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ガイドラインは、どんな感じなの?

ちょっと忙しかったり、油断していると、いつの間にか世の中変わっていて、「あれ?こうじゃなかったっけ?」ってこともある現代、同じ様な話が立て続けに出て、某所で話をしていたら、「それは今年の初めに…こうなったよ」って言われ、「えーっ、そうなん?」ってことが最近ありました。

図書館司書って、いつ何時もアンテナを十分張り巡らせていないといけないのに…今年は特に本業に忙殺され、アンテナが途中で故障しているダメダメなトーネコです。
某氏のようにブログ文章書きのリハビリを兼ねて、連日UP…っていうのも、私には無理ですが、無事同僚も復帰したことだし、アンテナを修理して磨こうと思ったりしている今日この頃です。

さて、最近思うのは、ブログの記事の事。
世の中色々変わりますから、その記述当時はそうだったけど、今は変わっているとか、案外あります。
世の中以外にも、自分の意見はこうだったけど、それと違う意見が出て討論しているうちにとか、年数を重ねてうまくいかないので、軌道修正の必要があったりとかして、見解が変わった場合もあると思います。
ブログの場合、消したり修正しない限りは、当時の文のまま残っていますし、でも、検索では案外古い記事もヒットしちゃうということもあるので、その記事だけ読まれると間違った情報を与えかねないこともあったりします。
そういうのって、みなさんはどうしているんでしょうかねぇ?
変わったの気付いたら、古い記事を消す(非公開にする)という方法が1つあります。
他にも、その記事に<追記>として変更を記述するって方法もあります。
おそらく、後者の方が検索から来た一見さんなどに有効で優しいのですが、過去のエントリーを世の中変わるごとに再チェックというのは、私には難しいので、似たような記事があれば最新のものを見ていただくということで、よろしくお願いします。


で、まず最初は、前述の私が気付いていなかった話。
以前、2009年10月29日の『取りとめもない研修会の話』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/10/post-3590.html)のエントリーで、著作権法第三十七条、第三十七の二の『ただし書き』に一言(?)文句を書いていました。
要は、活字を音声で、と言っても朗読と音訳は違うし、販売予定だって言われれば躊躇せざるを得ないじゃないか…ということでした。
でも、今年の2月に『図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン』(http://www.jla.or.jp/20100218.html)ってことで、ガイドラインできていたんですね。
もちろん、これで全てがOKではないところが、悲しい現実ですが、ちゃんと一歩は進んでいるんだなぁと思いました。

さてさて、これによると、9の『市販される資料との関係』において、『録音資料において,朗読する者が演劇のように読んだり,個々の独特の表現方法で読んでいるもの』や『利用者の要求がデイジー形式の場合,それ以外の方式によるもの』は似て非なるものなので、以前言及しましたが、無事『著作権法第37条第3項ただし書に該当しないもの』の例に明文化されました。

公衆への提供又は提示に関しても、『販売予定の場合,販売予告提示からその販売予定日が1か月以内までのものを「提供または提示された資料」として扱う。ただし,予定販売日を1か月超えても販売されていない場合は,図書館は第6項に示す複製(等)を開始することができる。』ということで、『図書館が視覚障害者等用資料の複製(等)を開始した後に販売情報が出された場合であっても,図書館は引き続き当該複製(等)を継続し,かつ複製物の提供を行うことができる。ただし,自動公衆送信は中止する。』というただし書き条件は少しついたのですが、自動公衆送信が中止されるだけで、提供は可能なので、同方式で発売されていることも考えると、仕方ないかといったところでしょう。
…なのですが、販売予定日が1か月を超えて延期になった場合は、『予定販売日を1か月超えても販売されていない場合』に含まれるか否かということを疑ってかかってしまいます。
最初の時点では作れなく、「よし、1か月出なかった」と思ったら販売予告が1か月以内に再びなることもありますし…考えすぎ?
また、ただし書に該当しないものとして、『インターネットのみでの販売などで,視覚障害者等が入手しにくい状態にあるもの(ただし,当面の間に限る。また,図書館が入手し障害者等に提供できるものはこの限りでない。)』は一般入手条件のようなものですが、遠くの実在店舗or会社事務所で売っている場合『インターネット販売のみ』ではない判断も可能になっていますし、図書館は『インターネット販売のみ』でも、頑張って入手しないといけませんからねぇ…

まぁ、不安要素は少しずつ潰していかないと、安心して活動しづらいですけどね。

で、全く同じようなただし書きがある第三十七条の二に関しては、まだガイドラインないようですけど…
権利者団体が映像関係なので、難航しているということでしょうか?
そういう途中経過を可能であれば、日図協のページで見られると、多少は見直す人もいるんじゃないかなぁ…

ところで、2009年2月4日の『著作権法31条2!』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/02/post-180f.html)のエントリーで、丸山氏のブログを引き合いに出して、図書館資料の保存のため必要がある場合の複製として、廃棄資料のデジタル化などの可能性を話題にしたのですが、なかなか実施に移す図書館が見られません。

著作権法改正時の報告書(http://www.bunka.go.jp/chosakuken/pdf/21_houkaisei_houkokusho.pdf)の192ページにも、
『国立国会図書館以外の図書館等の行うアーカイブ活動については、前述のとおり現行第31 条第2 号の規定に該当するのであれば、その所蔵する資料を
複製することができる。例えば、損傷、紛失の防止等のためにデジタル化することも不可能でなく、また、記録のための技術・媒体の旧式化により媒体の内容
を再生するために必要な機器が市場で入手困難となり、事実上閲覧が不可能となる場合において、新しい媒体への移替えのためにデジタル化をすることについ
ても、同規定の解釈として不可能ではないと考えられる。』
とあり、文面では『国立国会図書館<以外>の図書館』とありますし、問題ないと思っていますが、やはり動きは見られません。

例えば古くからある図書館が所蔵している16ミリフィルムのDVD化とか、もっと進んで良いと思うんですけどね…

もちろん『図書館資料の保存のため必要がある場合』がどの程度まで許されるのか、微妙な範囲ではあります。
「資料として保存したいが、書庫がいっぱいなので、原資料を廃棄する代わりにデジタル化」ということで、マイクロフィルム・マイクロフィッシュがデジタル情報になったような感覚が可能なのか(もちろんデジタル化した資料は館内閲覧ということになるのでしょうけど)、「ページ売りはしてもらえないので、損傷する前にデジタル化しておいて、ページが紛失したらそのデータからページを複製」が可能かどうかなど、判例がない分、解釈的には可能だと思われることが多くあります。

また、著作権法31条3にしても、『絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供』の一般に入手することが困難とはどこまで言うのか…ってことは以前も言及したような気もしますが、デジタル化と併せて考えると…
「A図書館にある保存のためにデジタル化して複製した絶版資料BをC図書館が31条3でデジタル化された複製物としてもらいうける」ってことも可能なんじゃないか?と思ったりします。
そうすると、絶版資料BはA図書館でデジタル化されているので、A図書館は求められればどの図書館にもすぐあげることが出来ることに。
いや、もちろん、メールで送信とかは公衆送信権がひっかかりますから、デジタルデータをCD-Rに焼いて郵送ることにしないといけませんが。笑

そういうことを考えていると、マイクロフィルムなどを多く作成している県立図書館なんかでは、カメラがデジタルに変わっただけですから、ノウハウは持っていることでしょう。
絶版資料をどんどん『保存のために』デジタル化し、市町村立図書館の求めに応じて、まとめてください!って要望が増えても良いはずです。

もちろん、A図書館がデジタル化するのに手間と費用がかかっていることもあるでしょう。
それをただでもらおうなんて…と、思わなくもないですが、各館できるだけ重複しないように、デジタル化すれば、相互貸借ならぬ相互提供によって、貸出可能資料は数万冊の図書館でも、デジタル化されて他館から提供された館内閲覧可能な資料が数十万冊ってこともあり得ませんか?

ただ、デジタル化する手間はやはり大変なものです。
デジカメと撮影台があれば、できなくはありませんが、1ページずつめくるのってやはり大変です。
某社の自動ページめくり機能付き撮影機がお安く手に入るようであれば、あったに越したことはないですが、それは無理でしょう。
そうなると、パートさんとかを集めて人海戦術ができるところに、委託外注することも考えないといけないと思います。

もちろん委託を受ける企業は自ら「廃棄資料のデジタル化やります」ってことは大っぴらには言えません。第31条はあくまで図書館がですからね。
第31条に絡んで、図書館が委託するという形であれば可能かなぁと。
それならばビジネスになり得ます。出版界などの権利者団体を敵に回すかもしれませんけど。笑
でも、図書館の依頼で(一応面倒だけど)やるんですから、大丈夫かもしれません。
どう、権利者団体が動くかわからないのが、予想を難しくしています。

実際、第31条2を利用して、報告書の意味合いで、デジタル化していくと、きっと権利者団体からのアプローチがあり、時には裁判になるかもしれません。
でも、そのおかげで、判例が確立するので、良くも悪くも白黒付ける意味では良いかもしれません。

第31条は図書館における複写の生命線でありますが、今ならかなり有効に使えそうです。
というのも、前段の第37条絡みの『ただし、当該視覚著作物について云々』のようなただし書きもありませんし、第35条の『ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。』のようなただし書きもありません。

上述式の複製をやっていたら、権利者サイドに目を付けられて「第31条はなくせ」とか「『ただし、当該電子著作物について云々』や『著作権者の利益を不当に害する云々』のただし書きを追加せよ」ってことになると、首を絞めそうで怖いといっちゃ怖いですし、「法に問題なければやっちゃえ」はGoogleさんみたいな感じもしますが、各図書館はそれほど体力ないですからねぇ…
図書館界が一枚岩として、断固として、第31条を有効的に最大限活用すると、行動をうつせれば良いのですけどね…ただでさえ、バラバラな方向を向いていることが多いので難しいか。

今日はそんなところで☆

…いやね、今日のこういう話題をしたのは、最近、確か全国公共図書館協議会の当事者会での話として第31条の権利の制限の制限について権利者団体さんから意見があったらしく、それに対する意見聴取があったわけですよ。
以前も同じ様な意見聴取があって意見を提出したのですが、結局図書館側として、どうまとまった意見として権利者側に伝えたのか、それを伝えてどういう答えがあったのか全く見えてきませんが、再び戻ってきた権利者団体さんから意見は同じようなものだったわけなんです。

そうなると、以前の意見はどうなったんだろう?話は進んでいるか平行線になったのかわかりませんよね?そんな不満があった時に、私の周りの数か所で、第31条とデジタル化の話がありました。
で、第37条に絡む話もしていたら、これは私が知らなかっただけなのですが、いつの間にかガイドラインが出来ていたということもあり、もっと関連団体は意見のやり取りなどを見える化して欲しいなぁと思いました。

また、その意見聴取では、同時に、電子書籍の扱いの意見も聴取されたんですけど、電子書籍は各社出されてフォーマットが定まらないとか、媒体変換が難しいようであれば、課題も多いよなぁと思ったりしていましたが、第31条2や3に絡めてデジタル化したり媒体変換が報告書の中では可能なようなので、うまくやれるかな?と思ってみたりでしたので、今日の話題となりました☆

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