カテゴリー「図書館考」の11件の記事

ドライブスルー図書館

ファイルを整理していたら、数年前の書きかけのエントリーを発見。
ちょうど、読売新聞オンラインにその手の話(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110520-OYT1T00108.htm)(※無理があったわけでないと思うけどな)があったなぁと思ったので、せっかくなので書きなおして再度エントリー。笑

ドライブスルーはファーストフード店だけではなく、薬局やクリーニング店や先にあげた書店などにもあったりするわけですが、図書館は?となると、アメリカにはアリゾナ州グレンデールのFoothills Branch Libraryがある(http://current.ndl.go.jp/node/8230)ようですが、日本だとブックポスト返却が可能な函館市立中央図書館などくらいですかねぇ…

そこで、ドライブスルー図書館を実現するべく、どうすればできそうか考えてみました。
(いや、もちろん、様々な条件はあるのですけどね。)

ドライブスルーな施設づくりから始めないといけないのですけど、それだってカウンターが1か所で済むようであればファーストフード店的で良いのでしょうが、そうもいきませんし。
小さな図書館なら可能だけど大きい図書館だと不可能ということも色々ある気がします。

ドライブスルーの流れとしては、
1.入口側で注文をする
2.ぐるっと店をまわって受け取り代金を払う

なので、それを図書館の貸出に当てはめると、
1.入口で借りたい資料を検索する(OPACで)
2.出口でその資料を受け取る

うん、簡単そう…でもないんですよね。
まず、貸出の面からだと、お店の注文であれば、ある程度の選択肢になり大丈夫ですが、図書館となるとメニューを一覧にしたら大変なことに…笑
電話でタイトルの聞き違いもあるように、マイクも外の風で聞きにくい状況で、間違いが少ない方法を考えるとOPACなのですが、運転席から上半身を乗り出して、両手でキーボードを打つのはなんかしっくりきません。
そうすると、片手でタッチパネルになるのですが、例えば10冊検索してそれぞれ貸出確定ボタンを押すのにどのくらい時間がかかるだろうか…と思うと、ドライブスルーの入り口で渋滞が発生しそうです。
もちろん、検索に時間がかかってくれれば、それを書架に取りに行く時間ができるので、良いのですが、ドライブスルーの快適感は減るような気がします。

そうすると、薬局系が事前にFAXしてもらえば早く渡せるとうたっているのと一緒で、ある程度事前に検索してもらえるのであれば、PCで予約してそれから来館とか、直前に携帯電話で検索してもらい、それをバーコード等の表示にするなど、次善策は取れそうです。
もっとも、ドライブスルーの入り口カウンターに人を割けるのであれば、やはり同じように窓越しに聞き取りながらできますけどね。

あとは、全資料からではなく、おススメ本やテーマ、新刊などであれば、もっと効率はあがるでしょうか。(先にあげた書店のような方式)

貸出の場合は、利用者の資料の選択(注文)の次に注文を受けてから資料を集めに行かないといけないので、どれだけ素早く捌けるかが問題です。
書架の棚アンテナである棚が光るなどすれば、すぐに行けて良いのですが、ドライブスルーだけでなく通常業務もありだと、いきなり光ったりしてびっくりするでしょうし、難しいです。
あとは配架に行っているスタッフの近い場所の人に無線指示とか、ある程度、配架抜き出しの担当書架を決めておくと効率が良いかな?

いっそ、立体駐車場のように5Fくらいまで上がってもらって、下がってもらえば、時間的には良いかなぁ?笑
それか、自動販売機的(全自動図書館の拙エントリー(http://c-town.way-nifty.com/blog/2009/01/post-24cf.html )で想像していましたが、提供数は少ないけど本当に稼働しているのはあるようですね(http://www.shvoice.com/watch/news/8327.html)や(http://japanese.china.org.cn/life/txt/2011-02/24/content_21993960.htm))に、0類の貸出機、…9類の貸出機とかのようにして、イメージ的には車で書架(自動販売機型)を回っていうのも面白いと思いますけど、交通整理が…(一方通行とか?笑)

おそらくそれでは場所も広大になりますから、全部を一か所でスルーするのではなく、検索して貸出するレーンは次のものとは分けた通路にしないといけませんね。

返却を考えてみると、資料にICタグを付けて、ベルトコンベア式の自動返却機を置くと返却作業がない分、ただのブックポストより楽かなと思ったりしますが、でも、利用者的には1点ずつ入れないといけないので、停車時間が長くなるか…開館時間中ならドサッとスタッフに渡せて夜は自動返却装置ですかね…
まぁ、ブックポストの中に人を置いて、入ってきたらどんどん返却処理をするという方法もありですね。(見られたくない人用って感じで)

あと、すぐに出来そうなのは予約本の受け取りですが、24時間資料貸出ロッカー方式(資料を貸出処理して、そのロッカーのキー番号で借りていく方式)も良いと思いますし、それを拡張して、携帯電話が利用券代わりになるのだから、携帯電話でピッとすると自分の割当ての資料の入っているロッカーが開くというので良いでしょう。
もちろん、普通に入り口で利用券を読み込ませ、中の人が予約棚から取り出して出口付近で渡すっていうのもありだとすぐ実現出来そうですね。(もちろん図書館がドライブスルー構造でないからできないのでしょうけど)
レファレンスは電話で受けて、貸出できる資料があれば予約扱いで貸出してしまえば良いですし…

ということで、予約本の受け取りと返却は1レーンあればOKで、スーパーのレジの様に商品が少ない人、つまり2~3点だけ借りる人もそのレーンで良いかな。
大口顧客は集める時間がかかるので、図書館を大回りしてもらうか渋滞覚悟かですね。

もし、ドライブスルーのみの図書館であれば、新刊雑誌や新聞の閲覧はないですし、内部は自動書庫で良いので図書館内を奔走するスタッフはいなくて済むので、4~5人で回せるでしょうか?(大きさによるでしょうけど)

ちょっと味気ない図書館のような感じもしますが、Webサイトを充実させて館内の資料の紹介を一生懸命やり、非滞在型の図書館を目指すのも一興かな。
いつかまた新館に携われるチャンスがあれば提案したいものです。

が、やはり問題点もあると思います。
というのは、当たり前ですが、中身を確認してから借りるなどが難しいということ。
用意してもらったは良いけど、やっぱり違うのとなると、後ろの車もつかえてしまいます。
図書館が湖などに面していて、かつ一方通行道路の場合とか、ぐるっと回る間に運転者以外の人が、中身のチェックをしたり、新聞の閲覧などができたりというのもありかと思いますが。
もちろん、車のない人にメリットはないですし、おはなし会なんかも出来るわけがありません(ん?でもサファリパークみたいない方式とかで車にラジオ載せて敷地内放送ということで、ストーリーテリングするとかはあり?)。
それに何より、目的の本以外の本を知るブラウジングなどが一切排除されるのもおかしなことだと思ったりもします。

今回、ドライブスルー図書館を考えてみて、一番のネックは10冊20冊の貸出を来館してから考えるときに、その資料を検索したり、中を確認してから借りるのが時間がかかるということです。
でも、実際にカウンターにいると、返却しに来るだけですぐ帰ってしまったり(なので、返却窓口を一番奥にしようかと思ったことも)、予約本を取りに来るだけの人も多くいますので、それなら、その人たちは車から降りない方が良いのではないかというのが発端です。
梅雨が近づいているので、駐車場から図書館まで屋根があるといいなぁと思いつつ、どうせならドライブスルーで、と思いました。

そういや、とある駐車場で、駐車券に自分の車のナンバーが印字されていたことがありました。
おそらく、入り口のバーのそばにあったカメラで読み取ったのでしょうが、同じようにその所有者の車のナンバーから予約貸出ロッカーに導いて家族単位での貸出っていうのも面白いんじゃないかな?

