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2009年7月の3件の記事

雑多な話題オムニバス その2(図書館職員のSNS・図書館の書架配置・研修生の受入れ)

<図書館職員専用SNS>
 何かネタないかなぁと思い適当にGoogleで検索したら、ちあぼんさんのCheers!Librarian Blogの『「ライブラリアンのネットワーク」を実現したい。』(http://cheerslibrarian.blog122.fc2.com/blog-entry-11.html)のエントリーを発見。
私が図書館職員のためのSNSを設置したのが2006年9月16日なので、1年ほどあとの設置のようですが、同じようなことを考える方もやはりいるのですね。見つけたときは嬉しかったです。
ちなみに、私のは、直接口コミで知り合いから広げようと思いながら、ほとんど情報発信していないので、いまだ私以外いない状況だったりしますけど、どうかなぁと思うこともあるので、今のところ放置です。笑

ちゃんと探せば、他にも図書館司書の集まる『図書館職員のためのSNS』ってあるのかもしれませんが、どこが一番有名なんでしょう?
mixiなどのSNSでコミュニティとしてはありますし、それはそれで助かっていますが…図書館職員(パート等も含む)専用ってあまり聞かない…知らないのは<また>私だけ?笑

確かに、図書館関係者のブログやtwitterのフォローつながりを見ていくと、ある程度コミュニティ化しているとも思いますけどね。
ただ、どうもみなさん意見がハイレベルな感じがして、「今更聞いても…」って感じもします。
個人的な当時の(純粋な)設置目的からすると、パートさん同士の情報交換という場も必要だなと思ったからで、正職員であれば出張先でということもあるでしょうし、図書館大会や図書館総合展などに参加してという人も多いでしょう。

もちろん、パートさんなどでも、それらに参加する意欲的な人もいるとは思いますし、図書館に消極的な正職員も多々いるでしょうが、なかなか『ちょっとしたこと』を聞くためだけにはそういうところに参加はできませんしねぇ…

日図協や各都道府県立図書館レベルでそういうSNSがあるといいなぁとは思うのですが。

一方、図書館職員専用ではなく、利用者とのコミュニティとしてSNSを使っている(公式・非公式に関わらず)図書館というのはたまに見かけますが、利用状況はどうなのでしょう?
機会があったら聞いてみたいものです。

さて、図書館職員専用SNSという発想は、他の方ももっと早くから持っているかもしれませんし、私が知らないだけで実際に盛況なSNSを運営している方もおられるかもしれませんが、私の当時の設置目的の別のものとしては、『公にするには自信がない回答がある』かもしれないという裏の理由もあります。

何も明らかな違法行為をするというわけではなく、例えば、職場で図書館関係や書評の本の記事をコピーしてスクラップする行為や「複写関係でここまで認めた」というのが実は認められない範囲だったりで、解釈の仕方や考え方の誤りによる運用だったり、「利用者を呼び止めるのにフルネームを大声で言う」とか「督促電話で家人にタイトルを言う」のは守秘義務的にどうよ?とか、住所変更していない利用者への督促状を住基で調べて送るとか、直属でない上司に利用者情報の開示を求められたとか、新刊を利用者より早く借りる職員についてとか、利用者よりもリクエストが多い上司とか…(もちろんこれらは『例えば』ですよ、ただ単に今思いついただけですし。)、そういうのが、質問や回答にある場合、いきなり全世界公開だと、批判続出となるかもしれないと思うと、優等生質問に優等生回答になるんじゃないかなぁと思い、ざっくばらんに同業者として質問・回答・意見ができると良いかなぁとも思いましたので。

まぁ、もちろん、同業者だからといっても、徹底的に相手を批判する人もいるでしょうけどね。
(実際、複写関係の参考資料を作るために県立経由で、複写関係の現状について聞き取り調査をしようとしたときに、「各館の公式見解としてこのように具体的に書かれると、(あとで発表することも考えると)著作権法に抵触するかもしれないので、県では調査できません」と断られた経緯があるので、そんなことを考えました。)

最近では、色々な情報発信がされている図書館も多くなり、「あ~こういう展示方法、うちでも真似できるかなぁ」とか「こういう方法がベストだなぁ」と思うこと多々で勉強になるのですが、ノウハウがその図書館内部にしかなかったり、その方法が実は間違っていてもわからなかったり、よりコミュニケーションが取れるかなぁと。

 まぁ、メリットだけでなく、デメリット的には、図書館業界思考に陥ってしまう可能性があるかもしれない…つまり、大義の前の小義って感覚で話を進めてしまうこともあるかもしれないので。
 もちろん、集まり具合によっては、多数をとったもの勝ちってことも起こるでしょうし。

 いや、確かに、あちこちで開催される図書館職員の集まりに参加して、交流を深めるというのが一番なんでしょうが、出不精な人とか行けない人とかにとっては、インターネットは便利な道具ですからねぇ…
 最近では、twitterで生中継してくれる方もいらっしゃって、私としてはとても助かっている面もあります。

 私は、人見知りが激しいので。笑


<図書館の書架配置>
 7月28日の日経スペシャル『ガイアの夜明け』で、いまさらながらVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)ディレクターという視覚を意識した売り場演出を手掛けるプロがいるのを知りました。
 放送では、食品スーパーのことでしたが、そういう人の目線で図書館を見てもらうと、「どう改造されるか面白そう…」と思いながら見ていました。

 その時同時に思っていたのが、以前、赤木かん子先生が講演のため、うちの館にいらっしゃった時に、うち児童コーナーのダメ出しと改造指針のアドバイスをいただいたこと。
 確かに、使いにくい書架配置ということもあり、ボルト固定なのでおいそれと書架を移動できない点は個人ではどうにもなりませんが、それ以外は大量の図書のラベル張替えや移動など蔵書点検期間にならどうにかかるかなと思い、年度末に向けてちょっとずつ準備をしているところです。

 個人的には、赤木かん子先生が改造した学校図書館のビフォア・アフターが通覧できると良いのですけどねぇ。そういうのを見るだけでも真似べますからねぇ。

 もう一つ思っていたのが東洋経済の『元三重県職員が仕掛ける“わくわくする図書館” 図書館運営受託ベンチャーの夢』(http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/41bc4a9ae8ffc2f1170d9640419905e0/)の話。
 この中で『谷口は仕事に充実感を覚えていたが、一方で閉塞感もあった。谷口が転勤すると、一から作り直し。前の高校もこれまで提供していた内容が変わり、やがて質を維持できなくなるのだ。』と、私も前から書いている図書館運営ノウハウの持続性という点に「そうだよなぁ」と思ったのもありますが、「良いノウハウはビジネスになるんだ」と思った次第。当たり前のことだけど。

 ビジネスになるということは、利益率が低くても儲かるということなので、ノウハウをフリーで公開というのは難しいんでしょうね。いや、ここの会社ではなく、各図書館だとしても、せっかく培ったノウハウを他館のためには公開したくない人だっているでしょうから。

 そうすると、この記事にもありますが、属人的な面があり、図書館によっては企画展示が素晴らしい図書館もあるのですけど、展示飾りが担当職員の自費だったりという話を聞くと、後継者にはやりにくいかなぁと。
 まぁ、企画したり、何かを創り出すのにはエネルギーが必要なことなので、ありきたりなパターンにならないようにするためには、大変なのですけど、「あれ?次の企画どうするの?」と他人事のように聞いたり、一生懸命にどうしようか考えない上司に言われると「じゃあ、お前が考えてやってみろよ」と毒づきたくなったりするんですけどねぇ。

 で、そんなこんなで、次の日意識して利用者の動きを観察…
 まぁ、これも当たり前なのかもしれませんが
1.BDSゲートをくぐり、カウンターで返却・予約資料の受取をしてそのまま帰る利用パターン
2.雑誌・新聞架へ直行し、ある程度読んだら帰る利用パターン
3.OPACや目的の書架まで直行し、読みたい本を調べて帰る利用パターン
4.奥の閲覧席まで行って自己学習していく利用者のパターン
5.カウンターでレファレンスまたは参考図書まで行って戻ってきてレファレンスする利用パターン
6.児童コーナーに子供を放して、自分は目的の本を探しに行く利用パターン
7.その他ブース利用や時間つぶし的な利用パターン

 コンビニだと、入り口から右手か左手に雑誌、それから飲料、スイーツや弁当、そしてレジという流れだとか聞いたことがありますが、個人的に1が問題だったりするのかなぁと思ってみたり。
 そうすると、入り口から真正面の奥にカウンターを設けて、その間の書架で誘惑するとか、そういうのも良いかなぁと思ってみたり。
 企画展示も入り口付近でやっていると、それを見て図書館には入ってきてくれるのですが、そこにある資料を借りて中まで入ってくれないことも多いですし…

 あまり他館に行く機会がないので、もしかするとそういう図書館があるかもしれませんが、
 例えば、hanatomo31さんのハナトモのベルギー→スウェーデン→オーストラリア日記にある『美しい図書館』(http://hanatomo31.exblog.jp/9609191/)みたいに、ぐるっと壁面に書架があって、このままだとどこに何があるか見づらいので、分野ごとに色分けしてあったりで、入り口やカウンターから一望できるような感じの図書館とか、L字型で、短い方から入り口で短い方が児童、長い方を一般にして、角がカウンターという形で、壁一面のみの一直線書架とか…
 一定箇所から一覧できて目的の場所がわかりやすかったり、一直線に歩いたら全図書がブラウジングできるとか…

 そんなことを考えていたら、書架が動かないのではなく、気軽に動かせたら建築設計屋のデザイン重視から図書館の機能重視がた配置に改造できたり、企画展示も色々できるので楽しいのでしょうけど、やはり、地震などのことも考えると、ボルト固定なんだろうな…動かすにしても図書を載せたままというのは難しそうだし。
 書架の配置に資料を合わせるのではなく、資料や企画に応じて書架を配置できるのも一興かな。
 でも、常連には、「あれ?ここの棚の本どこ行った??」ってなるので、頻繁に変えるのはまずいですが、実際企画展示の時は、そういう声もあるので、ありなのかもしれませんけど。

 図書館で飲食物の提供や異なる業務とのコラボなど、そういうことで話題と人を呼ぶというのも、最近ではよくある話ですけど、個人的には、書架配置やデザインなどともちろん資料の収集・配置も含め、普通に考えられる図書館利用形態・方法で利用者の興味のきっかけ作りになると良いなぁと思います。
 そうしないと、「あそこの美味しい喫茶店、本も借りられるんだよ」って「コンビニ支払いも出来、写真撮れ、テレビも見られ、インターネットも出来る端末、電話もできるんだよ」と、携帯電話みたいなことにならないか不安だったりします。

 めったなことがなきゃ、書架本体の配置を自分で考えられるということは少ないのでしょうが、図書館建築学を机上で検討するのではなく実証実験みたいな感じで色々と組み替えられるような図書館があると面白いのになぁ…

 で、『学校をつくろう』のゲームではないけど、『図書館をつくろう』みたいなシミュレーションゲーム…いや、シミュレーションプログラムでもあるともっと楽しく図書館を考えられるかな?と思う今日この頃。笑


<研修生の受入れ>
 先日、1組目の研修生の受入れが終わりました。
 研修生と言っても、図書館司書の研修でなく、教員の。
 今年は教員の研修が2組、中学生の職場体験が1組、高校生の職場体験が1組で、大学生は今年はいませんけど、全部私が1人で応対するので、ちょっと大変。本業は本業でやらないといけないし。
 だからと言って、代わってもらえるものでもないし…

 ただ、図書館の仕事の触りだけやってもらっても、あまり研修にならないんだよなぁ…研修期間が3日あれば良い方で、1日って…
 仕事の話を聞いて、見よう見まねでちょっとだけやって、はい、一日終了ってことなんですが…
 他の図書館ではどんなことをやっているんでしょうか…

 配架とレファレンス演習がメインでうちはやっています。
 レファレンス演習は、最近はパターン化してきてしまい、
・理科年表を利用する設問(星のデータとか気象のデータとか犬猫の血圧とか)
・回答が2つ以上出てくる設問(凸の書き順とか食べ物の事始めとか)
・インターネットを利用して目処を立てる設問(旧名の施設に関してとか読み方や用途が直感で不明なものとか特定の新聞記事とか)
・実は電話帳が有効みたいな設問(ある自治体の美術館の住所とか)
・色々な参考資料を利用する設問(逆引き広辞苑とかレファレンス事典とか)

 こんな中から5~6問作って2時間くらいかけてやってもらうのですが、司書相手ではないので、難しくもできないし、百科事典で終了だと面白くないし、利用者が質問しそうもない問題だと実感わかないでしょうし…
 研修生のレベルや内容によってこんな問題が良いというあんちょこがあると準備も楽なんですけどね。閉館後準備するので、その練習問題で自分が熱中することも多々あるんですけどね。笑

 研修意義的には利用者との接客なのでしょうし、他館で見られるように「研修中です。ご理解ご協力くださる方はこちらの窓口へ。」とプライバシー云々を気にする利用者に配慮した掲示をして貸出なども任せているところもあると思いますが、1日だと、簡単なこともまごまごしてしまうので、あまりさせられませんし、レファレンス演習に時間を取られることもあり、もうそろそろ再考しないとなぁと、少し反省。

 でも、数日だとして、うちの館がそんなに大きい館でないにしても配架場所を覚えるのは難しいでしょうから、利用者に「これこれの本はどこですか?」と尋ねられても、『わかりません…』って顔で私の方を見ますから、私がご案内し、その後ろを付いてくるような感じになるので、「これじゃ職場体験というより見学だな」と思うこともしばしば。

 他におはなし会などを体験させるということもあるのでしょうが、練習1~2回程度でやるのは聞いてくれる子供に失礼だと思うし、朗読サービスも読み方というのもあるし…
選書を体験させて、実際に選書会議などで通ったものは購入するとかも面白いかもしれませんが、どう選ぶかを説明するのはなかなか難しかったりしますし…
ブックコート作業も本番ので失敗されたら目も当てられないし…
普段はカウンターでも同時に仕事をこなさないといけないのですけど、初めて説明を受けた仕事を同時というのは難しいので、一つずつやってもらうのですが、それだと「図書館の仕事って楽だし簡単だな」と思われるのも癪ですし…
だからといって、「所蔵資料を把握するのが重要なことです」ということで、研修期間ずっと本を読ませるのもなんだし…
そうなるとほんと軽作業か後で修正のきくデータ登録くらいでしょうかね。

 土日と平日の利用差があるので、研修は大抵平日なので「こんなもんか」と思われそう…だからといって土日は忙しすぎて受け入れる暇もないし。

 まぁ、それでも教員の研修生がレファレンス演習を終えて、「アプローチの仕方が色々あって、回答も1つではないことは勉強になった」という感想を述べるのを聞くと、それはそれで効果あったかなぁと思う自分がいたりします。

 研修生受け入れウィークが終わるまで帰省できないのが、私にとっては困りますけどね。笑

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図書館での複写の<補足>

全般的&実務的な図書館においてのコピーについては以前書いた『図書館における複写(コピー)の私的まとめ(著作権法31条1について)』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/02/post-1aad.html)を参照していただくとして、ここを訪れてくれた人達の検索フレーズから基本部分と補足なんかを。
ほとんど、よくある質問は書いているんですけどね。


◎図書館における複写は著作権法(主に31条1)によります。
なので、全部コピーさせないのは図書館がいじわるしているわけでもない。
でも、図書館が複写の許可しないこともできる。
どうも利用者側に複写する権利があると思われている方が多いようで…


◎基本単位は1冊でなく1著作物です。
短篇集はそれぞれの短編で1著作物なので、単純に10ページの短編5つ(仮にA・B・C・D・E)ある50ページの本は、
A:5ページまで、B:5ページまで、…E:5ページまでの25ページまでは複写できますが、
Aの部分だけ10ページというのはできません。25ページより少ないのですがね。

極端な話、写り込みの協定がなければ、俳句17文字も1著作物なので、8文字までしか複写はできないってことです。
『複製物の写り込みに関するガイドライン』についてはこちらを参照してください。(http://www.jla.or.jp/fukusya/uturikomi.pdf

まぁ、このガイドラインも、図書館職員でさえ、勘違いしているところもあるけど、
・楽譜
・地図
・写真集・画集(書の著作物を含む)
・雑誌の最新号
は除外されているんですよねぇ…(ということで、楽譜は保護期間内であれば1曲の半分までです。短くても。)

同様に図書館間協力における現物貸借で借り受けた図書の複製に関するガイドライン(http://www.jla.or.jp/fukusya/taisyaku.pdf)は図書のみで雑誌は除外されているのに…何回か「利用者が複写したいと言っているのでガイドラインに基づいて可能か?」って聞かれました。
苦笑いしながら、「ガイドラインは図書だけですよ」って説明しましたけど。


◎基本提供可能単位
公表された著作物の一部分のコピーを一人につき一部のみです。

なかなか、『著作物』の概念が理解されないようで、上記短編集的なものや、最新号の雑誌なんかも「ここまでが1著作物」って理解されにくいとこですね。

で、利用者がよく「1枚だけですか?」と聞いてくるのですが、よく聞くと友達の分とか保存用というわけでなく、「1冊で1ページ分だけ」と『一部』を解釈する人がたまにいたりします。
実際は、1著作物単位なので、1ページであってもだめなこともあるんですけどね。そういう質問はちょっとかわいらしくもあります。

前にも書きましたが、図書館界では「半分を超えたら一部分とはいえない」ということから、「半分まで」という解釈ですけど、「半分!」はどうするか、微妙なところです。
私も半分は半分であって、一部分とは言わない気もしますが、49.99…%ってのもねぇ…
ので、「半分以下」とは書いたり言ったりしないようには気をつけています。(だからといって「半分未満」とかも言いにくいけど)

ゼンリンの地図は区分図が1著作物という主張ですので、全面(右面と左面)などの複写はできません。
まぁ、右か左かというわけではないので、紙で隠して真ん中というのは可ですけどね。うちでは道に沿って斜めにという要望もありましたけど。

検索フレーズで「2日に分けて」ってのもありましたが、何日に分けようが、その著作物単位なので、だめですって。
国立国会図書館だと数ヶ月前のも正しくチェックされて、不可と言われたようですし。
エライ!

え、他館で複写した残りの複写ですか?
聞かなかったことにします。笑
というか、だめです。
でも、チェックできないのが現状ですが。


◎上下巻・シリーズ・付録
これらは、それぞれ別物として扱われます。
「上下巻で1つの作品なんだから、上巻全部が複写可能なはずだ」っておっしゃる利用者もいますが、『上巻』という1つの著作物なのですし、もっと細かく書けば、その本文が1著作物です。前文とかは別に考えた方が無難。

基本はそうなのですが、合本は微妙。
おそらく、1冊にはなっているけど、目次などを見て元上巻・元下巻となっていれば、やはり短編集と同様に、それぞれの半分でしょうし、それがなく上下巻を読んでいないと区切りがわからない場合は、改めて半分までということなんでしょうね。

で、基本話のはずなのにいきなり応用話をちょっと。笑
小説系の雑誌、毎月少しずつ文章が載ります。
ある作家の書いた小説それらは次の月には大抵全部分複写可能になります。(その雑誌1冊の半分までならね。)
そうするとその連載終了後、出版されるだろう、単行本を最初から最後まで複写するのと同等になる…

ってことで、文芸誌は全部分複写可能は除外してくれと、権利者の一部が申しております。

これについては、作者死亡などで単行本出版に至らないケースもあるし、単行本で改変されていることもあるという理解なので、現状は上記応用はOK。と私は思っています。


◎図書館で書き写す行為
◎図書館でデジカメやスキャナで複製する行為
まず、前にも書いたけど後者。
少し前に、『デジタル万引き』って言葉が作られ、その後自粛傾向にありますけど、それと同じ考えで良いかと。

つまり、日本においては原則として利益窃盗が不可罰ですので、窃盗行為でもなく、撮影行為自体は私的使用目的の範囲内で著作物を複製する場合となるので、著作権法違反にもならない(複製したものつまり、その画像を送信したら、即違反。)。
お店の敷地内で行なわれることなので、お店は売り物に対し管理権を有するので、お客の本や雑誌の取扱いに制約を課すことは、可能なので、注意したり、やめさせたりできるのと一緒。

よくビニールで覆って書店で立ち読み禁止とか見るけど、そういうのも一緒。管理上のこと。ついでに、違反した利用者に立ち入り制限を課すことも自由。

図書館だと、立ち入り制限を課すのは微妙だけど、同様に「著作権法違反で」というのは、ちょっと難しい面があります。
「許可なく館内における撮影行為等を禁止します」と一文書いておいて、「資料管理上、ご遠慮いただいています」というのがベストかなぁ。

で、前者。
いわゆる文章のメモだったら、私的使用でしょうし、資料を痛めないので、大丈夫でしょう。
が、わざわざそれで検索してくるということは、その問題は、トレース行為なんじゃないかと勘ぐってみたりします。
トレースすることももちろん複製行為なのですが、私的使用だと言われるとやはり、もめます。

でも、先に書いたように、ボールペンやシャープペンでやられると、痛むので、管理上、やめてもらえますけど、痛まないように配慮されてだったら、「ご遠慮」ですかねぇ。

ついでに、手描きだと、自分のノートにキャラクターを描く程度であれば、大丈夫なのですが、それを販売したりするのは違法です。
もう少し書くと、それを図書館内などに常設展示するような場合は、著作権法に抵触することがあります。
例えば、お話会のメンバーが作ったぐりとぐらの看板だとか…

よくペットボトル持ち込みで注意すると、「フタはちゃんと締めているし、館内では飲んでいないからいいでしょ?」と言われるのと、一緒で、「それを真似て持ち込んだ人が汚したり飲んだりするから」みたいな。

私的使用でも複製一切禁止にできないのは、普通のメモ行為も抵触するからなのかなぁと。


◎DVD付録の扱い
DVDで、文字情報だけっていうのは、ほとんどないと思うので、動画が含まれていたら映画の著作物になります。
なので、購入した雑誌についているDVDは本来であれば許諾を得ないと貸し出せません。

でも、最近、「図書館での貸出以外のレンタル禁止」とか、ちゃんと書いてくれている出版者さんがいて、それはちょっと感動ものだったりしますが、原則、「貸出してよいか」と問い合わせるのが正当。

可能であれば、全出版者さんが、図書館で貸出OKかどうか明記しておいてもらいたいなぁ。


◎ブースで録音・撮影
管理上、目的外使用ということで、一律禁止というのも可能です。
もちろん、ダビング行為は、公共物だろうとそういうお店で置かれているものだろうと、私的使用範囲外なので、問題外です。
上のデジカメ撮影と同様、持ち込み機器だと管理上やめてもらえる。

で、知り合いの某氏が「それは盗撮だ」って言っていたので、それは違うんじゃないかと、ちょっと確認。
『映画の盗撮の防止に関する法律』が成立していますから、そういう言葉が出たのかもしれませんが…

この法律は著作権法30条1項の規定を適用しないこととしてあるので、そのため、映画の盗撮行為は複製権の侵害となり、刑事罰の対象になります。
もちろん、この法律を待たずに著作権法によれば、海賊版を流通させる目的をもって映画館で映画を録画したり録音する行為は、著作権法21条や著作権法119条1項により、刑事罰の対象になるのですが、これを読んでいる方がご存知のように著作権法30条1項は、その目的が著作物の私的使用であるならば、著作権侵害とならない旨を規定しているので、除外する法律が必要だったのでしょう。

なので、この法律以後は、「病気で入院中の弟のために」とかどんな理由であっても、映画館で映画を撮影しちゃいけないということになりました。

確かに、映画館における映画の録画・録音行為を禁止できる法律上の根拠として、(先にあげた図書館での管理上云々と同様に)施設管理権や誰も読みはしない観客との契約などもあるので、映画館内への録音録画機器の持ち込みを禁止し、実際の行為を制止することもできますし、見つけたら退場&再入場禁止も可能ですが、荷物チェックなどもちょっとねぇ…

この第2条3号で、映画の盗撮の定義が『映画館等において観衆から料金を受けて上映が行われる映画(映画館等における観衆から料金を受けて行われる上映に先立って観衆から料金を受けずに上映が行われるものを含み、著作権の目的となっているものに限る。以下単に「映画」という。)について、当該映画の影像の録画(著作権法第二条第一項第十四号に規定する録画をいう。)又は音声の録音(同項第十三号に規定する録音をいう。)をすること(当該映画の著作権者の許諾を得てする場合を除く。)をいう。 』ってなっています。

なので、「映画館等において」で図書館におけるホールでの上映会は含まれます。

でも、料金を受け取ってはいないので、撮影しても映画の盗撮には当たらないです。
ついでに書くと、ブースでの撮影は『映画館その他不特定又は多数の者』にも当たらないので、私の判断(映画の盗撮行為というわけでない)に軍配でしょうか。

もちろん、「管理上やめてね」ですけど。笑


…全然基本になっていないや。
でも、こんなに図書館の複写関係で検索している人が多いということは、それだけ、図書館で判断に困っているということでしょうか?
悩むなら、そこの出版者の編集部にでも電話すれば、解決するのですけどね。(時には認められているはずのことも「それはご遠慮ください」と禁止されちゃうこともありますし、逆もまたあったりするので、臆せず交渉してみるのも経験です。交渉の仕方で回答が変わることもあります。恐い編集者もいますが、優しい方もいますし。ちゃんと著作権担当者もいますからねぇ、大抵。)

おそらく、私のエントリーだって、カウンターで利用者を待たせて見ているわけではないでしょうから、図書館で複写関係の問題があって、それの回答を探しているみたいな感じでしょう。

一番の理想は判例をじゃんじゃん作ってもらうことで、金銭的に余裕のある一般利用者が、前にあげた判例ではないけど、「図書館が複写をさせてくれなかったのは、心外」ということで、裁判があれば良いのですけど、この手の裁判があまりないのは、「裁判を起こすほどのことではない」というのもありますが、一番最初にあるように、「図書館が複写の許可しないこともできる。」というのがあるので、複写範囲の判例にならないからなんでしょうね。

それなら、逆に権利者側が、「ここまで複写させるのは31条を満たさない!」って訴えなら、どこまで満たすかの判例になると思うのですが、そのためには、利用者が図書館で権利者の訴える範囲まで複写した事実が必要になるのですけど、図書館側は秘密を守る云々などもあり、申込書を提出しないでしょうし、利用者だってわざわざ権利者に「これだけ複写させてもらえたよ」なんて言わないでしょうし。利用者も訴えられる範疇になるでしょうし。

そうすると、権利者側の息がかかった人が、図書館で申請し、受け取った複製物を元に、訴える…そこまでやると複写申請が虚偽申請で逆に図書館に訴えられる可能性もあるし…と考えていくと面白いです。


次こそはDVDの上映権とか補償金とか書きたいけど、なかなか資料がなぁ…前も書いた気がするけど、補償金上乗せ分は権利者の言い値ですけどね。
法的にも補償金額は『相当の』とあるから、定価の数百%といったところでしょうか。

最近の複写関係の検索ワードからのエントリーでした☆

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雑多な話題オムニバス1(twitterの使い道・今の図書館員のためのバイブルは?) 

<twitterの使い道>
 カレントアウェアネス・ポータルで『JLAもTwitterを開始』(http://current.ndl.go.jp/node/13423)とあり、「へぇ~」程度でもチェック。
思ったとおりというか、思ったよりひどかったというか…今後に一応、念のため、偶然があるかもしれないし、期待だけはしておいてみる。笑

 ただ、団体がtwitterを使うのは、どうなんだろう?確かに、リアルタイムに今何が起きているかの情報発信手段としては良いのでしょうが、企画展示の情報であれば、普通にWebページでも良いでしょうし、速報性的な形だとしても、ブログレベルで大丈夫だと思うんですけど…

 まぁ、私自身、使い始めて間もないから、一人つぶやきというか、Webメモ的な利用ですから、使い慣れてくると、情報発信手段の一つとして有効という判断になるかもしれないけど、今のところは…う~む。

 例えば、この中ですごい投稿数になっている横芝光町図書館を例にとると、twitter以外でも真似を試みたこともありますが、私なんかには真似できない速度で情報発信をされておられます。
 それはそれで、すごいので尊敬を通り越して、神様的なのですが、あえて気になった点を書いてみると、twitterは担当者が頑張っているだけなのか?という点。
 他の図書館のtwitterを覗いてみると、たま~に気が向いたら『つぶやく』という感じですが、横芝光町図書館はほぼ毎日…すごい。
 今月の休館日は月曜日と2日が休館日のようですが、27日現在、2日と15日はつぶやきが入っていますけど、日曜日と3日、23日、25日だけがない(見えない?消した??)…ということがわかります。ということは、担当者がお休みの日は誰も書かないということなんでしょうけど。

 ブログだと、予約投稿などがあるので、時間のあるときまとめてということが可能ですし、未来投稿も可能です。(イベント予告とかは未来投稿で公開すれば良いのですし)
twitterは、細工できるかもしれないけど、たぶんリアルタイムなんでしょうから、担当者の休みなく入力すると、ただでさえあれだけの更新をブログやWebサイトでしているのですから、人間ならば壊れます。もしかすると、壊れない人なのかもしれないですが、私なら、1週間もすると死にます。
 ただ、自分の休みの日に、他の同僚がやってくれると、とても助かります。
 まぁ、まだ試行期間中なのかもしれないので、他人に頼んでいないのかもしれませんが、もし、twitterをフォローして見ている人が、担当者休みの日に見ていたら、「あれ?今日は休館?」って思ってしまうかもしれないのが、ちょっと危惧。
 そんなことを書くと、担当者が無理をして倒れるかもしれないのが、私にとっては最大の危惧するところなんですが、以前にも何回か書いたけど、一人担当とか、一人エキスパートとか、それだと、その人頼みなんですよねぇ…万が一のことがなくても、その図書館の担当になったら、みんなが無理なくできるようにしなければ、持続されないんですよね…

 これで、どこぞやの図書館のように、Webページの変更も起案・決裁が必要なとこが、twitterをやろうとしたら、どういうことになるのか、見物ですが、おそらくそういうところはしないでしょうね。笑
 うちは、最初に起案したきりで、更新は私任せなので、たまに誤字チェックが入りますが、比較的ゆるやかですから、やろうとすれば、できると思うのですが、八面六臂ではないので、通常業務の上にtwitterは無理。

 まぁ、ブログで『図書館員のつぶやき』とタイトル共通にして、更新していっても同じような気もしますけど…(自分の館では在り来たりなWebサイトしかないですけどね。)

 個人的には荒れるのは必至ですが、図書館にいる利用者につぶやいてもらったら、面白いなぁと思ってみたり。
 「今図書館で何してる?」から始まり、「新しい雑誌が装備されて置かれたよ」とか、「今日返したこの本面白かったよ」とか、よく、カウンターで一言二言交わすような簡単なことでもつぶやきで書かれると面白いかなぁ。
 『図書館つぶやきボランティア』ってのも面白いかもしれない…

他には、図書館のレファレンサーがつぶやくとか…
手が回らないときには、他の手が空いている人が回答するみたいな…

 もう少し、twitterに親しんでから、どういう情報発信方法が良いのか、考えてみます。


<今の図書館員のためのバイブルは?>
 先日、かつての…いや、今も一部には熱烈な信仰を集めているかと思われる『市民の図書館』(日本図書館協会,1976年版)を改めて読む機会があり、ふむふむと読んでみました。
 まぁ、30年も前のものなので、私には「あ~そういう時代だったんですね」と、想定されている中身の違いに苦笑いだったりします。まぁ、適当に順にピックアップ。

 『11公共図書館の基本的機能』で『公共図書館の基本的機能は,資料を求めるあらゆる人々に,資料を提供することである。』と最初にあります。私はひねくれていますから、「資料を求めない人には提供しなくて良いのか?」とか「『その資料を提供』とはないので違う資料の提供も可なのか?」とか、しょーもないところに突っかかりながら、その後も「そもそも国立国会図書館ですら100%の資料があるわけでないから、『資料に対する要求にこたえるだけでなく』というより応えてさえいない現実は?」と冷めた目で見たり…で、なかなか読み進まない。

 確かに、私も一応図書館員ですから、利用者の要求にはできるだけ応えてあげたいですが、『利用者の求める資料は原則としてどのようなものでも提供する』というのは、どうなんだろう?「他の図書館にあれば」「購入許可が下りれば」「予算があれば」など『諸般の事情が許す限り、提供する』のが現実的で、『諸般の事情』を『極力減らすように努力する』のが目標で、理想は80%の提供といったところでしょうか。「『原則として』だから100%ではない」のであれば、原則ではない場合も列挙してほしいところです。

 「夢は大きく」でも良いのですが、実現不可能な理想をあげられても、現実とのギャップが大きすぎて、若手のつもりの私としては、お先真っ暗感になってしまいます。やっぱり、熱烈な図書館司書の方では、いつかは100%可能になるとでも思っているのでしょうかねぇ…まぁ、30年も前の話ですし。

 こんな感じで書き始めると、いつ終わることない感じなので、ざざっと。
 『12知的自由と公共図書館』では『個人の力で必要な情報を探し出し利用することは,ますます難しくなってきている』とあるが、図書館ですら難しくなってきている現実(レファ協でも未解決がたくさんあるし)に「30年前は図書館ならできると思っていたのか…」と羨ましく思い、『情報が一部の階層に独占されることなく』ってとこで「そんなことはない」と思ってみたりしました。

 『13市町村立図書館は公共図書館の中核である』では『住民に直接サービスができるのは,市町村立図書館である。』って言葉にヒット。前も書いたけど、県立図書館は主な業務として直接サービスより市町村立図書館の支援をお願いします。

 『14市立図書館は全市民に奉仕する』では『図書館は資料を提供するところであって,座席と席だけを提供するところではない。』…ブログやtwitterでつい最近見たような…笑。でもさ、図書館で資料を使ってなら学校の勉強もOKなら、学習参考書を図書館所蔵にしておけばきっとOKになるんですよね、『原則としてどのようなものでも提供する』んだし。というか、個人的にはキャレルデスクは椅子なしで、閲覧席は机なしのスツールでいいんじゃないかと思うんですけど…本を読むのに机が必要なら通勤電車に机があるでしょうし、調べ物をする時って、私だけかもしれないけど、机の上に何冊か開いて、チェックしながらメモするから、椅子に座らないことが多いし…

 『15市立図書館は一つの建物ではない』では「図書館長の地位は30年間変わっていないんですが?」と苦笑いすると同時に、『館長が図書館サービスの専門家』である必要があるかどうか疑問。個人的には「館長は図書館サービスの理解者」であれば、資格とかあまり必要ないかも…と。

 『16市立図書館の仕事』では『貸出しとレファレンスのこのような構造的関係を理解することは,当面図書館は何を重点に行うべきかを考える上で重要なことである。』とあるのですが、30年経ってもいまだ当面で次のステップには進んでいないんだなぁと改めて実感しました。

 『2 いま,市立図書館は何をすべきか』は『21市立図書館の現状』と『22サービスの重点』があるのですが、『市立図書館の現状は貧しい』とか今の現状を言っているようでもあり、やはりここでも『当面の最重点目標』の「貸出」と「児童サービス」と「サービス網」が30年続いている現状に気付かされます。30年前、児童だった人はもう大人になっているのにねぇ…目標達成すらしていないんだろうな…。ここで、ちょっと世代のギャップが1つ。『図書館もまず貸本屋くらい市民に親しまれる存在になってから』とあったのですが、「そもそも現在の貸本屋の現状は??」と『貸本屋』なるものを利用したことがないので、ふと悩んだのですが…「今ならレンタルビデオみたいなもん」と言われ、それでもとても親しまれている感はしないのですけどねぇ…
 で、話を戻して、当面の目標だったものがその後長々と続きます。

 『3 貸出しをのばすために』で気になったところは…『保証人を立てさせるような図書館は,最近ほとんどなくなった。』って…あったの??30年前は。私も先日図書館業務の登録についてこのブログで書かせてもらいましたが、転居しても住民票を移さないでいる人に保証人云々って書いたんですけどねぇ…市町村立図書館の県立化のときも『昔の中央図書館制度』などご指摘されましたし、温故知新というか、昔は昔で問題があったから今があるんでしょうが、今の問題を解決するには昔に学ぶ必要もあるのかもしれないのかなぁ…私だけか??『延滞料の徴収は労多く効少なく』とあるんだけど、取って良かったんだ…30年前。とか、ちょっと「あれあれ?」と思うことが多かったりします。

