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2009年4月の3件の記事

図書館の広告と新規顧客の集客

書きかけの内容があったのですが、次のブログを拝読して、「やっぱこっちで書こう」と思ったので、先にこっち。
『丸山高弘の日々是電網 The First.』(http://maru3.exblog.jp/)さんの以下の内容に端を発して
『来館者を増やす ~図書館広告のススメ~』(http://maru3.exblog.jp/8192530/
『新規顧客開拓(図書館の場合...)』(http://maru3.exblog.jp/8200114/

『読書ノートのつもり?なつれづれ日記』(http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/)さんでも
『[図書館]新規顧客の開拓』(http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20090422/1240326882
と関連した内容について書かれておりました。
これらに触発されて今回のテーマで。

 まず図書館での広告って何かを考えてみると…『あなたの身近に図書館がありますので、利用しに来てください』って図書館の宣伝をし、新規利用者も含めて利用強化に繋がれば、全て広告なのでしょう。
 確かに、図書館の広告で中吊り広告やTVCMや新聞折込などは見たことがないですけど、広報の親戚みたいなものだと考えるとポスター(有名なところだと、日本図書館協会から委託を受けて作られた錨といるか社のポスター(http://www.iruka.net/fl/library_works/posters.html)でしょうかね。)あたりであれば、よく見かけますし、各図書館、広報誌や便りなどで宣伝はしていますものね。
 他にも図書館バッグにでかでかと『○○図書館』って書いているのも広告でしょう。高級ブランドを買ったときにもらえる紙手提げ袋みたいな素敵なステータスシンボルになる図書館バッグであれば、高い宣伝効果も得られるでしょうけどね。

 広告学(?)の専門でないので、どんな分類になるかわからないですが、媒体で分けるか効果で分けるかというところで考えると。
 紙媒体としては、広報誌、新聞雑誌広告、新聞折込、ポスター、DMなどが視覚に訴える広告。
 デジタル媒体としては、Webページ、YouTube、Eメール、DVD作成などが視覚時々聴覚に訴える広告。
 その他媒体として、中吊りや車体広告などの交通広告は視覚広告で、テレビ・ラジオなどによる放送広告は視聴覚広告で、屋外看板や図書館バッグなどの視覚広告とか、チンドン屋さんなどのパフォーマンス広告(視覚時々聴覚広告?)などでしょう。
 そういや、確か2年ほど前に『米オムニホテル スタバ・米紙と「香る」広告 リピート客増狙う』とか『“香る書店”読者誘う!? 日販、3カ月で効果検証』っていうのがありましたが、嗅覚広告ってのもありでしょうか。

 で、今挙げたものだけでも図書館広告としてどうかについて、考えると…
 広報誌や図書館便りはほとんどの図書館が行なっている広告というか広報ですが、その見せ方はだいたい似ています。で、見る人は見るし、見ない人はやはり見ないのですが、自治体の広報誌をじっくり読むという人は経験則であまりいないんじゃないかなぁと。

 ポスターも利用者から作品を公募して、イベントとして作成し賞を贈ったりする図書館もありますし、自館オリジナルで作って公共施設などに配布という図書館もありますね。
 某図書館を視察した時に、掲示物(飲食禁止とか)がたくさん貼られている掲示板を見て、「これじゃあ、書いてあるってだけで、効果ないんじゃないかなぁ」と思ったこともあり、ポスターは非常に目立つものでなければ掲示場に埋もれてしまっている感もありますから、ポスターを作製するのなら見せ方・掲示場所もちゃんと考えないとなぁといったところです。

 ポスターであれば、イベント的であったり、プレミアム的な方が集客には適しているんじゃないかなぁ?
 個人的には、図書館職員が自分の図書館のポスターを作る内輪部門と日本図書館協会のポスターみたいなものを一般公募する2パターンの『図書館ポスター大賞』なんかが大々的に開催されると良いなぁとは思いますが、ライブラリーオブザイヤーもそうですが、どうも一般認知は低い気がします。

 新聞雑誌広告や折込チラシについては、支出に見合う効果がない気がします。というのも、ポスターや掲示物などもそうですが、目に見えていてもその時の自分の関心が違うところにあれば、記憶に残らないという点で。
 というのも、図書館の利用券作成時の利用案内にも図書館カレンダーにも館内の入り口にも開館時間は説明し、見えているのですが、よく利用してくれる利用者でも「あれ?何時から開館だったっけ?」とサマータイムとかでずれたり曜日や季節によってずれることがないにも関わらず尋ねてくるケースがよくあるからです。

 DMはその形態であれば、先ほどの新聞雑誌広告や折込チラシに似ているのですが、自治体広報と一緒に図書館便りを送るというのが手法的に近いでしょう。
 公立図書館ですから、町内会の回覧にも載せてもらえることだってあるでしょう。
 地域住民への伝達というのは、各戸配布の手段も気軽に使えるので、図書館にとって案外楽なものかと思われます。(でも来ないんですよね?後段で書きますが。)

 Webページ広告なんかは自分の館のページを持っているのが中心かと思われますが、情報発信の仕方としてトップページにあらゆる情報を載せた方が良いのか、あまりリンクが深くならない程度でトップはシンプルな方が良いのかは以前考えて書きましたけど、広告としては、自館ページにアクセスされた時点で、すでに何かしらの宣伝効果によるものがあるので、純粋に広告となるようなものであれば、他ページへの掲載広告や検索結果ページの広告になるでしょう。

