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利用券の発券(新規&再発行)

 検索語を見てみると、複写関係でのアクセスが多いこのブログですが、『図書館 + ○○』って感じの検索ですと、ブログ中の言葉でもヒットになってしまいますから、探しているだろうテーマでないことも多々あるでしょう。
せっかく見ていただいたのに…ということで、その検索語の中から業務に関するのがちらほらあったことから、書くことに事欠いた時のテーマとして、『勝手に図書館業務シリーズ』をシリーズ化してみる(笑)。もちろん不定期。
せっかくなので、順序良く書いていこうと思い、表側の仕事から。

 図書館を利用する時、公立図書館であれば、駐車料金は取られることはあっても(もちろん最初から無料なところもあるし、銀行系などで見られるように、駐車券を○時間無料の手続きをしてくれるところもあるけど)、入館料は原則取られません。
 つまり、旅先でふらっと図書館に寄って図書館の雰囲気を味わったり、図書や新聞や雑誌を眺めたり、旅先なのにAVブースで時間をつぶしたりもいいですし、その図書館でその街の歴史や見所とか、美味しいお店とかレファレンスをしてもらうのも良いかもしれません。(私はよく道を聞く。笑)

 利用者の入館は図書館業務としては明確なものはないですが、強いてあげれば、玄関前の清掃や整備だったり、初めての人でもわかりやすい書架配置やサインだったり、笑顔で迎える気持ちの準備(人間だもの、朝気分の悪い時だってありますし。)だったり…その辺??

 まぁ、細かく書けば、無断持ち出し防止装置(BDSとかBPSとか呼ばれるゲート)の起動や入館者カウンターのリセットなんかもこの業務か。
 華麗なリセットボタンの押し方とか、言及できる点があれば良いのですが、その辺はスルーで。

ということで、図書館利用者が行なう『利用券の発券』という業務からスタートです。

<利用券の発券>
 図書館で資料を貸出して欲しいときに、利用者が行なうのが『利用登録』です。
『利用申請書』とか『図書館外利用申込書』(○「としょ・かんがい・りよう・もうしこみしょ」で「としょかん・がい」ではないらしい)とか、ようはその手の申込書を利用者は記入します。

 この申込みが可能な人というのは、図書館の運営規則などで決まっていて、主に「その図書館のある地域の住民」や「その地域に通勤・通学している人」とか「周辺市町村に住所のある住民」というのが、多いところでしょうか…
 中には、「住所が確認できるのならどこでもOK」という図書館もありますね…この場合海外の住所で借りて返し忘れて帰宅しちゃったら、督促状はやはり届くのでしょうか…届くのでしょうね。

 「その他館長が認めたもの」という条項があるところなら、館長さえ説得できれば、作れるかもしれません。笑

 この申請が虚偽でないかどうかを確認するのに、図書館員の多くは住所確認という作業をします。
 通常であれば、住民票の写しや免許証、保険証、消印のある郵便物、電話帳など(信用度は右に行くほど低下?笑)で確認とする場合が多いかと思います。
性善説に立てば「申請書を確認作業なしで信じる!」なのでしょうけどね。

 まぁ、この単純で簡単な決まりにおいても、色々な問題が発生したりしています。

・「大人はいいけど子供の確認は?」

 よくあるのは、「自分宛の消印のある郵便物を持ってきてね」とか、一緒に保護者がいるのであれば、「保護者の確認で代えさせていただいています」とか、「電話帳で確認します」とかですかねぇ…
 もちろん、「小学生以下は申請書は書いてもらうけど住所確認作業がありません」って館もあります。
 小学生の高学年でも自分の家の住所や電話番号がテキトーな子もいますし、返すのを忘れる子も多いことから、督促状を送るためにも正確な住所の確認が必要だと思われるのですが…(もちろん性善説なら返さないことはないのでしょうけど)

 親子一緒に図書館に来ていて「ねぇ、私利用券作りたいんだけど?」と相談しながら利用券申込書に記入して作成するのなら、良いのでしょうが、『利用者の秘密を守る』として『貸出情報』の他、最終利用日などの『利用情報』も秘密として守るのであれば、『図書館の利用券を持っている』も秘密にになるでしょうし、そうであれば住所確認はその子が自分でできる範囲(『保護者の証明書』でないもの)でないといけないんでしょうかねぇ…

