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貸出と返却(その2 返却について)

ということで、前回に続いて、返却作業についてです。
返却作業は単純作業的な面が否めませんが、そこでも数々のドラマが…笑

おそらく多くのところでは、
1.資料を持ってくる
2.附属資料の有無の確認をする
3.バーコードをスキャンする
4.在架処理をする
5.配架に行く
でしょう。

ICタグのあるところだと、3と4は同時に機械がやってくれると思いますが、タトルテープのところだと、とある機械に載せてスイッチオンだったり、電動ブラシみたいなものでおまじないをかけたりしています。
逆にゲートのない図書館だと、3のあとは5といったところでしょうか。

図書カードのところだと、
1.利用券などで利用者を確認する
2.利用者専用ホルダーの図書カードを取り出す
3.附属資料の有無の確認をする
4.図書カードを図書に戻す
5.配架に行く
だと思います。

私の出身地で実習した某図書館では5の配架するのが利用者だったのですが、私はこの業界に就くまでそれが普通だと思っていたのも驚きではありますけど。(それを業界の人に言うと逆に驚かれるけど)

まぁ、返却作業がわからないって事はないと思いますが、コンピュータ化したことで起きる問題もなくもないので、返却まわりの問題についてなんかを。

貸出時と同様、返却時に全ページをチェックするなんて、なかなかできるものではないです。
それでも、利用者がしおりに使ったであろう何かが挟まっていることも多いので、全神経を研ぎ澄まして…
図書館職員の能力として、違和感を感じる能力って必要なのかもしれません。

返却時の異物混入とか汚破損の発見もそうだし、棚のそこにあるはずの本がない場合の館内サーチのときも並びの違和感を感じないと(じっくり一棚ずつ見ている余裕もないので)なかなか先に進みませんもの。
将来的に、自動返却機にレントゲンやCTスキャンとか付いたら…と変な空想。笑

返却窓口でやる作業としては、返却処理前に継続処理の有無の確認や配架に行く前に、予約がある資料は予約棚に移したり、弁償までもない破損のある資料は修理BOX行きにしたりします。
(大量に返却されて、間違った資料に予約票を挟まないようにとか、返却処理がちゃんとされているか、資料の状態はどうか、アラートメッセージはないかなどを確認しながら1点1点ちゃんとしなきゃいけないというのは、基本ですけど。)

さて、返却で起きうる問題。

・残っている資料を教えるか否か

図書カード方式では多くは返却時も利用者氏名を確認してからの作業なのですが、コンピュータ化していると、返却時に利用者名が表示されない設定で残り資料が見られるようになっていることも。
そうなっているときに、ちょっとした問題があったりします。

もちろん、リライトカードなどを導入して残っている資料を自分で確認できる場合は問題は起きないのですけどね。

残っている、つまりまだ貸出中の資料と言っても、いくつかパターンがあります。
まず、借りた本人が返却しにきて、まだ期限が残っている資料の場合、利用者に「全部ですよね」など聞かれない限り、あまり「あと○点貸出中ですよね」と職員に言われることはありません。

残っている資料の返却期限が返しに来た当日だった場合、『利用者は全部返したつもりだろう』から伝えるべきか、『今日中にもう一度来るかブックポストに入れるだろう』から伝えないか迷います。
実際に、伝えて「あっ、忘れてきた。予約がなかったら延長しておいて」と言われる場合と「今日が期限なんだから、(ちゃんと今日中には返すつもりだったんだし)なんでいちいち言うんだ」と言われる場合があったりしましたので。
「確認ですけど、本日が期限の資料があと○点ありますが、よろしいですか?」くらいで、いいんでしょうけどね。怒る人は怒るんだし。

一方、期限が切れている資料がある場合、(返却画面の残り資料の画面を見せて)「こちらの資料の期限が切れていますので、お早めに返却ください」とか言ってみる。

が、コンピュータ化していれば家族の借りた資料も気軽に返すことができるのですが、名前が表示されていないと…
利用者:「じゃあ、これ返却お願い」
職員:「はい」ピッピッピッピッ
利用者:「これで全部返したかしら?」
職員:「えっと、こちらの1点が期限が切れていますので…」
利用者:「(表情が険しくなって)ふ~ん、わかったわ。」
職員:「?」
これだと、何が起きたかわかりませんよね。

具体的な感じで例だと、ご主人の借りた資料を奥さんが返しに来たのか、家族で利用券を使いまわしていたのかわからないけど、期限切れの資料がありました。
でも、それはあまり奥さんに知られたくないような…例えば離婚の仕方とかの本だったらどうでしょう?
想像付きますね。