 で、例えば、お金を度外視して、所蔵資料の図書を普通にGoogleなどで検索した時に(例えば『ハリー・ポッターと賢者の石』と普通にGoogle検索した時に)、一番上の広告欄に「この本はうちの図書館にあります。読みたければクリック」と一館だけあれば、近隣の住民であればクリックする(広告効果あり)でしょうが、例にあげた本だと何百何千の図書館で所蔵しているのですから、ずらずら出てきても本当はただその本を買いたい人などにはいい迷惑ですし広告効果は薄いでしょう。

 YouTubeやDVDのように、図書館の宣伝動画の作成は内容としては各館でやると面白いですよね。
 ただ、業界的に面白いということで、それを見てくれる人ってどうなのでしょう?
 ふら~っとそこに辿り着いて、見て、「あ~この図書館に行きたいな」って思う確率を考えると…う~ん。

 ここまで考えると、広告って、埋もれちゃうと効果ないんだなぁと。当たり前だけど。
 そうすると、人の多いところで他のポスター掲示のない目立つところにポスターを貼ってもらうとか、白黒の回覧の中に突然カラーだとか、各戸配布物として配るのが、今のところ図書館の広告として有効そうなところ。あとは住民参加による図書館ポスターや標語云々が一部住民に偏りそうですが、小さなニュースにはなりそうなところかな?

 引き続き考えると、中吊り広告は、移動時間で暇な時、顔を上げるとあるイメージで、通勤時間が長い地域性のあるとことだと、大学入学案内みたいな感じで図書館案内というのもありでしょう。

 車体広告も、ラッピングバス程度大掛かりであれば、他のバスと差別化ということで、効果ありだと思いますし、どうせなら、「移動図書館車を目立つ車両にしちゃえ」って感じですね。

 テレビ・ラジオはローカルであればまぁまぁの効果は得られると思いますし、ラジオなら、ミニ局を作ってというのも面白いかなと。

 『香る書店』に対抗して、『香る図書館』だとかは広告というよりリピーター狙いなんでしょうね…BGMの流れる図書館があるように、香る図書館って面白いなぁと。逆に広告効果云々だとしたら、新刊本の香りとかインクの香りとかでしょうかねぇ?あくまでも黴臭い香りは嫌ですけど。笑

 色々考えていく中で、図書館における広告の位置づけを、『図書館自体の認知』『図書館サービスの認知』『新規利用者の開拓』『リピーターの集客』と考えてみると…
図書館そのものやサービスについてであれば、日図協あたりがTVの政府広告みたいなので、広告すると良いでしょう。
 あとは地域住民サービスが主なのですから、地元スーパーなどへの各館によるポスター掲示と各戸配布物が効果的広告になると思います。
 もちろん、やる気があれば、画一的な『行政文書』ではなく、手書きで思いを込めて「開館して○年、一度も利用されていないあなたに是非こういうサービスがあるので利用してもらいたい」とか「ここ何ヶ月かご利用いただいていないのを寂しく思います」的なお手紙を地域住民全員に送ると、素晴らしい広告効果になるような気がします。

 で、前段はこのくらいにして、タイトルの後段の新規顧客の集客について。(相変わらず長いです。笑)

 何度もこのブログで『第62回読書世論調査の中で『7割図書館利用しない』』って話(例えば『ターゲットはどこに?』(c-town.way-nifty.com/blog/2008/11/post-e283.html))をあげていますが、「広告によってその7割のどのくらいが来館することになるのだろう?」と少し懐疑的です。
 『ターゲットではどこに?』でも書きましたが、食わず嫌いはともかく、必要としない人をどうやって…と悩むより今来ている人が3倍来るような図書館にする方が、口コミ的に新規利用者を獲得できるような気がするのは変わりません。

 でも、それだと後段は『以上』になるので、別視点で。
 先ほど、地域住民への伝達において各戸配布がしやすいということを書きました。
地域住民の目には『○○図書館』という字は目に入っているでしょう。その中の何割かはパラパラとめくって読んでくれていると思います。

それでも来館者が増えないのは、
1.42%「忙しくて利用する時間がない」
2.21%「図書館が近くにない」
3.17%「貸し出しや返却手続きが面倒」
4.10%「読みたい本や雑誌がない」
5. 4%「開館時間が不便」
ということを実現されていないからというのも一理あります。

 でも、時間が出来たから、開館時間が延びたから利用が爆発的に増えたり、利用率9割になるかと考えると『ない』ですし、意識が『図書館は本を借りて読むところだ』で、良くて『レファレンスという調べ物を手伝ってくれるらしい』程度なのですから、「読みたい本がない」「インターネットで自分で調べるし」という人は来ないでしょう。
 そうすると、広告する部分としては、『うちの図書館なら、こんなことが出来ます』部分を目立たせる必要がありますね。

 一見さんでもひとまず来館者を増やすということで、有名人の講演やイベントを連発するのも悪いことではないと思います。でも、見ていると来館はしたもののそのイベントだけが目的で顧客(長期的利用者)にならない場合も多いような気がします。
 その時記念に利用券を作るけど、登録しただけで利用はない人もいるし…

 登録だけであれば、ブックスタート時でも良いのですが、出生届を受理した時に「おめでとうございます」って図書館利用券を…いやいや、母子手帳をもらうときにでも良いかもしれませんし、入園入学時でも…えっと、転入届が出されたときでも、利用券を配れば増えるでしょうね。
 その上を行くとすると、それこそ各戸配布的に利用券と案内を配布すれば余裕で100%!笑
 上の3番なんて、「行くのが面倒」ってのもあるけど「登録手続き(記入するの)が面倒」なのでしょうから、いっそ配布しちゃえば。(途中からだとやれ個人情報云々ということがあるから、未設置だったところに図書館が出来た時とか…)