ではでは。

| | コメント (0)

ゲームを収集する図書館に向けて

まずは、中日新聞の『懐かしいソフト130本 福井駅前に「ゲーム図書館」』(http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20100204/CK2010020402000005.html)から。

音楽、映画(映像)に続いて、「ゲームも収集しては?」と以前このブログにも触れましたし、アメリカなどでは普通にゲーム機がある状況から、「ああ、ようやく日本でも市営でこういう状況になったか」と思って、よく読むと…
これを企画したのは『市の中心市街地振興課』の職員。

…やっぱり。

最初に見た記事には企画した人が『市職員』というだけで詳細がわからなく、「図書館職員だったらなぁ」と思っていたのですが…商工会などの企画ではない分、良かった気もしますけどね…
まぁ、でも、期間限定のようではありますが、図書館の収集に一石を投じてくれれば、と。
(ただ、『図書館』というネーミングは安直過ぎて、この業界にいる私はいただけないですが。)

さて、このラインナップは、職員の手持ちだったということは、良いですし、『製造・販売が終わり、メーカーから許可が得られたもの』ということなので、法的にも良いのですが、東京都写真美術館の『レベルX』に比べるとちょっと見劣りする感もなくはないです。
それは、開催規模の差かもしれませんが、任天堂系とソニー系が全くないのは、『許可されなかった』のか『職員が手放さなかった』のか…いくらなんでも、『許可を求めなかった』はないかと思いますので、おそらく前者なんだろうな。

もし、これが中心市街地の活性化という理由ではなく、市立図書館が図書館として収集保存し、館内で試戯できるとした場合、やはり許可されないのか、それともされるのか気になるところです。
(館外貸出はやはり、ゲームが映像の著作物ですから、補償金ということになるのですが、前回のエントリーのように補償金徴収機関などもないですし、新たに館外貸出許諾の契約と考えても、通常はもう生産終了になっていますから、補償金が上乗せされた新品は手に入らないでしょうし、WiiのバーチャルコンソールやPLAYSTATION Storeなどの影響で難しいでしょうから。それに館内試戯ですと、企業側にもメリットは0ではなく、「図書館で改めて遊んだら最後までやりたくなったのでダウンロード購入」ということも…)

で、この方式を図書館が踏襲するとして、これが『本』であると、矢祭町のような事例があります。
逆に矢祭方式で考えると複本の確率が上がる、全ての本が揃うわけではないということもあるでしょうが、それは非常に大きな問題ではないかと思います。
ゲームを本気で収集するとすると、市場的にも最新ソフトは難しいだろうと思いますし、例え定価の○百%だとしても、ただでさえ資料費が減らされているのに、購入は無理です。
となると、ひとまず『全国規模で』かつ『送料、送り主負担で』ソフトやハードを送付してもらい、その中から許可が下りたものだけ、館内のみで提供するというのが、やはりベターな考えかと思います。

何せ、16ミリフィルム映写機ではありませんが、古いゲーム機本体は販売終了しているので、壊れても多くは修理できませんし。
また、ソフトも複数あることによって、利用頻度が多いものの代替にもなりますし。

ゲームを収集するまでは、このような感じで大丈夫だと思いますが、これを館内で長期的に提供し続ける場合の疑問として、前にも少し触れましたが、次のようなことが考えられます。

・ゲームのデータをセーブする扱い
PSとかであれば、セーブデータを外部に保存できるので、本に対して自分のノートのようにメモリカードを持参して試戯することが可能です。
しかし、ゲームソフト内バックアップのようなものだと、本で言うところの栞を挟んだり、書き込みをしている状況ですから、それはやはり後の利用者が途中からということはやはり悪いですし。

そうすると、開館から閉館までずっとやっていてもクリアできなければまた最初からということになるので、どうもなぁ…笑
それと、ファミコンやスーパーファミコンなどで使われていたバックアップ用の電池。
ほぼ、確実に電池切れなんでしょうけど、それを交換するのは、資料の修理と同様な処置ではありますが、面倒といえば面倒。

だからと言って、セーブさせないのであれば、交換しないでも良いのですが、「セーブはOKでも、上書きや消されても文句は言うな」にすると、バックアップ電池が切れたままだとスタートしていきなり「ぼうけんしょは消えてしまいました」になるわな。
ほんと、その辺、国立国会図書館ではどういう扱いなんでしょう?今度聞いてみようかな…

・どこまで収集することになるか?
基本、家庭用ゲーム機のソフト限定で進むと思いますが、ゲームを収集する意義としては、やはり「MSXなどをはじめとするパソコンゲームや本家本元のアーケードゲームは?」と。

まぁ、この辺は、「レーザーディスクの再生機がなんでこの図書館にないんだ!」ということがレーザーディスクを所蔵していない館にないようなものかな?とは思いますけど。
同様に、ゲームボーイなどの携帯ゲーム機も集まるとは思いますが、そうなるとその前のゲームウォッチあたりもあるべき形でしょう。

が、携帯ゲーム機となると、旧たまごっちなどのキーホルダー型の携帯ゲームはどうするとかになってしまうので、「ゲーム専用機としてその本体が発売され、ソフトの入れ替えによって異なるゲームが可能なもの」くらいの縛りは必要でしょうか?
ファミリーベーシックとかはどうなんだろうとか多々収集方針が定まらない要素がありますけどね。

・分類は?
これは単純にゲームのジャンルと同じで構わないかもしれませんが、それだと、図書を10分類のみでというぐらい、切ない感じがします。
NDC的に分けるのも良いですが、せっかくなので、16進数(0~F)の表記も面白いかも…2進数じゃきついし。笑

・弁償の扱い
例え、館内試戯のみだとしても、利用者の不注意で壊れることはあるでしょう。
それを弁償してもらうのは、なかなか難しいものがあります。
図書でも寄贈資料を弁償してもらうとき、通常の寄贈資料であれば同じものを原則購入して納入することになりますが、定価0円などの弁償の時が困るように、ファミコンソフトを寄贈してもらって、それを買うのは非常に難しくなっているのと、じゃあ、当時の定価分の弁償というのは良いのですが、代替資料だってファミコンソフトじゃ入手しにくいですから、普通に図書とかになるのでしょうかねぇ?

実際問題として、先のエントリーでも書いていますが、館内閲覧は貸与(図書館で言う館外貸出)ではないというスタンスに立つと、館内試戯は最新ゲームでも可能な気がします。
この辺は、DVDでも図書館においては火中の栗的な感覚でしょうから、そのようにやっている館は聞きませんから、ゲームソフトとなるともっと難しい気分になるでしょう。

ただ、今回のようにちゃんと館内試戯の許可を取っていくことはもちろん可能で、それをしておくとドキドキしなくても大丈夫なのですが、やはりネックは上の人の理解。
自治体住民的には、購入でなく全寄贈であれば、「税金でゲームを買って!(怒)」的な人も牽制できるでしょうけど、上の人の理解を得て、Goサインをもらうのは、なかなか難しいものです。

そうなると、図書館が収集・保存して提供する事例として、この福井市立図書館が行うことはやぶさかではないですし、4月からは中心市街地振興課から図書館に機能を移して、本格的に行うのも認められやすい環境にあるんじゃないかと思います。(それにしても、今回はどこまでの決裁なのかわかりませんが、中心市街地振興課長さんを含め、Goサイン出せる理解のある人っていいなぁ。)

個人的には、福井市立図書館に「中心市街地振興課に負けるな」っていうのと、せっかくの火種を市レベルだとこのイベント的でお終いになってしまいそうなので、福井県立図書館に「是非支援して大きくして」と言いたいです。

なんか、寄贈方式で許可の得られたもののみ提供ということなら、できそうな気がしてきました。
本当なら、私の所属館でやりたいところですけど、館内での提供場所がないこともさることながら、自信を持って(?)上司に一蹴されるのがおちなので、誰か~っていうのが口惜しいです、はい。

国立国会図書館でもゲームソフトは収集しているんですから、都道府県市町村立図書館でも頑張って収集しないかなぁ…

ゲームを収集するとなると、その当時の攻略本などもあると面白いですよね。
先日、私の隣に座っていた年配の方が、DSでドラゴンクエスト6をやっており、その横にスーパーファミコン時代の攻略本があったので、「あ~懐かしいなぁ」と思い、「そういや、この攻略本の図書館における所蔵状況は?」と調べるまでもなく…ねぇ?

本当はこの話を前段に違う話に持っていこうと思いましたが、思ったより図書館でゲーム収集の話に終始してしまったので、それも一興と思い、今日はこれにて。

| | コメント (0)

全自動図書館

 はてなブックマークでも同じ風に思った人がいて安心したのですが、1月8日の毎日新聞地方版の記事『三鷹市立図書館:全5館、全サービスを自動化 きょうリニューアルオープン /東京』(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090108ddlk13040322000c.html)では、三鷹市立図書館が貸出・返却・予約・資料検索の全てを自動化したとの内容だったのですが、『サービスのすべてを自動化した図書館』ということで、この新聞によると図書館のサービスはそれらだけのようです。笑

 まぁ、一般認識的にもこれに近いものがあるでしょうが、この記事を書いた人がそんな認識なのか、三鷹市の記事提供者(図書館長ってことはないでしょうが)が「全ての図書館サービスを自動化した」と言ったのか…

 ただ、実際に三鷹市立図書館に行ったことがないのですが、自動貸出機は最近見るところも多いですけど、自動返却機はさいたま市さんでも見ました。さいたま市さんの場合は、返却された資料をある程度仕分けしてくれるのですが、三鷹市さんの場合は配架までされるんでしょうか??たぶん同じような感じだと思うんですけどね…

予約と資料検索の自動化って、館内のOPACを使っての予約や検索はよく聞きます(うちでもそれならできる)が、自動化…どこまでできるんだろう?
普通ならば、OPACでタイトルやキーワードで検索(手動)→所蔵資料が貸出中なら予約ボタン(手動)→利用者番号とパスワードを入力またはカード差込で予約完了(手動)なんですけど…
検索して貸出中の資料を手当たり次第に予約をかけられてもなぁ…そもそも資料検索も自動化しているんでしょ?
利用者がタイトルを頭に描いただけで検索して予約が完了とか?笑

 と、導入でふざけたことを書きましたが、以前のブログで無人図書館について書いた(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/08/post_9a6b.html)ときに自動販売機や無人コンビニ風なことを述べたましたけど、あそこまでやると今の時代なら自動と呼んでもいいですよね。
 『自動』がどこまでかの定義が難しい気がします。『自動車』は(将来的にはできるでしょうが)目的地を告げれば勝手に走ってくれるものではなく、人の操作を受け付けて、機械の力で走る車ですし、『自動販売機』はお客を見つけて自分から売りに行くものではなく、お客が来てお金を払い、商品を選んだら出てくるものですし、『全自動洗濯機』も部屋に脱ぎ捨てている服を回収して洗濯し干して畳んでしまってくれるものではないですからねぇ…

 図書館だと、どこまで自動化が可能でしょうか?