図書館の自由に関する宣言でも利用情報は守秘義務なんですけど、返しに来た人は必ずしも、借りた人ではないですし、だからといって、放っておくとそのまま延滞しそうな期限が切れた本に言及しないわけにもいかないし…

一番は、貸出のときもそうですが、他人名義の利用券で借りないようにしてもらうのでしょうけど、家族間ということで代理で借りたり、家族で1枚の利用券を使用する例も(うちだけってこともないでしょうが)多いと思われます。

期限切れの資料があったとして、言及するときに、『誰の返却資料かを確認して』という一手間入れると少しは少なくはなるのでしょうが、もしかすると、家族で使いまわしだと、奥さんが借りたものかもしれないし、どうにもならないので、期限が切れていたご主人の自業自得なんでしょうか?
今の例では夫婦仲が一層悪くなる方向ですが、例えばがん告知を本人にしていないのに、『がんと伴侶が宣言されたら』みたいな本などを借りていることがわかったりするかもしれませんし、『借金のまとめ方』みたいな本だって、家庭問題になりそうですし…

返却口では、一切、資料情報は教えないのがベストでしょうかね。
もちろん、家族での利用券使いまわしの場合は、どうしようもないですけど。

当たり前のことですが、伝える時は、他の利用者に利用状況画面などが見られない(覗かれない)ようにする注意は必要ですね。
ただ、その返却に来た人が他の利用者ってことも考えておかなければ。といったとこです。

・汚破損があった場合どうするか

通常、汚破損があった場合は、弁償とかになるでしょう。
弁償のことに言及すると、たぶんまた長くなるので、それはまたの機会にしたいと思いますが、今回の返却で触れる点としては『この返却者が汚破損したのか』どう判断するか。

明らかにボロボロになって戻ってくれば、貸出時にそのような状態だったら気付くでしょうから、弁償をしてもらう話に進むことは可能です。

例えば、一部分の切り抜きの場合、新聞にもありましたが「税金も払っているんだしなんでいけないんだ」と、最初から話のずれている人もいれば、「私が借りた時にもうそうだった」と本当かもしれないし、嘘かもしれない利用者もいます。

疑って掛かればきりがないですが、返却する時に「ここが切り取られていたんですけど」って言うのが普通だろうなと。
ので、貸出時にパラパラってしておくと、良いんですけどね。

ただ、汚損だと、「読むのに(私は)支障がなかったから(言わなかった)」ということもあるので、なかなか難問ではあります。

指摘したときの『私は悪くない』の主張で記憶に残っているものは…
「うちの犬がかじったのですが、私はやっていないので…」…おいおい(それにしてもなんで、犬って図書館の本をかじるの好きなんでしょう。)。
「自転車のかごに入れていたら、雨が降って…」…わからなくはないが。
「借りた時には何ともなかったと思いますが、返す時にはこうなっていました、きっと借りた時にこうだったんでしょう。」…いや、借りている間にそうなったんでしょ?(これは、後日談的に家族が汚破損したらしいです。)

ということで、返却時に気付いたら、優しく聞いてみるしかないのですが、図書館員のスキルとして『読心術』も必要なのかなぁ…と思う今日この頃。

・返却時の言葉はどうするか

資料を借りている利用者は、返却窓口に最初に来ることが多いので、「こんにちは」とかの挨拶は接遇としてありでしょう。
あるスタッフマニュアルだと、返却時に「お疲れ様でした」「ご苦労様でした」は抵抗を感じる人がいるので、留意するとあり、差し障りのない例として「ありがとうございました」とかが例示されています。

で、最近Titterか図書館系ブログか忘れましたが、「ありがとうございます」には抵抗があるという旨の発言を見ました。(他に「お客様」という呼びかけもだったか?)

確かに、うちの職場でも「どうして『ありがとうございます』なんですか?」と、私が言う事に疑問を投げかけた職員がいますので、そう思う人も珍しくないのかもしれません。
まっ、コンビニで何も買わなくても「ありがとうございました」って言われるわけだし、延滞していた資料であろうが、期限内であろうが、利用があっての図書館なんだから、感謝の意がこもってようがいまいが、作業終わり言葉として使っている感じですかねぇ…私は。
(「はい、いいですよ」「はい、おわりました」でも悪くはないのでしょうけど、無言だったら、ずっと突っ立っている利用者もいますからねぇ…)

今日はそんなところで☆
そういや、利用者、「これ返却です」という言葉がでないのか、時々「これ返済です」「これ返還です」「これ返上です」というのがしばしば聞かれます。ちょっと不思議。

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