 …と、当たらぬ鉄砲数打ちゃ当たる戦法を考えたら、ベストセラー大量購入並みに虚しくなりました。笑

 もちろん、他の付加価値を付けて利用促進という手も同様にあります。
 例えば、『利用冊数○冊ごとに1ポイント(エコポイント?(笑)まぁ、商工会のポイントとか)』とか『図書館利用券の提示で地元スーパー○%引き』だとか。
 元が無料サービスがほとんどですから、図書館広告のチラシに『無料レファレンスサービス券』(有料データベースで料金取るのなら有効かも?)とか『もれなく貸出期限1日延長券』や『もれなく貸出冊数1冊増量券』とかあっても、新規顧客向けにはあまり効果ないかもしれませんが、これらはリピーター促進には有効かもしれないですね。

 でも、やっぱり、私としては、純粋な図書館サービスで勝負したいですね…
 そうすると、病院図書室への図書の貸出とかそういうありきたりなところに落ち着いちゃうんですよね。

 そういや、カレントアウェアネス・ポータルで『OPACに、利用者と図書館員は何を求めるか?-OCLCが報告書を刊行』(http://current.ndl.go.jp/node/12684)って記事があって、
・その資料がニーズに合っているかどうかを決定する際、エンドユーザーにとて最も重要なのはメタデータの要素となる。
・適切な資料の特定を支援していくれるOPACがエンドユーザーに求められている。
・業務を支援してくれるようなOPACが図書館員に求められている。
という結果が出たそうですが…当たり前じゃん。

 利用者にとっては勘違い検索でも欲しい本に当たると良いですし、図書館員にとって「これこれについて書かれている本」ってだけで目的の本が出てくるとレファレンスが楽ですし…
問題はそれをどう実現するかなんですよね。

 OPACに限らず、図書館自体で「自分ニーズに合っている資料や情報を面倒なこと(例えば職員に説明することすらも)がなく手に入れられる」のは利用者の求めだろうし、そういう素晴らしいサービスができれば、小手先のことで悩まなくても口コミなどで新規利用者は増えると思われますがどうでしょうか??

 ということで、今日のまとめ。
 図書館の広告は、新規顧客を得るためには先進的に「あっこんなとこに広告が」という話題性を重視させるか、広告を作るというよりは「どう見せるか」に重点をおき、印象の残る広告にするとか、公のメリットを生かして各戸案内をするのが、「あ~図書館に行ってみようかな」と思わせる広告で、新規顧客を増やすためには、手書きの手紙を出すとかの心のこもった(?)営業努力も必要ですし、個人的には利用していない人が利用している友人に何かを相談したときに、「それなら図書館に行くと良いよ」って言ってもらえるようなサービスを行なうことによる口コミ効果を狙った方が良いんじゃないかなぁと思った次第。

 と、ここまで書いてから、『丸山高弘の日々是電網 The First.』を再び拝見すると、『図書館歌』(http://maru3.exblog.jp/8207444/)ってタイトルがありました。
で、書き漏らしていた広告に気付きました。
歌の広告です。
CMソングで頭からこびりついて離れないものってありますよね。
スーパーなどで流れていた『おさかな天国』とかも歌が印象に残る効果がありますので、図書館の歌で印象に残るものができれば、立派な広告・広報になるでしょう。

図書館の歌といえば、『地上の星』の替え歌バージョンが思い出されるのですが…笑
(知っている前提で、ここでやめようと思ったけど、気になって夜も眠れない人がいるかもしれないから、一応何に載っているか書き留めておきます。『図書館人としての誇りと信念』(伊藤昭治古稀記念論集刊行会/編 ,出版ニュース社,2004.2,4-7852-0110-X)の中の『図書館員の心意気』(二井治美 著)をご覧ください。読んだ当時、私自身大ウケしていたので…笑)

いっそサブリミナル効果付きの図書館歌を流すってのもありかなぁ…(笑)

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雑誌の価値は?

図書館で収集される雑誌について思うことをつらつらと相変わらず取りとめもなく書く予定。笑

まず、受入れ関係。
多くの図書館は書店から素のままで納品され、図書館で装備し、登録するって手順だと思うのですが、どうでしょう?
うちの場合は、そうなので、他もそうだと思っている時点で、間違いなのかもしれませんが…

ひとまず、うちの館の流れ。
1.書店から当日発売分の雑誌が届く。
2.タトルテープやバーコードなどを貼って装備。
3.記事のうち特集記事だけ目次入力し、書誌データ登録。
4.最新号って書いてあるブックカバーを前号から取替え終了。
って感じで普通だと思っていたのですが、特集記事も目次も入っていない図書館もあるんだなぁと最近気付いた。笑
で、私としては目次全部入力してあるといいかなぁと思っていたのですが、当館の雑誌受入れ量とパートさん・職員の負担を考えると、まぁ、「特集記事くらいで」って妥協することになりました。

一方、TRCで昨年から始められた雑誌MARC、目次情報がしっかり書かれていてすごいなぁとの一言。
まぁ、今年度から検索して見るのも確か有料にはなったのですが、そこは商売ですし。

民間だとfujisan.co.jpが雑誌の+α情報として、目次情報などを公開していますし、国立国会図書館でも、雑誌記事索引にて目次情報を公開していますけどね、無料で。

『朝焼けの図書館員 | ポット出版』(http://www.pot.co.jp/asayake/)の『手作りの情報サービス戦略4』(※実際には「4」ではなく丸4です。)で読むと、それらを『ゆうき図書館』で有効に使われていることがわかります。気になる図書館の1つですから、読んだ時にはもうすでにチェックしていましたが。

