以前書いたように、「今夜のおかずの相談も乗ります!」にしたら、増えるかと。

 それと平行して、パスファインダーなり、レファレンスのデータベース化なり、利用者が調べやすいような下準備も着々と図書館で進められています。
しかし、これって、実際には利用者教育が進めばレファレンス自体が無用の長物になるわけです。
つまり、図書館職員に尋ねなくても自分で発見できるのに、わざわざ尋ねることもなくなるということ。
「今計算してみたが、レファレンス数はパスファインダーの充実数に反比例して落ちる。 職員の頑張り過ぎだ!」って言われかねない…笑

 ベストセラーの貸出にしても、レファレンスにしても、予算上の制限がありますから、どうしても限界が出てきます。
 その予算も減ってきている状況ですから、「もう少し借りたい要求に応えてあげたい」とか「この資料があれば回答できたのに」とか思ってもままならないことが多々あります。
じゃあ、どうするか?
1つは、己の不幸を呪って、「予算が云々」と愚痴をこぼし、ない物ねだりをする。
1つは、最大限の工夫を凝らして、貸出とレファレンスを増やす。
1つは、「まぁ、こんなもんでしょ」と現状で満足する。
1つは、見限って、恵まれた図書館に転職する。
まぁ、こんな風に書いたら2つめの工夫しかないのですが…いや、世の中にはもう1つ「根性で自分館を立て直す」っていう人もいますね。
その立て直す気力を維持したまま、館長職などに就く人がいると、その図書館は大きく変わります。
平だとどうも愚痴で終わってしまうような気も…

 話を戻して、貸出における昔からある図書館の工夫に相互貸借があります。
本来であれば、『購入努力をしてすでに購入するのが難しい資料』をお互いに貸し借りしましょうという前提が根底にはあったと思われますが、最近では「予算がないからあるところから借りちゃおう」と横断検索の努力(?)だけして、「県立の巡回車で持ってきてもらおう」という図書館も多いようです。(巡回しているところは。県立の費用は膨大(話によると1千万円以上かかるところも)なので…)
それによって、少なくなった資料費をカバーするのに相互貸借をフル回転させて、できるだけ利用者の要求する資料を用意して貸出をするって手法です。

もちろん、「貸して!貸して!」ばかりだと、「またかよ…」陰口を叩かれることもありますが…それに借りられる館の方でも「広域はまだ良いとしても、どうして地域住民でない人に貸すんだ」って行政のクレームも出てきます。

もう一方のレファレンスでの協力体制を考えると、レファレンスで他館のレファレンスを回答するってこと、県立以外ではあまりないんじゃないかなぁ…
以前も書いた気がしますが、自館の資料やスタッフでは難しくても、県立じゃなくお隣の図書館で某氏に聞けば実は余裕ってこともあるような気がします。
相互レファレンスってあまり聞かない…
業界用語的には図書館協力とか図書館ネットワークとか相互協力なんでしょうか?

これも確立すると「教えて!教えて!」ばかりでレファレンスしない図書館も出てくるかも…

最近のよくある工夫としては「IT化で便利に」となるのですが、以前「(上司が言うように)IT化・機械化が進めば良いってもんじゃない」と、公立図書館でIT化が進んでいる某図書館の人に言われてちょっとショックなんですが、使える人にはより便利になっていることは確かです。(逆に苦手意識のある人は置いてけぼり…)
この苦手意識のある人にどうこの便利を使ってもらうかが次の課題ですね。
最近のOPACだとタッチパネルや見やすいように改良されつつあるけど、ある人曰く、「職員に聞いたほうが早いし楽」。苦手は苦手なんですね…

他にも先に挙げたビジネス支援など新サービスと称した特化型工夫もありますし、パスファインダーの作成やPOPなども取り入れているところも増えてきています。

 ただ、他の図書館が始めたから、うちもやってみよう式では、やれる用意はあっても実績は少ないとか、ニーズに合っていないってこともしばしばあるような気がします。
 もちろん、しっかりした準備と住民全体への周知がされていれば、使ってみようと思う利用者がいると思いますが、まずは図書館がちゃんと認知されないことにはねぇ…
 図書館ってアピール下手な面があると思いますが、ポスター掲示や広報などでは目に入っても記憶に残らないことが多く、必要に駆られない限り、図書館って思い出されないような…

 そう考えると、図書館ってその地域ごとの図書館の発展段階によってやらなきゃいけないことが違うんじゃないかと。
 まずは、図書館を知ってもらう段階、次に図書館を利用してもらう段階、そして、図書館を作り上げる段階みたいに。(中で細かい段階分けがあるつもり)
ある程度、業界的には当たり前だと思われているサービスや業務もされていない図書館だって多くあります。そういうところが指定管理者になると、低い方で普通じゃなかった図書館が普通になるんですから、利用者にとっては良くなるのは当たり前かと。
 いきなり、『ビジネス支援』をやってみようとしても、利用者レベルも図書館レベルもまだなところでは、やはりずれたニーズになりそうですしね。