 一番楽なのはその所属小学校に問い合わせしてなんでしょうが、小学校だって「個人情報ですのでお答えできません」と断るのが普通。
 自治体内であれば、住基システムで確認という(運用上多少問題あるかもしれないけど)最終手段も取れますが、広域利用者の場合は難しいですしねぇ。

 電話帳に載せていない人が多い現状を考えると、消印のある郵便物が子供でも可能ですかねぇ…保険証のコピーでもいいけど、親に言いたくない子であれば、親に言うと「何に使うの?」と絶対聞かれますので、できないでしょうし。
 ただ、なんたらメール便的なDMなら来るかもしれないけど、消印のある郵便物はなかなか来ないこともありますし、年賀状ならなんとかあるかもしれないけど、越してきたばかりとかだとねぇ…
 小学生で在学証明書というのもなんだかなぁ…学生証ならぬ児童証とか園児証とかなんて聞いたこともないし。

 まぁ、最低限、正確な住所を書ける子でなければ1人で申請できないというところでしょうか?
 小学校高学年で友達の名前と住所などを書いていた子もいたので、個人的には住所の証明が必要だと思います。(電話帳の確認であれば、嘘の申請で書いたその親の名前もわかるし、指さしできるし)
 その住所証明は、郵便物(消印のない年賀状やメール便も含む)か、親に保険証のコピーをもらうか、学校から証明してもらうか、自治体内なら住基で確認するかなんでしょうね。

・「住民票を移していないんだけど?」

 普通に引越して住民票を移す手続きする前に図書館に来館してくれる人もいて、それはそれで嬉しいのですが、虚偽登録で持ち逃げ…いや、借り逃げという話を聞いていると、「役所で手続きした帰りに寄って下さい」とお願いしたくもなります。
 学生であれば学生証、一時的な単身赴任とかなら職場の証明などあるので、良いのでしょうが、諸般の事情で住所を移せない人だっておりますから、そういう人にも貸してあげたいけど、ルール悪用する人もいるからなぁと、悩むところ。
 どこか公的機関が、「住民票はないけど、この場所に住んでいると証明する」というものが出れば良いのですけどね。(給付金云々でも問題が出たはずですが)

 それか、アパートなどの契約ではありませんが、連帯保証人みたいな人がいればOK(その保証人(可能であれば住基でもチェックできる図書館と同一自治体内の人)同伴で来館してその保証人の住所確認ができたらOKといった感じで)とするというのなら実用的かもしれませんが、あんまりそういうの聞かないなぁ…

 外国人の方も、本当なら転居したときに、その自治体の窓口に行って変更登録しないといけないと思うのですが、「数ヶ月~数年ごとに現場が変わるので…」って変更手続きをしていない人もいたり…

 同様に、
・「免許証の書き換えはまだです。」
・「保険証に住所って書くんですか?」

 「正直でよろしい」というか、そう言われると困っちゃうんですよね。
保険証だと「その場で書けばいいんでしょ?」と言われることもありますしねぇ…
職場で渡された時に「書くこと」って言われないんでしょうか?

 免許証だって、道路交通法で『第94条(免許証の記載事項の変更届出等)免許を受けた者は、第九十三条第一項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、速やかに住所地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の住所地を管轄する公安委員会)に届け出て、免許証に変更に係る事項の記載(前条の規定による記録が行われる場合にあっては、同上の規定による記録)を受けなければならない。』とあるので、先に手続きしてくれ…ってのが本音。
(よく考えたら『速やかに』って曖昧ですよね…、出生届とかは日数決まっているのに…)

 もし、図書館が、何かあったとき(借り逃げとか)に最後まで追いかけるつもりであれば、申込書と一緒に免許証や保険証のコピーを取っておくと良いでしょうね。それを条件に申請を信じるという形でうしょうか、やるとしたら。
 よくレンタルビデオ屋とかだと写しを取るけど、図書館でやっているところありますかねぇ?私が知らないだけ??

 いや、もちろん、これらの場合「住所の確認ができない状態なので作れません」と断るのが大多数なんでしょうけどね。

 さて、住所確認はなんとか代替でもできたけど、在学・在勤という条件でも問題が発生します。
 まず、在学関連では…

・(4月はじめに)「今度、○○に入学するのですが、入学式がまだなので学生証ないんです」

実際、うちでもあった事例なのですが、確かに入学式が終わらないと、学生証もらえないんですよね…学生だと住所を移していない人も多いから、困るんですけどね。

 まぁ、その学校の合格証とか入学金納付証明と、住居の契約書なんかの合わせ技(公的機関の証明ではないけど)で、それに代えるってことも考えられますし、保障の確保ということであれば、実家の住所を確認できるものの提示を求めるという方法もありかもしれません。

 次に、在職関連では…

・「パートでどこそこに勤めているんですけど、利用券作れますか?」

 在職の証明として、厳密に会社の身分証明書や在職証明書の提出を求める図書館もありますし、偽造があるかもしれないけど、住所確認は最低限するのだから、名刺をもらってそれに代えるところもありますが、パートさんだと名刺を持っていない人もいるから、任用通知や契約書くらいでしょうか?

 まぁ、住所確認さえちゃんとできれば、「どこそこに勤めている」というのはそのまま信じるということもありなのかなぁ?
 新会社などだと、その会社もあるのかどうか確認しなきゃいけないのもなぁ。
 パートでも在職証明書は出してもらえるでしょうから、運営規則に則って業務遂行するのなら、「在職証明書をもらってきてください」なんでしょうね。
 他にも建築関係などで、「建て終わるまで数ヶ月こちらの現場に来るんだけど?」とか、派遣社員などの短期雇用なども、一応その自治体内の勤務なのでしょうから、職場の証明があれば良いのですけど、面倒な場合が多いみたいですね。

 他の登録時の問題としては…

・「本人がいないけど利用券って作れるか?」

(うちの館の場合ですが)原則、本人の来館が必須なのですが、来られない人への配慮も必要だとは思います。

 通常であれば、来館する代理人を立ててもらって、代理人依頼書みたいな押印された書類を作ってもらい、本人の住所の証明と代理人の証明をさせてもらって…ってのが普通かなぁ?

 立てる代理人がいなくて、「電話で登録して郵送貸出ってしてもらえませんか?」という場合は、他の図書館ではどうしてるんでしょう?同一自治体内であれば住基なんでしょうが…

 ということで、利用登録の条件が『同一自治体内か特定広域自治体内に在住か同一自治体内で在学・在勤の方』という簡単な条件なのに、その証明をするのになかなかスムーズにいかないもんだと実感する日々であります。


 せっかくなので、似たような業務として『利用券の再発行』の話をする前に少し脱線。こう考えていくと、全国・全世界のどこの人でも貸出できるという図書館でないのが、多数を占めているのであれば、館外貸出は住居地などで制限しているところが多いのだから、利用に制限がないのは閲覧のみということですし、それであれば前にも書きましたが、対価を取ってはいけない『図書館資料の利用』は『閲覧まで』でも良いとは思うのですけどねぇ…

 それか、利用登録前に無料の『図書館の利用の仕方講座』を受講してもらい、それを修了した人のみ、利用券発行という制限もあっても良いような気がしますが、『利用講座』はあっても、利用券発券条件にはなっていないんですよね…

 ところで、以前どこかで書いたか言ったか忘れましたが、住民にもれなく利用券を配るのはどうなんでしょうね?
「図書館を使わない権利もある」って言われそうですが、住基カードに図書館利用番号を組み込む事例も出てきたわけですから、まだ事例がないと思うけど登録業務しなくても住基カードを持ってくるとそれだけで借りられるような感じでも良いと思う延長線上の考えで、使わなかったら破棄してくださいじゃだめなんでしょうか、やはり。
 まぁ、どちらもたしか前に書いたことですから、続きに話を戻しましょう。


<再発行の場合>
 新規の時にカード発行手数料という料金を取るところは、公立図書館ではほとんどないのですが、再発行に関しては、有料…とは言っても、実費程度の図書館をちらほら見かけます。(閲覧は無料で出来るんだから、借りたいときの手数料または利用券料を取ってもいい気もするのですが…)

 大学図書館だと500円というところが多かったりもするのですが、公立図書館だと数十円から数百円まで色々です。(もちろん再発行無料のところも多いですけどね)
 もちろん、再発行の実費ということであれば、わからなくもないのですが、「なぜ新規の時は実費でない?」と思ってみたり。(いわゆる無料の原則に抵触するから?再発行の場合はしないという理解??)
 複写だって、図書館資料の利用ですが、10~50円程度実費ですよね?
 まぁ、その図書館の運営規則上そうなんでしょうから、いいんですが。

 で、この再発行の実費徴収を深読みすると…
 利用券の裏によく『住所変更などがあったら届け出てください』とか『利用範囲外になったら返却してください』とあるので、返却を要するのであれば、もしかすると『利用券』って本人の物ではなく、「あなたの番号は○番ですよ」という図書館による利用券の貸与という理解にすれば、スムーズかな?

 そうすると、『図書館の物をなくしたんだから、その弁償料だよ』と。(それなら、理解可能。)

 さてさて、この再発行、利用者の「なくしました~」ですぐ発行すると「やっぱりありました~」ってなるパターンが多いので、うちの館では「1ヶ月ほど探していただいて」と条件を付けています。
 もちろん、その間は『利用券忘れ』と同一手続きをして借りることができます。
 まぁ、その手続きが面倒でなければ、再発行手続きをしなくても良いのですけどね。笑
 他の図書館だと仮カードを発行したりするところもあったと思いますけど…
 手続きが簡単だったら、きっと紛失率が上がるんじゃないかなぁ?「無くしても再発行してもらえばいいし」って。(そういう統計も取ってみたいな…)

 再発行の手続き方法としては、大抵新規手続きと同様な手続きが取られている図書館が多いと思います。
 その時に改めて住所確認書類の提示をお願いすると、「新しい住所の方ですか?」って…『変更したら届け出てって書いてあるでしょ!』(心の叫び)
で、住所変更手続きと一緒にやろうとしたら、「まだ新しい住所に住民票移していないんで…」と。笑

 利用券の有効期限があって、その都度、住所確認などの手続きをしている所はまだ良いのでしょうが、有効期限があっても『その間利用があった場合は自動更新』みたいな条項があるところなどでは、再発行だったり督促状が戻ってくるなどの事態にならない限り、『利用者の変更手続き待ち』となることが多いでしょう。

 中には「結婚して名字も住所も変わったけど、実家に帰省した時に借りれるからと思って…」とそのままの人もいますし…(督促の連絡の時、(実家になるので)「○○はもう家にはいません」って言われるし…)


 ということで、図書館では利用券発券から手間がかかることが多いこともあるということで。

 最後に、利用券発券に関する私の疑問を1つ。
 手のひら静脈認証で登録して、利用できる図書館(例えば那珂市立図書館)があります。
 誕生日を端末入力し、手のひらをかざす形だったと思うので、手をかざしてみて、誤認識された人の番号でってことはないようですが、利用券レスなのは良いけど、手を怪我したらどうなるんだろう?
 もちろん、免許証とか別の身分証明書みたいなものを持っている大人ならまだ良いですが、子供は?子供は怪我し易いし…
 利用券の不正利用みたいなことはほぼ0ということで、有効な方法だと思いますし、カウンター前で「あっ、これは○○図書館のカードだ…えっと、こっちは…」ってトランプみたいに広げられることもなくて、良いのですが、「(勤務時間中の)夫に頼まれて△△を借りてきてと言われたのですが…」とかの場合、手のひらを切ってよこすわけにもいきませんしねぇ…利用券なら渡しておくことが可能ですけど。
 うちでも、そういうメリットがわかるので、導入したいとは思っているのですが、大好きな星新一さんのショートショート『頭の大きなロボット』や『番号をどうぞ』が頭をよぎって導入に躊躇してみたりしています。笑

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