で、mixiコミュを使って云々という話が書かれていたので、「あ~考え方似ているなぁ」と失礼とは思いつつも思いました。(これには某氏と私の周辺しかわからない内輪話が前段にあったりしますけど。)

というのも、OpenPNEが公開された2005年くらいに、利用者限定サービスということで、OpenPNEを使ってSNSを形成し、『レファレンスや書評とかで利用者の横の繋がりを…』と自館サーバにこっそり組み込もうとして、日の目を見なかったことがあったからで。
実際の使用目的は違うかもしれませんけどね。

また話がそれた…
で、雑誌に使われるデータについて、『三省堂書店の雑誌納品データにつけてもらっている特集記事名データ(雑誌1冊につき1件)』って書かれていて、「いいなぁ」と。
「そういう契約を結べば良いんだなぁ」と勉強させてもらいつつ、「あ~でも今配送をお願いしている個人書店だとそこまではやってくれないだろうなぁ」と。

そこで、TRCではどうなのか気になったので、それとなく…いやずばり(笑)聞いてみたら、「雑誌納品と雑誌MARCは別」ということで、納品オンリーでも雑誌MARCオンリーでも購入可能のようですが、購入した雑誌にもれなく雑誌MARCも付いてくるというわけではないようです。まぁ、これから変わるかもしれませんが。

「雑誌はその発売日に!」ということがなければ、きっと装備と自館データの送付など図書と同じことをやってもらえると思うのですが、時代はどうも『図書館の雑誌はスピード配架』ってとこなのでしょうか。

もちろん、週刊のものが、1週間遅れで配架されては、元も子もないのでしょうけどね。(笑)
1日遅れくらいなら可能でしょうかね??
いやいや、図書館側でやれば良いだけの話ではあるんですけどね。確かに。

そこで、雑誌の目次をちょっと真面目に入力してみて、どうOPACでヒットするか実験…
確かに特定キーワードであれば、有効な気もしましたが、雑誌の目次で造語が多く、それはわかっていないとヒットしにくい。
ダンスファンやダンスビューは『ダンス』って言葉でジャンジャンヒットしたり、フィッシュマガジンは魚の飼い方系がヒットするというのは、悪くはないのですが、特に「雑誌で」という人でない限り、わずらわしいくらいの件数になってしまう。というか、雑誌だとそれらがすでに該当するってすぐわかるし。(どんな雑誌を収集しているか行ってみないとわからないのであれば、蔵書検索でヒットしてくれても良いのですが、Webで公開して書誌にリンクしていれば、無駄なヒットかなぁと。)

もちろん、詳細検索のように調べる場所を絞り込んだ検索なら良いですが、フリーワード検索だとちょっと辛いかも?網羅的にヒットしているのはヒットしているんですけどね。ページ数が多くなって…(Google検索ではないですが、検索結果の上位がクリックされる確率が高いようなもんで…)

個人的には、「○号にどんなことが書かれているか」ということがわかるだけで良いような気もしました。利用者的にも雑誌名中心で確認することが多いようですし。
なので、やるとしたら、『書誌データ+特集記事』が検索対象で、目次情報は、詳細で見られるのみの方が有効かなぁ?と。

それにしても、約400タイトル受入で、原則永年保存って、それが可能なのは羨ましいなぁ。

次に、最新号の予約関係。
以前も書きましたが、雑誌の最新号でも一夜貸ししている図書館もありますが、大抵はバックナンバーとして新たな最新号が発売され、図書館に並ぶまでは貸出禁止なのですが、次に考えるのは最新号の予約を受け付けているか否か。

図書と同じように考えると、発売日前でもリクエストとして予約は受け付けられるので、1年先の号というのは大げさですが、最新号の次号くらいは、図書館で購入されるだろう号であり、出版者でも出版されるだろう号なので、予約が可能なのかもしれませんが、近隣でだけかもしれませんけど、そこまでしている図書館は見ないです。

最新号が貸出可能になったら借りられるように『最新号である状態ででも』予約することができる図書館はたまに見かけますが、やはり最新号が図書館で登録され、もしくは配架されてからなんでしょうね。(登録と配架は微妙に差が出ますけど)

うちの場合は最新号が貸出可能になった時点から予約可なので、最新号の時点ではできません。
もちろん、書架に新たな最新号が配架された時点ですから、Web予約や電話予約ではそのタイミングが計れないので、来館者有利なのですけどね。

どの方式が良いのやら…

一般利用者的には、最新号の状態でも予約をしたいし、借りられる時に一番で借りたいという人も多いでしょう。
来館利用者的には、直前まで図書館で読めて、さっきまで読んでいた雑誌が貸出可能状態になったからといって「予約が入っているので」と借りられないより、「借りられるようになった時点でそのまま借りて行きたい」でしょうね。
来館者重視かなぁ、やっぱり。(と思ったので、うちはその方式ですけど。)
確かに、一夜と言わず、最新号を貸出する図書館であれば、どのタイミングでって悩まなくて良いのですけどね。

最後に、除籍・廃棄関係。
以前これも書きましたが、丸山高弘さんの『除籍雑誌を著作権法31条の2を使ってデジタル化保存』という発想が、そのまま実現するように、今回の著作権法改正に盛り込まれていれば良かったのですが、報告書では可能のような記述でありながら、法改正には盛り込まれなかった件も関係するのですが、大抵の図書館では雑誌に保存期限をつけて除籍・廃棄しているのが現状だと思います。

そして、保存期間の切れた雑誌や除籍図書などを含めて、『図書館祭り』だの『リサイクルブックフェア』だのを開催している図書館が多いような気がします。

で、これはあくまで私個人の見解なので、ご了承願いたいですが、よく図書館便りなどで『盛況にリサイクルブックフェアが行なわれました』と書かれるのは、ほんと個人的に嫌なんです。

個人的には「保存期間切れが名目ですが、図書館的にも需要は見込めないので除籍するものです」ということで、「全く持って行かれなかったです」と「やはり需要はなかったですね」となることが理想なんです。
『盛況』ってことは、確かに平行して開催される『お話会などのイベントが』であれば、喜ばしいのでしょうが、『除籍資料が』ってことは「まだ需要があったんじゃないか」と思えるからです。
もちろん、「もらえるから」という理由もあるのでしょうが、その資料に対する需要だったのじゃないかと思ってしまうのです。

「公費で買った資料を雑誌といえど読める状態で身売りするのは、もったいない。」という考えもありますし、反対に書庫の物理的容量の問題も悩ましいですがそれに平行してあります。
デジタル化保存がまだ微妙な位置にある現在は、ゆうき図書館のように、なまらでかい書庫で「原則永年保存です」って言ってみたいところなんですけどね。
可能であれば、出版者がデータを保持して、必要に応じてバックナンバーを図書館などで購入できる体制が出来ていると、一番良いのですけどね。需要のある時に購入できるような…

確かに雑誌の情報的には即時性・速報性が高いというかそういうのがメリットと思われますし、「10年前の週刊誌にどれだけの需要が見込めるか」って一般的な考えもわからないことはないですが、資料として受入した以上、保存していきたいなぁと思う今日この頃です。

話ついでに…
最近は雑誌の休刊(あくまで廃刊ではないらしいいつになったら復刊するのやら…)が多く、逆に新規の雑誌も創刊されていますが、図書館ってなかなか購入雑誌の切り替えってあまりないような気がします。(気だけ?購入中止は多い気もしますけどね。)

逐次刊行物なので、継続…少なくても1年は継続っていうのが図書館的なんだろうなぁと思うのですが、利用者側としては、「この雑誌を購入して欲しい」という希望もあります。
で、例えば県内などを確認しても、近年創刊した雑誌って案外収集されていないですし、国立国会図書館にも納付されていないとなると、提供しづらい状況で、買うべきかどうしようか悩むところです。

価格的にはリクエストとしてその希望する号を購入するっていうことも考えられますが、きっと継続して買って欲しいと毎号のようにリクエストも来るでしょう。
まぁ、これは図書でもそういうことはあるんですけどね。
図書だと、収集方針から大きくそれない限りは、購入することも多いのですが、雑誌だと「買うからには継続して…」って意識が働いてしまい、図書の場合より躊躇してしまいます。

『知る権利云々』の理想と『予算が足りない』現実の間で悩みます。納本制度が納本率99%にでもなれば、話は別なんですけどねぇ。

いやね、読みたい雑誌があって、検索したら県内でどこも収集していなかったんで。
もちろん最新号なら購入できるけど、数年前のだと、出版者にもなかったんで。
そんなにぽっと出の雑誌ではないんだけど県内および近隣県にないんだよなぁ…

そんなことがあったので、もう少し、雑誌に関しても多様な収集と保存がされるといいなぁと。

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臨時・非常勤職員6割時代の図書館運営

JLAメールマガジン第448号によると(以前も中間集約の部分で当ブログでも取り上げましたが)、図書館全職員の62.7%が臨時・非常勤職員で、そのうち91.9%が女性ということが自治労の最終報告ということで、載っていました。
(『図書館における重み付け<その3>』参照(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/03/post-7af2.html))

臨時・非常勤職員の雇い止めもある現在、某理想的図書館追及者達に理想とされるらしい「自治体直営で館長をはじめ職員全員が有資格者で、正職員による図書館運営」という職員体制になるのはいつのことやら…おそらく法でも変えない限り、あり得ないんじゃないかと。
そりゃあ、もちろん、そのような職員体制で、潤沢な資料費があって、職員全てが志も高く能力も高い…そんな図書館ばかりであるのは、理想ですよ。確かに最終目標かもしれません。
でも、某協会や某研究会や某よくする会など、色々な所で、「あ~でもない」「こ~でもない」と議論が出てきますが、根本の『図書館法』はどこが変わったでしょうか?

この6割というのは平均ですから、臨時・非常勤職員が0の自治体や極めて少ない自治体があれば、逆に7割~9割という自治体もあるのでしょうね。
そんな中、直営だの指定管理者だの議論しているのは悠長過ぎやしませんか。

まだ4月はじめですが、おそらく、どこかの図書館はベテラン職員が異動や退職になったかと思います。そのベテラン職員の培ったノウハウはちゃんと次世代に受け継がれたでしょうか?

なんかこういうことを考えていくと、「指定管理者だとノウハウが云々」とか言われているのが馬鹿みたいな感じがします。
・臨時・非常勤職員が6割ということは、その6割に長期的展望やノウハウの蓄積はあまり期待できない。(雇い止めもあるし)
・直営の正職員がいても、行政採用であれば、5~6年で異動するので、やはりノウハウは蓄積されにくい。
・指定管理者が管理するようになっても、3~5年で変わることが考えられるので、自治体にノウハウが残らない。
もちろん、『ノウハウ』と言われるのもが、何なのか知らないんですけど。笑
部外秘でも良いのですが、「これがうちの図書館のノウハウです!」と言えるものがある図書館がどのくらいあるんでしょうかねぇ…

 おそらく、長年やっている職員のノウハウって、例えば選書において「司書の長年の感で」とか、レファレンスにおいて「おそらくこれを調べると良いかも?と思った」とか、そういうものかなぁ?と思ったりするのですが…

 例えばその1、『長期的展望に立った蔵書構成』というノウハウがあったとして、『長期的展望』は図書館設立当初から永遠に変わらないのでしょうか?
 自治体だって、『第○次総合計画』などとあまり変化は見られない場合が多いかもしれないけれど、見直しをします。
 その時々の情勢によって見直しをするため、5年~10年で見直されます。

 図書館の理想としては、『全出版物の収集』が『知る権利云々』には理想なんでしょうから、蔵書構成を論じてもどうかなぁとも思いますが、「できるだけ偏りのないように」収集するという形で、何年かごとに収集基準などを見直したり、蔵書構成を再考したりする必要があるでしょう。
 そうすると、指定管理者や切り替え時期の直営職員が5年くらいで5ヵ年計画を立てれば良いわけです。

 心配だったら、「ベストセラー本は○冊まで」とか「ベストセラー本は全て寄贈で」とか大枠を決めておけば、良いのですし、指定管理者に変えられたくないのなら、抽象的な収集基準でなく、少し具体的な基準を直営時代に作って、「これがこの自治体の方針なので、この方針に従って。従えない場合は別途協議で。」と言う権利はあると思うんですけどね。
 だって、「闘病記文庫をやります」って闘病記や医学系の本を重点購入すると、その前後で蔵書構成なんか変わってしまいますし、それをやっちゃいけないということは直営だろうと指定管理者だろうとないでしょうし…
 そうすると、このノウハウは、『ベストセラー複本いっぱい買おう!』などでなければ、大きな変化はあまり見られないのじゃないかなぁ。

 例えばその2、『レファレンス能力』というノウハウについては、確かに質問者からキーワードになる言葉を多く引き出して、欲しい情報が書かれているだろう資料に短時間で当たれるかどうかなどは、経験が必要なものもあるでしょう。
 でも、どの質問者の言っている分野についても全て知っているという人は少ないでしょうから、調べ方には定石みたいなものがあります。
 それは、その図書館にある資料であれば、「まずこの百科事典で見てみて、この手の質問だったらこれにも目を通して…」と全ての図書館共通ではないですが、調べ方のパターンはあると思いますので、それがまとめられていれば、ある程度のレベルのレファレンスは誰でも可能でしょう。
 最終的には人海戦術&総当りって手もありますし。笑
 ベテラン正職員が1人でやることを臨時・非常勤職員2人で当たると、別の道が開けることもありますから、悪くはないんですよね…

 ようは少し探して「見つかりませんのでわかりません」とシャッターを閉めることさえなければ、マニュアル+若い発想ということで、質問者の満足のいくレファレンスが可能だと思われます。

 例えばその3、『選書能力』というノウハウについては、「うちの図書館は選書に絶対的な自信があります。未所蔵資料のリクエストなんか1回もありません!」って言える図書館がどれくらいあるのやら…(1回もないのはその制度を利用者が知らないかあきらめられているんじゃ…)
 もちろん、『ベテランの直感』という選書もなくはないですけど、そのベテランだって、ある新刊に対し頭の中で取捨選択していますよね?それがフローチャートになっていれば、他の人もできるのではないか…
 まぁ、たまに「この新刊が光って見えた」という人もいますけどね。笑

 未所蔵リクエストが多ければ『選書失敗』とも思えるかもしれませんが、どうせ「10年後に使われる本を見越して」って話も聞きますから、個人的には「本当に10年後利用されているんだろうな?」って調査したいけどできないし、他館所蔵が少なければ、それはそれで相互貸借っていうのもあるし、いいんじゃないかなぁと。

 他にも色々あるけど、今回はその例をあげるのが目的でないので、進みますが…
 つまり、ノウハウが経験によるものであれば、館内研修などでみっちり仕込まれたパートさんや他館で良いサービスを受けてきたヘビーユーザーさんの方が、ポッと出の有資格正職員や行政から来たばかり職員より、優秀であるということです。
 近隣の色々な図書館を渡り歩いたパートさんがその図書館に向上をもたらすということもありますしねぇ。

 まぁ、なんでいつもこんなことをウダウダ言っているのかというと、「経験や勤務年数に基づくノウハウ云々」があって、そのノウハウを生かすことのできている図書館が『良い図書館』って主張が散見されるからで…
 実は、うちの図書館はどちらかというと新館の部類ですから、『図書館ノウハウ』なんてありません。開館当初なんて手探りのことが多かったです。
 でも、もちろん、浦安市立図書館並みなことをやっているかというと無理ですが、レファレンスは複数人で手分けして当たり、時々県立の力を借りつつも最後まで手を尽くしますし、選書も突拍子もない蔵書構成には計算上なっていません(もちろん、特色部分の重点購入はありますがね)し、どういう図書館になりたいかという目標もあります。
 すばらしく良い自慢のできる図書館というわけではないですが、平均は超えているんじゃないかなぁと思います。
 そういう図書館ですから、指定管理者制度で3年間だから「悪かろう」なんて言われると、「直営で新館は何年経てば『いいんじゃない?』って言われるんだろうか」とグサリと刺さります。

 なので、その頃思ったのが『1年目からでもやっていけるノウハウと基準』が欲しいなぁと。
 もっとも、その基準を満たして安心し切っちゃったら、向上も望めなく、意味ないですけどね。

 で、以前も書いたと思いますが、指定管理者制度導入した図書館に行って思ったことは、「指定管理者が新しくやったことはすでにうちでやっていることなんですが…直営時代はそんなこともしていなかったのか…」ってこと。
 ついでに「直営で人件費削減を中心に考えるのなら、退職間近の職員でなくどうせ行政職からの館長も含め若手職員中心にすれば良いんじゃないか。」って。

 さて、話が脱線しそうなので、戻しますが、『1年目からまともな図書館であるための図書館運営ノウハウと基準』があって、そのための『1年目から図書館でまともにやっていく職員スキルや能力』というノウハウや技術伝達がされていれば、何も臨時・非常勤職員で無資格者であってもやれるんじゃないかと思うのですがどうでしょう?

 何も私は「無資格の臨時・非常勤職員で図書館をやっていこう」と言っているわけではありません。分類についてなどの基礎知識を最初から教えるより有資格者の方がそこはスルーしても良いからいいですし、臨時・非常勤職員がせっかく慣れた頃に「別のところに行きます」では、図書館職員を始めて数ヶ月の人であろうと戦力減になるのは目に見えていますから、希望としてはもちろん有資格の正職員であってほしいですけど、半数以上が臨時・非常勤職員ってことなのであれば、『1年目の臨時・非常勤職員でも運営できる図書館ノウハウを』の方が『臨時・非常勤職員だからレベルが…』って愚痴を言うよりも良いかと思うのです。

 これが逆に臨時・非常勤職員が3割程度というのであれば、手の施しようがあるのでしょうが、こういう現状であれば緩和療法でないと…

 なんでこんなことになったかと考えると、日本の役所のジェネラリスト思考というのもあるのかもしれません。
 図書館の多くは自治体の管轄で、役所の職員は大抵いろいろな課を転々と異動してまわるジェネラリスト養成みたいな感じです。
 で、図書館に臨時・非常勤職員が配属されたとき、大抵、カウンター業務が主体です。
そして、大きな図書館ならデカデカと『レファレンスカウンター』と専任の正職員がいて臨時・非常勤職員には一切任せないところもあると思いますが、うちみたいな小さな図書館だと、パートさんに簡単なレファレンスはできるように指導していますし、雑誌の登録や修理などもお願いすることが多いです。

 カウンターにいる以上は、採用云々に関わらず、ある程度全般的に出来なきゃいけないと、運営側も利用者側も思っている節があるからかなぁと。

 でも、どこか外国の図書館だと、フロアで配架している職員をつかまえてレファレンスをお願いしても「カウンターにいる『司書』に聞いてください」と断られるとか。きっと、同じスタッフでも司書とそうでない人の業務がしっかり分かれているのでしょうね。
 もちろんこのスペシャリスト方式が必ずしも良いと思いませんが、「臨時・非常勤職員は単純な貸出作業と返却・配架以外禁止」と最初から棲み分けを考えた状態であって、利用者にもそれが周知してあれば、混乱もないし、正職員司書の需要に繋がったのになぁ…と。

まぁ、最初からというのであれば、図書館法に「館長をはじめ職員は有資格者で」って文言が明文化されているのでしょうけど。笑

 一方で、どこかで臨時・非常勤職員が「同じ仕事をしているのに給料が安い」って文句が出ている図書館があると聞きました。
まぁ、それは正職員の頑張りが足りないか、頑張っていても見えていないかなんでしょうけど、他館を利用してみて正職員に聞いてもパートさんに聞いても同じレベルの回答しか得られないということはよくあります。

 これがよくあってはいけないのですが、高水準で同じ場合もありますし、低水準で同じこともあるので、一概に言えませんが、そんなんだから「司書資格あってもなくても同じ」とか「正職員でなくても図書館は運営できる」と言われちゃうんです。

 だからといって、臨時・非常勤職員がしちゃいけない業務というのはないのでしょうし、正職員の半額だとして正職員1人採用するところを臨時・非常勤職員2人採用できることになるのですから、時々人海戦術的な手法を使うことのある図書館だと、この臨時・非常勤職員の割合が増える方向性に歯止めがきかないんじゃないかなぁと。

 例えば、『図書館法を根本から改正』とか『うちの自治体は有資格正職員だけで運営することに決めた』とか『臨時・非常勤職員の仕事内容はここまでだと決まった』とか、そんなことがない限り、その流れを止めて逆流させるのは難しいと思います。
 それなら、図書館業務の多くを担っている臨時・非常勤職員がいてもサービスレベルを下げない基準を作って、「あの職員は臨時・非常勤職員だし、あっちの職員は正職員でも1年目だから聞いても無駄」って言われないようにする仕組みにすることが、大事なんじゃないかなぁと思います。

 そういや、以前、図問研で、「公共図書館職務区分表2003年版」いうのを作っていたと思いますが、前提は『図書館に専門的職員が配置され、業務も一定水準の実質を伴って遂行されている場合を前提に』とのことでした。
 『業務の一定水準』の指標が欲しかったところですけど、水準を達していない場合でも使えなくないかなぁと通覧。

これには
1 司書が直接行うべき職務
2 一定の研修受けた職員がマニュアルに基づき、司書の立会いの下、直接指示を受けられる状態で行う職務
3 一定の研修を受けた職員が、規則、マニュアルに基づき行う職務
4 その他の範囲
という職務区分もありますが、正職員か臨時・非常勤職員かっていうのはないみたいなので…(おそらく会の趣旨からいうと全員正職員なのかもしれませんけど)1が1人2人の司書正職員と考え、2・3が臨時・非常勤職員(無資格可)だとどうなるか?(4は契約関係とか物品管理、教育委員会など外部との調整や条例云々は正職員でしょうし、開館準備・蔵書点検などは正職員とか臨時・非常勤職員に関わらずやる仕事ですし…)

 そう考えて眺めてみると、量が多いので載せませんが、選書や外部と関連するものや根本部分など以外はほとんど出来るんじゃないかと。
 もっとも、レファレンスのほとんどは1扱い(書誌の検索等簡単な業務は2)なので、「まぁ、良しとするか」なんですが、臨時・非常勤職員に利用者が尋ねても、先にあげた外国の例のごとく「あちらの正職員の司書にお尋ねください」となるはず。

 で、県立図書館ならばレファレンス担当職員が、小さな図書館では正職員が一生懸命調べて、こなしていくのでしょうね。
 時期によってはなかなかの負荷ですが、担当者のスキルはあがります。
 が、一方で人によっては体を壊す人もいるかもしれません。
 真面目で真剣に図書館を考える人ほど、自分を犠牲にして、こなせてしまいますが、その担当者が万が一入院ってことになったら?
 おそらくあてがわれるのは、臨時・非常勤職員でしょう。
 そうすると、その図書館でレファレンスはできない…笑
 そうなる前に、正職員司書を増やしてもらう?それが簡単に出来ていれば、6割も臨時・非常勤ってことにはなっていません。
 おそらく、『書誌の検索等簡単な業務』以外の簡単なレファレンスは臨時・非常勤職員でも可能なのでしょうね。

 以前も書きましたが、パスファインダーや新型利用者OPACなどで利用者が調べやすい環境を作っていき、それ極めると『利用者が自分で調べて自分で解決できる図書館』ができます。
 おそらく、その時代の図書館司書は、そのバックボーン部分にのみ携わることになり、直接利用者からは見えない縁の下の力持ちとなるでしょう。
 同様に、自分の体の負担軽減のためにも、臨時・非常勤職員にみっちり教育をして、館全体のレベル向上に力を入れると、利用者的には「便利な図書館」になりますが、行政側、それも外の行政側には「あそこの図書館は臨時・非常勤職員がしっかりやっているから、うちも正職員でなくてもいいんじゃないか。司書でなければ出来ないことの法律根拠はないんだろ?」って見えない部分の努力は見えません。
 まぁ、利用者が自分で全て調べることができるという極めた環境がまだ出来ていないからこそ、司書の仕事がまだ残されているんでしょうけどね。

 4割の正職員が、6割の臨時・非常勤職員からぐうの音も出ないほど素晴らしいレベルで仕事を頑張れば、それはもちろん良いのでしょうが、棲み分けなどを考えて行くのであれば、1人正職員の小さな図書館だと、やらにゃいけないことが重く圧し掛かりますよね。
よくあるパターンとして、
1.自分を犠牲にして頑張る
2.臨時・非常勤職員に業務分担をする
3.手を抜く(笑)
でしょうか。
 例え2だとしても、採用契約上、臨時・非常勤職員にやらせられないことって、自治体内でもあると思います。それは結局1人なんですよね。
 そうすると、1人で抱え込んだり、1人担当だった場合、万が一、自分が倒れた時に他の人が来てもレベルを落とさずにできるように、予め手配しておくことが必要となります。
それって、ノウハウの伝授とかマニュアル化になると思うのですが、それが可能であれば、優秀な図書館職員の神のような存在の方が、『図書館における全ノウハウ』というものを残せば、それを通じて、1年目の司書だろうと、臨時・非常勤職員だろうとやれるんじゃないかなぁ?

 ということで、私としては、4月で異動などで戦力が激減した図書館もあるでしょうから、
「ベテランが異動・退職した残された職員の方には「ノウハウとしてベテランから何が残されたか教えて欲しい」ですし、ベテラン職員の方には「あなたの培ってきたノウハウを明文化して教えて欲しい」ですし、自治体や館種を越えて図書館を渡り歩いたことのある臨時・非常勤職員や正職員の方には「他の図書館で体験したノウハウを教えて欲しい」です。」と言いたいです。

 確かに、都市部では臨時・非常勤職員のための研修とかも開かれていますが、安い時給で地方から出てきて研修を受けるのはなかなか厳しいものがあります。
それなら、可能であればそのノウハウをオープン化してもらえると、図書館業界のレベルアップに繋がるような気がします。

 現状を嘆くのは簡単なのですが、理想論を言うのではなく、「現状でどうすれば向上するか」を考えるのも必要でしょう。
 確かに、誰でも一定水準の図書館を運営できるマニュアルやノウハウ集があれば、究極的には「本・雑誌・CDを寄贈で、人はボランティアで、システム機器も寄贈で、システムの中身はオープンソースで」っていう図書館も出てくるかもしれません。
 でも、その一定水準レベルで利用者も地域住民も満足しちゃっていると、「図書館ってこんなもんだ」感となり、先に進めなくなるので、満足しない利用者というのも重要な要因なんだろうな。
 だから、地域レベルに合わせた図書館運営でなく、その一歩だけ先に行く(先に行き過ぎると地域住民が取り残されてしまう)図書館運営を心がけていかないといけません。
そう考えると、ノウハウを職員間で…と思って書きましたが、利用者や地域住民に残すっていう方法もありかもしれませんね。

 ということで、今回は、6割の臨時・非常勤職員時代であれば、正職員を採用して今から育成するというより、現状の臨時・非常勤職員のレベルをあげる方に『ひとまず』力を注いだ方が良いのじゃないか、そのレベル上げをするためにも、正職員はその上を行くレベルを目指そうってことで。

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