 例えば貸出至上主義的な運営している図書館の利用者が、「もっと調べられる資料を」という声を出してくれれば、いくらなんでも「調べられる資料は貸せないので」と断固拒否するわけはないでしょうし…(甘い?)そんな感じで、一歩ずつ段階を上げる必要があるんじゃないかと。
 この問題点としては、利用者も「図書館とはこんなもんだ」と思い込んで、その先があるとか別のサービスがあるなんて思いもしないことが多々あり、うちの利用者でも「へぇ~ここの図書館はそういうこともやっているんですね」と言われた(まぁ、時々逆もあり)ことがあるので、そういう状態になったら結局変わらないなぁとも思いますが、利用者側がまだそういう段階にいるということで…

 しかしながら、貸出からレファレンスという順番だと、貸出は資料を貸せば良いので、出来ないってことはないのでしょうが、もし貸出の次にレファレンスがあったとして、「ちゃんとどの図書館も出来ているか?」と考えると、「訊ねにくい」とか「聞いても『わからない』ばかり」とか、他館の利用者からそういう声もちらほら聞きます。

 もちろん、レファレンスでは調べるノウハウの他にも調べられる資料がないと始まりません。(予算もないからある資料でまかなわないといけません。)
で、以前もノウハウについて、ベテラン司書が持つものではなく、その地域の図書館が持つようにする旨を書いたと思いますが、レファレンス担当職員やベテラン司書だけにレファレンスのノウハウがある図書館は、その人が異動したり退職するとノウハウがなくなってしまいます。

 そうすると、指定管理云々というときに出てくる、直営でのノウハウ自体揺らいできます。
若い人に引き継ごうにも、その人も異動があるでしょうし、非常勤なら辞めてしまう可能性もありますから、「私がいなくなったらちゃんと継続できるんだろうか」と疑問を持って、万が一の事故だってあるんでしょうから、ノウハウを図書館のPCにでも溜め込んでいく必要があるでしょう。
 この蓄積されたノウハウが公開されると図書館全体の発展にも繋がると思うんですけどね。レファレンスに限らず、スタッフマニュアルとか、業務手続とか…

 結局、貸出もレファレンスも元を正せば『選書』に行き着きます。
図書館に必要な資料としてベストセラーの複本を選ぶのも、調べられるだろう高価なレファレンスツールを選ぶのも、『選書』です。
 じゃあ、選書はどうやってするかというと、収集方針などがその元です。
本来であれば収集方針はできるだけ具体的にあった方が良いと思いますが、どうも「広く収集する」とか抽象的なような…
 選書ノウハウもまとまってくるとシステマチックに選書が可能になるんですがねぇ。(選書が機械的になると司書いらなくなりそうですが…笑)

 さてさて、いつも通り、長くなるのでまとめに入りますが、『貸出とレファレンス』を論じるとどうもV.S.モードになっているような。
他にも例えば、
「利用者要求に応じたベストセラー複本論v.s.流行過ぎれば書架の肥やし論」
「今は使われなくてもいつか日の目を見るだろう資料購入論v.s.手にとって読まれなければただの死蔵資料論」
「POPを作って貸出を増やそう論v.s.1冊しかない本のPOPを作ったってしょうがない論」
とか、小さなことでも、それぞれ対立する考えが平行線のように言われます。
選書が大事だと思って「10年先、20年先に使える資料を選ぼう」としますがこれだって、「今使われないのが10年後使われる保障はない」と言われますし…

 レファレンスをやれる人材もやれるノウハウも資料もないから、貸出を頑張るのか、数字を取りたいから頑張るのか、その方が楽だから甘んじているのかわかりませんが、表面的に「貸出してなんぼ」というのは根深くあると思います。
 貸出統計じゃなく、資料の手に取られ統計が取れると、貸出偏重にならなくても良いと思いますが、合理化とか作業効率を考えるとね。
 「ならば、今すぐ利用者すべてに叡智をさずけてみせろ!」と言われても無理なんでしょうから、各図書館が段階を踏んで、変化していく時期になってきているんじゃないでしょうか。
図書館と利用者のレベルを表す方法がないものでしょうか?貸出し数が何件だとかそういう数値ではなく、「利用者がこの段階に来たので、図書館としてもレベルアップの必要性が出てきた」みたいな。

 最後に、貸出とレファレンスのその先ってなんだろう…
 貸出以前は、資料があることに意義があって、貸出がバックヤードで人は介在しているかもしれないけど、資料に重みがあり、レファレンスがバックヤードで資料が必要だけど人に重みがある…そう考えると、資料と人の重みの比率が変わってきているのであれば、資料依存が少なく人が中心となるのでしょうか。

 その図書館が貸出重視であろうがレファレンス重視であろうが、利用者が聞きたいことを気軽に聞けて、それを快く答えられる職員がいて、利用者が(わがままでない)言いたいことを気軽に言えて、それを改善しようとできる職員がいれば、きっとその図書館は全く問題がないのですよね。
 シーンと静まり返って質問もしづらい図書館から、多少話し声があっても地域のコミュニティとして気軽に利用できて集まれる図書館という感じでしょうか…
それは来館者数とか数値だけじゃないものなので、それをどうするかが問題で永遠のテーマなんだろうな。

 当たり前のように本を借りられて、当たり前のように調べることが出来て、当たり前のように発展する…そんな図書館でありたいものです。

(上手にまとめられない私ですが、いつも長い文章を読んでくれてありがとうございます。)

| | コメント (0)

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »