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2010年5月の1件の記事

図書館はどこを向くか?子供の都合と大人の事情。笑

え~、なんかものすごく放置していたみたいですが、トーネコは今のところまだ図書館界で生きています。
そんな放置的なブログなのに、アクセス数は増えているので、ありがたいことです。

年度末から年度初めにかけて、現在進行形で、異動はなかったけども、業務のやり方やシステムがガラッと変わってしまい、システム変更初日からエラーが続発しててんやわんやなどあり、未だに業務のやり方、考え方の変更に慣れていない今日この頃です。

やはり、2月の時も思いましたが、図書館は利用者と一緒になって形成していくところなのですが、結局は職員側の…いや、意思決定機関というか、要は上層部の考えひとつで大きく変わってしまうものなんだなぁと。
以前も低きに流れる話を書いたと思いますが、合併の話にしても人事異動の話にしても、その図書館としての志が伝達されていなかったり、志を猛アピールしても、合併などで「そんなん知らん」と一蹴されると、一気にサービス低下になりますし、アピールする職員を異動させてしまえば、上層部の考え次第ということに…。

特殊な例なのかもしれませんが、「言うことを聞かないと懲戒だぞ」って言われた場合、「パワハラだ」だの、「不当懲戒だ」だの、体力・気力のある人ってどのくらいいるでしょう?
もちろん、本当におかしな命令であれば、従わないということもありなのでしょうが、やはり公務員だと『職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、かつ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。』があって、それが権限ある上司から発せられる命令で、上司の職務権限内の事項であって、実行可能だと従う必要が出てくるわけですからねぇ…
実行可能性で「利用者のサービス低下につながるのでやりたくありません」では、実行不可能という理由にはならないでしょうし。

そうなると、上層部には『図書館に関してよくわかっていて、理解を示してくれる人を』となるのでしょうが、全ての都道府県市区町村図書館でというのは無理な話ですよね…
少なくても館長あたりは図書館とその利用者の方を見ていて欲しいのですが…どうして旧図書館法から『公立図書館の館長となる者は、司書となる資格を有する者でなければならない。』などが消えたんでしょうね?もちろん、資格があるからよく理解しているかと問われれば、そうでもないことが多々あるので、その辺もネックなんだろうなぁ。

うちの図書館も館長は何人か変わりましたが、資格がなかろうが、「(一般行政から来て)図書館のことはよくわかっていないが、現場の司書の良いと思うことを(もちろん上司である私への報告はしてほしいが)じゃんじゃんやってくれ、責任は俺がとるから」的な人の下だと、新しいことがやりやすく、「図書館とはこうだ」と先入観のある人の下だとやりにくいですよね…

そんなことをあれこれ考えると、財政面…というか、資料費などの図書館費だけをどうにかできれば、独立行政法人『日本図書館』みたいにして、各自治体にある図書館を1つの組織にできると、システム経費の問題も(複数のサーバをまとめられる)、総合目録問題も(全所蔵情報が集積される)、相互貸借問題も(支部館(?)での物流になる)、ノウハウの蓄積問題も(1つの組織なので容易)…と、様々な問題が解決してしまう(と思う)のですけど…

どこぞやで、「法で定められているとか明記されていないのなら、やらない(しない方向で)」という話も聞きますから、強制力のある図書館法でもできないと無理なんでしょうけど。
まぁ、強制力のある図書館法に『自治体収入の○%を図書館費にあてる』とか、図書館税なんかあると…(笑)

で、『図書館がもし1つの組織だったら』と考えて、それを肯定的にみると、ものすごく図書館が向上するように思えるのですが、否定的にみると、組織が大きすぎて変革が滞るとか、口をはさむだけの大御所が多くて『無料の貸本屋一直線!』だったりする可能性も大きいかなぁ?と。
もちろん、根底に「図書館をなくしたい」とか「図書館をだめにしたい」とか思う人は図書館界内にはいないのでしょうが、結果的にだめになったり、首が回らなくなったり、時代にそぐわなくなったりということも多々あると思うので、一つの組織になったとしても、そういう人が幅を利かすとアウトなのですが、今でも周りの諫言があっても自分の理想論を振りかざす人が多い関係組織もあるので、今の発展形での1つの組織化はやはり難しいですかね。

さて、私の勝手な妄想は置いておいて、1つの組織で2つの方式ということはおかしな話ですから、どちらかに統一しなきゃいけないという話はよく聞きます。
特に最近の市町村合併とかでもなかなか決まらないという話も聞ききます。

最近は図書館系のブログのチェックや関係者のTwitterのチェックがあまりできなかったので、久々に一気に見てみたら、次のエントリーを見つけました。
TRCサポートBOOK【本】部ログ『絵本の並べ方、いろいろ。』(http://d.hatena.ne.jp/trcsupport143/20100519/1274293665)を読んで、いつぞやに出席した会議で、合併をした館の話として、「合併時に統一しようと話が出たけど、今でも並べ方を変えないでやっている」と話を聞いたのを思い出しました。

確かに、図書館の多くは、『画家or著者名順』または『タイトル順』ってのが多いですよね。
どちらもメリット・デメリットはあると思いますし、全部の絵本の表紙を見えるように置くことができると問題はないのですが、通常は不可能でしょう。

このエントリーを読むと少し混乱するところがあって、たぶん私の理解力の問題なのですが、
・目録的には画家順が自然
・タイトル順→画家順で並びかえられた図書館の話
と話が進み、
・画家順に変えるのは、利用者の目線からすれば『図書館の都合』
とあり、
・『どんなレベルの人でも平均的に案内できる並び順はどれかと考えると「タイトル順」の方がやりやすい』
とあるのに、
・『これまでの「タイトル順」が図書館の都合であった』
・『「タイトル順」は即ち、図書館の都合で便宜的に並べ方を変えていたということでは?』
となっています。

で、後段で『小さな子ども』の絵本選びについて絵本の表紙を見せた並びについて書いてあることから、おそらく「選び手は絵を重視するのだから、画家順が自然で、タイトル順はやりやすさを求めた図書館の都合でしかないが、だからといって並び方を急に変えるのはこれも図書館の都合でしかない」と、私は解釈したのですが、どうなんでしょうねぇ?

私も、1つの図書館でよほどのことがない限りは並べ方を変えるのはどうだろうか?とは思います。
でも、『「タイトル順」が図書館の都合』というのは、ちょっとひっかかります。
いや、確かに、図書館での仕様を決定するときに利用者に「画家順が良いですか?タイトル順が良いですか?それともテーマ順が良いですか?」などと聞いて決めた図書館の話はまず聞きませんから、ある意味図書館の都合なんでしょうけど…
このエントリーでは『「司書」であれば、例えば『おばかさんのペチューニア』ならばデュボアサンの「デ」で分類されていることは検索するまでもなく結びつく筈です。』とある後に、先の『どんなレベルの人でも~やりやすい』とあるので、きっと、この方は「タイトル順って図書館としてどうだろうか?」と思われているのかなぁと。
というか、きっと前提(子供の読みたい本を司書が案内するとか)が違うのだろうなぁとも。

タイトル順の非常に大きなデメリットとして、同一作者や同一シリーズが分散するというのがあります。
これはなかなか痛いデメリットで、「この著者の絵本」とか「このシリーズの本」というのは絵本書架ぐるりと回ることになりますものね。
ただ、『どんなレベルの人でも平均的に案内できる並び順』ということは、逆に利用者(小さな子)と一緒に来ているだろう親にとってもわかりやすい並び順なんじゃないかと思います。

司書の専門性なら造作もないことなんでしょうが、「ねぇ、ママ、前に借りたがちょうさんの絵本また借りたい」で親が「デ」をすぐ思いつくかと考えると「が(ちょう)」と考える場合が多いような気がします。(改訂版では『がちょうのぺチューニア』ですから、当たりやすいかも…)

実際、自分の親に「私が子供のころ家に『こすずめのぼうけん』ってあったよね?」という話を振ったとき、『タイトル』と『内容』は覚えていましたが画家名は出てきませんでしたし。
また、ある親子の会話で(子)「幼稚園にあったねずみくんシリーズ読みたい」(親)「じゃあねずみだから『ね』のところ探してきたら?」って【その館が画家順なのに】話していたのを聞くと、ほんとどっちが良いんだろうと思いますね。

もちろん、タイトル順、画家順のどちらにしても、行き慣れた図書館であれば、大体どの本がどこにあるかはわかりますから、画家順で「デ」のところから取ってきたかタイトル順で「お」のところから取ってきたかの状況記憶から探す場合というのも多いのでしょうけど…

私が小学校などで『3びきのかわいいオオカミ』の絵本をよく紹介するのですが、その時はちゃんと著者名など伝えているのだけれども、子供達は図書館に来てタイトルのみを話します。今まで「ヘレン・オクセンバリーの3びきの…」と言う子はいないので、タイトルの印象が強いんでしょうね。

話は少し変わって、絵本でなく、一般の小説でタイトル順という図書館は見かけません。
でも、先日、ラ行の著者の付近で何か探している利用者に声をかけたら『流星の絆』を探しているとのことでした。他の分類がタイトル順なので、小説もタイトル順だと思ったようで…
ということも考えると、小説も絵本もタイトル順だって必ずしも変ではないかなぁと思ってみたりします。

だからと言って、タイトル順が良いかと言われれば、やはりそうでもなく…
結局は場合によるんでしょうね。
絵本の画家順、小説の著者順は、「この人の絵が好き」「この作家が好き」的な選び方をする利用者にとっては良いでしょうし、レオ・レオニ生誕百周年の展示とかする場合も楽ですね。
タイトル順は「このタイトルの本」とか「以前読んだ○○という本」という場合に力を発揮しますし、私個人的には何よりもその絵本の隣の本は別作者の可能性が高いので、「へぇ~こんな本あるんだ」と子供と一緒に新しい発見ができるというのが嬉しいかなと思ったりしています。