 そんな中『36図書選択』、つまり今で言うと選書について書かれているのですが、『なるべく幅広く網羅的に収集』と『需要に応じきれない図書は,複本を買うべきである』が矛盾を来たしていることが、予算という有限の資源を使っている時点でわかろうものを…。まぁ、貸出が増えれば予約も増え、図書費が足りなくなって、要求すれば無尽蔵に増えるという甘い考えがもたらす結果なのかもしれませんが、30年変わっていないんだなぁ…。この中にあることを現状に合わせて考えてみると、「質の高い資料を蔵書にしても利用が増えないのは,市民の要求に合っていないので、実は要求が質の低いものなんだ」ということなのかなぁ?『図書館が考えているほど低くはない』とあるけど、『高くもない』のか。

 『4 児童サービスを広げるために』は、比較的効果が現れた数少ない事例なんじゃないでしょうか。ただ、(登録票を)『正確に書くことができない低学年の子どもには,図書館員が書いてやる』とかありますが、住所すら言うこともできない高学年の子が多いのですが?笑。それと、『成人図書以上に立ち入った評価を与えなければならない。』とか、ちょっと変なとこもありますし、『良書で人気のあるもの』と書いている時点で「大人が良書として考えているもの」では人気は出ないと思うんだけどなぁ…ついでに、これが30年前で、市民の読書要求を高めるためのサービスだったはずだったと思うんだけど、結果は??おそらく、最近の方々が述べられているように、児童サービスで読書習慣がついたように思えたけど、現実は付いてなく、YAでサービスがほとんど見られなくなって、習慣がなくなって成人に至るというのが、本当だったのかもしれないですね。もちろん、YAサービスが充実したとして、これから30年後、結局変わらないかもしれないけどさ。笑

 『5 図書館の組織網をきずくために』では、分館や移動図書館について書かれているんですが、利用者の身近に図書館を置くのは確かに賛成で、異論はありませんけど、この章、水道の蛇口を例にしているのですけど、貯水池(中央館)が枯渇することや、水が無限に出てくるわけでないのを忘れて、書かれているような気がします。まぁ、最近ですからねぇ、ダムが干上がったとかニュースになったの。

 『6 図書費を増やすために』は『61図書費の重要性』は皆知っていることですが、今の現状をみると、やはり「貸出数かけるなんぼ」とかでは予算は付かないわけでして…すでに論外なんですよね。

 『7 サービスをすすめるための規則と権限』は条例や規則などの例があるのですが、目についたのは『72 規則』の『○○市図書館運営規則』の例で『つぎに掲げる日を除き図書館奉仕をうけることができる』、つまり休館日は「祝日」と「年末年始」と「日曜日」と「資料整理日」と「特別整理期間」となっています。30年前のこれをバイブル化するのであれば、是非とも祝日と日曜日を休館日にしましょう!笑

 『8 奉仕計画』では計画の立て方などが記述されています。『83まとめ』で計画が実行できない原因で挙げられている例が『1.計画にムリがあった』『2.サービス計画を実行する条件(予算,職員など)が目標に達しなかった』『3.方法に誤りがあった』『4.職員の意欲,協力に欠陥があった』『5.計画をたてる時の考え方に誤りがあり,現実認識に誤りがあった』『6.市の社会的な変化が急激であり,この変化に柔軟に対応できなかった』とありますが、計画が甘く、予算もあまり伸びない状況を30年近く続けてきている現状は、『まとめがよく行われ』ているわけではないことを如実に表しているのでしょう。

 『付 その後の発展,ほか』の『2ひろがる文庫活動』は、今の身近にない図書館を補完するのに、今でこそ発展して欲しいことです。
 また、『5図書館員の問題』として『図書館に専門職員をおくようになっていない自治体が,なお少なくない』とか『なかにはおく必要がないと主張する自治体すらある』って、「今もそうじゃん」って言いたくなるような内容でした。
 読み返した感想を二言でいうと、「30年前とほとんど変わっていない」「当面の目標が永遠に達せられていない現状」がわかります。

 他にもこの時代「中小レポート」とか出されていますけど、それは長くなるので割愛して、今の図書館員のためバイブル的なものはなんだろうなぁと考えてみると…

 ない??笑

 「望ましい基準」も「これからの図書館像」も表現が抽象的な面も多くどうもはっきりとした目標となるものでもないし、「浦安図書館に~」も愛読している人が多いけど、タイトルに個人的には難色を示したいところ。嫌いじゃないし、読んだけどさ。

 個人的には『発達段階別図書館の指針』とか、『設置状況別これからの図書館像』とか、そんな図書館員必携&愛読的なものが出されると良いんですけどねぇ…
 30年前と検索貸出方法ぐらいが変わっただけで、ほとんど変わらないのですが、改めて、『都道府県民・市町村民の図書館』みたいな資料がまとまってくれると嬉しいなぁ。もちろん、今の状況では貸出至上主義的なのが改めて出るかもしれませんが、対抗馬的な資料も是非どなたかに出して頂いて…と他力本願。笑

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