 貸出は自動貸出機という名称があるように、ICタグによって貸出が可能です。利用券を手のひら静脈認証にすると利用券を取り出す一手間が削減されますね。
 返却は返却処理だけならICタグで簡単に自動化できていますよね。問題は返却された資料の配架。無人図書館の例などにあるように、ある一定範囲の場所にその本を並べるのはきっと可能でしょうが、棚の貸出された資料の部分は詰めて、返却されたらその間に入れるといった現在の運用風なのは、もちろんそういう仕組みを作ればできないことはないのでしょうが、今のところ仕分け程度なのかなぁ。前回書いたように自動返却機の仕分け条件を細かくして、床下もしくは天井ベルトコンベアで入れるべき書架に移動させるのは今でも可能でしょう。それか、貸出されたらその部分はその幅で空きスペースにするか(返却時にそこに入ればいい)…でもそうすると書誌情報に厚さの項目作らないとね。

 配架に関連して、利用者が適当に取り出して読んで別のところに置いた場合はどうしよう…まぁ、棚アンテナで誤配架くらいの情報はできるでしょうが、それを取り出して、元の場所へ…並のコンピュータならパンクしそう…常時正しい場所にあるかチェックしないといけないですからねぇ…

 そうすると利用者に現物を触れさせないでブラウジングさせる方法を考えなくてはいけませんね…ブラウジングさせないってわけにはいけないですし。
 その対策として一つは、バーチャル書架みたいな(拙ブログ『ターゲットはどこに』(http://c-town.way-nifty.com/blog/2008/11/post-e283.html)参照)感じで、画面の中の本の背をクリックまたは触ると内容の概略表示をするという方法。でも、これだと、「この章にあるだろう図が自分が必要としているものかどうか」は実際に請求しないといけないでしょうし…それなら、拡大読書機のように実際に書架にある資料(貸出していない資料)をマニピュレーターを操作して見るという方法もできなくはない…(著作権法的にも同一構内(つまり館内)での送信だから公衆送信権は引っかからないだろうし…(著作権法第2条7の2))。

 もちろん複製物で電子ファイルにできるのならそれでもいいんですが、著作権法が大幅に改正されないといけないですから望みなしですから、このくらいかなぁ…そう考えると実際に手に取れる方がいいですね。
 そうすると、違う場所に置くとピーピーなるとか…そこらじゅうからピーピー鳴っていそう…笑
 そうなると、無人図書館で書いたように自販機みたいにケースに1冊ずつ入っていて指定したものを取り出し、借りなければ回収装置に入れる感じが妥当かな。

 まぁ、ここまでは考えたことの再確認ですから、その他のサービス。

 まず、レファレンスサービス。
 私の無人図書館での考えでは、テレビ電話型のレファレンスなので、まだ自動ではありません。

 そこで自動レファレンス機!

 機械操作が苦手な方でも自動レファレンス機の前で音声入力なら可能でしょう。
 OPACや読書案内もこいつに任せちゃいましょう。
 一番難しい技術面は放っておくので、実際は不可能なんですが…

 資料検索の場合は、処理が早ければ、自販機のようにガタンと出てくればいいですね。タイトルや著者名からリストを提示していく方式であれば、今の技術でも可能かな?音声認識や文節変換が難しいですし、『切羽へ』(井上荒野/著,新潮社,2008.05)(きりはへ)を「せっぱへ」と言われた場合など検索が難しいですけど。あいまい検索か…

 読書案内の場合は、貸出履歴などのデータがあると利用者の傾向がわかり、オススメはよりしやすいのですが、新規の利用者とかいつもの利用と違うジャンルなどの場合は、心理テストや生年月日や血液型で「こういう本があります」でもいいかなぁ?まぁ、私自身も実際に案内して「この本良かったよ~」と言われる時と「僕的にはもう少しこういう方が…」と言われる時がありますから、多少ブレがあっても面白いかもしれませんね。

 事項調査の場合は、一番難しいんでしょうが、レファレンスインタービューのような質問を繰り返し、フローチャートで絞り込む方法で質問を確定し、索引のない資料にも索引をデータベース的に付与することで、所蔵資料の情報を把握し、同時にパスファインダーやレファレンス協同データベースの検索のように、類似したものがないか照合していく作業を経て、提供資料を決定する方法ですかねぇ…

 要は、一つの資料からどれだけ情報を整理・データベース化して置いておけるかによるのでしょうが、機械ですから、レファレンスカウンターで利用者が鼻歌や歌い出しても、その音程からそれに近いCDのパターンからヒットする(あまりにも下手だったら難しいか…笑)のも可能ですし。

 自動レファレンス機でうまく調べられないものに関しては、フィードバックしてデータを色々と追加すればいいでしょうね。

 次に、複写サービス。
 資料を複写機の横の入り口に入れて、ページ指定で複写。ICタグにより総ページ数や目次情報などの資料情報と付け合せ(短篇集などもあるので)をして、ページ数が半分を超えない形で。

 加えて、住宅地図は見開きの半分までなので、プレビュー画面上で半分未満になるように利用者が選択して、その部分だけが印刷される方法で(四角や多角形の範囲指定でなくても渦巻き型だろうと飛び地であろうと見開きの半分までの指定が可能。)。

 雑誌の最新号なんかは複写不可もいいけど、目次情報などからその記事の半分までは可能にできるし…。

 問題は新聞なんでしょうが、タグを付ければまぁ成り立つけど、費用がねぇ…そうすると、新聞は自動ブラウジングの応用で、可能かな。

 他にも、予約資料宅配サービスも今の工場からの製品発送みたいに予約本を箱詰めして発送手配みたいにできるでしょうし…
 障害者サービスは上記ブラウジングにズーム機能があれば拡大読書機ですし、OCRみたいなのと組み合わせると朗読だって…(今なら認識に問題ありですけど)

 普通の利用者サービスはこんな感じでなんとか…

 で、全自動ですから、職員の業務も自動化したいなぁ…
 選書は以前も書いたような気がしますが、ベテラン司書の選書方法をフローチャート化したもので代用(実際には一般流通していない資料とかも選び出せると、なお可なんですけどね…)。

 新刊の受入れやおはなし会も上記の各種方法でなんとかなりそう。

 書架整理や蔵書点検なども最初の設定がICタグと精度の高い棚アンテナがあって逐一資料の場所を把握できる図書館ですから問題ないですし。

 資料の保守が自動化には向かないような…ページ取れの保守程度ならなんとかなりそうですが、汚破損のチェックとかは難しいか。

 相互貸借資料の貸出依頼や受入もシステムからメール等で依頼し、届いた箱から奥付等でタイトルを確認して、借受処理を施して貸出はできそうですし…

 他にもたくさんあるけど、技術的なことを除くと出来なさそうなのはないかなぁ…

 寄贈受入と装備も自動化できるかなぁ?書誌情報があるものなら良いけど、書誌情報を作るとなると…OCR的手法でなんとかなるか。でも分類とか内容把握が難しいなぁ…

 ペーパーレス時代に突入と言われつつも、電子ペーパーという技術が出てきても、電子雑誌などもありながらも、まだまだ紙ベースの本が出ている現代、50年程度先ならまだ出版物として本はあるでしょう。でも、このくらい自動化する図書館も出てきても良いかなぁと。

 そりゃあ、全ての書籍が電子データになっているんだったら、配架や汚破損の対策を考えないでも良いので、全自動な図書館は簡単でしょうけどね。

 その頃も司書って…『図書館のシステムを保守するSEみたいな人』になっているでしょうか。レファレンスのフローチャートなどもフィードバックして組み替えないと、使えない司書と同じですし。

 今の技術を駆使して、これに近いことをする図書館を建築するとすると…いくらくらいでできるかなぁ…
 全図書の索引付加とかのデータベース化に莫大な人件費とかかかりそうですけどね。
 そんな現実逃避をする今日この頃です。笑

| | コメント (0)

図書館は間職??

間違っても図書館は『閑職』ではありません。笑(一般的見解として「閑職」だと思っている人もやっぱりいますが。笑)
『間職』(はざましょくorあいだしょく)と私の勝手な造語(?)です。
図書館は情報を必要とする利用者と求められる情報を結びつける場所であり、そのために、古いものから新しいものまで資料を収集・保存し、整理して提供するような機関であり、利用者と情報・著者と利用者を結びつけるような「間」にある機関のような感じがするので、私の少ないボキャブラリーで適当な言葉がなかったので、『間職』って勝手に作ってしまいました。パッと見、「閑職」で嫌ですが。笑

さて、『図書館からの情報発信』と言われて久しいですけど、発信される情報ってどんなものでしょう?

一般的な図書館では、Webページで所在地、お知らせ、利用案内、入荷した新刊のリスト、開館日カレンダーなどの基本情報から、利用統計、図書館要覧、蔵書検索、レファレンスデータベースなどが発信されていますし、最近では館長やスタッフのブログや掲示板のようなものや、地域の貴重資料のデジタルアーカイブなども発信されています。

他にも主に大学図書館で行なわれている『機関リポジトリ』(論文や実験データなどを投げ入れて外からも利用できるようにしたた集合体?)を公共図書館でやってみようとしているところもあります。

情報発信は何もWebに限ったことではないので、パスファインダーをせっせと作ってまとめたり、企画展示でテーマの本や話題の本を集めたり、地域情報の資料を作成したり…
まぁ、全く何も発信していない図書館もなくはないのでしょうが、図書館からの情報発信って結局何なのでしょうかねぇ…

図書館が図書館たる情報発信の仕方としては、本来利用者主体なのだから、利用者が欲しい情報を発信するというのがベストなんだろうなぁと。
もちろん、利用者の誰かが必要とするかもしれない情報を、いつ必要とされても良いように整理しておくのが図書館の務めでしょうし、十人十色の要求があるので利用者万人が必要とする情報って少ないかもしれませんが、何を発信するのか考えていくと悩む…

で、自館を省みると、企画展示とかは、タイムリーなものもあるでしょうが、こちらが発信したいテーマを発信していて、利用者的には「企画展示をしているから見てみる」の方が多いような…まぁ、必要とされている情報発信というよりは読書活動推進に重きがあるような気もしますが。

情報発信を話題にしたので、脱線ついでに少しだけまとめて考えてみます。
図書館での情報発信は、紙媒体や電子媒体によるものにわかれる(一部模型というものもありですが)かと思いますし、その媒体によるメリットデメリットの論は、物理的空間的時間的制約の有無だの、情報の質や寿命の問題だのがあると思われますが、その先にあるのは紙媒体は紙媒体で作成し、それを電子化して機関リポジトリのデータベースなどに投げ込むということなんでしょう。

もちろん、機関リポジトリに投げ込む仕様とかフォーマットがあり、ついでに著作権の処理も経た上での全面公開になるのですがねぇ…

図書館で投げ込む情報としては、読書活動推進に関するもの(企画展示や新刊案内とかベストリーダーなど)、レファレンスに関するもの(利用案内なども含めて)、地域情報(バスの時刻表やら地域イベント案内なども)、お知らせ(各種図書館でのイベントなど)、図書館作成独自資料(統計、要覧、パスファインダー、新聞見出しなど)、その他資料(行政文書、地域研究者の研究結果(もちろん公開希望者の代行として)など)なんでしょうね。
投げ込む場所は自サーバではちょっと寂しい気がしますから、やっぱり県立などで用意してもらった方が…でも、また「予算がない」とかどうもお金のかかる方に話がいってポシャるんだろうな…なら、自分のところで用意するか…

さてさて、話は戻しますが、図書館にある情報というのは、大抵、出版物として図書館が作ったものでないものです。もちろん、それらの情報を整理して使いやすくなった情報っていうのもあるんでしょうが、最初から図書館が作っている情報ってほとんどないような…(本当はもっと作らないといけないんでしょうが、現状の予算&人員では難しいとこが多いと思います。)

そうすると、生の情報と再加工した情報の間にあるのが図書館ですし、著者(の作った情報)と利用者の間にあるのも図書館なんです。
(そういや、図書館で結婚式(http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20081015/CK2008101502000020.html)云々という話も出るらしいから、そうすると情報と情報、人と情報以外にも(著者と読者という大枠もありますが)人と人を結びつける間にもなるということでしょうか…)

ただ、「間」に何もなければ、必要な情報を効率よく探すことも新しい本との出合いも難しい人がまだまだたくさんいると思いますので、図書館の重要な役割なんでしょうが、最近の風潮からいって、「図書館は何するとこ?」の質問に「本などを借りるとこ」や「調べ物をするとこ」や「レファレンスというのがあるとこ」だけで、「えっ?あとは?」と感じることも多々ありますから、もっと図書館が既存の情報だけでなく、情報を作成していくことも必要じゃないかと。
(自分で言っておきながら、自分の耳が痛くなるのですけどね。きっと人員的に、図書館以外の業務などにも忙殺され、一から何かをクリエイトすると壊れてしまいそうな図書館員もいるはず。(というかそういう人を知っていますけど。)だけど、だからと言って「どこの図書館でもそうか」といえば、ちゃんとクリエイトしている図書館もあるので、その辺はどうやっているか勉強しないとなぁと。何も「暇なので」とか「過労死寸前のまま」とか「妻子よりも仕事優先で」というわけではなく、『クリエイト作業に理解ある職場』とか『職場ぐるみでクリエイトしている』という環境なのでしょうね。)

でも、そういうことを考えていると図書館未設置のところでも、地域住民と近隣自治体の図書館を結びつけるような図書館員がいても良いと思うんですけどね。

最近は広域利用も進んでいるので、その近隣自治体に車などで行けば借りられることも多いのですが、同一自治体にありながらも「遠いから」とか「必要がないと思って」ということで図書館に行かない人だってたくさんいますし、Webの情報だって「家にパソコンなんてない」という方もたくさんいますから、図書館未設置の場合は近隣図書館の情報(新刊情報など)を収集し掲示するとか、直行バスは無理でも必要な資料を取り寄せて貸し出すなどもできるんじゃないかなぁと。

レファレンスだって、「代わりに調べて来ます」でもいいんじゃないかと。(近隣がメールレファレンスや電話レファレンスをやっているのなら、直接でいいんですけど、まだないところ多いし。)
クイックレファレンス以外はどちらにしても時間がかかるもんですし。
そうなると『図書館というハコ物はないけど、図書館員のいる街』というのはダメでしょうか?
(イメージ的には無料のサーチャーみたいな感じになるかなぁ?)

何も自分の図書館というのがあって、その所蔵資料を駆使するだけが図書館員でなくてもいいんですよね。(ちょっと言いすぎなのはわかっています。ちゃんと所蔵していない資料にもアンテナは向けているはず…。)
図書館がないから図書館員と呼ぶのはどうかとも思いますが、周辺の図書館などを活用して、図書の情報やレファレンスをしてくれる人、司書…というか、司情報がいても成り立つのかなぁと。

一方、別の視点で、図書館が間職であるがゆえに、著作権問題とか複本大量購入問題とか受入廃棄問題などについて板挟みになることが多いような気がします。
著作者などが情報を作成して出版することによって、図書館も成り立っている感がありますから、その部分は守ってあげたい気にもなりますし、逆に利用者がいるのでやはり成り立っている感じもしますから利用者の立場に立ってもう少し融通を利かせてもいいのに…という気にもなります。
そんな感じですから、図書館の有識者でも意見が真っ二つに分かれたりするので、統一見解が作られにくいのじゃないかなぁ…
だから、いつまでたってもどっちつかずで先に進まないから、どんどんおかしくなる…

はい、そんなこんなで、これを友人に話したら「仲介業」でいいんじゃない?と一言。
あっ、そうか。笑

| | コメント (0)

選書ってどうする?

前回に引き続き、選書関連。
うちの図書館で選書するときはメインに図書館流通センター(TRC)の『週刊新刊全点案内』を利用しています。
これが良い悪いは別にして、近くに大型書店のないうちの図書館では、かなり助かっているのは事実です。
例えばvol.1584号では1375冊の情報が載っているのですが、実際にうちの図書館で購入するのはその何十分の一になります。
そこで、私たち司書が予算や蔵書構成、需要などを考えて本を選んでいくのですが、少ない人数ということもあり、上記のようなまとめたものがなければ、全部に目を通すことは叶いません。
もちろん、この号が1375冊であって、毎週同じくらいの量が新刊として載っていますし、あまり流通に乗っていないものや、コミック類などは最初からこの手の本に載りませんから、他の新刊情報はインターネットを利用するとか新聞の書評を見るとか、アンテナを張り巡らせなければなりません。
そう考えると、選書ってなかなか大変な気が(実際にはやっていますが)します。

その選書の判断になるはずなのが、各図書館に成文化されているだろう「収集方針」や「収集基準」。
でも、インターネットなどで確認すると「…を広く収集する」とか「バランスを考慮しながら…」とか、ちょっと抽象的な感じもします。
おそらく外に出ていない内規みたいなものもある図書館もあるのでしょうが、抽象的であるが故、「図書館にそれはちょっと…」という購入リクエストや寄贈のお断りにも使われているような気もしますし、逆に付け入る隙でもあったりするのでしょう。
前回も書きましたが、知る権利的需要としては、「来年の運勢についてあの占い師はなんて書いているのだろう?」とか「あの漫画の最新巻を読みたいなぁ」というのもあるでしょう。
もちろん、実際に、リクエストを受けて購入している図書館もありますし、それはそれで、良いことだと思いますが、予算的にちょっときついかなぁ…
図書館としては、自分のところにない資料でも他館にあれば借り受けて利用者に貸出することができます。(それを相互貸借と呼んだりしているのですけど)
ただ、本来の定義的には「自館で購入努力をした上で、購入できなかったもの」を借り受けることになっているはずなのですが、最新刊を「貸してね」とFAXが届くことも多々ありますので、少ない予算を融通しあっているような感じですね。

話がちょっとそれましたが、「じゃあ、抽象的な収集基準からどうやって選んでいるか」です。
たぶん、経験と直感。笑
書誌情報と要旨くらいしか書かれていない『週刊新刊全点案内』などで、「あ~この本にはこういうことがあるのかなぁ」と想像し、時間があるときには書店に出向いて立ち読みし、購入しようかと会議なり話し合いをするのですが、時間がないときは想像&ディベートみたいな感じで同意を得て発注します。
時々、「あ~想像と違ったや」ということもあるのですが、慣れてくると想像通りってことが多くなります。
では、小さい図書館であまり経験のない司書が1人しかいないときに、適当に購入して大変なことになっているかいえば、そんなことはありません。
『週刊新刊全点案内』では★の数などでサポートしていることもありますし、有名な著者を抑えておければ、大きな間違いは少ないですし。
まぁ、それじゃまずいので、この著者はこういう関連の本を多く書いて定評があるんだとか、この著者はこの分野の権威だとか、この出版者(出版社)はこの分野に強いとか、そういう情報を仕入れ、覚えることによって、より図書館的(?)な選書ができるようになります。
いくら直感といっても、パッとページを開いて「これ買おう」はないでしょうから、選書する司書の頭には何らかのフローチャートのようなものがあると思われます。

ちょっと『図書館的』って言葉を使ったので、ついでですが、図書館は知る権利を満たすための機関だとして、理想は全資料を所蔵することなんでしょうが、まずそれは不可能なので、図書館ごとに分野のバランスってあると思います。
例えば、都市部では起業とかの需要があるからビジネス関連やコンピュータ関連の資料を増やすとか、こちらの町では園芸が盛んだから園芸書を増やすだとか、そういう特徴が各図書館にはあるのでしょうが、平均的なバランスってやはりあると思います。
もしかすると私の勉強不足かもしれませんが、○類が蔵書の○%だとか、理想的なバランスがすでに決まっているのであれば、まずはそれが新規図書館の指標になるでしょう。
それがきっと図書館的なんでしょうね。

話を戻して、そのベテラン司書の頭にある経験や直感にいたる経過を、明文化して、それをデータベースにまとめるとどうでしょう?
一点一点、これを購入しない理由…もちろん予算がないというのはわかりますが…をまとめていくとか、例えばAとBの似たような資料がある場合、「Aを発注する司書が○%いて、Bを発注する司書が△%いて、その理由はこれこれで…」といのをじゃんじゃんデータベース化したり、人工知能に学習させていくと、やがては『週刊新刊全点案内』などのデータを放り込むと、「ここの図書館で選ぶと良い資料は1位○○、97%…」というように、自動化できるのではないかなぁと。
もし、そういうことをすると、司書の専門性が改めて問われることになると思いますが、逆に、こういうデータ収集を続けていくとそれこそ「図書館的」とか「ベテラン司書らしい」選書方針が見つかるかもしれませんし、全部の資料が例えば「購入必要率33%」となるかもしれません…そうすると、どれ選んでも同じだろと。笑
しかしながら、『週刊新刊全点案内』の後方にベストランキングとかがありますから、よく図書館で買われる本というのがわかります。
そうすると、やはり、購入すべきか否かの判断がどこかにあるわけで、それを分析し、まとめておけば、ふらっと赴任した図書館職員でも選書がやはりできてしまうことになってしまいますね。

『週刊新刊全点案内』のこの1584号に、1563号のストックブック(在庫している本)の注文冊数の実績一覧が載っているのですが、一冊もその時点で注文されなかったものが5冊ありますけど、他はどこかの図書館が購入しているということになっています。(もちろんその時載っていた全点の一覧でないので、ストックブックでない本でも売れているものや売れていないものがあるんでしょうが…)
ので、データをいくら集めても、「これは購入数が多そうだ」などは傾向が出ますが、本を一冊取り出して「この本は入れるべきか否か」で○×というのは難しそうですね。(いや、理想的には全て○でしょうが)
半年前のデータになってしまいますが、後出しじゃんけんみたいに、今1563号のベスト100でも買えば、素人でも間違いのない選書ができるかもしれません。少しだけExcelなどでデータを加工すると、分野ごとのだってできるでしょうし。

とすると、司書の専門性としての選書の良さを考えると新しく出た資料をいち早く選び抜いて利用者に届けることってことでしょうかねぇ…
「司書不要」と言われないように、日々努力しているつもりですが、出た本全ての中身をゆっくり読んでいる時間もないので、『週刊新刊全点案内』の案内文に迷わされることもしばしばあり、「これ他館ではあまり選ばないかなぁ」と不安になることもあります。
その不安の相談相手を同僚に得ないとすれば、やはりそういう機械的判断も考慮することになるのでしょうか…というジレンマがあったりします。
自館の利用者のリクエストが多い時は「選書間違ったかなぁ」と思ったり、他館からの相互貸借依頼が多ければ「あ~需要はあるのね」と思ったり、選書に絶対の自信を得られるのはいつのことになるのやら。

予算がもうなくて、あと1冊しか購入できないとき、「赤川次郎と西村京太郎の新刊、どっちを買う?」と言われたら、う~む。笑
(知り合いの司書さんは、「図書館の予算で西村京太郎の本を買って、私は赤川次郎の本を自費で買って読み終わったら寄贈する」なんて言っていましたが…ちょっとずる。笑)

| | コメント (0)

図書館ツアー

司書の必要性について論議される時、よく司書の専門性とか専門的知識云々が論議されますが、逆に『司書資格を持っていなければできないこと』ってはっきりいってなんでしょうか?
いや、もちろん、私もどちらかというと、司書資格がない人を指導するよりは、司書資格がある人を指導した方が、基本の「き」から教えなくても良いので、楽ですけど、人は教えればちゃんとできるので、司書資格を持っていているだけの人と指導を受けた無資格者では後者の方ができる『可能性』があります。
この辺は、ブラックジャックみたいなもので、もちろん医師の免許の有無は法的にも不可欠なんでしょうが、手術が技術的にできるかどうかや医学知識があるかどうかは、医師免許の有無とは異なるのと一緒でしょう。
私だって、卒論が医学系だったこともあり、医学のある特定分野の一部であれば、本当の医者とちゃんと専門用語を使って話をできるぐらいの知識はありますし、その程度であれば、必死にその病気について勉強をする人であれば、誰でもできますよね。

話がそれましたが、私自身はちゃんと司書資格を持っています。現場では無資格のパートさん達に、指導する立場にあるため、時間をかけて、演習問題なども交えて、レファレンス演習とかやってもらったため、無資格であってもレファレンスは手順良く応対できますし…一通りの知識はちゃんと持っていると思います。
そう考えると、指定管理者制度導入などで下手に有資格者を配置するより、よっぽど無資格ながら今のパートさんの方が優秀な気もします。
そうすると、どこに司書の専門性を持ってくるかというと、今うちでパートさんにやらせていないのが、選書と除籍などですが、
もちろん、目録の作り方とかもあまり知らないと思いますけど、今の時代、システム化されていることが多いので1から作ることはあまりないですし、そのシステムで修正処理ができるのであれば、支障はないですし…確かに寄贈本とかの目録は目録屋にはないものもありますけど、似たものを修正するのは容易ですしねぇ…

まぁ、こんなのだから、「司書資格の人って必要なの?」と言われてしまうのは、手厳しいところなんですけどね。
無資格者の指導をちゃんとしないと、有資格者がいないと間違うことも多々あるでしょうから、ぴったり張り付いているわけにもいけませんし、指導をするのですが、そうすると「司書じゃなくても」が始まる…
いや、もちろん、無資格者と有資格者の仕事を完全に分けても、カウンターで聞かれた簡単なレファレンスとか「この本ありますか?」でも有資格者にまわすとなると、利用者的には「なんで、わざわざ他の人に聞くんだろう?」ってことを考えると思いますよね。
教員は生徒にとって1年目だろうと10年目だろうと教員であるように、利用者にとって図書館にいる人は無資格者だからここまでしか聞けないということもないですし…
確かに、こんなことを言うのなら、最初から有資格者をパートに入れれば良いのでしょうが、そんなこと言い始めたら、最初から館長を有資格者に、司書をたくさん常駐にすれば良い事になりますし。笑

さてさて、司書の専門性云々の話から始めましたが、今日はツアーの話。
図書館で行なうツアーと言っても、職員親睦旅行ではありません。(そりゃそうだ。)
近場から順に考えると、まず、利用者…特に小学生などを対象にした、図書館案内ツアーがあります。
書庫とかの見学や、図書館の使いかたを知る良い機会だと思います。うちはあまり古い資料はないですし、あるとしても明治時代の百科事典で、普通に開架に置いてありますし(もちろんちゃんと新しい百科事典もありますよ。)…利用者が行けないところは書庫くらい。なので、案内の中心はOPACの使いかたと分類の話になるのですが、まぁ、小学生であれば、「へぇ~」って聞いてくれます。
次のツアーとしては、近隣の図書館の視察。
主に、職員が中心になると思いますが、他の図書館を見て、自分の図書館を省みるっていう趣旨なんですが、そんなに目新しいものも最近はないので、「おお、自動貸出機いっぱいあるなぁ」とか「企画展示目立つ~」とか「こんなポップ作っているんだぁ」とか、少しは思いますが、図書館の実情はあまりどこも変わっていなかったり…

で、その次にメインに書こうと思っていたこと。選書ツアー。
うちでは選書ツアーなるものはやったことがありません。ので、おそらく憶測になるかもしれませんが、大きな間違いがあればご指摘を。
最初に司書の専門性の話をしたときに、「選書と除籍」とありましたが、選書ツアーって利用者を大型書店や某倉庫などに連れて行って、「こんな図書がうちの図書館にあったらいいのになぁ」という職員が行なう見計らいみたいな資料選びですよね。
これには賛否両論ありますけど、一方では利用者のニーズを知る機会であり、図書館の図書の選び方を知る良い機会ですし、他方、司書の専門性が失われかねないと考える考え方や、特定の人(ツアー参加者)のニーズでしかないという考え方も理解できます。

利用者ニーズと言われても、テレビで話題の芸能人が書いた本であったり、買って読むにはちょっとな某占い師の本であったり、真偽定かでない「必ず痩せる」だの「必ず治る」だの本だって、やはりある一定量の需要がありますし、需要があるからこそ、宣伝したり出版しているわけですし。
まぁ、予算的に全ては購入できないですし、図書館に収集方針があるでしょうが、知る権利的に言うと、それらも購入努力する必要もなくもないかと。
おそらく、選書ツアーの前に、「これこれこういう本をこんな感じで選んでいます」とかそういう説明の後、つまり有資格者や図書館職員の指導の後の選書ツアーだと思われますが、「それでも需要は大きいのだから」と思う利用者・選書ツアー参加者がいたときに、それは購入するのでしょうか?
私は自分でも書店に行ったときに、「あ、この本図書館にいいな」と思って職場に戻った時に検索したらすでに所蔵していたりするので、まだ自館の蔵書を全部が全部把握できていないのです。選書ツアーではおそらく一点ずつ調べてではなく、量が少なければメモでも良いですが、楽な方法としてはPOTとかの端末でISBNのバーコードをスキャンしてって方法のようですけど、集めた時点で所蔵のチェックをかけるのが効率的でしょう。
それで、ほとんどが所蔵資料であれば、「需要にあった良い本を選んでいる」ことになるでしょうし、一冊も一致しなければ「需要や利用者視点に立った選書になっていない」ということなのじゃないかと…とすると、普段から利用者と司書の間に意識の差があるということなんでしょうね。もしくは、専門性のある司書と専門性のない利用者とのギャップと言いましょうか…もちろん、図書館的に「ん…図書館で所蔵するにはちょっと…」というものであれば、その直前講習の効果があまりなかったということでもありますし、「普段の見る目がなかったのかなぁ」と思うと私だったらちょっと悲しくなりますね。
選書ツアー後、パターンとしてはいくつかあると思いますが、選書された資料の所蔵の有無をチェックして、その後司書が改めてその中から選ぶパターンだと、せっかくの選書ツアーは何だったんだろうかと思いますし、所蔵のないものは全て購入ということであれば、いくら司書に指導を受けたとはいえ、指導することが専門性ではないと思いますし、その辺はどうなんだろうとちょっと疑問。収集方針に沿わないものだけ除くといっても、やはりフィルターがかかるわけですから、収集方針の文面が理解しづらいものであるか、説明が下手だったかという問題が考えられるでしょう。
それと、逆に考えると、選書ツアーの時期によって、毎日のように本は出版されますから、書店で目に付く本も変わってしまいますし、連れて行くメンバーによっても大きく変わるものなので、それならば、どこかホールや館内または駐車場で「大見計らいデー」など催して、ある程度図書館の収集方針に沿ったもので、多くの資料を多くの利用者に見ていただくって方法もありなんじゃないでしょうかね。

他にツアーにしたいなぁと思うのは、例えば図書の装備工場などのツアー。
私自身も見に行きたいし、その会社方にも「いつでも見に来てください」と言われているのですが、なかなか実現ができません。
各地から発注される図書の装備を一箇所で流れ作業的にやっている様って壮観なんじゃないかと。
それと、物流部分の倉庫とかも見学してみたいですよね。
利用者的にも、図書館を支える裏方の仕事って興味がわくような気もしますが、どうなんでしょう?
小学校の工場見学の一環でもいいかなぁと思いますが、そういうのは受け入れているんでしょうかねぇ…
ただ、じゃあ、「図書館にいる図書館司書は結局何をやっているの?」と聞かれそうな気もしますがねぇ…笑

| | コメント (0)

本屋と図書館

「図書館が頑張ると本屋がつぶれる」という話をする人がいます。
「本は買う主義だから図書館を使わない」という話をする人がいます。

これって、やっぱり「家計やお小遣い節約のために図書館で本を借りる人が多い」ということなんでしょうか。

先にあげた例では逆に、
「図書館で読んで面白かったからそのシリーズ買っちゃったよ」という人もいますし、
「調べたいことが色々調べられて図書館に来て良かった」という人もいます。

ベストセラーの本云々でいうと、
「えーっ、そんなに待つの?もっと同じ本を買えばいいのに」という人もいれば、
「そうだよねぇ、ブームが去ったら無駄だものね」と理解してくれる人もいます。

と、色々例をあげましたが、今日の話題は本屋と図書館』です。

うちの図書館の利用者でも「あの~この本は買えませんか?」と気に入っただろう少し前の本の購入希望する利用者がいます。
今はネットで本を買ったり、郊外店の大型書店で本は買えますし、地元の書店でも注文すれば手に入ることが多いのですが、大抵、そういう話をしてくるのは年配の方。
確かに、何年も前でなくても在庫がすでになくなったりしている本も多いですし、ネットで買うのは難しいという人もやはり多いです。

著作権の絡みになるのですが、絶版で入手不可の資料を購入したい利用者はどうすれば良いのでしょう?
まぁ、借りて全部複写!という人もいるようですが、出版社で再び重版とかしてくれれば良いのですけどね。
そうでないから、復刊云々というサイトが人気なのでしょう。

そこで、出版社で品切れで、ここ1年間は重刷する予定がないものに関しては、その本の定価の半額を出版社に支払うことによって図書館で複写機によって複製を作っても良いこととかになるといいんですけどねぇ。他に条件としては、図書館所蔵の資料っていうのもありになるでしょうが。
可能であれば、複製手間賃として図書館に半額分いただければ、資料費になるかもしれないのですけどね。
(そうすると、利用者は正規品ではない複製物に対し、正規品と同額の支払いになるのですが…笑)

話はちょっと変わりますが、うちの図書館で困ったことと言えば、新聞の縮刷版で、大抵、1年間分しか出版社にはないのですよ。過去の欠号とかが欲しくても購入できないし、CD-ROM版とかは記事の検索はできるのですが、表やグラフや写真などがなかったりして、いまいちだったりしますものねぇ…

同じように、雑誌のバックナンバーもなくなるのが早く、バックナンバーを貸出して汚破損されたり、紛失されたりしても手に入らないことが多々ありますし…

もちろん、著作権法上『他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合』っていうのも複製は作れますが…笑

利用者が欲しい場合はやっぱり手に入らないもんなのですよねぇ…

ということで、書店と図書館がくっついたような図書館を想像してみましょう。
保存という点からすると、所蔵資料はできるだけ貸したくありませんよね。
利用者が「あ~この本は読んでみて良かったから欲しいなぁ」といった場合、図書館で本が買える!もし通常の書店で買えないような絶版資料でも、図書館所蔵の資料であれば複写複製物を著作権の気兼ねなしに購入できる…出版社は絶版品切れの資料についても定価の半額の収入を図書館から得られ、収益が出そうであれば重版することにする…
本当なら、所蔵資料は保存用と貸出用みたいな複本が良いのですが、貸出用が汚破損紛失するごとに買い換えてもいつかはなくなるので、複製物を貸出用に…

まぁ、ここまで来ると現実的ではないですし、そもそも、複写複製物を製本したりするのもそれなりに手間隙&費用がかかるので、今の図書館の状態で、絶版資料を利用者が欲しいときに著作権法の気兼ねなしに購入できる仕組みを作るっていうのが、少しは現実的でしょうかねぇ…

図書館と本屋が違うものとすれば、同居が可能かなぁと思い、今日は考えてみました。
もちろん、某T社が指定管理で受けたところで、ネットで本を図書館に取り寄せができるというのも知っていますが、図書館で今は手に入らない本も買えると、需要はあるかなぁと。

そうそう、それとは違いますが、電話で雑誌バックナンバーの所蔵を尋ねられ、ついでにそれが買えないかという電話を遠方の方から2度ほど(異なる人ですが)もらったことがあります。Googleで検索したらたまたまうちの図書館の雑誌検索がヒットしたようで…
「図書館の資料なので閲覧はできますが、購入はできませんよ」と丁重にお断りしましたけどね。笑

| | コメント (2)

無人図書館??

私の記憶が確かなら、石原都知事が、都立図書館に関わる発言で、「資料は今やオートマチックで資料を借りられて、その本が良いか悪いか指導する司書は必要ない」って感じで話されていたと思います。
それに対して『東京の図書館をもっとよくする会』では「レファレンスが15万件を越えている」ことを筆頭に、反論を展開しています。

うちの図書館でも、レファレンスの調べ物は少ないですがやっていますし、所蔵調査や様々な問い合わせを合わせると案外いっぱいやっているような気がします。

さて、確かに今は自動貸出機がちらほら見られるため、自動で借りられるのでしょうが、作業員の面では返却は??
もちろん、自動返却装置もあります。

返却資料を仕分けしたり、大掛かりなものでは、(主に書庫ですが)棚に本を戻したりしています。
旧式な方法としては、返却手続き後、利用者に棚に戻してもらっている図書館もまだちらほらあります。

そう考えると、無人化ってできるような気がしてきました。
去年暮れの記事ではどこだかの駅の図書コーナーが無人図書館としてやっている記事がありました。
もちろん、この場合は、読まない本を置いていき、読みたい人が持っていく方式なので、図書館とは言いにくいですが。

無人といえば、無人コンビニというのがありましたね。
あの仕組みは、自動販売機発想で、生鮮品なども同様に出てくるっていうのと、補充を適宜やって、消費期限が切れたら中にそのモノがあっても買えないといった感じですね。

もし、図書館でそれ式でやろうとすると、閉架式…図書館中で自由に本を見られるわけでなく、カウンターで書庫からもって来てもらい、中で読む方式…みたいな感じですかねぇ…。
やっぱり、図書館では中身をパラパラ見てから借りたいですよねぇ…

レファレンスの方ですが、いくらコンピュータが優秀になっても、十人十色の喋り方や声の大きさ、アクセントを的確に判断して、それに対応する回答を表示するのは難しいかと思います。

例えば「○○という本がありますか」や「この本はどこにありますか?」の所蔵調査系であれば、今も表示されますが、それでも聞いてくる利用者が多いので、自販機状の所在場所が点滅するとかもう一工夫あればわかりやすいかもしれません。

込み入った質問は確かに司書がいないといけないですが、どこぞやのテレビ電話を使った薬剤師云々みたいに、司書センターみたいなところに直通電話をし、その司書センターではそこの図書館の参考図書と同じものがあれば、「これこれのどこどこに書いています」と指示できますし。

そうすると問題は、パラパラ見る、つまりブラウジングをどう無人図書館で実現するかということになってしまう気もします。
もっとも、誰もいないで運営できるわけはないですよね。無人コンビニだって、仕入れ&補充などは人力ですし。

方法の1つとして、利用券を使う方法。
ブラウジングスペースは自動販売機みたいになっており、利用券をピッとして本を取り出せる感じ。
ブラウジングが終わったら、腰下あたりの高さにある返却ボックスに返却すると、元の位置に戻る。
借りたい資料はそのまま館外に持ち出すと貸出になる。
この場合の問題は、利用券のない人。

それを考えると、ブラウジングスペースと貸出スペースを分けた方が良いかと思います。
入り口に近い方が貸出スペースでその奥に無断持ち出しができないゲートがあって、ブラウジングコーナーという構造。
ブラウジングスペースは、自動販売機状ですが、資料の番号を入れると取り出せる。
(紙パックのジュースの自販機みたいな)
返却口に入れると元に戻るのは同じ。
利用券を持っている人は、利用券をかざしながら取り出すとレシートも出てくる。
ブラウジングスペースから出る時は、資料を持って出られないのは、未登録者と同じ。
そこを出た貸出口で、レシートで借りて読みたいものをピッとするとまとめて貸出口から出てくる…って感じ。

館外貸出後の返却は、館内入り口すぐに返却口があって、それに入れると戻る仕組み。

実際にそういう図書館があって、携わる人は、機器のメンテナンスの人、ゲート抜け対策の警備員系、資料を選書し、供給補充する人と、司書センターのレファレンスのプロフェッショナル…が必要ですが、実質、図書館を無人化…

ネットワーク通信による著作権の問題もありますが、お話会や朗読ボランティアだってテレビ電話にする方法もありますし。

例えば、衛星回線を使ったサテライト読み聞かせが著作権法的に微妙かも。
通常の電話で音訳というのはその場で読んでいるのだから、大丈夫かもしれないけど。

そして将来的にはコンピュータの技術革新で映画タイムマシンに出てきたAI(バーチャル人間…バーチャル司書??)みたいになってくると、ほんと無人になりますよね。

最近、指定管理者制度の導入で、図書館の身売りが始まっていますが、同じ会社が次々に受託した場合、こういうことも可能かもしれません。

例えば、システムを各自治体契約ではなく、本社支社間のネットワークのようなシステムすると安くなるだろうし、地域ごとの特色ある云々というのでなければ、どこの図書館に行っても蔵書構成が同じという感じで、司書センターにレファレンスのプロを置いて、回答にあてるとか…

そうすると、その会社にノウハウが溜まっていき、ついには全部の図書館制覇とか。笑

最近流行の図書館戦争ではないけど、各自治体ごとではなく、ピラミッド型…中央館があって支店館みたいになると、きっと管理がしやすいかと思うのですが…

最後に、指定管理制度の導入は生半可な状態だと、直営が良いとか民間が良いとか平行線論争になるでしょう。
図書館の情熱に燃える直営図書館もあれば、司書0人で、閑職みたいな状況の図書館もありますし。
逆に、民間だって、人がコロコロ変わってしまったり、給与の面で職員のやる気が出ていない図書館もありますし。

なので、直営でも民間でも、各自治体で図書館運営ではなく、全部1つの指示系統で運営できれば、良いサービスが提供できるような気もします。

| | コメント (0)

どこまで図書館?

図書館の仕事を始めた頃、「絵本ばっかりの図書館というのがいいなぁ」とか、「雑誌ばかりの図書館ってできないかなぁ」と思っていたら、都立多摩図書館が所蔵書籍を雑誌に特化するという話題が当時出てきました。その時は先を越されたって感じ。

先を越されたのは、闘病文庫もそのひとつで、その発想は、私の卒論が不安障害関連だったということもあり、医学系だったので。
それと、よく友人知人に「誰それが○○病って言われたんだけど、その治療法や闘病記の資料ってない?」「○○病の治療法の論文探して」など言われることがあり、「あ~そういうのがまとまってわかりやすければいいのに」と思っていた関係で。

確かに、今も図書館のない地域がありますから、全分野を網羅的に集める図書館も必要ですが、余裕があったら資料特化図書館っていうのもいいなぁと思っています。

今、いいなと思っているのは、「文庫本図書館」。
文庫は小さくて場所も取らないし、価格も安いし、大きさもほぼ一定。
デメリットとしては、児童関係や辞典関係の本が少ないのと、痛みやすいのと、文庫オリジナルというのはあるけど、新しい本が少ない(人気のあった単行本の再編集などで)ということなど、あげれば多々ありますが、場所の問題や資料費削減問題から考えるといいかも?と。

もちろん、そのデメリットを打ち消すように、絵本類がたくさんある施設や調べモノをするために良い施設もあると良いのですけどね…

個人的には(私は勤務先まで自転車で3分程度なので通勤列車には乗りませんが)、駅近くに文庫図書館を建設してみると、通勤客などの需要があるかも?と。
可能であれば、各駅のKIOSKで返却…もっと可能なら、KIOSKを分室みたいに…

さて、ここまでは資料特化といえど、図書館らしい資料収集ですが、どんどん突拍子もなくなっていきます。笑

現在、多くの図書館では、CDやDVDなどの視聴覚資料の収集というのも行なわれていますが、逆に楽譜や映画ポスターの収集を一生懸命やっている図書館はあまり聞きません。

では、例えば、音楽図書館と銘打って、CDと楽譜を収集をメインとし、関連資料を少々置いていても図書館として(今は音楽CDを図書館に置く時は補償金という上乗せ金はないのですが)補償金なしで収集できるのかとか、閲覧席がほとんど個人AVブースとなって、DVDやビデオの収集をメインとした図書館も可能なのか…
(ちなみに、DVDの方は補償金として市販2980円のものでも15000円くらい払って図書館は購入しています)

もう「図書」館とは言えない気もしますが…

でも、図書館法第3条に『郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。』とありますので、収集してはいけないわけでないし、それに特化してはいけないともうたっていないしねぇ…

上記3条は先日改正された図書館法なのですが、もちろん視聴覚資料は改正前もありましたけど、電磁的記録の収集って…

おそらく、オンラインデータベースやデジタル博物館みたいなのがそうなるとは思いますけど、コンピュータープログラム関係も含まれるのでしょう。
で、国立国会図書館での資料収集は、納本制度というのもがあり、「出版したら本を提供してくれ」という内容だと記憶していたのですが、最近になって知ったこととしては、パッケージ系電子出版物も納本の対象で、パッケージ系電子出版物の中身は電子ジャーナルなどならいざ知らず、ゲームソフトも含まれるそうで…

さっそく国立国会図書館のOPACを検索したら、ありました!
電子資料として納入されているんですね。

これで、自信を持って、言えますねぇ…図書館でゲームソフトを収集しようと。笑

というのも、昔から考えていた収集なんですが、ゲームだってシナリオもあるし、文化の一部を担っていますし、情報ですし、以前、東京都写真美術館で『レベルX』と銘打ってファミコンのソフトを一堂に会するイベントがありましたが、今はなきゲームメーカーの力作など、懐かしく感じました。
図書館の本であっても、もう絶版して手に入らないものが見られるのが図書館の利点なんですし、同じように考えても…

もちろん、ゲームには動画がありますから、映画の著作物と一緒で、収集するには補償金が必要です。
ということは、DSの5千円くらいのソフトが2万円くらいになるということですが、やってみる価値はあると思います。

ただ…再生機器は国立国会図書館のOPACでも(探し方が悪いのか)ヒットしません。
ということは、ソフトという資料だけあって、閲覧できないじゃんと。

そこで、図書館にあるAVブース同様に、色々な本体を図書館に設置し、ソフトを館内閲覧に…という構想もあるんですけど、ふと思った問題が一つ。
(なにも、著作権の許諾や補償金関係でなく…)
もし、DSのポケモンとか、その他色々なゲームをしたときに、セーブされることがありますよね?そのセーブというのは、図書館の図書で言うと落書きなどに当たるのではないかなぁと。
もちろん、初期化するコマンドを使って消せば良いのですが、全資料のチェックするのも大変かなぁと。

今度、国立国会図書館のゲームソフトを取り寄せて、館内で遊戯したいという利用者が来たらどうしよう?笑

映画の著作物の保護期間は、公表されてから70年です。
1970年後半から1980年にかけて出された電子ゲームでも2050年頃には保護期間も切れ、ファミコンが1983年だから、それと同時発売されたソフトは2053年ということになりますよね。
私がうまく長生きできていれば、著作権フリーで遊べることになるんですけど…


図書館で過去・現在の名作が遊戯できたら、どんなに素晴らしいんでしょう。
自分の子供に自分の子供の頃はまったゲームをやらせてみるのは家で保存していればどうにかなりますが、子供の頃買ってもらえなかったソフトを懐かしんだりしたいものです。

ただ、図書館という名称だと、やはり「図書」があって、その他資料があるイメージなのですけど、どこまで特化して良いのでしょうね。

| | コメント (0)

貸出しない図書館

前回に引き続き、図書館について考えてみます。
さて、図書館は「本を貸してくれるとこ」という考えの方が一般的ですが、貸してくれない図書館もあります。

例えば、東京都立中央図書館。
ここは、調べ物をするための資料が揃っており、個人貸出はしていないようです。
ただ、都内の市町村立図書館などで、協力貸出はしているので、全く貸出をしていないわけではないのですが…

協力貸出は、1館で全部の本が集められない(もちろん集められるのなら最もいいのですけど。)ので、図書館で協力し合って収集し、相互に融通しよう…つまり、自分のところにない本を他の図書館から借りられるようにするサービスなのですが、都道府県によっては、郵送で資料を送り、その金額を利用者または相手館負担にしたり、協力車や連絡車といった運搬車を週に1度や月に2度走らせて、各市町村立図書館に届ける…といったことをしています。

で、今日の話題。
全く貸出しない図書館というのは可能かどうか。

例えば、まんが喫茶。
まんが喫茶は漫画図書館ではないので、本を借りてはいけません。
ただ、時間+注文したものの料金で運営し、中でくつろぎながらマンガが読めます。
私は、そんなに行ったことがないのですが、所蔵されていないマンガの本って取り寄せてくれない…ですよね??
まぁ、希望を聞いて入れるかどうかくらいはあるでしょうけど…

一方、図書館内の飲食は原則禁止のところは多いと思います。
でも、最近では筑波大学の図書館にスタバが出来たり、喫茶コーナー併設のところも、新潟の「ほんぽーと」などちらほら見えるようになってきました。
まぁ、でも、正確には館内の飲食禁止には変わらないのでしょうけど。

図書館としては、多角経営になり、本末転倒なんですけどね…
どうせ館内であるけども貸出手続きをして、実質館外になるのであれば、ようは飲食店街のど真ん中に図書館があってもいいんですし。

実体験上ですが、よく利用者に、「夏の暑い日くらいペットボトルの持込を許可してほしい」といわれることがあります。
確かにうちの図書館は暑いです。エアコン28度ですし、日当たり良好ですし。
ただ、持ち込みや飲食は、資料保存のために許可できません。
だって、その人は慎重な人で水をこぼさないかもしれませんが、持ち込む人によっては、思わず倒してしまったりして濡らすこともありますし、小さな食べかすなどがゴキブリなど呼び込むかもしれませんし…と考えると、許可できませんよね。

…飲食可云々の話にそれていきそうですが、いわゆる滞在型の図書館になれば、館外貸出は必要がなくなるかもしれないということです。

館外貸出しないためには、どうしても「利用者がいつでも利用できて」「くつろげて」「長くいたくなる」ような長時間開館で滞在型の図書館でなければ、ちょっと難しい気もします。
ここでどう滞在型を構築するかいくつか考えてみましょう。

飲食・喫茶は、どうも図書館の資料保存機能と相反するような気がします。
でも例えば、万一汚破損しても手に入りやすい資料…たとえば、出版されて半年から1年の本を別置にしてコーナーを作ったり、雑誌の最新号のコーナーは許可しても良いかもしれません。荒業的には1冊は飲食物持ち込み禁止ゾーンで、もう一冊は飲食可能ゾーンとか…資料費が単純に倍だけど。笑

AVブースの増設は、確かにCDやDVDも図書館の資料ですが、だからといって、本を貸さないでも良いと思える滞在ではないでしょう。
ただ単に図書館に滞在するのであれば、それで良いのでしょうが。

インターネット端末の設置は、今でも図書館で置いてあるところがありますけど、資料が利用促進されるかというとそうでもないような気がします。

理美容室というのは、そのお店の範囲でパーマとかするときに滞在時間が長いですが、パーマじゃなければ、ちょっと利用がないかも。
これも水濡れとかが怖い気もしますが、併設したお店と話し合いをしておくといいことですし…

で、他にも色々考えたのですが、最終的に独断と偏見で残したのが次の2つ。
1つ目は、フットケア・フットマッサージ。
これは本を読むという行為は、手と目と頭を使うということで、足は使わないということや、足止めをすると滞在せざるを得ないということから、なかなか良いかもと。

2つ目は、保育施設併設型。
私も娘がいますが、「保育してくれたらゆっくり本を選べるのに…」という奥さんの言葉も最もだと思い、あげてみました。
もちろん、一時預かりや預かり保育をして図書館へ、という方法もありなんですけどね。
図書館的には時間無制限の絵本読み聞かせというのもあると良いかもしれません。
普通は、30分やら1時間の決まったものしかやっていないですので、開館時間のいつ行っても読んでもらえるというのは良いかもしれませんね。


話は戻って、貸し出さないということは、無断持ち出しゲートのすり抜けがなければ、本がなくならないとか、督促する業務もないということになります。
今、ちょっと手元に県内のアンケート結果がないので資料を出せませんが、督促って電話とハガキのみというところが多く、最近では督促電話が自動にできたりするのですが、着信拒否とかあまり影響が出ないので、督促の回収率が悪いようなきがします。
督促もそうですが、資料の延滞となると、どの図書館でも悩みの種だと思うのですが、いかがでしょう?

資料費は足りないけど、人件費は余っているとか、人手が余っているのであれば、税務課の徴収のように、資料の回収に行くことが可能ですが、まずもって人手も不足しているのが図書館の現状でしょうから、そっちに割く人員はほとんどいません。
うちは、人手も不足しておりますが、月に1度は督促にまわっています。
人件費から算出する費用効果の問題もありますが、館内に戻っていたら借りられたり、利用があっただろう費用効果と比べるとどうなんでしょう。
確かにあっても借りられないかもしれませんが。笑


ここまで書いてきたら、どうにか長時間滞在型の図書館ができれば、館外貸出ってしなくても良いような気がしてきました。
もっとも、その滞在型図書館の実現の方が一番難しいので、しばらく考える必要があるのでしょうがね。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