« 選書論流行?笑 | トップページ | 貸出と返却(その2 返却について) »

貸出と返却(その1 資料を貸出す)

 夏休みの繁忙期も無事終わり、今年も残り1/3、さて、何を企画しようか今日この頃。
 それにしても、お盆期間に毎年のように「お盆期間はいつお休みですか?」「えっ、お盆期間開館してるの?」の電話が掛かってくるので、一度くらいは「お盆休んでいいんですか?」と聞いてみたいところです。
 普段は、祝日開館云々とか言われるのに、どうも世間的にはお盆は堂々と休んでも良さそうです。笑
 もちろん、休んだら休んだで、「なんで開館していなんだ」って言われるのがオチなんでしょうが。

 珍しく自分の館の話ですが、今年度の児童コーナーガラス面飾りつけ(折り紙の作品をペタペタ貼り付けるだけですけど)は、『織姫・彦星と十二星座』から『乙姫・浦島と海の仲間たち』に変更され、今月は『かぐや姫』の予定なんですが、冬の姫はどうしよう…雪女か雪の女王か普通にクリスマスか…

ってことで、本日の業務は、貸出と返却の話。(追記:長くなったので返却は後日。)

 まぁ、誰でもできるとも言われている貸出と返却処理、今でこそ、自動貸出機なるものが出現し、最近では自動返却機も開発されているこの業務をテーマにしても書くことが何もない気もしますが…笑
 それにしても、自動返却機、前もちょっと触れましたが、私が最初に聞いた勝手なイメージだと、「配架までしてくれるはず!」と思ったのですが、どうも分別してカートに分けるだけっぽい。
 もちろん、棚アンテナとか、設備が整えば、できるのでしょうが、まぁ、今はまだ主流ではないですね。
 仕組み的にはおそらく単純で、ICタグの分類記号などから、仕分けをしているのでしょうが、1冊ずつ流さないとベルトコンベア方式では難しいですね。本の厚いものならともかく、薄いのや一枚ものみたいなものだと、重なってしまいますしねぇ…返却処理は読み込めばできるけど、重なっているものを分別できないからなぁ…

 さて、まずは貸出。
一般的な認識から言うと、
1.利用券を出す
2.利用券のバーコードをスキャンする
3.資料のバーコードをスキャンする
4.何やら怪しげな操作をする
というのが今は一般的でしょうか…

4はゲートでアラームが鳴らない処理ですね。仕組みは公然の秘密といったところでしょうか?笑

たぶん、多くの図書館だと確かにそんな感じでしょう。

ICタグが導入されたところだと、
1.利用券を読み込む
2.四角い板に載せる
3.何か操作する
という感じでしょう。

コンピュータ化されていないカード式だと、
1.利用券を提示する
2.利用者専用ソケットを持ってくる
3.資料から図書カードを出す
4.ソケットに挟む
という感じですかね。(私が実習に行ったときは人口20数万人の図書館でしたがこのタイプ。なおかつ、返却で書架に戻すのは利用者!今は違うけどね。)

 まぁ、多少の差異(例えば静脈認証や自動貸出機など)はあっても、こんなスムーズなことばかりであれば、もう書くことがなくなってしまうのですが…
簡単な貸出にも問題が出てくるんですよねぇ…

 コンピュータ化されたときの基本は、『着実にスキャンする』なのですが、蔵書点検で不明になった本が普通に返却される事例とかをみると、なかなか100%着実にというのはなんか難しいっぽい。
 利用券を提示してスキャンしたときや資料をスキャンした時にメッセージがあると(本来音と画面で確認できるはずなのだが)貸出作業を受け付けないシステムも多いからなのかなぁ…

ということで、よくある問題点。

まずは、
1.利用券を出す
2.利用券のバーコードをスキャンする
まぁ、その間に利用者にかける言葉としては「こんにちは」という挨拶語と、利用券を受け取ったときに「おあずかりします」、渡す時に「ありがとうございます」が最低限って感じでしょうか…
この間で起きる問題。

・利用券提示時
よくある問題が、明らかに本人でない利用券が提示された場合。
多くの図書館の利用券には『他人に貸すな』とありますが、家族のカードを持ってくる例はうちだけでなく他の図書館でもあるはず。
中には家族のカードを全て持ち歩いて良く言えば一元管理、悪く言えばAV資料借り放題な利用者もいます。

ただ、「家族に(この本を借りてきて欲しいと)頼まれてきた」ということもあるので、「一切ダメ!」とも言いにくい。
もちろん、「代理で借りる場合は次の書類(例えば委任状とか依頼状とか)に…」って話も聞かない。

静脈認証であれば、「ちょっと手首から上、借りていくね♪」ってわけにもいきませんから、そういう悩みもないんだろうなぁ…

なので、基本、「盗難に遭った」とかそういう申し出がその利用者からなければ、うちの館であれば貸し出します。

見た目で男性の外見なのに女性名の利用券を出したからといって、「本人ではないですね?」と確認するのも本人だったら失礼だし。(利用券の氏名だけならなおさら。例えば『喜美』が女性とは限らないみたいな。)