で、話をちょっと戻して。
小さな子が絵本を選ぶときについてですが、年齢によってやはり違いますよね?
先の例でないですが、OPACのフリーワードに「ねずみくん」と入力する幼稚園生もいますし、それより前の年齢だと、確かに『絵』なんですが、実際は「その画家の絵」ではなく、「その絵本の絵」なんですよね。
1人の画家でも画風を変える人もいますし、例えばレオ・レオニだと、『あおくんときいろちゃん』は好きだけど、他はそうでもないという子供もたくさんいます。
うちの子の場合、『きんぎょがにげた』がものすごく好きで何度も読んでとせがまれましたが、他の五味さんの本はあまり興味を示さなかったですし…
子供の場合、好きな恐竜が出ていれば何でも良いという子もいますしね…
そういや、3歳くらいの子が「ママ~これ読んで」と持ってきた本に「そんな難しい本、わからないでしょ?」と拒否する親を見たときに、「あ~この子はこの本の何かに惹かれて持ってきたんだなぁ。でも、わからないにしても、面白くないにしても開いて見てあげると、この子にとってどんな絵本が自分に面白いのかを見つける経験(面白くない絵本を選んだ失敗経験として)になるのに…」と思ったりしましたけど、他人様の判断ですからねぇ。

『小さな子ども』の対象をどのくらいで考えるかにもよるんですが、「その絵の雰囲気が好き」で選ぶ子もいれば、「その絵のここが好き」と恐竜だったり、乗り物だったり、生き物だったりの子もいますので、一概には言えないなぁと。

このエントリーの絵本の表紙を見せようというのは大賛成です。
で、どうやったらそんなこと実現できるか考えてみると、『図書館にある絵本一覧』とカラー印刷かWebで一枚(1ページ)で全表紙が見れると面白いなぁとか思ったりもします。
図書館の床いっぱいに絵本の表紙のカラー印刷を並べるのとかも面白いかも。

一方で、例えば、『サリーのこけももつみ』など殿堂入り的な本の隣に原色系の明るい本があると、子供はどっちを取るかなぁ?と考えたとき、色が飛び込んでくる方を選ぶ率が高いんじゃないかと思ったりもします(内容はもちろん読まないとわからないけど、興味を持つのはという意味で)。
そうすると、モノクロ調絵本だの、ピンクっぽい絵本、赤っぽい絵本、恐竜が出てくる絵本、乗り物が出てくる絵本…といった感じで、それこそ子供の都合に合わせて、図書館は児童コーナーを『児童書が置いてあるコーナー』ではなく『児童のための図書コーナー』にする必要があるんだろうな。
どなたかがおっしゃっていましたが、「名作は名作で殿堂入り的なんだけど、子供の興味を引くものは年代によって変わってきているんだから、その今いる対象(子供)をよく知ることが必要」と。

ということを色々考えると、この方がおっしゃるように、『小さな子ども』の都合に合っていないというのは、図書館全体に言えることなのかもしれません。
で、その図書館が「タイトル順」から「画家順」に変わったのは、もちろんその館の人間ではないのでわかりませんが、きっと『大人の事情』でしょう。
だって、何もなくて急に変える図書館なんてありませんから、MARCが変わったとか、合併したとか、大きなクレームがあったとか…
図書館現場だったとしても、新館ならまだしも、ある程度の館であれば、何万冊もある絵本の並びを変え、背ラベルを貼り替える作業だって途方もない作業になるはずですよね。

タイトル順でずっと来た図書館で急に画家順になると利用者だけでなく配架要員までパニックになりますから、私ならやりたくないですね。
例え、新刊絵本の背ラベルとデータを(画家順で来たものをタイトル順に)直す方を選びます。
それか、基本的にはタイトル順にして、ある程度著名な人やシリーズ絵本はコーナー的にまとめておくとか、過渡期を作って、最終的に画家順にするにしても徐々にとかしないとなぁと。

現場の大変さと利用者の不便を考えないで変更するということは、結局はよくわかっていない上層部の事情だったりするんでしょうけどね。
ということで、うまく最初の話につながりました。笑


…ちなみに、このエントリーとはたぶん別の館だとは思うのですが、合併で画家順がタイトル順に変更された図書館もあったりするんですけど…過渡期対策が思いつかない…どうすんだろ?


思いつきの追記。
著作権に絡んで、絵本の表紙の許諾を検索語にして訪れてくれる方も多いのですけど、やはりケースバイケースとしか言えないんですよね…で、このエントリーを書いていて、ひとつの組織になれば、共通見解も出来、いいよなぁと。
以前も書いた気がしますが、日図協あたりに、火中の栗を拾ってもらい、(複写させるか否かの判断はもちろん各館だけど)「図書館でここまでは最大限複写が可能」とか(本の紹介をしたいとか、床中壁中に表紙のカラーコピーを貼りたいとかの時に困るので)「こういう場合は表紙の複製物を使える」とか明記してくれて、ついでに訴訟になって判例が出ると、助かる図書館職員はいるだろうなぁ、と。

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