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光そそがれない交付金

もう2月になっているのに、ようやくブログを書き始めたり、今年も更新率悪そう…
さて、実は昨年最後のエントリーの続きとして、次のようなことを書き終わっていたのですが、結局UPしませんでした。

図書館の収集する『図書、記録その他必要な資料』の『記録その他必要な資料』ってなんだろう?って話から、「利用者は資料のどの部分を必要な情報としているか」ってことで、館名バーコードに隠れる絵や写真の話で、QRコードやカラーコードについて書いたのですが…
ICタグを付けている館がバーコードもやっぱり付けている意味合いの部分で煮詰まった感があったので、やめました。

 で、今日は遅ればせながら、『住民生活に光をそそぐ交付金』の話。
昨年の暮れに「光そそぐ交付金」の話題が取り上げられ、図書館の資料費などに使われる話が出ていました。

 普通なら、通常資料費にプラスして、交付金を充ててもらい、資料の買い替えや重点収集資料の買い増しなどをして、今まで光の当たっていない部分に…
って考えられますが、ぽつぽつ聞くところによると、図書館によっては、次年度に繰り越しの手続きをされて、その交付金分の資料費が削られた状態で次年度予算を組んでいる所も少なからずあるようです。

それじゃあ、いくら交付金が付いても意味ないじゃん。

 わざわざ説明するまでもないことですが、毎年少しずつ減されている資料費をまるごと交付金にされると、交付金の名目上、どんな利用をされたか資料を作らなくてはいけません。
 図書館としては、毎年の資料費と変わらないですから、普通に資料を購入したいところですが、『交付金でいつも通り購入しました』よりは『交付金で学校支援をするための資料を購入しました』とか外向けのアピールを余儀なくされることも考えられます。
 そうすると、買わなきゃいけないけど、優先順位が低くなってしまったものを上げることで、通常の新刊購入が控えられたりするわけです。
 ついでに、計画書や報告書を作ったりする業務もただ増えるだけですし。

 最近の新聞記事では、資料費を削減され資料の購入もままならない図書館というのも目にしますので、図書館自ら「交付金分をいただける分、資料費を減らして下さい」ということは考えられません。

 そうすると、各自治体の首長や財政当局の判断とも考えられます。
 もちろん、「資料費を数百万削る予定だったけど、その分を交付金で充てるから」ということも考えられます。

 本来の順番であれば、図書館側が「こういう資料を購入したいので、交付金を申請します」というものが出されて、自治体内で調整され、国に申請されると思います。
 なので、こうなった理由の考え方の1つとしては、図書館側が計画を立てそびれたので、財政当局側で「じゃあ、資料費として次年度に繰り越すから、考えておいて」と棚ぼた式に自治体に交付されるお金をこれ幸いとしてしまったパターン。
 ただ、普通の図書館であれば、数百万円分の図書館に欲しい図書リストなんかすぐ出せるはずですから、これは当てはまらないはず。
 そうすると、順序が逆で、財政当局が「図書館の割り当てはこれだけで、次年度に繰り越すから、その分資料費減ね」と決められてから、図書館に計画を出させるパターン。
 まぁ、聞きかじる話ではこのパターンが多いかな?

 抵抗するとしたら、「それじゃあ計画書を出さない」という手もありますが、基本的には公務員は上司の指示に従う義務がありますので、館長などのレベルで反対してもずっと上の人(首長や教育長など)から「計画書出すように」って指示が来ると出さざるを得ません。
 このパターンになると、いくら図書館側がああだこうだ理論武装しようとも、(以前書きましたが、図書館をよく利用する首長なんて聞いたことがありませんから)財政当局か首長レベルで、「財政難なんだから、資料費がちゃんと付いたんだし、あきらめろよ」って言われるのがオチでしょう。

 そもそも、いくら年度末に付いた交付金だからといって、次年度に繰り越せるというのが間違っていたのかもしれません。
 いや、もちろん、他の場合は確かに繰り越せないといけないこともあるのでしょうが、図書館資料費は繰り越せない方が、このような悲劇にならないで都合が良かった気がします。

 その上、もしかすると今年限りの交付金になるかもしれませんので、来年度は繰越された交付金で普通に資料費があったけど、再来年度は資料費大幅減のままということもあると思います。
 この時、図書館側は猛反発しないといけないのですが、あまり図書館を重要視していない首長のいる自治体では、「元々減らす予定だったし」とか「予算上は昨年よりプラスだし(交付金分は別なんだから)」とか言われるのではないかと…
 例え再来年度の口約束(「ちゃんと通常年度の資料費に戻すから」とか)があっても、再来年度には首長や財政当局の担当者が変わっていることも十分考えられるご時世ですから、来年の今の時期の方が怖いかも?
 いくら、それなら来年度ももらえるようにしようとか、もらえたとしても通常資料費に充てるのはまずいとわかっても、そもそも、来年度もくれる保証はないですし、まずいとわかっても、もう遅いってことになりかねません。

 それにしても、そういう図書館格差が(通常資料費にプラスされるところもありますから)一層大きくなるかもしれない事態なのに、都道府県立図書館や日本図書館協会で調査や声明を出さないのはなんでだろうなぁと。
 全くそんな事になっているなんて知らないということはないと思いますけど、内偵調査して、各館アンケート調査とかしているうちに、予算が確定され、調査がまとまった時には、再来年度の予算が大変なことになっていた…なんてことがあると思うんですけどね…

 せめて、大臣や省の通達などで首長辺りに釘をさせると良いのでしょうが、こういうことは各自治体でちゃんと考える事だと思っているかもしれませんし、そんなことになっているとは、あれだけ「図書館」「図書館」と連呼してくれた大臣も思っていないかもしれません。(誰も伝えていないかもしれませんし。某氏のように「そういうことに疎くて…」と。笑)

 今の時期、手っ取り早いのは各自治体の議員さんから「おかしいんじゃないか?」って質問がどんどん出されることなのですが、そこまで図書館を考えてくれる人ってあまり多くいないだろうなぁと。(たくさんいれば、もっと図書館は良くなっているはずですものね。)
 それに、逆に質問があったとしても、「図書館には数百万円交付金を充当しました。それで読書活動の推進に役立てる資料を云々」って答弁され、その部分だけ見ると、納得しちゃうパターンも出て、図書館としては、通常資料以外の資料を買う羽目になるおそれもありますね…

 たまたま私が聞きかじった図書館がたまたまそうなのか、それとも、こういう予算組しているのは全国的なのかわかりませんが、ただでさえ資料費を毎年削減されているのに、通常の資料費を削って交付金を充てては、そそがれるはずの光も当たりはしませんって。

 都道府県立図書館でそういう調査はやっていないのですかねぇ…どのくらいの割合がこんなおかしな交付金の使い方になっているのかとても知りたい今日この頃です。

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コメント

はじめまして。

今日図書館の資料費について調べていて「光交付金」という言葉を聞き、検索でこのページに辿りつきました。僕が調べたところ(千葉市なんですけど…)では資料費を増やしたみたいですが、交付金分削られるところもあるんですね。興味深く拝見しました。

投稿: hidezumi | 2011年12月 8日 (木) 17:03

> hidezumiさん
コメントありがとうございます!
亀レスですみません…

はい、この続きのエントリー(http://c-town.way-nifty.com/blog/2011/09/post-1d0b.html)でも書きましたが、前大臣も把握しているのですが、そういう館も少なくないんですよ。

増えるのが普通だと思うのですが、世の中うまくいかないもんだなぁと常々思います。
これからもよろしくお願いします!

投稿: トーネコ | 2011年12月11日 (日) 18:40

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