・利用券忘れ時
『公立図書館の任務と目標 解説 改訂版増補』(日本図書館協会,2009)の「図書館評価のためのチェックリスト 改訂版」の中の「個人貸出」の2で「貸出券を忘れた利用者にも(中略)対応しているか」というのがあるので、おそらく「対応せい」ということなのでしょう。

で、とある図書館での話。
利用者:「利用券忘れました」
某職員:「お名前をおっしゃってください」
利用者:「○○ ○○です」
某職員:「確認のため電話番号をお願いします」

ということがありました。
同姓同名とかもいるから確認なんでしょうが、その利用者の名前と共に電話番号か生年月日か住所をカウンターそばにいるだけでゲットです。笑
「利用者番号をどうぞ」と言われても覚えていることほとんどないですからねぇ…

まぁ、そういう経験があったので、うちの図書館では、名前と電話番号と住所を小さな用紙に記入してもらっています。
(名前と誕生日だけでも良かったんですが、同姓同名&同誕生日がいたときが面倒なので。もちろん、電話帳を利用して虚偽申請という可能性もあるため、誕生日まで記入してもらっても良かったのですが…今のところ、氏名・電話番号・住所の3つで確認しています。)

虚偽申請のことを考えると、「利用券がなければ貸出できません」でも良いのでしょうが…どっちが多数派??

ここで、先ほどと同じような問題が発生。
来館した本人は利用券がないとき、作ってもらうのがベストですが、住所証明がなければ作れないとかであると、貸せないということに。
「記入された利用者と家族だ」と言われても、家族証明って難しいですからねぇ、住民票か戸籍抄本か提出してもらうかぁ?住民票があれば本人の利用券作れるけどね。笑
普段から家族の利用券を利用している人は、忘れた時に借りられない…かも。

忘れた時って、原則本人の申請がベストでしょう。

それでも借りたい利用者に貸す場合は、目をつぶるか、それともその家族に電話してもらって、利用者番号を聞くかですかねぇ…(面倒といえば面倒)

 まだまだ利用券忘れの問題は続き、小学生や幼稚園児などが「忘れてきた」と申告してきた場合、書かせようにも小学生高学年でさえ自分の住所が書けないことがあったり、びっくりしますが、名前以外書けない場合なんかを考えないといけません。

 名前の同姓同名もいるので、本人同定するためには親が登録していたら「お父さん・お母さんの名前は?」ってのもありかもしれませんし、学区が違う同姓同名なら「どこの小学校(幼稚園)?」ってのもありかもしれません。

 親の利用券を借りて普段図書館で借りている子もいるので、前の登録業務辺りからの問題になりますが、スムーズかつ問題の発生しない方法は悩むところです。

 その点、『忘れたら貸さない』とか『静脈認証』という図書館はこういうことを考えなくていいのかなぁと、ないものねだり。


ということで、貸出者が表示されました。ちゃんと読み込まれていることを確認しましょう。(たまにバーコードの誤読が発生することもあるので。)
この時、利用者メッセージが出ていれば、伝えますし、予約資料などの有無もわかるシステムが多いでしょう。
ここでの問題。

・延滞資料がある場合
これは、図書館の運営によりますが、『延滞資料が1冊でもあったら貸出しない』『一定期間以上延滞している督促資料がある場合はしない』『それはそれこれはこれなので貸出す』のどれかでしょうか。
同じ「延滞資料があれば」の中でも、『延滞資料が全て返ってきた時点で貸出OK』と『延滞期間分貸出不可』の場合というのもありますね。

延滞があっても貸出する場合、貸出時に「延滞資料があるので早めに返却してくださいね」という旨をお知らせする場合が多いと思いますが、数分前に返却口でも言われていることも多く、「さっきも言われました」というこもあったりします。
もちろん、念には念を入れて注意するってことならありですし、1日2日不注意で忘れてきて反省しているのに、2度言われるのも…という感もなきにしもあらず。

延滞とかそれに対する督促とかは、督促業務の話の時にでも書きたいな。

・家族の予約資料がある場合
『家族連携』などの機能を持つシステムですと、家族の予約資料があるかないかも貸出時にわかることがあります。
そうでなくても、「主人の予約本が何かあるということで代わりに取りに来た」とか、「(家族名義で予約した自分が読みたい)本が届いたので取りに来た」とか、そういうことがあります。

予約名義者の利用券を持ってきていれば、何も問題ないのですが、家族名義の利用券を使う人の貸出同様、守秘義務との葛藤に悩まされたり…しません??(そういう話を一般利用者とすると「うちの家族にはそんな秘密はない」って言われること多々ですけどね。)

