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著作権法の一部改正

『著作権法の一部を改正する法律案』がいつの間にかUP(http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/171/1251917.htm)されていました。
ずっと気になっていたのですが、ほんといつの間に…笑
(というか、これを書いている日はブログにUPする日とは違うんだけど。)

さて、改正予定の案をザーッと見て、何点か。
まず、吹き出してしまったのは、31条1項で「国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館…」と、「国立国会図書館は『公衆の利用に供することを目的とする図書館』とは違うのだよ、そこらの図書館とは!」って明確に分けられたってこと。
確かに『国立』ではあっても「国会」のための図書館ですからねぇ…これが公衆利用に供することを目的とする『国立図書館』の設置への布石であれば、申し分ないのですが、違うのでしょうね。

次に、気になっていた資料の電子化については、31条2項が新設されて、『国立国会図書館においては』と限定して「原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷又は汚損を避けるため(中略)当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる」と国立国会図書館は明文化されているのですが、普通図書館(笑)については、報告では1項2の保存のための複製で出来そうな書き方でしたが、明文化まではならなかったようで、相変わらず解釈論の展開といったところでしょうか。

それとも、これも、『図書館においては』に変更される前段階ということでしょうか…
もちろん、除籍資料などの電子複製もGoogleさんのような機器があるわけでないから、市町村図書館では難しいですが、繋ぎとしてでも、国立国会図書館が電子化した資料を保存のための複製の条項によって(所蔵資料ならば)受けられるとでもなると手間もなく良いのですが…

で、普通図書館としてありがたかったのは、37条が変更されたこと。
今までは37条で点字への複製は可能だったのですが、点字図書館系でしか視覚障害者用の録音資料が作れなかったのです。
これが『「視覚障害者等」…の福祉に関する事業を行なうもので政令で定めるもの』であれば作成可能ということになり、「政令で定めるもの」が微妙ではありますが、概要に明確に録音図書の作成が公共図書館等にも拡大となっているので、間違いなく可能なんでしょう。

ただ、気になるのは、視覚障害者サービスとして掲げているまたは事業を明記していないとできないのかなぁ?と。
でも、これで、音訳ボランティアさんにも普通に作成依頼が可能になるんじゃないかと、思うと、「著作権の許諾がないので、資料の大半は録音資料にできないんですよ」とか情熱に水をかけることを言わなくて良くなったんじゃないかなぁと。

ところで、聴覚障害者向けのサービスとして視聴覚資料に手話を付けるのは可能だったようなのですが、普通の図書館でどうやって手話付きの映像にするんだろう…作っている図書館があったら教えて欲しいものです。

他にも改定される部分はたくさんあるのですが、気になるところをいくつか。

新設された47条の7(情報解析のための複製等)で、情報解析を行なうことを目的とする場合は記録媒体に記録できる…まぁ、情報解析の定義どおりであれば無理かもしれませんが、例えば、絵本の全文をコンピュータに記録しておいて、解析という名の検索をする(もちろん検索結果に内容は表示されない)とか…

というのは、登場人物名とか台詞とか児童図書担当で精通していれば別ですが、簡単なところでは「いちもくさん」というキャラクターが出ている絵本(簡単だからすぐわかるかもしれないけど『しょうぼうじどうしゃじぷた』(渡辺茂男,福音館書店,1979))とかを利用者サイドで検索できると良いかなぁと思ってね。
まぁ、情報解析って感じじゃないからだめか。

それでも47条周りが新設されたことによって、新しい図書館サービスが何か可能になるんじゃないかなぁと思ってみたり。

個人的にはもう少し31条関連をてこ入れしてほしかったなぁ…
次の改正に期待するしかないか。
例えば、31条1項の2の保存のための複製をもう少し具体例が入ったような感じにとか…(16mmフィルムからDVD化が明確に可能だとは書かれていないし、公立図書館での資料の電子化についても…)

まぁ、平成22年1月からなんだけどね。

今日は短めだけど、重み付けの話<その1>~<その3>が長かったし。笑

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