その悩みへの対策としては、予約時に「家族が代わりに借りに来たら貸してよいか」の項目を作らないとねぇ…
うちには「用意が出来たら書名を伝えて良いか」の項目はあるのですけどね。「伝えて良い」→「家族に知られて良い」→「家族が借りに来て渡してよい」という判断は目安としてしています。ただ、OPACやWEBではそういう項目ないんですよね…

いっそ、個人利用券か掛ける人数分の資料を借りられる家族利用券のどちらかを選択できるとかも必要かもしれませんね。(それとも両方作れて、個人利用券で利用された分は自動的に家族全体貸出数から差し引かれるとか。)


ようやく、貸出できる準備が整いました。
3.資料のバーコードをスキャンする
資料のバーコードを目掛けてスキャナーを…♪ジャン!…「エラー?あっ、違うバーコード読んじゃった」ってことのないよう、気をつけます。

で、某会によれば、「返却時に汚破損がないか資料を1点ずつチェックすれば貸出履歴を残さなくても云々」ということらしいですが、「借りた時点でこうだった」という弁明を回避するために、実際は貸出時に1点1点1ページごとチェックして…って無理じゃん。笑

ということで、地図や型紙やCDなどが付いている資料であれば、それくらいはそれがちゃんと付いているかチェックして、資料にあるメッセージがアラートで出ていたら確認して、確実にスキャンするってところでしょうか。

手元と画面を瞬時に見るって案外簡単そうで、難しいってことが、研修生を受け入れてやらせてみるとわかります。
アラートが出ているのに、一生懸命資料をスキャンしているんですもの。読み込んでないって。

それはともかく、何か挟まっているとか、不良があるとこの時点で透視できるようになると、ベテランの域でしょうが、透視できない場合は、パラパラララララって図書のページを指で弾くと少しは見つかります。『貸出時にチェックしているよ』ってパフォーマンスですが。

ここで問題がでないかというと、なくもない。

・「その資料に予約あります」の場合
普通はあり得ない状況です。
通常、図書館では、在架中の資料にはWeb以外で予約が入れられない仕様の場合が多いですし、そのWeb予約も常時自動取り込みでない限り、普通はないはず。

パターンとしては『予約のあった資料を間違って書架に戻した』『他の利用者が探していたので不明のため予約だけを入れていた』『Web予約など自動取り込みだった』という感じでしょうか。
A.「先に予約の方がおられますので、貸出できません」と引き取る
B.持ってきた人優先で貸出する
のどちらかなのでしょうが、Bかなぁ。でも、間違って書架に戻してしまった場合はAでしっかり謝るがベストかなぁと思ってみたり。

一方、同じような文言でも、
・「その資料に予約が続いています」の場合
これは、予約が2件以上ある予約資料の場合なのですが、逆に普通にあります。
うちの館では『次予約あり この資料は次に予約でお待ちの方がいらっしゃいます。延長はお受けできません。』って文言のある細い紙を挟んでいます。

予約の続いている資料の貸し出し期間が短くなる図書館の場合を除いて、貸出期限いっぱいはその利用者に楽しんでもらいたいから「予約が続いているので早く返して」とは言えないですし、だからといって、早くまわった方がいいなぁとも思いますので、言うと角が立つこともあるので、ささやかなプレッシャーというところでしょうか。笑

そんな感じで、次々とスキャンしていき…
CDやDVDだと、ケースに中身を入れたり、ケースに中身(本体とジャケット等)がちゃんと入っているか確認したりする作業も出てきますが、アラートがでていないか確認しながら、スキャンすると貸し出しも終了に近付きます。


4.何やら怪しげな操作をする
タトルテープ方式の場合や、ICタグ方式の場合、なんかカウンターの後ろで操作します。
これを忘れると、ゲートで「戻ってきやがれ」(いや、実際は「恐れ入りますがカウンターまでお戻りください」とか「ピンポーン」とか「ビーッ」)とアラームがなり、ご迷惑をおかけしてしまいますので、確実に操作。

で、期限票なりレシートなりを挟むか渡して終了!

とあるスタッフマニュアルには、ここにも注意書きがあり…
箇条書きで書くと
『一番上になる資料を資料の裏が上になるように両手を添えてお渡しする』のです。
うちの館のマニュアルではありませんが、私はそれに準じてやっています。
あとは、「ありがとうございます」くらいの最低限の挨拶で送り出せば貸出は終わりかな。

もちろん、その後ちゃんと処理されていなく、ゲートが鳴り、「すみません…」とかあるかもしれないですけど。

貸出業務の流れだけでもこれだけ書けるとは…というか、私が冗長的にいつも長くしている面が否めないんですけど、ほんと毎回読んでくれている方々、ありがとうございます。

次回になるか、いつかの回になるかわかりませんが、返却の話へ確実に続きます。笑

|

« 選書論流行?笑 | トップページ | 貸出と返却(その2 返却について) »

勝手に図書館業務シリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 選書論流行?笑 | トップページ | 貸出と返却(その2 返却について) »